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小坂正則の個人ブログ

米国の罠にハマったプーチン大統領によるウクライナ侵攻の悲劇

ウクライナは犠牲者で、プーチンは負け、バイデンだけが得をする
小坂正則



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ウクライナ軍に破壊されたロシア軍戦車

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ウクライナのネオナチ民兵


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NATOの公式HPに掲載された義勇兵の女性
実はネオナチの紋章があったので慌てて削除


大国による侵略戦争は失敗する


バイデン米大統領が2月19日からロシアはウクライナに侵略すると言い続けていたが、2月24日、まさかプーチン・ロシア大統領が隣国の旧ソ連邦の仲間であるウクライナを武力侵攻するとは思っていませんでした。しかも反ロシア派のゼレンスキー大統領が気に入らないからという理由だけで、武力で政権を転覆させて、親ロ派の傀儡政権を作ったところで、そんな傀儡政権は長続きはしません。ソ連が1979年にアフガニスタンに侵攻して、親ソ派政権を守るために反政府軍ゲリラと戦ったのですが、タリバンとビンラディンなど反政府ゲリラ軍を米国が支援して抵抗させた結果、10年後にはソ連は退散しました。1991年のソ連邦崩壊はアフガン侵攻による軍費とチェルノブイリ原発事故による経済破綻が原因だと言われています。
それよりも前に米軍によるベトナム戦争でも証明されています。1964年のトンキン湾事件を米軍が自作自演して以降、米軍は本格的にベトナム戦争に介入して1973年のベトナム撤退まで莫大な戦費と4万7千人余りの米軍兵士の生命を費やして戦った不毛の戦争でした。その後も、米軍は懲りずに2001年911テロ事件を受けて、イラクとアフガンへ侵攻して昨年の8月にアフガン撤退まで20年間も侵略を続けて、米軍は追われるようにアフガンから撤退したのです。
そんな大国による小国への侵略は結局はうまくいかないことぐらいは利口なプーチンに分からないはずはないと思ったのですが、実際にはまんまとバイデンの予言とおりにプーチンはウクライナに攻め入ったのです。
しかし、3月19日現在、ロシア軍は首都キエフ近郊まで攻め込んではいますが、ウクライナ軍の激しい抵抗に遇って攻めあぐんでいるようです。しかも、ロシア軍による無差別攻撃によって多くのウクライナ市民が犠牲になる映像が世界中にSNSで流れて、戦争犯罪者で独裁者プーチン大統領という非難の声が響き渡っているのです。今後、プーチン大統領が失脚しない限りロシアの経済も文化も蘇ることはないでしょう。
仮にウクライナのジェレンスキー大統領が無条件降伏して、ロシア軍の勝利に終わったとしても、ウクライナをロシアの意のままにできるわけはありません。ロシア軍が撤退するまでアフガンで行われたように、ウクライナ市民によるゲリラ戦やテロ攻撃が繰り返されるでしょう。

ロシア軍は直ちに停戦に応じるべき

一般市民の住宅や高層マンションへロシア軍は攻撃をしかけています。ロシア軍は市民への攻撃はしていないと言ってますが、都市全体が焼け野原となっているドローン映像を見る限り、ウクライナ軍による偽旗作戦(やらせ)とは思えません。日本のフリージャーナリストの田中龍作氏がキエフから報告していますが、ロシア軍の方向かた爆撃が繰り返されていると言っています。今回の一方的なプーチンによる「特別軍事作戦」は、東部のドネツク・ルガンスク自治区住民へのウクライナ軍による攻撃から両自治区の住民を守るためのたたかいでるなら、ミンスク合意の停戦を守らせる平和維持軍などの国連による仲介を入れれば済むことであり、攻撃を続ける何の理由にもなりません。
プーチン大統領が「特別軍事作戦」を行った理由は、NATOの拡大によりウクライナがNATOに加盟したらロシアの隣に米軍基地ができて、そこからいつでもモスクワにミサイルが撃ち込まれことを恐れてウクライナを緩衝地帯にしたかったあからと言われています。ドネツク・ルガンスクの防衛は口実にすぎません。ウクライナのジェネンスク大統領は「NATO加入は難しい」と話しているのですから、プーチン大統領の目的の半分はかなったはずです。また、ゼレンスキー大統領も「ウクライナの中立化」など最大限の要求は呑んで、これ以上の市民の犠牲者を出さないで、一刻も早く停戦に応じてほしいものです。そして外国の義勇兵を受け入れて戦争を長引かせることはやめてほしいです。また18歳から60歳の男性の出国を認めないことなどはシリアやイラクでもなかった非道な政策です。戦争や暴力を拒否す男性の国外脱出は認めてほしいものです。生命さえあれば、戦争が終わってまた国の再建もできるのですから。私がウクライナ国民だったら、さっさと逃げるでしょう。

プーチン大統領にも三分の理?

