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小坂正則の個人ブログ

「持続可能」でも「グリーン」でもない原発をEU欧州委員会は認めるな!!

原発はCO2削減にならなばかりか、人類滅亡を加速するだけの愚かな選択でしかない
小坂正則





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ドイツ新政権の3党首
左から緑の党共同党首のベアボック氏とハベック氏、
社会民主党(SPD)の首相候補オラフ・ショルツ氏、
自由民主党(FDP)のクリスチャン・リントナー党首

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マクロン首相が21年10月に小型モジュール炉の建設を進めると表明



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大型原発と小型モジュール炉の概念図


欧州委員会が原発を「EUタクソノミー」に含める?

欧州委員会は1月1日、原発と天然ガスを気候変動防止の活動として認める『EUタクソノミー』とする方向で検討を開始した」と発表しました。『EUタクソノミー』とは2050年に二酸化炭素実質ゼロを実現させるためにEUが独自に定めた制度で、気候変動など6つの環境分野に貢献する活動を差し、それらの事業を「グリーンな投資」と呼び、普及・促進させるものです。もし、原発がこんなものに定められたら世界中で、また原発建設に弾みがつくことでしょう。
これはEU内で原子力への依存度が高いフランス、フィンランド、チェコなど、「二酸化炭素を多く排出する石炭エネルギーからの移行を果たすために原子力は欠かせない」と主張する国々から提案されたものです。しかし、原発全廃を掲げるドイツ、オーストリア、ルクセンブルクなどは、「EUタクソノミー」に天然ガスと原発を含めることに反対しています。これから欧州員会内で「原発と天然ガス」の議論が始まるでしょうが、少なくとも天然ガスはやむを得ないとしても原発だけは「EUタクソミー」に入れさせてはなりません。
EUタクソノミー規則は2020年7月に施行され、持続可能な経済活動の目的として、(1)気候変動の緩和、(2)気候変動への適応、(3)水・海洋資源の持続可能な利用と保護、(4)循環型経済への移行、(5)汚染の予防と管理、(6)生物多様性とエコシステムの保護・再生の6類型を規定している(2020年6月30日記事参照)。それぞれの目的に沿った経済活動を明示した詳細なリスト(グリーン・リスト)を委任規則によって定めており、2021年4月に第1弾として、気候変動の緩和と気候変動への適応をカバーする委任規則を公表(2021年4月22日記事参照)し、1月1日から適用が開始されています。

原発は温暖化防止対策にはならない

原発は、ウランの採掘から原発の運転、廃炉に至るまで、放射性廃棄物を生み出し、環境中に放射性物質を出し続け、持続可能性や環境保全とは真逆のものです。しかも、原発の建設から廃炉や、ウラン鉱石の採掘から濃縮に、使用済み核燃料の保管まで莫大な石油などの化石燃料を使わなければ動かすことができないのです。原発を進めている国では使用済み核燃料を地下に埋設処分することを進めていますが、計画が進んでいるのはフィンランドのオンカロだけです。そこでも地下通路には水が染み出ているそうなのです。そんなところに埋め捨てたら、地殻変動で高レベルの放射能が地上に染み出てくることが、絶対ないとどうして保証できるでしょうか。もし、安全に保管しようとするなら、それこそ原発で発電した何十倍や何百倍ものエネルギーを使わなければ安全には保管できないのです。ですから原発がCO2を出さないというのは真っ赤な嘘なのです。
しかも、地下に埋め捨てるというのは、あくまでも事故がないという前提での話です。チェルノブイリも福島原発も事故を起こした原発を安全に元通りにすることなど出来っこないのです。
東京新聞3月23日号」によると「東京電力福島第一原発事故から10年間で、廃炉作業や被災者への損害賠償、汚染地域の除染といった事故処理にかかった費用は少なくとも13.3兆円に上ることが本紙の取材で分かった。政府は処理費を総額21.5兆円と見込むが、廃炉作業などが難航し、想定を上回る可能性が濃厚。」とあります。しかし、メルトダウンした核物質はまだ一片も取り出されてはいません。これから何十年と取り組んでも不可能でしょう。不可能でも東電はやり続けることでしょうが、諦めるまでには100兆円以上使うことでしょう。そのためには福島原発1号から6号が生み出した電力の何百倍どころか何万倍ものお金とCO2を出し続けるのです。これまでに1979年のスリーマイル島原発や1986年のチェルノブイリ原発に2011年の福島と3回の大事故を起こしました。僅か32年に3回の大事故です。ということは世界中に400機もある原発が10年から少なくとも20年に1回は大事故を起こすことでしょう。そのたびに国家が滅びるほどの大被害を被るのです。ですから正しい選択は脱原発しかありえないのです。
しかも地殻変動の少ないアメリカ大陸やユーラシア大陸ならまだしも、地殻変動の激しいプレート境界線の我が日本列島で原発を動かすなんて狂気です。

小型モジュール炉でも原子力産業は生き残れない

小型原子炉とは現在商用化している出力100万キロワット級の原子炉に比べて出力が小さくて、工場で原子炉本体を作って、何本もの原子炉を集合させて動かすもの。 従来の原子炉よりも構造が簡素で発電規模も小さく、理論上はメルトダウンしにくいと言われているのですが、最大の欠点が1機が10~30万キロワットしかないので建設コストが割高になることだと言われています。
そのような小型モジュール炉を日本の日立と米国ゼネラルエレクトリックの合弁会社はカナダに建設しようとしています。また、昨年10月、フランスのマクロン大統領はフランスは原子力開発から撤退はしないと表明し、今後2030年までに10億ユーロ(約1300億円)を投資して小型モジュール炉を開発すると表明しました。小型モジュール炉の開発によって、フランス政府が最大の株主の原子力発電会社アレバを再建させようとしているのです。アレバはフランス政府が株の45%を保有し、アレバSAが40%、三菱重工が5%日本原燃が5%など、日本企業も投資をしている半官半民の原子力企業です。ところが2000年代から建設が始まったフィンランドのオルキルオト原子力発電所3号機の建設が度重なる安全対策などの設計変更で完成が遅れに遅れて、それに伴う訴訟の影響で建設費用が膨らみ、多額の赤字を出すようになり、2014年度に約50億ユーロの損失に陥り、アレバは倒産の危機に直面したのです。現在、フランス政府により再建中で、マクロン大統領は小型モジュール炉によってアレバの再建・復活を夢見ているのでしょう。
しかし、発電コストを下げるために原子炉の大型化を進めたものが、小型化すればするほど発電コストはアップするわけですから、太陽光発電などとの価格競争に太刀打ちできるわけはなのです。

