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小坂正則の個人ブログ

私たちは若者たちの希望と多様性を支えよう

日本の危機は北朝鮮でも台湾有事でもない少子化による人口減少だ

小坂 正則

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日本国は500年後には消滅する

 日本の直近2023年の出生数が72.7万人で特殊出生率が1.20人だそうです。東京都は0.99人です。24年は昨年より7千人以上減って、70万人を割る予想です。これは危機的な状況です。女性しか子どもは産めませんので、来年生まれる女の子が35万人としたら、その子が30年後に産む女の子(出生率を1と仮定)は17.5万人で、また次の30数年後に、次の子が産む子は8.75万人で30年ごとに産まれる女子は半分になるのです。300年後に産まれる女の子は340人です。しかも特殊出生率は毎年減っていますので韓国のように0.8だったら、もっと少なくなるかもしれません。これほどの少子化とは、この国にとって一番深刻な問題なのです。

私でも少子化は重要な問題だと気づいていた

 私が少子化対策に関心があるのは、厚生省が出した日本の100年後の人口予測グラフを見て考えたのがきっかけです。このグラフを見たのは30年以上前のことだと思います。しかし、それから30年以上経っているのに、政府は全く少子化対策を取り組んできていないのです。なぜなら1970年以降、日本の出生数は毎年下がることはあっても上がることはなかったのです。少子化対策は10年や20年で成果が出ることのない深刻な課題なのに、時の政権は目先の裏金やパー券を売ることに血眼だったのです。だから私は、この問題は脱原発の次に重要な課題だと考えています。それには3つの理由があります。1つは政府のエネルギー長期予測では原発をどんどん作らなければ電気の需要はうなぎ上りの上がるというが、人口が減れば電力需要も減ることと矛盾するからです。2つ目は、これだけ急激に人口減少が続くのに、政府はなぜ少子化対策にとりくまないのかという疑問。3つ目が日本は移民や難民を世界で一番受け入れない国家です。しかし技能実習生という名の現代版奴隷労働力としてアジア諸国の若者を使い捨てにしていることが腹立たしいからです。コロナ前には別府のAPU大学の留学生が遊びに来ていました。皆さん優秀な女子学生です。彼女たちは日本が大好きだそうです。技能実習生のアジアの若者が日本に永住したいというのなら、日本で結婚して子どもを産んで育ててくれたら人口増加になるからです。

子育て支援は少子化対策ではない

 政府も地方自治体も、少子化の原因は子ども産んでも保育園に預けることができないから産まないんだとか、子ども手当などで子育て支援を行えば子どもを産んでくれると言って、子育て支援をやってきました。その最たるものが「子ども家庭庁」です。 そこでの子育て支援や子ども中心の政策を謳っています。しかし、少子化対策の専門家などは以前から「子育て支援は少子化対策ではない」と力説しています。もちろん「子育て支援は意味がない」ことではありませんし、社会が子どもを育てるという考えは重要ですが、女性が子を産むための要因ではないのです。皮肉なことに子ども中心の考えは少子化を進めるらしいです。子どもを大切に育てようと思っている親は子どもを多く産まないという統計があるそうです。私の家庭も4人の子がいました。なんだかんだ言って適当に育ったような気がします
 
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 上の表の上の線は子どもを産んだ女性の平均出生率です。このグラフから読み取れるように、戦後52年から58年までは3.6人だったのが、1973年まで急激に子ども産む数が減り、2.2人です。1970年から2003年頃までの30年間は2.2人が続いていました。結婚して子どもを産んだ女性の大半が2人は産んでいるのです。そして下の線は合計特殊出生率です。1973年から未婚の人を含む合計出生率は毎年のように減り続けたために、子どもの産まれる総数が減ってきたのです。これから分かるように、少子化は子どもを産んだ人に育児支援を与えても子どもは増えません。非婚・未婚者に結婚してもらい、子どもを産めるための賃金や住宅提供などの施策が必要なのです。
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 上のグラフは年代別の50歳時点で未婚の男女の未婚率です。下段は女性です。1990年頃から50歳の男女の未婚率が急激に増加しています。1990年で50歳という人は70年では30歳です。結婚して第1子か2子を産むころです。30歳で結婚してなくて子どものいない単身者が増えた結果、急激に合計特殊出生率が減ったことが実に見事に裏付けられています。