ウクライナ政府は2014年のクリミア半島の独立とロシアへの統合やドネツク・ルガンスクの自治区はロシアがそそのかして作ったと言いますが、クリミア独立の住民投票は95%が独立賛成でした。そしてロシア語を母国語として暮している住民が多数いる地域の自治区を認めることはあり得ると私は思います。独立国となると話は別ですが。また、ウクライナやポーランドには戦前のドイツ占領時にナチスの残党がたくさんいて、戦後ドイツ国内のナチスは徹底的に根絶させられたのですが、米国CIAによって、ソ連への反対勢力として温存された結果、ウクライナのオレンジ革命の裏で米国はネオナチ勢力による暴力的なデモで2014年2月には親ロ派のヤヌコビッチ大統領を追放して、反ロ派の政権を誕生させたのです。それには当時米国の副大統領だったバイデン現大統領も大いに関係しているそうです。そして2014年5月2日南部のオデッサで反ロ派のネオナチと市民のデモで親ロ派の住民25名を労働会館に閉じ込めて焼き殺すなど48名のロシア派の市民を殺害して200人以上を負傷させるという事件が起きたのです。このようにウクライナにはネオナチによる事件は繰り返されて来ました。もちろん親ロ派による攻撃も行われているで南部では暴力的な対立が絶えなかったのです。だからと言ってプーチン大統領が他国に侵攻していいという理由にはなりませんが。
ウクライナがNATOに入りたいという話をプーチン大統領は「約束違反だ」と言うのも理由はあります。
ジェームズ・ベーカー米国務長官が1990年2月9日、ミハイル・ゴルバチョフ・ソ連党書記長と会談した際、NATOを「東方へは1インチたりとも拡大しない」と言った。正確にその時の発言を引用すると、統一ドイツがNATOの加盟国としてとどまれるなら、「NATOの今の軍事的、法的範囲が東方に1インチたりとも広げないと保証することが重要だと思っている」と述べた。
これは2017年にジョージワシントン大学の公文書アーカイブズにべーカー国務長官などとゴルバチョフの間で「NATOは1インチも東側には拡張しない」密約文書を交したとう報告書があるそうです。当時のゴルバチョフは西側を前面的に信じていたので、公式な文書としては交わしていなくても「約束」ごととして信じていたのでしょう。だからソ連側はワルシャワ条約機構を廃止したのです。しかし、その後NATOは1955年に15か国だったのが勢力を拡大し続けて、1999年にはワルシャワ条約機構加盟のチェコ、ハンガリー、ポーランド。2009年にはアルバニア、クロアチアなどに2021年にはボスニア・ヘルツェゴビナ、ジョージア、ウクライナがNATOに加盟したいと手を挙げたのですからロシアとしては面白くないでしょう。

米国バイデン大統領には戦争回避の責任

米国バイデン大統領はロシア軍の計画を随分以前から知っていました。しかし、プーチン大統領の「特別軍事作戦」を止めようとした気配がありません。むしろロシアとウクライナを煽って戦争に突入させたとさえ思えます。なぜならバイデン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領に対して、過激な発言をやめさせることはできるでしょう。米国の意に反してゼレンスキー大統領が「NATOに加盟したい」とは言えないはずです。バイデン大統領はプーチン大統領とゼレンスキー大統領の三者会談で話し合いで手打ちができる立場にいたのです。何せ米国よりも強い国はないのですから。バイデン大統領が「ウクライナをNATOには加盟させずに中立国とすることを約束する」とプーチン大統領に言えば戦争は防げたのです。
私は戦前の日本軍が真珠湾攻撃を行った愚行と今回のプーチン大統領の愚行は同じに見えます。日本が中国を侵略して満州国をでっち上げるのは米英など帝国主義列国は面白くありませんでした。そして日本の東南アジアに侵攻を止めるために米国は日本への石油の輸出を止めたため米国との無謀な戦争を日本軍は行ったのです。しかし、日本軍の暗号を米国は全て解読していて、真珠湾攻撃を当時のルーズベルト米国大統領は事前に知っていました。しかし、米国が日本と戦争するためには国民の日本軍への怒りを湧き起こす必要があり、あえて真珠湾を攻撃させたのです。それも廃船まじかのボロ艦船ばかりを攻撃させたのです。これって何か今回のウクライナ攻撃のロシアに似ていませんか。結局、太平洋戦争で一番得をしたのは米国です。ヨーロッパ諸国は戦場になって大きな打撃をうけましたが、米国は無傷で世界一の経済と軍事大国の地位を築いたのです。
しかも、米国はイラクが核兵器を作っていて核攻撃の可能性があるという理由でイラク国民を無差別攻撃したのに、核兵器はありませんでした。ロシアがウクライナに侵攻したのと同じです。しかし米国は何の経済封鎖にも遇っていません。国際司法裁判所はロシアのウクライナ市民への攻撃は戦争法違反だとして断罪しましたが、米国がイラクやアフガンを攻撃して民間人を殺害しても国際司法裁判所が米国を断罪したという話は聞いたことがありません。
それどころか、昨年8月に20年も侵略を続けたアフガンから米国は撤退したというのに、戦争で壊した町や人々への補償もするどころか、アフガン政府の米国資産の凍結も解除していないのです。バイデン大統領はプーチンに対して、「プーチンは戦争犯罪人だ」と言ったそうですが、それならアフガン政府の財産を凍結解除しないバイデン大統領こそ、戦争犯罪人だと私は言いたいと思います。アフガニスタン政府を構成しているタリバンは選挙で選ばれた政府ではありません。それは当たり前です。米軍が傀儡政権をでっち上げて、暴力的に米国のいいなりの政権を武力でアフガン国民に押し付けていたのです。そのような傀儡政権を倒すには武力でしか対抗できなかったのです。
私はロシアや中国などの共産主義の独裁国家は好きではありません。そして私たちの国など西側諸国は議会制民主主義の国家です。しかし中東やアフリカなどは部族社会でした。領主や部族長は身銭を切って部族民を守り、平和と治安を維持する役目があり、部族長が部族民の信頼を失ったら長老らによって解任されるのです。これこそ広い意味での直接民主主義社会かもしれません。そんな原始共同社会制度も1つの社会制度としてあってもいいのではないでしょうか。資本主義と間接民主主義が人類の作った完璧な社会制度だとは私は決して思いませんから。