ドイツ新政府がEUを脱原発に導く

メルケル政権は2021年12月31日に3機の原発を止めました。ドイツの3党連立新政権(社会民主党・緑の党・自由民主党)も残る3機を今年中に停止させると明言しています。しかし、核兵器を保有するフランスは核兵器開発の原子力産業を支えるために、原発を動かそうと必死です。EUといっても、決して一本にまとまっているわけではありません。それぞれに駆け引きが行われていますが、ドイツ緑の党の強い姿勢から、ドイツが方向転換することは考えらえれないでしょう。なぜなら脱原発と再エネ・EVはCO2削減による温暖化対策だけではなく、21世紀の国際成長戦争なのです。特に中国と西側諸国との激しい競争がここ10年で決定的な勝負がつくでしょう。「グリーンニューディール」を進める米国とEUはEVや再エネ普及によって、ますます石炭火力と原発の発電コストが再エネよりも高くなり、石炭も原発も経済合理性がなくなってくるのです。
全世界で繰り広げられているEVとバッテリー開発と再エネ競争によって、電力のイノベーションが加速して、エネルギー革命がすぐ目の前まで来ているのです。しかし、その勝者が誰なのかはまだ分かりません。中国か米国か。日本のトヨタは生き残れるのか。これは日本の若者の雇用を守るという意味でも重要な国際競争なのです。
そんな、日本の産業界が生きるか死ぬかの国際的な産業競争時に、呑気に核武装と原発再稼働を夢見る安倍晋三の仲間みたいな能天気な人たちに次の時代を任せるわけにはいかないのです。


# by nonukes | 2022-01-23 22:41 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

国会議員の真っ先の仕事は「改憲議論より先に日米地位協定の改定」だ!


夏の参院選は「日米地位協定改定」で日本独立か
VS米国の属国を続けるかが最大の争点
小坂正則


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マスクなしで沖縄の繁華街をたむろする米兵たち



岸田政権のオミクロン封じ込めに大穴が開いていた

岸田首相の11月29日の記者会見で、「オミクロン株の封じ込めのために11月30日から外国人の入国を完全にストップする」という思い切った決断で、日本はオミクロン株を徹底的に封じ込めることができるかと思ったのですが、政府の封じ込めの網に実は大きな穴があったことが判明したのです。
沖縄県の琉球新報12月20日号によると「米軍キャンプ・ハンセンの基地従業員や軍属ら4人からオミクロン株に感染していたことが確認されていることを受け、沖縄県の玉城デニー知事は20日の緊急会見で、在沖米軍トップと小田原潔外務副大臣に21日午前に申し入れをすると発表。ハンセンからの外出禁止や本国からの移動停止などを求めた。」
そして具体的には「①米本国などから軍人軍属の移動停止②ハンセンの全ての軍人軍属へのPCR検査の実施③在沖米軍の健康保護体制のレベルを引き上げ、ハンセンに勤務する全ての軍人軍属の基地外への外出禁止④オミクロン株の検査体制の早期構築の4つ」政府によると「在沖米軍では直近1週間で186人の感染があった」と発表。(ここまで引用)。
米軍は米兵の中の何人がオミクロンに感染していたかなどは国家機密だとして公表できないというのです。それに米軍や軍属が米国から日本に入国する兵士などのコロナ検査を行わず、フリーで感染者を日本の米軍基地に入国させていたことが判明したのです。しかも米軍兵士が本国から韓国やイタリアなど日本以外の国へ入国するときには米国出国時にPCR検査を受けるが日本行きだけは検査をしていなかったのです。そこから次々と「日米地位協定」の大穴が分かってきたのです。そして、米軍兵士はマスクなしで飲酒をするので、沖縄県が真っ先にオミクロン株の集中砲火を浴びて、医療崩壊が起きたのです。
昨日現在、日本国内で1日に5万人以上がコロナに感染して、東京都では1万人以上がコロナの陽性者です。国内の5万人以上の陽性者の遺伝子検査を行えば、その大半が米国由来のオミクロンの可能性が濃厚なのですが、そんな検査を決してしないでしょう。

日本は米国の属国で決して独立国ではない

これまでの歴代の内閣はだれも「日米地位協定」には指一本触れようとしませんでした。それはなぜかというと、日米同盟は日本国憲法よりも上にあるからです。日米同盟による運用規定が「日米地位協定」です。歴代の自民党などの政治家は「日米同盟の実質的な中身である地位協定などに日本側から何か文句を言ったら内閣は吹っ飛んでしまうので、これだけは何があっても触ってはならない」と言い伝えられてきたのです。
その証拠が1995年9月4日の米兵による集団強姦した、強姦致傷および逮捕監禁事件です。当時12歳の少女に米軍兵士3名が集団強姦した事件で、日本の警察は容疑者を逮捕起訴ができずに、犯人は米国に送還されて、罪を償うことなく、そのまま釈放されたのです。
米軍により“起訴に至らなければ、関与が明らかでもアメリカ兵の身柄を日本側に引き渡すことができない”という日米地位協定の取り決めによって、実行犯である3人が引き渡されなかったことが大きな問題になりました。この事件に対し、沖縄県民の間に燻っていた反基地感情及び反米感情が一気に爆発し、同協定の見直しの機運が高まったのですが、結果は「地位協定の改定」ではなく、10月の日米により以下の合意文書を交したのです。「合衆国は、殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に日本国が行うことがある被疑者の起訴前の拘禁の移転についてのいかなる要請に対しても好意的な考慮を払う。合衆国は、日本国が考慮されるべきと信ずるその他の特定の場合について同国が合同委員会において提示することがある特別の見解を十分に考慮する。」という内容で、日米地位協定には指一本触れずに、米国によって「好意的な考慮を払うや十分考慮する」ということでお茶を濁してうやむやにしてしまったのです。
これは1858年に米国との間で結ばれた「日米修好通商条約」で取り決められた内容と同じかそれ以上の不平等条約です。当時の条約は米国人が犯罪を起こした場合幕府には裁判権がなかったことと関税などを自由に決められなかったことなどです。
しかし、日本政府には「日米地位協定」は敗戦国の日本には不平等条約はやむを得ないという諦め感が今日まで漂っているのですが、同じ敗戦国のドイツとイタリアには認められている逮捕権が日本にはないのです。それだけではありません。米軍は日本国のどの地にも基地を自由に作る権利があるのです。これも日本だけの米国特権です。またオスプレーがどこを飛んでも日本国内はOKなのですが、ドイツもイタリアも事前に了解を得なければ飛べません。国の首都に米軍基地があるのも日本だけです。しかも東京の制空権は米軍がもっているのです。まさに米軍は日本軍の再度の戦争を防ぐために東京に基地を置いているがごとくです。
また、欧米人だから仕方がないという諦め感に対しては韓国政府にも逮捕権はあるのです。だから、米兵が韓国に入るためにはPCR検査を受けて陰性でなければ入国できないのです。世界中に駐留している米軍で、これだけ不平等条約のあるのは日本政府だけなのです。フィリピン政府は米軍から駐留費を取って、逮捕権など全てを確保していました。最後には米軍を追い出すことまで行ったのです。