就職氷河期が結婚できない若者を作った

 1990年から2005年に日本では何が起こりましたか。答えは「就職氷河期」(ロスジェネ)時代の到来です。それまでの日本は高度経済成長が続いていました。米国の1ドルが235円の円安で、貿易輸出が活発でした。日本の半導体や家電製品が世界を制覇する勢いでした。日本はバブル景気で土地や株式などの値上がりの好景気が続いていました。
 1979年には「ジャパンアズ・ナンバーワン」という本も出版されました。しかし、ドル高、円安の影響で米国の不況が続く中、1995年先進5カ国の国際会議でドル高是正を行うことが決まり、円は1ドル250円が3年後には150円まで高くなったのです。その間何が起こったか。山一証券が97年に倒産。日本が世界シェア50%だった半導体の生産を米国の要求で規制されたりしました。
 また円高不況で自動車や家電が海外へ工場を移転させました。日本の経済はそれから今日までGDPも世界と比べると成長スピードは遅く、労働者の賃金はこの20年とも30年とも上がっていません。

「派遣法」が結婚できない若者を生み出した

 1985年に「派遣法」が成立して、いつでも首切りができる雇用主に有利な労働契約制度ができました。しかし、このころの派遣法は専門的な技能労働者だけが対象でしたが1999年に一部拡大、2004年の小泉内閣は全業種で派遣ができるようになり、非正規社員が若者の22%という今日のような状態になったのです。現在の男女の未婚率は大体平均したら22%ぐらいです。つまり非正規労働者の数とぴったり一致するのです。
 それに非正規労働者の平均賃金は月額22万円です。そこから社会保険料や税金や家賃など取られたら生きていくことだけで精いっぱいです。結婚なんか考えることも不可能でしょう。仮に非正規の男女が結婚したとしても、決して子どもなんか持てません。しかも結婚の意欲も湧かないでしょう。これが日本の少子化の一番の原因です。

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見合や職場結婚がなくなり恋愛結婚

 私が20歳前半の1975年ころは、女性が25歳になったら「売れ残りのクリスマスケーキ」と揶揄されていました。12月24日にクリスマスケーキが売れ残って25日になったら半額セールになるという意味でしょうか。女性を蔑視する偏見です。職場では25歳になったら上司から「まだ結婚しないのか」とか、結婚したら「子どもはまだ産まないのか」などセクハラが公然と行われていました。しかし、それがなくなったら、今度は職場結婚や見合い結婚が急激に減りました。だから出会いのない若者は結婚するチャンスが減ったのでしょう。
 戦後すぐの若者たちは恋愛結婚が3割で、見合い結婚が7割だったそうです。当時の若者の恋人がいる率は3割で現代でも独身で恋人がいる若者は平均3割だそうです。つまり、恋人がいる率は変化してないのです。ただ今日では結婚したカップルの9割が恋愛結婚で、見合いは5%だそうです。だから急激に結婚が減ったのでしょう。核家族化と、お祭りや盆踊りなどの、地域社会での濃厚な関係性がなくなったからでしょうか。

女性が生きやすい社会は子どもも増える

 昔のようなおせっかいなおばさんやおじさんは今日では見当たりません。それに上司が「まだ結婚しないのか」と女性に言うのはセクハラです。しかし、まだまだ女性や男性や障がい者や同性愛者などの社会的弱者にとっては、日本は生きづらい社会です。
 裏金自民党は時代の変化に付いてこれない旧式の価値観の政党です。ですから、教育勅語を学校教育に取り入れろとか、「戦前の天皇元首制に戻すべきだ」などと寝言のようなことを主張します。まあ、その先頭に立っていた安倍さんは幸か不幸か、お亡くなりになりましたが。自民党は「選択的夫婦別姓」すら認めないのですから、同性婚など裏金自民党政権が続く限り永遠に認めないでしょう。先進国G7で同性婚を認めていない国は日本だけです。台湾は2019年に同性婚を合法としました。韓国も実質的に認めています。
 東南アジアでは同性婚を認めていない国は「裏金自民党」が忌み嫌うロシアに中国に北朝鮮だけです。忘れていました日本もです。なんてことはありませんね。裏金自民党が一番嫌う共産主義国と日本だけが男女の性の自由を拘束しているのです。結婚に対しては日本は共産国家のようですね。ちなみに日本共産党は同性婚に賛成です。(お忘れなく)
 同性愛者や障がい者は女性など少数弱者が生きやすい社会は時代の趨勢です。フランスは先進国でも特殊出生率はトップの国です。フランスは2015年ころまでは特殊出生率が2.0だったのですが、2020年には1.83まで減っていますが、世界的にも高い国です。
 その理由は明快です。結婚して産まれた子と非婚で出産した子の割合が5割でほとんど同じだそうです。結婚しなくては子は産めない日本社会との文化の違いです。それにフランスは子どもは社会が育てるという考えで、子育て支援が進んでいます。若者への家賃補助や大学の学費が無料など、結婚のハードルがなくて、子育てが充実しているのです。
 産む産まないは女性の自由です。産みたくないのに無理やり社会的な圧力で産ませることはできません。しかし、産みたい女性は結婚しなくても自由に産める社会であった方が自由でいいでしょう。
 しかも明るいデータがあります。20代の女性に将来子どもが欲しいかと聞いたら8割以上ができれば子を産みたいと答えています。子どもを産みたい人は産める社会であれば、少子化にストップをかけることは不可能ではありません。