世界中の心ある市民が立ち上がれば戦争は止められる

最後に、今夜のTBS報道特集で金平茂紀記者がベラルーシの取材の報道がありました。ベラルーシの女性が涙ながらに「1日も早くウクライナへの侵略戦争が終わってほしい。そしてウクライナには勝ってほしい」とか、ロシアを批判するインタビューがありました。私は涙なしには見れませんでした。ロシアの国営放送のテレビニュースの画面に突然現れた女性が手作りのプラカードを持って「プロパガンダに騙せれないで」と命がけの行動に出ました。ロシア国内ではウクライナ戦争反対のデモが連日繰り広がれています。1万5千人以上のデモ参加者が警察に拘束されているそうです。戦争犯罪の責任はロシア市民にもベラルーシの市民にもありません。プーチン大統領など一部の政治家の責任です。私たちは今こそ、ロシア市民やベラルーシ市民やウクライナ市民とも共に世界中から「戦争反対」と「平和」の実現を求める声を上げましょう。そしてウクライナの市民とウクライナ兵とロシア兵に、これ以上の犠牲者が出ないよう一刻も早く平和が訪れることを願っています。



# by nonukes | 2022-03-19 16:41 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

原発推進派?から出て来た「依存度低減へ国民的議論を」

政府から独立した「原子力評価委員会」を設置して議論を行うべきだ
小坂正則

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鈴木達治郎51年生まれ。東京大博士(工学)。
元内閣府原子力委員会委員長代理





日経新聞2月24日号に長崎大学の鈴木達治郎教授(元内閣府原子力委員会委員長代理)の「原発政策を考える、依存度低減へ国民的議論を」という記事が掲載されていました。
これまでには反原発の学者や文化人による記事で「原発は時代遅れである」ことや「他の発電方法に対して割高である」などの記事は目にして来ましたが、原発推進派の中から公然と「脱原発」を訴える文章が出てくることも珍しいので、考察してみたいと思います。
氏の提案は以下の3つのポイントにあると最初に提案しています。

①原発の脱炭素電源としての役割は限定的
②日本では事故に伴うコスト上昇も重荷に
③政府から独立した機関で客観的な評価を

①原発の脱炭素電源としての役割は限定的

日本は福島原発事故の影響で原発依存度を低減化すべきだというのが国民的なコンセンサスだ。しかも、「世界原子力産業現状報告2021年版(WNISR2021)」によると世界の総発電量における原子力のシャアは1996年のピークで(17.5%)から徐々に低下し、最近は10%前後で推移する。発電量も2020年は12年以来の減少(前年比3.9%減)となり、中国を除けば減少率は5.1%に達し95年以来の低水準。原発推進機関の国際原子力機関(IAEA)の予想でさえ30年間で最大で10%程度。最低では6%しか増えないという予想。
日本の原発は現在10基であり、20年の原子力発電比率は4%にすぎない。日本の電源構成で原発は「主役の座」を既に降りている。これでは遮二無二原子力発電を推進する意味はないと指摘する。

②日本では事故に伴うコスト上昇も重荷に

さらに原発の将来を予測するには原発の経済性が重要であるといい、経済性悪化の背景には原発事故の影響がある。経産省の発電コスト検証ワーキンググループの推定によると、事故後の追加的安全対策費は発電コスト換算で1キロワット時あたり1.3円(15年には同0.6円)にのぼる。事故リスク対応費用も同0.6円(15年には同0.3円)に上昇している。
さらに核燃料サイクルコストも上昇している。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の総事業費は、今や14.4兆円(15年には12.6兆円)にのぼるとされ、発電コストに換算すると同0.6円(15年には同0.5円)となっている。これらのコストは今後も上昇する可能性が高く、原発の競争力は改善する見通しが立たないのが現状だ。

③政府から独立した機関で客観的な評価を

政府は30年度の原発比率を20~22%とする目標を掲げるが、とても実現できそうにない。そしてNHK世論調査(20年11~12月)によると、7割近い国民が原発依存低減を望んでおり、再稼働についても賛成が16%に対し反対は39%にのぼる。国民の信頼は全く回復していない。しかも福島原発事故の全貌も明らかになってはいないで、事故処理にこれから40年以上の長い年を莫大な税金と人間を投入して困難な技術で乗り越えていかねばならない。
この状況を考えれば、70年代の石油危機以降とってきた「原発拡大」政策から、原子力依存度を低減する方向に明確にかじを切るべき時期が来たのではないか。
具体的には、原発拡大政策の柱だった電源三法、特に立地自治体への交付金制度を見直す必要がある。高速炉と核燃料サイクルの推進を大きな目標としてきた原子力研究開発も、廃炉や廃棄物処理・処分を最大の柱とする方向に転換すべきだろう。
これまでの議論は原子力推進を前提とする省庁・機関が中心となっていた。推進・反対のどちらの立場にも偏らず、政府から独立した機関(例えば国会に設置した東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)で客観的な評価をすべきだ。
確かに2011年のあとに国会に設置された「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」は民間人も含めて、国会の権限で独自の事故調査を行いました。これと同じような機関を国会に設置して、それぞれの党から推薦された専門家によって公正・公平な議論が行われたら、原子力発電がどうあるべきかということが、初めて国会で議論できることになるのです。これまで国会では予算員会などで野党による短時間の追及はありましたが、「原子力発電」を専門的に議論する委員会や機関はありませんでした。このような考えの方が世論となって、マスコミや国民が真剣に議論を行えば必ずいい方向性が出てくることでしょう。民主党政権の後半に、一般市民公募による国民参加型の「原発議論」を行ったことはありましたが、尻切れトンボで終わってしまいました。私も鈴木達治郎教授の提案に大賛成です。