「ジャパンハンドラー」に操られている日本政府

1月19日の岸田首相の施政方針演説で「在日米軍基地周辺での新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた日米地位協定の見直しについて、首相は「考えていない」と改めて明言した」と新聞は伝えています。立民の泉代表の「日米地位協定と関連し、ドイツやイタリアなどでは駐留米軍に対する検疫が認められている」と指摘したのに対し、首相は「運用や安全保障環境など全体像の中で検討する必要がある。単純比較はできない」と釈明。「米軍基地周辺でのコロナ対策については、日米の当局者が協議する合同委員会で、連携強化に努める考え」と答えたのです。
岸田首相が言った「日米合同委員会」とは何のことでしょうか。
それは1960年に締結された日米地位協定をどう運用するかを協議する実務者会議のことです。そこでは在日米軍トップと日本の官僚が月に2回、米軍基地のニュー山王ホテル内で話し合う秘密会議のことです。ノンフィクション作家の矢部宏治氏によると最低でも60年以上これまでに1600回は話し合っているそうです。そこでは一方的に米軍や米国の利益に沿って日本政府へ様々な要求を突き付けるそうです。その中でも、岸田首相によると1月9日の会見で、「日米で不要な外出は認めないと大筋で合意した」と話し、「コロナ対策には協力を惜しまない」というありがたいお言葉を頂いたそうです。不要な外出はしないということは、必要ならばいつでも外出できるということでしかないのです。何の強制力もありません。しかも玉城知事が要請して半月も後にです。
日本政府の属国ぶりには呆れてものも言えませんが、各国の「地位協定」の改定には、それぞれ様々な事件や事故が繰り広げられた結果、改定が行われたのです
実は「日米地位協定」に指一本触れさせないのはジャパンハンドラーと言われる米軍族の特権を守るための要求なのです。米国政府や米国の上下議員は不平等条約に対して日本政府がなぜ声を上げないのか不思議に思っているそうなのです。米国の国務省の外交官もなぜ日本の外務省は米軍に要求しないのか不思議に思っていると言います。それはリチャード・アーミテージ元国務副長官などの知日派の「ジャパン・ハンドラー」の特権を守るために、日本政府に自らの様々な利権を要求しているのです。「日本政府が原発をやめれない」のもジャパンハンドラーの要求があるからです。

日米地位協定に指一本触れようとしない岸田内閣を吹っ飛ばそう

自公は米軍の属国政治家ですから「日米地位協定」に指一本触れる気はありません。さて隠れ自民党の維新はどうでしょうか。彼らは自らの親分の橋下と、その親分のパソナの会長の竹中平蔵の利権を守ることだけが目的の政治家です。行政改革を行って、行政をパソナに売り渡すことしか考えていません。それが維新の「身を切る改革」です。都民ファやそれにくっ付く国民民主は地位協定にどう考えているかを私は知りません。
日米地位協定の改定を本気で求めることが国会議員の最大の役目でしょう。日本国に米国人が何人在住しているかを政府は全く知らないのです。(成田や羽田から正規に入国する人の数は分かりますが、米軍基地にフリーパスで入る人数は不明です)沖縄に基地を押し付けているのも、米軍のオスプレイが低空飛行して危険な訓練をやめさせられないものみな、この地位協定のせいです。夏の参院選では「日米地位協定改定」と脱原発を野党共闘の柱にして結集すれば、どの政党が国民の生命と暮らしを守ろうとしているのかが鮮明に分かるでしょう。


参考資料です。ぜひ読んでください。

日本政府が原発から手を引けない本当の理由「第3次アーミテージレポート」



# by nonukes | 2022-01-23 14:09 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

立民の敗北は野党共闘が原因ではない

枝野氏の野党共闘への本気度が足りなかったり…
小坂正則
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11月2日の枝野幸男代表の辞任会見 
枝野さんご苦労さま。そしてこれからも一緒に日本国憲法を守ろう