移民・難民を日本もEU並みに受け入れよう
 
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表は2016年の難民受け入れ数と認定率
ドイツが26万人で41%、韓国は57人で1%、日本は28人で、僅か0.3%

 20世紀は戦争の世紀と言われていましたが、21世紀でも、一向に戦争は終わりません。特に中東での争いはEU各国に大量の難民が押し寄せました。それには知り合いや身内がEUに先人といて住んでいるので、言葉も通じて暮らしやすいからドイツや英国やフランスに難民や移民が一挙に目指すのでしょう。日本は中東からは遠くて移住を希望する人は僅かでしょうが、それでも難民受け入れを拒否し続けています。先進国が「難民を受け入れる」のは国連の約束ごとなのに、です。
 入管のHPによると2022年の「難民認定申請の処理数は7,237人で、前年に比べて1,087人(約18%)増加しました。難民と認定した者187人」だそうです。「難民とは認定しなかったものの人道的な配慮を理由に在留を認めた外国人が1,760人」とありました。この人道的配慮で在留資格を与えられた方々は一時的な措置ですから決して安心して日本では暮らせません。いつ強制退去させられるかもわかりません。
 ドイツが年間300万人難民や移民を受け入れるのに、なぜ日本は難民や移民を受け入れないのでしょうか。ミャンマーでは軍事クーデターにより国軍の独裁政権が市民を虐殺しています。今こそミャンマーの若者や市民を大量に受け入れて、軍事独裁政権にNOを突きつけるべきなのです。

「技能実習生」を「育成就労」と名前を変え

 外国人労働者を技能実習生として、日本政府は日本の高度の技術を学んでもらい、自国に帰って高度の技能を生かしてほしいという建前で、ホタテの貝殻を開く仕事や、農家のねぎを収穫する仕事だけを3年間やらせて、何が高度の技術の習得でしょうか。みな労働力だけを低賃金で搾取する、現代版奴隷労働です。
 さすがに余りにも本音と建て前は違いすぎるので、今年からは技能実習生とは言わずに、「育成就労」と呼び名を変えたそうです。しかし、妻帯はできません。日本への永住は基本的にはできません。
 米国が強いのは半分以上が移民だからです。日本人はもともと様々な民族が混ざってできできた混血民です。
 これからの日本は、アジアは元より、中東やアフリカなど経済難民や移民を受け入れて、日本の各地に彼らのコロニーを作ってもらい、互いの文化や生活習慣を認め合いながら、多民族国家を目指すべきだと思います。そうすればいろんな肌色の子どもたちが元気に暮らす、やさしい日本ができて、私たちの町や村も消滅の危機を逃れて、生き残れるかもしれません。

少子化対策のための財源は

 最後にお金の問題です。昨年の6月13日にポンコツ岸田首相は会見で「異次元の少子化対策」を行うと発言しました。中身は官僚の原稿なので、余り意味はありません。「経済成長と少子化対策は車の両輪だ」と。予算は3兆円半ばを組むと。 若い世代の所得を増やすことはいいのですが、相変わらず、子ども手当の所得制限をなくすなど。少子化対策の本質には一切踏み込んではいませんでした。
そして1年が過ぎましたが予算は未だゼロ円です。しかも税収を使わず、労働者の社会保険料に子育て予算を紛れこませたのです。これって詐欺師のような犯罪行為です。少子化対策が一丁目一番地ならまず国家予算を組めと私は言いたい。