この機に及んで核武装も原子力も進める勢力に参院選でNOを

3月2日の朝日新聞に「維新、企画三原則見直し、核共有の議論求める」という記事がありました。松井一郎維新代表はロシアによるウクライナ侵攻を受けた緊急提言で、岸田文雄首相が否定した「ニュークリア・シェアリング(核共有)」や、非核三原則を見直す議論を求めている提言書を提出するといいました。提言では、今回の教訓として、「核を持たない国は核保有国による侵略のリスクが高い」との認識を示し、「核に関する議論をタブー視することなく、非核三原則の見直し、米国の持つ核戦力の共有に関する議論を開始する」と盛り込んだ。また、これまで「フェードアウト」を主張してきた原発についても、エネルギーの安定供給という文脈のなかで「一定の条件の下で再稼働も検討する必要がある」と踏み込んだとあります。
また、国民民主党も非核三原則の「持ち込ませず」の妥当性について議論すべきだと述べた。玉木代表は、「有事の際にSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を搭載した原潜や艦船の寄港も認めず、(米国の)核抑止が働くのかどうか」と指摘。
国民民主党は元々原発推進派ですから、この2党は自民党よりも右に立ち位置を取っています。このような核武装と原発事故を容認するような亡国政党とは徹底的に戦っていかなければなりません。このような偽野党と一緒に野党共闘を目指すというお花畑のような思想の立憲民主党の泉健太代表に誰か頭から冷水をぶっかけてやって目を覚まさしてやってくれませんか。
この夏の参院選には明白に「憲法の改悪はさせない」「核武装反対」と「原子力発電廃止」などを掲げる健全な野党(共産党、れいわ新選組、社民党)に投票して、自民党、公明党はもとより偽野党の維新や国民民主党を消滅させましょう。






依存度低減へ国民的議論を 原発政策を考える
鈴木達治郎・長崎大学教授
日経新聞2022年2月24日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD074630X00C22A2000000/?unlock=1




# by nonukes | 2022-03-02 15:11 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

資本主義をやめなければ「脱経済成長」は実現できない

マルクス主義の再発見!斎藤浩平著人新世の「資本論」
小坂正則


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資本主義社会は拡大再生産を繰り返して剰余利潤を上げ続けなければ資本主義は成り立たたないのです。自転車をこぎ続けなければ倒れてしまうのと同じことです。ですから「脱経済成長」を目指すなら、社会システム(政治体制)を変えなければならないのです。自転車からみんなで引っ張るリヤカーのような社会へ。それがどんな社会かといえば、資本主義社会のままでは実現不可能で、だからと言って既存の社会主義国家などではあり得ず、全く新しい「剰余利潤を生まないでもいい社会」という協同組合やワーカーズコープや非営利NPOのような仕組みの社会体制に変える必要があると私は思います。そのヒントを私は斎藤浩平氏の「新人世の資本主義」の中に発見したのです。
多くの若者は就職戦線で正規雇用を確保するために汗水流して就活してもいい就職先はなく、ブラック企業か、非正規雇用しかない社会に放り込まれているからです。そんな中で分配の仕組みと格差の是正を実現できなくて「もうこれ以上成長しなくていいんだ」というスローガンは彼らに「お前たち若者は我慢をしろ」という、豊かな高齢者世代と貧しい若者世代との世代間の断絶と対立を生み出すだけで、何の解決策も生まないでしょう。

マルクス主義の再評価

斎藤浩平さんの「人新世の資本論」の新書が45万部も売れているのですから、今の資本主義のままではよくないという感覚や理論はインテリ層を中心に理解している一定の国民はいるのだと思います。そして斎藤浩平さんは社会ビジョンを提案しています。
資本論の中で「資本主義は物質代謝に修復不可能な亀裂を生み出す」と警告して、資本主義が持続可能な生産のための条件を掘り起こすことに警鐘をならし、資本主義は人間と自然の物質代謝を持続可能な形て管理することを困難にし、社会がさらに発展していくための足かせになるというのです。
マルクスの唯物史観は生産諸力(生産力の発展)と生産諸関係(分配など)との矛盾によって古い生産諸関係が桎梏となり、その関係を打ち破ることにより資本主義から社会主義や共産主義の社会へと変化するというのです。その源は生産力の発展だと言います。しかし、「資本主義がもたらす近代化が、最終的には人類の開放をもたらす」と「共産党宣言」などにみられるのですが、これは初期マルクスの「進歩史観」といい、「生産力至上主義」と「ヨーロッパ中心主義」だったというのです。ヨーロッパ以外のアジアやアフリカなどは近代化が進んで資本主義が発展した後に共産主義へと移行するという考えです。
しかし、晩年のマルクスは後進国のロシアの「農村共同体」ミールやゲルマン民族の「マルク共同体」などの「共同体」に大変な興味を持って研究に打ち込んだのです。そしてもう1つが環境問題から出てきた「エコロジー社会」です。晩年のマルクスは若きマルクスの「進歩史観」から方向転換しようと考えて、資本論第2巻と第3巻を未完で終わらせたのではないかと斎藤浩平氏はいうのです。実際に「環境問題」と「共同体」の研究したメモなどがたくさん残っているそうなのです。マルクスが唱えた資本主義の次に来る社会は既存の独裁国家の社会主義などでは決してなく、もう1つの公平で公正な社会政治システムがあるのではないでしょうか。