4年前の「国難突破選挙」は北朝鮮のミサイル発射を利用してNHKのテレビが連日Jアラートを流しながら国民に「日本は北朝鮮に攻撃される危険性がある」と洗脳しました。ですから「国難突破」選挙は自民党が圧勝したのです。そして今度の選挙はどう考えても、4年前に圧勝した自民党の水膨れした安倍チルドレンの少なくとも50名以上は落選するとマスコミは予想していました。そして、その分は立民の議席が増えると考えていたのですが、投票箱の蓋を開けて見たら、何と自民党は15席しか減っていませんでした。それに公明党は3議席増で、維新は11議席から41議席と約4倍増です。国民民主党も8名から11名と3名増。れいわも3名の議席を確保しました。減ったのは立憲民主党が14議席減で、共産党は2議席減でした。私は立憲と共産党と社民党とれいわ新選組の山本太郎が加わった4野党共闘で、小選挙区で自民党の議席を野党が奪還できるのではないかという期待して、31日の投開票日には選挙速報にかじりついていたのですが、立民の1人負けで、自民と立民などの減った議員は30議席増の維新に行ったのです。
 また連合新会長の芳野氏は総選挙後に、「立民と共産との野党共闘で連合の組合員の票が行き場を失った」といい、「今後共産党との連携は認めるわけにはいかない」と公言していますが、確かに連合の一部の票は維新に行ったことは間違いないでしょうが、もし立民が野党共闘をやっていなかったら、もっと多くの落選者を出していたことでしょう。ですからこの野党共闘は決して無駄ではなかったのです。
むしろ連合を気遣って、「脱原発」や「野党共闘」を明確に出せなかったり、曖昧だったりしたことがの若者や女性の心を掴めなかったのではないでしょう。
そして、立民の敗北の最大の原因は投票率を上げきれなかったことです。それはもちろん立民だけの責任ではありませんが、共産党との共闘で離れていく有権者はいたとしても、それを上回る投票を棄権する有権者に投票所へ行かせるためのアピールが不足したのです。

今回の選挙は改憲派と改憲反対派のたたかい

「この選挙は改憲派と改憲反対派のたたかいだった」と選挙後に言ったのは元文科省事務次官の前川喜平さんです。また彼は、「維新を第三極と呼ぶべきではない。新自由主義と国家主義の最右翼ではないか」とか「立憲民主党の次期代表候補だったはずの辻元清美氏が落選したのは、返すがえすも残念だ」とも言っています。そして「政治家には言えないから僕が言うが、日本の有権者はかなり愚かだ」とも。今回の選挙は自公と維新に国民の改憲派と立民と共産や社民にれいわの立憲主義野党との戦に私たちは負けたのです。
自公に維新、国民らの憲法改正賛成派の議席を合わせると345議席で、憲法改正発議の2/3議席310議席を大幅に上回る議席数となったのです。そして、維新の大阪市長、松井代表は8か月後の参院選と同時に憲法改正の国民投票を行えばいいと記者会見でぶち上げていました。昨日には国民民主の玉木雄一郎代表は、国会での野党協議から離脱すると発表。維新と会派を組むのではないかと言われています。維新や国民の次の狙いは、立憲民主党を来年の参院選でずたずたに切り裂いて、野党は共産党とミニ政党だけという状況を作り出そうとしているのです。

吉村大阪府知事のやってる振りに有権者は騙された

投票日から翌日には枝野幸男代表は辞任を表明。国会開催の9日の総理の選出後に辞任して、年内に代表選を行うことになりそうです。そして何よりもショックなのが立民の大阪10区の辻本清美氏の落選です。しかも維新の新人に1万6千票もの差で負けたのです。この差を作り出したものは一体何だったのでしょうか。
維新によって保健所と公立病院を潰した結果、コロナ患者の死亡率が日本一高かかった大阪で、維新はコロナ対策にことごとく失敗を繰り返したのです。そしてコロナ陽性者を「自宅放置」して、多数の死者を出したにもかかわらず、連日夕方民放各社を回って、生番組で府民に「自粛要請」を呼びかける吉村大阪知事のやってる振りが府民の主婦層に「吉村知事がかわいそう」と維新の支持率を上げたのです。また、それがテレビの視聴率を取って、大阪の民放各局は、夕方のお茶の間に垂れ流した吉村の必死を装う映像が全国に流れた結果、政治に無関心な有権者は「改革の維新」という雰囲気に騙されて維新に投票したのでしょう。
そして、確かにコロナ対策に失敗した自民党に投票したくないという保守層の多くが立民にではなく、維新に入れたのでしょう。枝野氏には小池と吉村によるテレビジャックには手も足も出しようがありませんでした。はやり地方自治体でも取っている政党は有利です。テレビジャックができるからです。自民党の総裁選の過熱振りは異常でした。NHKは連日公共の電波を使って自民党の総選挙の宣伝を行ったのです。だから野党はどうしても国政選挙には絶対的に不利なのです。

立民は連合を気にして「野党共闘」が消極的だったり比例票を逃したり様々な要因が重なって…

今回の総選挙に対して自公は選挙中から「今回の選挙は体制選択選挙だ」といい、「自由と民主主義を選ぶのか、立民共産党の共産主義容認体制を選ぶのか」と、言って立民攻撃を繰り広げました。それに選挙後マスコミはこぞって「野党共闘は失敗だった」とまくし立てています。果たしてそうだったのでしょうか。今回の4野党による野党共闘は289小選挙中の217選挙区で実現。結果は62人の当選となったのです。しかも、自民候補に1万票以内に迫った選挙区が32もあったのです。もし、今回の選挙で立民が共産党との候補調整をしていなかったら、62人の大半が落選していたかもしれないのです。
また、野党共闘を批判するのは立民を中心とした野党ではありません。批判するのは「野党共闘」を面白く思っていない、御用マスコミと自公と維新と国民民主などに自民党を応援する電力総連や鉄鋼など組合の体をないていない、連合内の御用組合連の連中です。
しかし、枝野立民は中途半端な立ち位置で、連合にはいい顔をして、共産党とはあまり近づきす過ぎないような立ち位置で選挙に臨んだから負けたのです。
立憲民主党はリベラル保守として、小沢一郎氏や中村喜四郎氏に岡田克也氏などの長老がいます。彼らの保守票の票集め役として働いてもらいながら、ジェンダー平等の観点から女性幹部全面に出して、夫婦別姓制度の導入など、リベラルさを十分発揮しながら野党共闘を続けるべきだったのです。立民と共産党は政策的には似たところが多いですし、自公の横暴な国会運営に対しても共産党と連携するのは当たり前です。ですから「野党共闘」を今後も積極的に進めるべきなのです。