防衛予算増額の半分は少子化対策予算に

 防衛予算だけ2倍にして、あとは全て減額するなんかあり得ません。防衛予算がGDPの2%などとんでもない話です。
 日本は米国の属国なので、ご主人様の言うことは聞く必要があるなら、当面は1.5%で行きますといえばいいでしょう。経済成長すれば税金は増えるのですから。そして少子化対策予算は少なくとも3兆円は確保するべきです。5年間で48兆円の防衛費増額は半分の24兆円に抑えるのです。

再エネイノベーションを進める

 まず、最低賃金を上げれば、中小零細企業は労働者へ賃金を払えず倒産する企業も出るかもしれませんが、少々倒産しても、求人難ですから新たな雇用先はあります。むしろ生産性の悪い職場や低賃金のゾンビ企業が倒産しないから生産性が上がらないのです。まずは最低賃金を段階的にでも1500円くらいまで引き上げるべきです。中小零細には財政補填すればいいのです。そのための予算は法人税を上げて、限定的な中小零細企業の賃金の一部は国が面倒を見ればいいのです。

ドイツは環境税収を使って正社員を増やした

 ドイツは1999年に1トン当たり250ユーロ(2020年換算では1ドル103円だったので、2,750円:現在1ドル161円換算では4300円)環境税を導入しました。そこで、大企業などは環境税導入に猛反対したのですが、環境税の増収分の半分を正社員を積極的に雇用した企業への社会保険料の補助金にするという条件で、大企業も降りて、正規雇用の労働者が増えたそうです。
 それと化石燃料を削減を誘導して、再エネ産業を育成して、若者の雇用を増やしたのです。
 ところで日本の炭素税(ドイツの環境税)はどれだけかというと、1トン当たり289円です。これは鼻くそ程にもなりません。だからすぐにでも炭素税(環境税)を導入して、そこで得た税を温暖化対策や再エネ導入と若者の雇用と賃金アップや大学生の奨学金返済支援などの少子化対策に使うべきです。
 しかし、日本政府がやって来たことはドイツとは真逆です。安倍政権の掲げた3つの成長戦略は「原発」と「武器」と「カジノ」です。このような反社会的な産業がいくら栄えても雇用も増えないし、国民は幸福にはなりません。だから日本は30年間成長しなかったのです。
 昨年の夏に「気温が沸騰」とグテーレス国連事務総長は言ったのですが、昨年9月の気候サミットで彼は「人類は地獄の蓋を開けてしまった」と主張しました。それほど人類は温暖化防止は待ったなしなのです。それこそ緊急課題ですが、それは大きなビジネスチャンスでもあります。日本発の「プロブスカイト太陽電池」や電気自動車や再エネや蓄電池に省エネ技術などに、政府は先行投資して、若者の雇用を生み出して、若者の賃金が底上げされたら、それが少子化対策にも繋がるのです。




# by nonukes | 2024-08-28 13:36 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

2024年3月7日大分地裁「伊方原発訴訟」全面敗訴の分析

大分地裁の武智舞子裁判長は四国電力のコピペ判決?
小坂 正則


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2024年3月7日大分地裁前で敗訴判決に怒りの人びと

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2024年3月7日に大分地裁で大分県民の569名の原告による「伊方原発の運転差し止め訴訟」の判決がありました。武智舞子裁判長は四国電力の主張を丸のみした原告敗訴の判決でした。まあ、これほど四国電力に寄り添った判決を書いた武智舞子裁判長は四国電力か被告弁護士に判決文を書いてもらったのではないかと疑うほど、四国電力の主張の1つでも批判的な主張のない見事なクソ判決です。最後に私なりの本判決への批判と感想を書きます。

伊方原発裁判のあらまし

2016年4月に起きた最高で震度7の熊本地震の後に大分地裁に仮処分を6月、本訴を9月に提訴して、それぞれ大分地裁で審議されてきました。「伊方原発の運転差し止め訴訟」は原発立地県の愛媛県に、近接県の広島県と大分県と山口県の4県で同時に1つの原発の運転差し止め裁判を行うという史上初の裁判です。また、本訴訟とは別に仮処分というものがあります。仮処分は2018年9月に却下されました。そして今回は本訴訟でも却下されたのです。