赤から緑へ

20世紀後半になって、資本主義のもとでの生産力の発展こそが、環境危機を引き起こしているという厳然たる事実から生産力至上主義のマルクス主義は環境運動などによって繰り返し批判されることになった。(P154)
私自身も20代の前半まではマルクス主義に被れていたのですが、環境問題が大きな社会問題となってクローズアップされてから、赤から緑へと考えが変わったものです。
しかし、「人新世の資本論」でマルクスは資本論第1巻で、自然の循環過程を、マルクスは「自然的物質代謝」と言い、そして人間もまた、自然の一部として、外界との物質代謝を営んでいる。呼吸もそうだし、飲食も排泄もそうである。人間は、自然に働きかけ、さまざまなものを摂取し、排泄するという絶えざる循環の過程のなかでしか、この地球上で生きていくことはできない。これは生物学的に規定された歴史貫通的な生存条件なのである。しかしマルクスによれば人間はほかの動物とは異なり、自然との関係を取り結ぶ。それが労働である。労働は「人間と自然の物質代謝」を制御・媒介する人間の特徴的な活動である。資本主義において資本は人間も自然も徹底的に利用する。人々を容赦なく長時間働かせて、自然の力や資源を世界中で収奪し尽くすのだ。(P159)と、マルクスもこのような認識を持っていたというのです。
そして資本の無限の運動と自然のサイクルが相いれない社会が現代資本主義社会であり、現代の気候危機の根本的な原因もここにあるとして、そのような人類の営みを「人新世」という地球の歴史区分として表せると斎藤浩平氏はいうのです。

赤と緑の共闘

地球温暖化や生物の絶滅や原子力発電の問題などの環境問題に私たちが個別の反対運動や環境保護に取り組んだとしても、私たちの運動は「もぐらたたき」のような終わりのない闘いの繰り返しで、いたちごっこです。環境問題を根源的に解決するには政治と経済の仕組みを変えなければ根本的な解決にはならないでしょう。資本主義から社会主義へと社会制度を変えたからといっても、収奪的な「経済成長優先主義」の思想では環境問題の解決に向かうわけではないでしょう。ですから私たちのたたかいは環境や暮らし方と政治という2つの解決策を同時に追求することが必要だと思うのです。
マルクス主義が中国やソ連の失敗によって、手あかにまみれてしまい、今更マルクスでもないだろうという考え方に一石を投じるヒントを斎藤浩平氏は与えてくれたのです。
「人新世の資本主義」141Pで、ソ連型の国有化を目指すのではなく、第三の道として<コモン>水や電力、住居、医療、教育などの公共財を自分たちで民主的に管理する社会を目指す、と提案しています。それを「コモン」といい、宇沢弘文氏の「社会的共通資本」と似ている。人が「豊かな社会」で暮らし、繁栄するためには一定の条件が満たされなければならない。そうした条件が自然環境や交通機関や社会的インフラ、教育や医療といった社会的な共有財産を市民が自主的・水平的に共同管理に参加することを重視する。そして最終的には「コモン」の領域をどんどん拡張していくことで、資本主義を超克する。(P142)とあります。


民主的で環境に配慮した市民自立社会

私たちの国で資本主義からコモン社会を作るためには憲法を改正する必要はありません。将来的には金融関係法令の改正が必要でしょうが、資本主義社会を段階的にやめることは社会主義革命を起こして一気に資本主義を倒す必要はありません。公的事業体や非営利法人や協同組合の拡大を進めればいいのです。水道事業民営化の逆バージョンです。民間企業がやっているガスや電力や鉄道など公共的な社会インフラ事業ははどんどん買収して公的機関かまたは協同組合所有にしていきます。私企業は労働者の自主管理企業化を積極的に進めます。そして自主管理企業は株主への分配を廃止します。その代わり法人税を割り引きます。そして電力会社の所有している電線は国有化または地方自治体所有にします。鉄道も地方自治体または国有化へ逆戻りさせます。介護職員や医療関係者などエッセンシャルワーカーは非営利組織の職員または地方公務員として地方自治体が運営する公的機関とします。私企業は存続しますが、法人税が大幅に値上げして、非営利企業化を進めます。非営利企業も利益を出すことはできるのです。減価償却後の再投資を行うためには利益がなければ企業は存続できません。配当ができないだけです。
勤労者の暮しや人生の豊かさを保障するために、労働時間の短縮や長期休暇などの余暇の充実を進めます。
そして化石エネルギーの消費と二酸化炭素の削減のために環境税を導入して石油や石炭や天然ガスに炭素の量に比例する税金をかけます。
経済格差の是正を行うためには貧困家庭のシングルマザーへ生活支援や非正規の若者への住宅支援や生活支援を積極的に行います。経済格差の是正のために最低賃金を段階的に1500円まで早急に引き上げる。LGBTQの人たちの差別の解消と入籍制度の法改正を行う。
子ども子育ては社会でおこなうものという考えと少子化から抜け出すために、子どもの医療費や保育費用など無償化します。非婚・結婚にかかわらず出産費用から子育て費用を公的に支援します。
その社会理念は「持続可能な循環型社会」「社会的公正と正義」と「多様性の尊重」「非暴力・平和主義」「参加民主主義」「環境中心主義」の実現をめざします。
自衛隊は災害復旧隊として非武装化して隊員は削減します。
そして最終的な社会保障としてベーシックインカムを導入のための協議を進めます。
このように一人ひとりの個人を尊重し、誰ひとり孤立をさせない包摂のコミュニティーで環境配慮した市民社会を作るのです。


# by nonukes | 2022-02-11 18:02 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

「持続可能」でも「グリーン」でもない原発をEU欧州委員会は認めるな!!

原発はCO2削減にならなばかりか、人類滅亡を加速するだけの愚かな選択でしかない
小坂正則





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ドイツ新政権の3党首
左から緑の党共同党首のベアボック氏とハベック氏、
社会民主党(SPD)の首相候補オラフ・ショルツ氏、
自由民主党(FDP)のクリスチャン・リントナー党首

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マクロン首相が21年10月に小型モジュール炉の建設を進めると表明



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大型原発と小型モジュール炉の概念図


欧州委員会が原発を「EUタクソノミー」に含める?