山本太郎氏の掲げる「消費税ゼロ」はあり得ない

れいわ新選組の山本太郎氏は選挙後の会見で、「インボイス廃止、消費税ゼロで共闘できるよう、話し合っていきたい」と語り、実質的に次の参院選では「消費税5%ではだめで消費税撤廃を条件」に立憲や共産党との選挙協議で求めることでしょう。そうすると「れいわ新選組」は左から立民を攻撃する勢力となり得るのです。むしろ維新との共闘もあり得るかもしれません。
「れいわ」がどう主張しようとも、消費税廃止などはあり得ません。現実として消費税が国税の半分近くを占めていて、社会保障の多くを担っている現状で、それに代わる財源をどう確保するのかということを説明できないですよね。現代貨幣理論(MMT)の支持者は、「自国通貨を持っている国は財源は赤字国債をバンバン刷ったらいい」という無責任な政策を振り撒いているのです。今日の国税の財源は現行の消費税の国民全員の負担にプラスして、法人税の累進税率徴収と金融商品への総合課税と所得税の累進率強化で賄うべきなのです。消費税の間接税は生活弱者へのしわ寄せが大きいという問題に対しては、所得の少ない非正規労働者やシングルマザーなどの生活困窮者への直接現金給付という形で救済すべきです。

野党共闘と市民の国民運動で改憲阻止と参院選へ

立民は議員党員中心で、一般党員がほとんどいません。だから党の足腰といわれる、実働部隊がいないため、ビラ配りやポスター貼りなどを行うボランティアの運動員がいないのです。これまでの民主党や民進党は、足腰の部分を連合の組合員に担ってもらっていたので、連合に頭が上がらなかったのです。次の参院選までに足腰を強くすることはできないかもしれませんが、立民は若者の支持を得るために積極的に若者に働きかけて、立憲主義を支持する市民との政治課題への連携を強め、地域の住民に信頼される政党をめざして、開かれた市民政党になるように全国の立民の市議や県議なども含めて国会議員は組織拡大に奮闘すべきです。
そして今度こそ、野党共闘で自公と維新の暴走を止めるために、普段投票に行かない有権者に憲法9条の改憲を阻止して、緊急事態条項などを許さないためにあなたも今度こそ投票所に行こうという呼びかける、国民運動を幅広く呼び掛けて投票率を大幅に上げるのです。
それこそ創価学会婦人部や生長の家などの宗教者とも連携して、平和憲法を守る国民運動を全国規模で作るのです。そして公明党への切り崩しだって試みるべきでしょう。すべてのたたかいは平和憲法を守るためです。
改憲派の国会発議を阻止するために、共産党や社民党にれいわも含めた改憲阻止の国民運動を組織して、憲法改悪させないたたかいと参院選をリンクしてたたかうのです。


# by nonukes | 2021-11-05 23:26 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

「パリ協定」の温暖化ガス削減目標では不十分

国連環境計画の報告書
パリ協定のCO削減達成でも今世紀末に2.7度気温上昇


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ノルウェ―の化石燃料自動車の販売実績2022年の4月には販売終了の予定



「パリ協定」の削減目標では不十分

10月31日からイギリスのグラスゴーで始まった「国連気候変動枠組み条約締約国会議」(COP26)の前に国連の環境計画(UNEP)は10月26日、各国が定めた温室効果ガスの削減目標を達成しても、今世紀末には産業革命前から気温が2.7度上がるとする報告書「ギャップリポート」を公表。この報告書によると、「9月末までに更新された目標を達成すれば30年時点で従来より7.5%減るが、それでも現在の排出量とほぼ変わらない。温暖化予測の気候モデルで計算すると今世紀末の気温上昇は2.7度になるというのです。

実際にはどれだけ削減すればいいのか

「パリ協定」では各国の2030年の二酸化炭素削減目標が掲げられていますが、今世紀末に15度上昇の目標達成には、排出を30年に45%(10年比)減、50年までに実質ゼロにすることが求められています。EUは2030年までに1990年比で温室効果ガスの排出量55%削減目標を掲げて、先進国を中心に2050年に排出ゼロを宣言する動きが広まっていますが、実現に向けた計画は漠然としていて、最大の排出国である中国や4番目のロシア、産油国のサウジアラビアなどは実質ゼロにする目標年を60年や70年としています。また、これはあくまでも自主的な目標であり、罰則などはありません。
日本政府は菅政権下で、当初2030年削減目標を2013年比26%だったのを46%とし、2050年実質ゼロと、削減目標を引き上げたのはいいのですが、その過程の具体的なロードマップは何も作られていません。また原子力の20~22%活用など困難な目標を掲げたり、石炭火力発電の占める割合を全電力の32%から30年度には19%の目標を掲げているのですが、EUなどから全廃を求めて集中攻撃を受けるでしょう。

日本の温暖化対策は時代に逆行している

実際にグラスゴーのCOP26に参加した岸田首相は現地時間の2日に3分間のスピーチをしましたが、具体的な取り組みなどの話はなくて、石炭火力の全廃をめざさないことにNGOは日本政府に2回目の「化石賞」を贈ると発表しました。日本政府の温暖化対策は、地震国の日本で地中にCO2を埋めて保管するというばかげたことを本気でやろうとしているのです。地震で地中の岩盤に亀裂が入って漏れ出すのは火を見るよりも明らかです。それと原子力と石炭火力にアンモニアを混ぜて燃焼させて二酸化炭素を減らすことや、高効率の石炭コンバイン発電でCO2を20%減すことができると言うのですが、そもそも先進各国は石炭火力の全廃を求めているのに、日本政府は一向にゼロを目指そうとはしないから「化石賞」を受賞するのです。
イギリスは2025年までに石炭火力を全廃。ドイツは2035年に全廃を掲げています。
この報告書で、日本を含む49カ国と欧州連合(EU)は、将来的に温室効果ガスを実質ゼロにする目標を掲げていますが、達成できた場合でも今世紀末には報告書の2.7度から0.5度は下がって、気温上昇は2.2度に収まる可能性はあると話しています。ただ、目標は漠然としているとし、アンダーセン事務局長は「各国は実質ゼロに向けた誓約をもっと具体的にして、削減目標に盛り込み、行動を前に進める必要がある」と指摘しています。
実際の削減目標は1990年比50%以上で、2050年には実質排出ゼロを完全に実現できなければ今世紀末に1.5度どころか、2.2度の気温上昇に抑えることも難しいでしょう。

グレタの発言は対立を煽るだけで対案がない?