仮処分とは。そして
1つの原発を周辺の住民が提訴する意味

労働争議や自分の敷地の隣の地主が土砂を積み上げるような工事を無断でやっている場合、自分の土地に壊れ落ちてくる危険性を感じて、作業をやめさせるなどの決定です。裁判には長い年月がかかるので、裁判中に事故が起きては元も子もないからです。労働者が首切りされた場合、裁判で何年も賃金をもらえなければ生活ができないので、一時的に原状復帰や工事を差し止めしてもらう緊急措置です。今回の仮処分は原発裁判が終わるまで運転を止めてくれという仮処分でした。しかし、この仮処分の異議審(異議申し立てによる上告審)や本訴訟で原告側が負けた場合には仮処分で貰えた賃金を全て返すなど、被告の損失を請求されることがあります。今のところ電力会社は請求はしてきません。そして実際に広島高裁では2017年12月に仮処分が出て、異議審で逆転される翌年の8月まで8カ月間伊方原発は止められていました。山口の住民による高裁の審議で2020年1月に仮処分が出て12月まで運転が止まりました。この2年近くの運転停止で四国電力は500億円以上の損失を出したことでしょう。(100万㎾の原発が1日止まると1億円といわれていた)
このように原発裁判では仮処分で原発の運転が裁判所によって止められることが次々と行われることで、原発の発電コストが結果的に上がることによる経営リスクが高まります。そして何よりも国民の「原発は危険だ」という意識が高くなることの効果は絶大です。
また1つの原発を周辺の住民が、それぞれの県や市で裁判を起こせば、電力会社は膨大な訴訟費用がかかり、しかも全ての裁判で勝たなければ運転はできません。しかし、原告はどこか1カ所の裁判で勝てばいいのです。現在30件余りの原発裁判が行われているそうですが、これからは日本中で、本人訴訟(弁護士なし裁判は費用も僅かです)も含めて100件も1000件でも裁判を起こして、電力会社の経営を麻痺させて原発の運転を諦めさせましょう。
(松下竜一氏の著書『五分の虫,一寸の魂』を参考)

武智舞子裁判長の四電コピペ判決を読み解く

3月7日、武智舞子裁判長ら3名の判事が書いた判決文は370ページにも及び、専門用語の埋まった文章でした。こんなもの実際には弁護士や裁判官が読んだって分かるわけありません。その道の通の大学教授などでなければ、理解できないような内容が散りばめられています。
しかし、簡単に言えば争点は以下の3つです。伊方原発の基準地震動では南海トラフ地震や中央構造線断層帯が動けば伊方原発は大事故を起こすという原告の主張の否定。2点目は活断層を調べる二次元調査では不十分で、3次元調査を行えば、中央構造線の南側の原発近傍部分にも活断層が発見できるという原告の主張の否定。3番目が火山噴火の対応が不十分だという主張の否定です。

まず、2点目と3点目を先に読み解きます

2点目の「2次元調査では不十分で3次元調査ではなければ活断層がないとは言えない」とう原告の主張に対して、確かに規制委員会も「三次元調査が望ましい」とは言っていますが、「精密な二次元調査であれば問題ない」とも言っています。しかし、この理論だけで運転差し止めは不可能かとは思います。3番目の火山に関しては、これまで「新規制基準」では火山の基準がありませんでした。ですから広島高裁で2回も仮処分で原告は勝ったのです。しかし、この広島高裁での仮処分で電力会社が負けたことを受けて、2019年に規制委員会は新たな基準を付け加えたのです。「原発の運用期間中(約100年間を指す)、巨大噴火が差し迫った状況であることの明確な科学的根拠がない限り、巨大噴火による影響は社会通念上考慮しなくていい」としたのです。これで根拠ができたので裁判所としても堂々と電力会社側に有利な判決を出せるようになりました。
ただ実際に基準ができたので本当に考慮しなくてもいいのかどうかは全く別問題です。川内原発の周辺にはカルデラ火山が6つもあります。それにカルデラ噴火を起きたら九電の玄海原発も川内原発も伊方原発も火砕流や噴石や噴煙で送電線が切れたりショートして原発の運転が不可能になります。電力会社はその前に、使用済み核燃料を含めた核燃料を安全な場所に移動させると説明しています。しかし、問題はいつ大噴火が起きるかは誰も分かりません。地震に比べて火山噴火は火山性地震や山が盛り上がるなどの予兆がありますから、事前に分かるというのです。しかし、阿蘇山で火山性地震が続いて、山が盛り上がったとして、それから慌てて核燃料を移動させるとしても、千体以上もある核燃料をどこに移動させるというのですか。移動させるだけで1年はかかりますし、保管場所を作るのなら10年以上かかります。だから対策はゼロなんです。移動させるなら今から移設用の施設を準備しておく必要があのです。これも火山噴火は想定しなくていいという「社会通念」で逃げるつもりです。