欧州委員会は1月1日、原発と天然ガスを気候変動防止の活動として認める『EUタクソノミー』とする方向で検討を開始した」と発表しました。『EUタクソノミー』とは2050年に二酸化炭素実質ゼロを実現させるためにEUが独自に定めた制度で、気候変動など6つの環境分野に貢献する活動を差し、それらの事業を「グリーンな投資」と呼び、普及・促進させるものです。もし、原発がこんなものに定められたら世界中で、また原発建設に弾みがつくことでしょう。
これはEU内で原子力への依存度が高いフランス、フィンランド、チェコなど、「二酸化炭素を多く排出する石炭エネルギーからの移行を果たすために原子力は欠かせない」と主張する国々から提案されたものです。しかし、原発全廃を掲げるドイツ、オーストリア、ルクセンブルクなどは、「EUタクソノミー」に天然ガスと原発を含めることに反対しています。これから欧州員会内で「原発と天然ガス」の議論が始まるでしょうが、少なくとも天然ガスはやむを得ないとしても原発だけは「EUタクソミー」に入れさせてはなりません。
EUタクソノミー規則は2020年7月に施行され、持続可能な経済活動の目的として、(1)気候変動の緩和、(2)気候変動への適応、(3)水・海洋資源の持続可能な利用と保護、(4)循環型経済への移行、(5)汚染の予防と管理、(6)生物多様性とエコシステムの保護・再生の6類型を規定している(2020年6月30日記事参照)。それぞれの目的に沿った経済活動を明示した詳細なリスト(グリーン・リスト)を委任規則によって定めており、2021年4月に第1弾として、気候変動の緩和と気候変動への適応をカバーする委任規則を公表(2021年4月22日記事参照)し、1月1日から適用が開始されています。

原発は温暖化防止対策にはならない

原発は、ウランの採掘から原発の運転、廃炉に至るまで、放射性廃棄物を生み出し、環境中に放射性物質を出し続け、持続可能性や環境保全とは真逆のものです。しかも、原発の建設から廃炉や、ウラン鉱石の採掘から濃縮に、使用済み核燃料の保管まで莫大な石油などの化石燃料を使わなければ動かすことができないのです。原発を進めている国では使用済み核燃料を地下に埋設処分することを進めていますが、計画が進んでいるのはフィンランドのオンカロだけです。そこでも地下通路には水が染み出ているそうなのです。そんなところに埋め捨てたら、地殻変動で高レベルの放射能が地上に染み出てくることが、絶対ないとどうして保証できるでしょうか。もし、安全に保管しようとするなら、それこそ原発で発電した何十倍や何百倍ものエネルギーを使わなければ安全には保管できないのです。ですから原発がCO2を出さないというのは真っ赤な嘘なのです。
しかも、地下に埋め捨てるというのは、あくまでも事故がないという前提での話です。チェルノブイリも福島原発も事故を起こした原発を安全に元通りにすることなど出来っこないのです。
東京新聞3月23日号」によると「東京電力福島第一原発事故から10年間で、廃炉作業や被災者への損害賠償、汚染地域の除染といった事故処理にかかった費用は少なくとも13.3兆円に上ることが本紙の取材で分かった。政府は処理費を総額21.5兆円と見込むが、廃炉作業などが難航し、想定を上回る可能性が濃厚。」とあります。しかし、メルトダウンした核物質はまだ一片も取り出されてはいません。これから何十年と取り組んでも不可能でしょう。不可能でも東電はやり続けることでしょうが、諦めるまでには100兆円以上使うことでしょう。そのためには福島原発1号から6号が生み出した電力の何百倍どころか何万倍ものお金とCO2を出し続けるのです。これまでに1979年のスリーマイル島原発や1986年のチェルノブイリ原発に2011年の福島と3回の大事故を起こしました。僅か32年に3回の大事故です。ということは世界中に400機もある原発が10年から少なくとも20年に1回は大事故を起こすことでしょう。そのたびに国家が滅びるほどの大被害を被るのです。ですから正しい選択は脱原発しかありえないのです。
しかも地殻変動の少ないアメリカ大陸やユーラシア大陸ならまだしも、地殻変動の激しいプレート境界線の我が日本列島で原発を動かすなんて狂気です。

小型モジュール炉でも原子力産業は生き残れない

小型原子炉とは現在商用化している出力100万キロワット級の原子炉に比べて出力が小さくて、工場で原子炉本体を作って、何本もの原子炉を集合させて動かすもの。 従来の原子炉よりも構造が簡素で発電規模も小さく、理論上はメルトダウンしにくいと言われているのですが、最大の欠点が1機が10~30万キロワットしかないので建設コストが割高になることだと言われています。
そのような小型モジュール炉を日本の日立と米国ゼネラルエレクトリックの合弁会社はカナダに建設しようとしています。また、昨年10月、フランスのマクロン大統領はフランスは原子力開発から撤退はしないと表明し、今後2030年までに10億ユーロ(約1300億円)を投資して小型モジュール炉を開発すると表明しました。小型モジュール炉の開発によって、フランス政府が最大の株主の原子力発電会社アレバを再建させようとしているのです。アレバはフランス政府が株の45%を保有し、アレバSAが40%、三菱重工が5%日本原燃が5%など、日本企業も投資をしている半官半民の原子力企業です。ところが2000年代から建設が始まったフィンランドのオルキルオト原子力発電所3号機の建設が度重なる安全対策などの設計変更で完成が遅れに遅れて、それに伴う訴訟の影響で建設費用が膨らみ、多額の赤字を出すようになり、2014年度に約50億ユーロの損失に陥り、アレバは倒産の危機に直面したのです。現在、フランス政府により再建中で、マクロン大統領は小型モジュール炉によってアレバの再建・復活を夢見ているのでしょう。
しかし、発電コストを下げるために原子炉の大型化を進めたものが、小型化すればするほど発電コストはアップするわけですから、太陽光発電などとの価格競争に太刀打ちできるわけはなのです。