今度の総選挙で麻生太郎は「北海道のコメがおいしくなったのは温暖化の御かげ」などと、温暖化を賛美するような発言を北海道で行いまいました。米国のトランプ元大統領や日本の政治家や起業家は目先の売り上げや景気には敏感ですが「温暖化」に対して懐疑的であったり無関心の者が多いのです。
ですから、「温暖化で不利益を被るのは私たち若者だ」とか「私たち若者の未来を奪わないで」と言って、いま世界中で多くの若者が「気候変動危機」に立ち上がっているのです。
知識人や文化人と称する評論家や学者などはグレタ・トンベリーの発言を批判していますが、その1人である、真山仁氏(小説家)は2020年6月16日の朝日新聞で「グレタの発言は批判を煽るだけで対案がない」とか「彼女はCO2の排出を抑えるためにガソリン車を止めて全て電気自動車に代え、飛行機も利用せず、可能な限り電車で移動するなどは一見対案のように見えるが彼女の求めいるCO2削減なんて到底無理だ」「彼女の批判には現実性がない」と言い、グレタの対案を実現するためには「原子力発電をふやすことしかない」と、無理やり原発を代替案として持ち込もうとします。「このままでは結果として原発推進が進むのは避けられなくなる」として、真山仁氏は「自分には対案がある。それは地熱発電だ」と言うのです。私も地熱発電を否定はしませんが、その前に発電単価が安いものに風力や太陽光にバイオマスなどがあるのです。

次世代の主役が決まったら世界中で一気に普及する

つまり大人と称する人たちは、可能性にかけるのではなく、できない理由を「ああでもない。こうでもない」と御託をべ立てて、努力をしようとしないだけの「言い訳人間」たちなのです。それは政治家にはもっと顕著に言えます。日本の重厚長大企業(三菱や日立や鉄鋼など)の経営者たちは「再エネなんて割高でコストに見合うまでは長い時間がかかる」と、自分に言い聞かせて、原子力発電や石炭火力発電にしがみ付いて世界から取り残されてしまうのです。その政治家版が自民党の原発族や石炭族です。彼らは「再エネは不安定で割高」と、今でもそう思っているのでしょうか。それなら自民党の甘利や安倍や高市たち原発族はバカか勉強を一切しない政治家劣等生です。
ここにその証拠があります。EUは2035年化石燃料車販売禁止を決めていますが、米国カリフォルニアを含む12州も2035年化石燃料車販売禁止を打ち出しています。ハイブリッドも販売できません。そして、ノルウェ―はEUよりも10年早く、2025年には化石燃料車の禁止を打ち出したのですが、何と今年にはガソリン車などの販売が10%を切ったそうで、半年後には化石燃料の新車は販売終了する勢いなんだそうです。つまり、私は何を言いたいかというと、将来の方向性が決まったら、産業界も個客も一気にその方向へ集中周十倍もするということなのです。そしてそれへの加速化は計画よりも数倍も数十倍も早く達成されるということなのです。太陽光発電は今日のようなコストが90%以上安くなるのに20年も30年もかかりましたが、一定の技術がほとんど完成している自動車のガソリンからEVに切り替えるには、技術的な壁はほとんどありません。社会がこれで進むと決めれば、一斉にその方向に進むのです。そして、大量生産化が実現するとEVのバッテリーやコストは安くなり、安くなれば加速的に販売も増えるのです。
これはパソコン高性能化と低価格化でも証明された現象です。今頃、今後10年かけて高性能のエンジン開発を行うと決めた日産は自殺行為としか言いようがありません。ホンダは2025年にはエンジン部品工場を閉鎖し、2040年にはエンジン車全廃を発表しています。私の一番の心配は、トヨタがEV化に乗り遅れて倒産するのではないかということです。部品メーカーをたくさん抱えているトヨタの苦悩は分かるのですが、恐竜が絶滅したような目に合うのではないでしょうか。

「国益や企業利益の交渉には任せられない」と、立ち上がった若者に続こう

 2017年の8月にスウェーデンのグレタトンベリーが15歳で、国会前に毎週金曜日に「気候のための学校ストライキ」という看板を掲げて、ひとりで座り込みをして4年が経ちました。いま彼女は19歳です。その彼女が撒いた種はしっかり芽を出して、世界中の若者を大人の言うことを聞かない「物分かりの悪い若者」に変えました。「君たちはしっかり勉強して大人になったら社会の仕組みが分かるよ」とか「子どもたちの将来のためにいまは我慢の時なんだよ」とか、「家では優しい大人たちが、一歩社会に出たら自分を殺して長いものに巻かれて、会社や上司の言いなりになる」という大人たちを彼らは乗り越えたのです。
 トンベリーはアスペルガーの発達障害をもっている女性です。だから、人への忖度や人との協調が苦手です。だからこそ、場の空気を読まない彼女だからこそ、大人の言いなりにはならなかったのです。
 彼女たちは「大人たちは嘘つきで、私たち若者の未来を奪っている」と訴えています。なぜなら各国は自国の利害や企業の利益を優先して、できるだけ犠牲を少なくするための交渉ごとで、何とか逃げ切ろうとしているのです。だから大人たちや政治家は、やろうと思えばできることでも自分から進んでやろうとはしないのです。だから彼女はできることの最大限のCO2削減を先進国は率先してやるように要求しているのです。
 また、彼女の論理は決して幼稚でも現実離れをした空論でもありません。彼女は「地球温暖化」のことだけで騒いでいるのではありません。「グレタ・トゥンベリさんは、炭素排出、感染症流行、動物の苦しみという3つの問題を解決するため、世界的な食品生産と消費のあり方の変革に照準を合わせる姿勢を表明した」と2021年5月24日のロイターの記事があります。それによると、(以下転載)