活断層と地震の問題

さて、1番重要な活断層と地震の問題です。まず、私たちは活断層が何で、地震がどうやって動くのかという原理を少し学んだ方がいいですね。よく規制委員会の委員のみなさんは志賀原発の原子炉の下に活断層があるとかないとか議論をしています。さて活断層って何なのでしょうか。国土地理院によると活断層とは
私たちが住んでいる街の地面を掘り下げていくと最後は固い岩の層にぶつかりますが、この岩の中にはたくさんの割れ目があります。通常、この割れ目はお互いしっかりかみ合っていますが、ここに「大きな力」が加えられると、割れ目が再び壊れてずれます。この壊れてずれる現象を「断層」活動といい、そのずれた衝撃が震動として地面に伝わったものが地震です。そして「断層」のうち、特に数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」と呼んでいます(第四紀(260万年前以後)中に活動した証拠のある断層すべてを「活断層」と呼ぶこともあります)。  現在、日本では2千以上もの「活断層」が見つかっていますが、地下に隠れていて地表に現れていない「活断層」もたくさんあります。(国土地理院「活断層とは」より引用)

活断層がないから地震は起きないと誰も言えない

さて、地下に隠れた活断層もたくさんあるのになぜ原発の運転は見える活断層だけしか議論しないのでしょうか。しかも国土地理院は260万年以降と言うのに規制委員会は12、13万年から15万年前までで打ち切っているのです。国土地理院のいう260万年までに動いた断層という根拠は不明ですが、要は今まで動いた断層が繰り返し動くことがあるので、これを活断層というのでしょう。それでは今まで一回も動いたことがない処は今後も動かないと言えるでしょうか。熊本地震でも新たな断層が各所にできました。能登半島地震でも活断層でもない場所が新たに隆起したり動きました。だから活断層という名称は単に「ここは頻繁に動く断層ですよ」という程度のもので、地上に活断層がないので、ここで地震は起きないという根拠にはなりません。
日本列島周辺には複数のプレートがあります。南海トラフ地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んで、その反動でプレート型地震が起きるのです。そして日本列島の地下に沈み込んだプレートの歪エネルギーが解放されて起きる地震は断層型地震といいます。これは日本列島の直下で、しかも浅い場所で起きると小さな地震でも大きな被害が出ます。プレートによる歪にも一定の習性があるようですが、松田式や入倉・三宅式は「強震動予測式」と言うように、これまでの地震の統計による予測でしかありません。だから「大きな地震は起きない」と断言する四国電力や舞子裁判長の決めつけは科学ではありません。宗教的願望です。

四国電力も裁判長も地震予測を値引きしている

さて、四国電力と武智舞子裁判長は中央構造線のうち伊方原発周辺の中央構造線断層帯は5キロ~8キロの地点を通っていることは認めています。しかし、「中央構造線断層帯長期評価」(第二版)には佐多岬半島の北部における調査が不十分であり、今後も精密な調査の必要があると書いているそうです。しかし、活断層である可能性が高いという学者と活断層ではないという学者の意見の相違がある。そこで、当然ながら地震が少しでも軽減したいと願っている四電と舞子裁判長は神様にでもお願いしたのか、何としても、活断層ではないという学説に依拠して、屁理屈を捏ね繰り回して「中央構造線は活断層ではありません」と主張しているのです。四電は結論から根拠を導いているのです。四電としては何とか原発を動かしたいので「活断層ではない」と平気で嘘を言うのですが、裁判長は予断を持ってはなりません。「法と良心のみに従い、予断や偏見を持つことなく公正・公平な」判決を書く必要があるんじゃないですか。
四電側の中央構造線が活断層ではないという根拠は2次元調査を行ったが、活断層は見つからなかったというのですが、これも怪しいもんです。九電の川内原発の地質調査で岩盤をボーリング調査した結果、岩盤のコアがボロボロだったので、担当の社員がこっそりほかのコアと取り替えて、インチキ検査をしていたことが、内部告発でばれ国会で問題になりました。電力会社に調査させたら、そんなことは朝飯前です。電力会社にではなく、本当は規制委員会監督の下で、第三者による調査が必要なのです。
 