ドイツ新政府がEUを脱原発に導く

メルケル政権は2021年12月31日に3機の原発を止めました。ドイツの3党連立新政権(社会民主党・緑の党・自由民主党)も残る3機を今年中に停止させると明言しています。しかし、核兵器を保有するフランスは核兵器開発の原子力産業を支えるために、原発を動かそうと必死です。EUといっても、決して一本にまとまっているわけではありません。それぞれに駆け引きが行われていますが、ドイツ緑の党の強い姿勢から、ドイツが方向転換することは考えらえれないでしょう。なぜなら脱原発と再エネ・EVはCO2削減による温暖化対策だけではなく、21世紀の国際成長戦争なのです。特に中国と西側諸国との激しい競争がここ10年で決定的な勝負がつくでしょう。「グリーンニューディール」を進める米国とEUはEVや再エネ普及によって、ますます石炭火力と原発の発電コストが再エネよりも高くなり、石炭も原発も経済合理性がなくなってくるのです。
全世界で繰り広げられているEVとバッテリー開発と再エネ競争によって、電力のイノベーションが加速して、エネルギー革命がすぐ目の前まで来ているのです。しかし、その勝者が誰なのかはまだ分かりません。中国か米国か。日本のトヨタは生き残れるのか。これは日本の若者の雇用を守るという意味でも重要な国際競争なのです。
そんな、日本の産業界が生きるか死ぬかの国際的な産業競争時に、呑気に核武装と原発再稼働を夢見る安倍晋三の仲間みたいな能天気な人たちに次の時代を任せるわけにはいかないのです。


# by nonukes | 2022-01-23 22:41 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

国会議員の真っ先の仕事は「改憲議論より先に日米地位協定の改定」だ!


夏の参院選は「日米地位協定改定」で日本独立か
VS米国の属国を続けるかが最大の争点
小坂正則


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マスクなしで沖縄の繁華街をたむろする米兵たち



岸田政権のオミクロン封じ込めに大穴が開いていた

岸田首相の11月29日の記者会見で、「オミクロン株の封じ込めのために11月30日から外国人の入国を完全にストップする」という思い切った決断で、日本はオミクロン株を徹底的に封じ込めることができるかと思ったのですが、政府の封じ込めの網に実は大きな穴があったことが判明したのです。
沖縄県の琉球新報12月20日号によると「米軍キャンプ・ハンセンの基地従業員や軍属ら4人からオミクロン株に感染していたことが確認されていることを受け、沖縄県の玉城デニー知事は20日の緊急会見で、在沖米軍トップと小田原潔外務副大臣に21日午前に申し入れをすると発表。ハンセンからの外出禁止や本国からの移動停止などを求めた。」
そして具体的には「①米本国などから軍人軍属の移動停止②ハンセンの全ての軍人軍属へのPCR検査の実施③在沖米軍の健康保護体制のレベルを引き上げ、ハンセンに勤務する全ての軍人軍属の基地外への外出禁止④オミクロン株の検査体制の早期構築の4つ」政府によると「在沖米軍では直近1週間で186人の感染があった」と発表。(ここまで引用)。
米軍は米兵の中の何人がオミクロンに感染していたかなどは国家機密だとして公表できないというのです。それに米軍や軍属が米国から日本に入国する兵士などのコロナ検査を行わず、フリーで感染者を日本の米軍基地に入国させていたことが判明したのです。しかも米軍兵士が本国から韓国やイタリアなど日本以外の国へ入国するときには米国出国時にPCR検査を受けるが日本行きだけは検査をしていなかったのです。そこから次々と「日米地位協定」の大穴が分かってきたのです。そして、米軍兵士はマスクなしで飲酒をするので、沖縄県が真っ先にオミクロン株の集中砲火を浴びて、医療崩壊が起きたのです。
昨日現在、日本国内で1日に5万人以上がコロナに感染して、東京都では1万人以上がコロナの陽性者です。国内の5万人以上の陽性者の遺伝子検査を行えば、その大半が米国由来のオミクロンの可能性が濃厚なのですが、そんな検査を決してしないでしょう。