人類が植物由来の食事でCOを年間80億トン削減可能

 農業が環境に与える影響や、新型コロナウイルスなど動物が発生源とされる感染症の拡大は、食品生産の変革によって軽減されると表明。「われわれと自然の関係は壊れてしまったが、関係は変革できる」と訴えた。
 これまでグレタさんは政策当局者や化石燃料からの炭素排出に怒りを向けるのが常で、農業に焦点を合わせ、気候変動と感染症流行を結びつける発想は新しい。
 グレタさんは、「気候、生態系、健康の危機は、全て関連し合っている」と指摘。動物から人間への感染は飼育方法が原因とし、植物性食品を中心とした食事に移行することにより年間最大80億トンの二酸化炭素排出が削減できる可能性があると付け加えた。
 世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスがコウモリから他の動物を介して人間に感染した可能性が高いとしている。また、1990年から2004年に発生した感染症のうち60%は動物が感染源との報告もある。
 一方、健康や環境への配慮から代替肉への需要が世界的に高まっており、20社以上が同分野への参入に向けて実験室で魚や牛肉、鶏肉の試験生産を行っている。バークレイズ証券によると、代替肉市場は29年までに1400億ドルの規模になる見通し。
 動画の中でグレタさんは、「今の食料生産のやり方を続ければ、大半の野生動植物の生息地を破壊することになり、無数の種を絶滅させるだろう」と続け、「気候危機の元凶といえば、もちろん化石燃料企業が思い浮かぶが、農業や土地の使用による二酸化炭素(CO2)排出量を合計すると、全体の約4分の1になる。これは大きい」と述べた。「私たちが植物由来の食事に変えれば、二酸化炭素の排出量を毎年最大で80億トン削減できるだろう」 (AFP)(ここまで引用)
 彼女の論文を別ページに掲載していますが、彼女は「気候変動」だけを訴えるヒステリックな少女などではありません。彼女は若くしてしっかり問題の本質を見極める目を持った科学者です。1年間で4千種の動植物が絶滅している地球の環境破壊に対しても声を上げています。地球の危機は温暖化と森林伐採による動植物の絶滅の危機とプラスチックなどによる海洋汚染など、様々な地球環境の危機に地球は見舞われているのです。そのどれを取っても重要な課題です。私たちもグレタのように目をそらさず、しっかりと直視して一緒に考え行動しよう。
人々が不可能とか夢だと思っていたことも、人々が可能かもしれないと思った時から、それは夢ではなくなり現実へと一歩近づくのです。
私たちは「空論だ」とか「現実性がない」と言って、若者の思いや夢を切り捨てたりしないで、彼らの話をしっかり聞いて、そこから地球の危機を救うために若者と一緒に立ち上がろうではありませんか。





# by nonukes | 2021-11-03 17:06 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

エネルギー・ヒストリーなぜ日本は貧困国へ転げ落ちたのか

原発と石炭火力中心の悪夢の安倍政権によって
        撤退を余儀なくされた国産風力発電
小坂正則



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日本企業のNTNシェア50%のベアリングが使われている風車の構造
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原子力と風力と太陽光の伸び率の比較




日本にも以前は風力発電を作る大手企業がありました。三菱重工業、日立製作所、日本製鋼所の3社です。しかし、残念なことにこの3社は全て風力発電事業から撤退してしまいました。その中の最大手の三菱重工業は、1980年代に風車事業を開始し、大型化を進めて、再生可能エネルギーの優遇政策を推し進めた米国のカリフォルニア州で風力発電事業に乗り出したのですが、2008年のリーマン・ショックで風向きが変わり、順調に伸びていた注文が相次いでキャンセルになった。そして風車の軸受けの故障などトラブルも続ぎ、赤字に陥っていたこともあり、米国事業からの撤退して、大型化が難しい陸上風力事業そのものからも撤退を余儀なくされたのです。
その後、洋上風力の可能性に賭け、三菱重工業はリーマン・ショックの影響で経営難にあったデンマークの風車大手ヴェスタス社との合弁会社を設立して、成長が見込める洋上風力で風車の設計・開発から生産・販売までを共に手掛けるスキームで、事業を展開して来たのですが、結果的には思うような成果が出せなかったため、昨年の10月にべスタス社へ合弁企業の株を売却して、洋上風力の生産から撤退してしまったのです。

三菱重工が風力から撤退した理由

日経ビジネスの10月21日号に「三菱重工は風車で世界一になれたはずだった」という記事で、加藤仁氏、日本風力発電協会代表理事。三菱重工業のエネルギー・環境統括戦略室長、風車事業部長などを経て、2014年にMHIヴェスタスの共同最高経営責任者となった三菱の風力発電トップの方が日経新聞の記者のインタビューに答えています。
加藤氏:今振り返れば、三菱重工業が風車で世界一になることもできたと思う。
加藤氏:様々な理由が考えられるが、相手が技術開示に慎重だったことも一因。次に事業採算が見通しにくかった洋上風力への慎重論が三菱の社内で根強くかったことも理由。
また、三菱重工の原動機事業では、原子力や石炭火力があくまで主流で、LNG(液化天然ガス)火力に用いられるガスタービンですら、長らく「カス」タービンと揶揄(やゆ)されていた。ましてや1基当たりの出力が小さい風力発電は傍流。ここまで大きな市場になると思っていた人は、誰もいなかった。
加藤氏:やはり、国内の「ホームマーケット」がなかったことが日本の風力産業にとっては、決定的に不利に働いた。風力は規模の経済がものを言う。事業の立ち上げ期に足元に市場があれば技術を磨きやすく、導入量に応じてコスト競争力も高まる。
例えば、風力大国のデンマークは1980~90年代に、原子力は導入せず、風力を中心とした再生可能エネルギーによって火力依存から脱却することを、国民全体で議論して決定した。こうして国の方針が明確になったことで、早い時期に市場が一気に立ち上がった。
欧州は日本に比べて風況が良いこともあり、オランダの風車に象徴されるように風力利用の歴史がそもそも長い。後発の日本勢が追いつくには、国内市場をいち早く立ち上げる必要があった。
加藤氏:12年に日本でも遅ればせながらFITがスタートしたが、環境影響評価(環境アセスメント)に数年を要する風力に比べて、すぐに設置しやすい太陽光が政策的に重視され、非常に高い買い取り価格が設定された。容量に限りがある電力系統は海外製の安価な太陽光で占められてしまい、風力が入り込む余地はわずかしか残らなかった。
風力市場をつくるための適切な政策支援が早い段階からあれば、風力事業に対する投資判断も違ったはずで、結果は大きく変わっていただろう。
昨年12月、国内で40年までに実に最大4500万kW(原発45基に相当)もの洋上風力を導入する「洋上風力産業ビジョン」が官民協議会で策定され、潮目が変わった。
加藤氏:それでも洋上風力導入の政策決定で、日本は欧州に20年以上の差をつけられた。ここからどう巻き返すかだ。ビジョンには、40年までに洋上風力設備の「国内調達比率60%」という目標も明記された。洋上風力発電設備は様々な部品や資材で構成されており、設置や保守にも専門的な技術を要する。太陽光などと比べて産業の裾野が広いため、ポストコロナの日本経済再生の起爆剤として大いに期待できる。(ここまで引用)
さて、加藤氏は経産省に遠慮してか「今後、日本企業は世界へのサプライヤーとして、大きな可能性がある」とは話していますが、部品を供給する下請けの仕事では儲けは知れています。アイフォンの中の部品の大多数が日本製だったころ、アップルは中国の企業に「これと同じものを安く作ってくれ」と頼んで、部品の値引き競争に日本の企業は追いやられたのです。部品を作るのでは儲けは僅かしかありません。完成品を作る企業でしか生き残る術はないのです。だから完成品を作るトヨタが今のところはガソリン車では世界一強いのです。電気自動車の時代になったら、そうはいきませんが。

日本は部品屋としてしか生きていけないのか

三菱はオランダの風力発電の世界最大手べスタス社という超一流の企業を傘下に収めることができたにも関わらず、風力発電事業の発展を予見できずに、撤退してしまったのです。べスタスの株式を全株買収して三菱の傘下にしていたら、今頃はべスタスの技術を共有して、三菱製の洋上風力発電を世界中に売り歩くことができたのです。それも僅か数年前に見誤ってしまったのですから、私が三菱の幹部だったら、誰が反対してもべスタス社を買収していたでしょう。だって、原子力部門なんて脳死状態で、造船も虫の息ですし、三菱重工が生き残るには風力発電事業しかなかったのですから。
この三菱という1企業の誤った判断によって、どれだけ大きな日本の若者の雇用を失ったことでしょうか。数万人の雇用を失ったことは間違いないでしょう。
なぜなら風力発電の部材は自動車の部材の3万点には及びませんが2万点の部品が使われているのです。そしてその部品の大部分が日本の企業で作られているのです。風車の羽根は従来のガラス繊維に代わって、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)となり、供給メーカーは東レをはじめ、三菱レイヨン、帝人系の東邦テナックスなどの日本企業が大多数です。風車の軸受けや風車の部屋のナセルを回すベアリングはNTNが世界のシェア50%です。ギアボックスも九州のメーカーが進出してます。北九州市は洋上風車の総合建設場所として響灘の埋め立て地に「グリーンエネルギーポート」として名乗りを上げているのです。しかし、風車を作るメーカーが日本にはなくなってしまったのです。

「すぐそこにある再エネ社会」
     太陽光と風力がカギを握る

飯田哲也氏の2021年7月15日エネルギー・デモクラシーの記事に「すぐそこにある再エネ社会 ? 誰がこの転換を妨げるのか?」という題の記事があります。以下はその記事の引用です。

世界中で、100年に一度のエネルギー大転換が進んでいる。再生可能エネルギーが、とくに太陽光発電と風力発電を中心に加速度的に進展しており、直面する気候危機の最大の解決策として期待されている。ところが日本だけは、その大転換から取り残されているばかりか、旧い考え方にとどまったまま、ようやく離陸し始めた太陽光発電市場さえ失速し、崩壊しつつある。
電力分野では、普及拡大とコストダウンが著しい太陽光発電と風力発電が中心となって再エネへの大転換が進む。この10年で世界全体の風力発電は716GWへと3.6倍に拡大し、コストは7割下がった。太陽光発電は730GWへと18倍に拡大し、コストは九割下がった。いずれも、今や世界の多くの国や地域で石炭火力を下回るコストになり、さらに今後も下がってゆく見込みだ。ドイツが2000年に導入した固定価格買取制度(FIT)が中国を始め世界各国に広がり、それが市場拡大と技術学習効果による性能向上とコストダウンという好循環を生み出したのだ。(ここまで引用)
このように地球温暖化防止の主力は風力と太陽光なのです。そして太陽光は20年前には世界一だった日本は、いろな理由で世界から転げ落ちました。そして今度は第二の風力でも転げ落ちたのです。
地球温暖化防止の1翼を日本は2つも失ったのです。しかも日本の産業界は「自動車だけの一本足打法」と言われています。その一本足も怪しくなってきているのです。電気自動車からトヨタやホンダは一歩も二歩も遅れているのですから。トヨタを失ったら、これから日本の産業界は何で食って行けばいいのでしょうか。

悪夢の安倍政権が風車を潰し 
   日本を貧困国に追いやった

こんな無様なことを日本政府・自民党政権は失態を繰り広げてきたのです。原発と石炭火力にしか力を入れなかった悪夢の安倍政権の8年間の悪行です。もし民主党政権が続いていたら、三菱も日立も風力から撤退することもなく、政府の重点政策として大型風車の研究開発に国家予算をつぎ込んで、世界一の風力発電会社が何社も生まれていたことでしょう。私は悪夢の安倍政権が残念でなりません。
熊本に台湾企業TMCという半導体を作る企業を誘致するために5千億円を補助して、企業誘致をするという計画です。この台湾企業の実質のオーナーは中国です。株式という形で投資するのならまだしも、無償でプレゼントするのです。そんな金があるなら、今からでもいいので、三菱や日立に、5千億円の無償融資でも行って、「べスタスに追いつき追い越せ」と風力発電の失われた20年を取り戻すために大枚をばら撒いてはどうかと私は思います。
なぜなら、これから日本の近海に政府の計画では洋上風力発電を100万キロ原発45基分の風力発電を作るのです。それを税金と国民の電気料金で賄おうとしているのですが、その事業で儲けるのは中国の風力発電企業でしょう。日本人の懐の僅かな金は全部中国企業に持っていかれるのです。


# by nonukes | 2021-11-02 19:04 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則

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