日本は米国の属国で決して独立国ではない

これまでの歴代の内閣はだれも「日米地位協定」には指一本触れようとしませんでした。それはなぜかというと、日米同盟は日本国憲法よりも上にあるからです。日米同盟による運用規定が「日米地位協定」です。歴代の自民党などの政治家は「日米同盟の実質的な中身である地位協定などに日本側から何か文句を言ったら内閣は吹っ飛んでしまうので、これだけは何があっても触ってはならない」と言い伝えられてきたのです。
その証拠が1995年9月4日の米兵による集団強姦した、強姦致傷および逮捕監禁事件です。当時12歳の少女に米軍兵士3名が集団強姦した事件で、日本の警察は容疑者を逮捕起訴ができずに、犯人は米国に送還されて、罪を償うことなく、そのまま釈放されたのです。
米軍により“起訴に至らなければ、関与が明らかでもアメリカ兵の身柄を日本側に引き渡すことができない”という日米地位協定の取り決めによって、実行犯である3人が引き渡されなかったことが大きな問題になりました。この事件に対し、沖縄県民の間に燻っていた反基地感情及び反米感情が一気に爆発し、同協定の見直しの機運が高まったのですが、結果は「地位協定の改定」ではなく、10月の日米により以下の合意文書を交したのです。「合衆国は、殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に日本国が行うことがある被疑者の起訴前の拘禁の移転についてのいかなる要請に対しても好意的な考慮を払う。合衆国は、日本国が考慮されるべきと信ずるその他の特定の場合について同国が合同委員会において提示することがある特別の見解を十分に考慮する。」という内容で、日米地位協定には指一本触れずに、米国によって「好意的な考慮を払うや十分考慮する」ということでお茶を濁してうやむやにしてしまったのです。
これは1858年に米国との間で結ばれた「日米修好通商条約」で取り決められた内容と同じかそれ以上の不平等条約です。当時の条約は米国人が犯罪を起こした場合幕府には裁判権がなかったことと関税などを自由に決められなかったことなどです。
しかし、日本政府には「日米地位協定」は敗戦国の日本には不平等条約はやむを得ないという諦め感が今日まで漂っているのですが、同じ敗戦国のドイツとイタリアには認められている逮捕権が日本にはないのです。それだけではありません。米軍は日本国のどの地にも基地を自由に作る権利があるのです。これも日本だけの米国特権です。またオスプレーがどこを飛んでも日本国内はOKなのですが、ドイツもイタリアも事前に了解を得なければ飛べません。国の首都に米軍基地があるのも日本だけです。しかも東京の制空権は米軍がもっているのです。まさに米軍は日本軍の再度の戦争を防ぐために東京に基地を置いているがごとくです。
また、欧米人だから仕方がないという諦め感に対しては韓国政府にも逮捕権はあるのです。だから、米兵が韓国に入るためにはPCR検査を受けて陰性でなければ入国できないのです。世界中に駐留している米軍で、これだけ不平等条約のあるのは日本政府だけなのです。フィリピン政府は米軍から駐留費を取って、逮捕権など全てを確保していました。最後には米軍を追い出すことまで行ったのです。

「ジャパンハンドラー」に操られている日本政府

1月19日の岸田首相の施政方針演説で「在日米軍基地周辺での新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた日米地位協定の見直しについて、首相は「考えていない」と改めて明言した」と新聞は伝えています。立民の泉代表の「日米地位協定と関連し、ドイツやイタリアなどでは駐留米軍に対する検疫が認められている」と指摘したのに対し、首相は「運用や安全保障環境など全体像の中で検討する必要がある。単純比較はできない」と釈明。「米軍基地周辺でのコロナ対策については、日米の当局者が協議する合同委員会で、連携強化に努める考え」と答えたのです。
岸田首相が言った「日米合同委員会」とは何のことでしょうか。
それは1960年に締結された日米地位協定をどう運用するかを協議する実務者会議のことです。そこでは在日米軍トップと日本の官僚が月に2回、米軍基地のニュー山王ホテル内で話し合う秘密会議のことです。ノンフィクション作家の矢部宏治氏によると最低でも60年以上これまでに1600回は話し合っているそうです。そこでは一方的に米軍や米国の利益に沿って日本政府へ様々な要求を突き付けるそうです。その中でも、岸田首相によると1月9日の会見で、「日米で不要な外出は認めないと大筋で合意した」と話し、「コロナ対策には協力を惜しまない」というありがたいお言葉を頂いたそうです。不要な外出はしないということは、必要ならばいつでも外出できるということでしかないのです。何の強制力もありません。しかも玉城知事が要請して半月も後にです。
日本政府の属国ぶりには呆れてものも言えませんが、各国の「地位協定」の改定には、それぞれ様々な事件や事故が繰り広げられた結果、改定が行われたのです
実は「日米地位協定」に指一本触れさせないのはジャパンハンドラーと言われる米軍族の特権を守るための要求なのです。米国政府や米国の上下議員は不平等条約に対して日本政府がなぜ声を上げないのか不思議に思っているそうなのです。米国の国務省の外交官もなぜ日本の外務省は米軍に要求しないのか不思議に思っていると言います。それはリチャード・アーミテージ元国務副長官などの知日派の「ジャパン・ハンドラー」の特権を守るために、日本政府に自らの様々な利権を要求しているのです。「日本政府が原発をやめれない」のもジャパンハンドラーの要求があるからです。

日米地位協定に指一本触れようとしない岸田内閣を吹っ飛ばそう

自公は米軍の属国政治家ですから「日米地位協定」に指一本触れる気はありません。さて隠れ自民党の維新はどうでしょうか。彼らは自らの親分の橋下と、その親分のパソナの会長の竹中平蔵の利権を守ることだけが目的の政治家です。行政改革を行って、行政をパソナに売り渡すことしか考えていません。それが維新の「身を切る改革」です。都民ファやそれにくっ付く国民民主は地位協定にどう考えているかを私は知りません。
日米地位協定の改定を本気で求めることが国会議員の最大の役目でしょう。日本国に米国人が何人在住しているかを政府は全く知らないのです。(成田や羽田から正規に入国する人の数は分かりますが、米軍基地にフリーパスで入る人数は不明です)沖縄に基地を押し付けているのも、米軍のオスプレイが低空飛行して危険な訓練をやめさせられないものみな、この地位協定のせいです。夏の参院選では「日米地位協定改定」と脱原発を野党共闘の柱にして結集すれば、どの政党が国民の生命と暮らしを守ろうとしているのかが鮮明に分かるでしょう。


参考資料です。ぜひ読んでください。

日本政府が原発から手を引けない本当の理由「第3次アーミテージレポート」



# by nonukes | 2022-01-23 14:09 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則

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