南海トラフの地震も過小評価

南海トラフ地震はM8.0~9.0の地震が30年以内に60~70%の確率で起きるというのが定説です。それに対して、伊方原発はどれだけの影響を受けるかとして、地震の想定としてはM9.0は過大すぎるとして、他でも値引きしてるのでわが社でも値引きして、M8.3として揺れを計算しています。9.0も8.3もほとんど変わらないのではと思うかもしれませんが、マグニチュードは対数計算ですから0.2が約2倍です。8.3は9.0の1/7になります。そこで伊方原発では南海トラフ地震が起きても基準地震動の範囲の570ガルを超える地震は起きないと主張しているのですが、これも値引きです。9.1の地震が起きるかもしれないのですから。
それから原告は熊本地震を例にとり、連続して地震に襲われたら、それこそ格納容器も原子炉も持たないだろうという原告の批判に対して、何の根拠も示さずに、「原告らの主張は抽象的な可能性を指摘するものに過ぎず、南海トラフ地震が発生しても伊方原発の重要施設は弾性範囲(地震力により一時的に変形しても地震力が取り除くと元道りになる範囲)にとどまるため、南海地震が時間的に近接して再び強振動に襲われると仮定しても、安全性が損なわれることはない」という主張を舞子はんは丸飲みですがな。
よく考えてみてくださいな。一次冷却水のパイプが震度7で激しく揺れて、亀裂が入るか入らないかで辛うじて持ったとしても、次に同じかそれ以上の揺れに襲われたら持つわけないじゃないか。基準地震動の計算は一度だけの地震に対しての計算だぞ! 四電は嘘をつくな! 舞子お前はそんなことは知らないだろう! このばかたれが!

避難問題が裁判の最大の争点へ

私の率直な意見として、電力会社が新規制基準に著しく違反している場合、裁判長は電力会社に対して厳しい判決を出せるでしょうが、著しい瑕疵がなかったら、厳しい判決を出すのは難しいでしょう。
やはり最終的には規制委員会の「新規制基準」が間違っているという行政訴訟で闘わなくてはならないような気がします。でも安保関連の裁判と同じで、国相手では、「統治行為論」を理由に「高度な国の政治的な判断に裁判所は立ち入れない」として裁判では勝てないでしょう。
しかし、規制庁が自治体に丸投げの「避難計画」なら話は別です。能登半島地震の前に最終弁論が終わった大分地裁では争わなかった「避難計画」で争えば、勝訴の可能性は十分あると思います。これからは志賀原発の周辺住民の避難が困難だったという事実を踏まえて「避難計画」が原発裁判の最大の争点になる可能性が高いと思います。

結論の代わりに

2011年3.11の後は原発再稼働反対が地元紙では8割もあったのに、直近の朝日新聞の世論調査では再稼働賛成が50%で、反対派35%と逆転しています。これは岸田政権による「原発が動いていないから電気料金が高い」という嘘のプロパガンダが成功しているのです。ですから、腐れ切った自民党政権を倒すしか原発を止めることはできないと私は思っています。
問題は原発だけではありません。少子高齢化と人口減少で30年間GDPも賃金も上がらない国の首相が、トランプに抱きついて武器を爆買いして太鼓持ちを演じた安倍晋三。次が異次元の少子高齢化対策と嘘をついて、予算も組まずに、バイデンの言いなりに防衛費だけ2倍にして、米軍の代わりに中国と戦争する気満々の岸田政治をやめさせるためにも政権交代が必要なのです。





# by nonukes | 2024-05-06 13:21 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

原子力規制委の嘘を暴く

能登半島地震で「原発避難計画」は破綻した
私たちの暮らしを奪う原発事故は憲法違反だ
小坂 正則
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つゆくさ通信N0.183より


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樋口 英明【著】
   価格 ¥1,430


国と電力会の「避難計画」は絵にかいた餅

能登半島地震による志賀原発周辺の道路の被害状況から、原発事故時の「避難計画は見直すべきだ」と、全国で多くの声が上がっています。
それというのも、これまで国や規制庁がいう「避難計画」は、地震や津波による事故を想定するのではなく、スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故など、人為的なミスで大事故が起きたことを前提にしてるようにしか思えません。なぜなら、避難計画を読むと道路が壊れていることを前提にはしていないからです。
ところがこれまでに日本で起きた原発事故は、2007年の信越沖地震による新潟県柏崎・刈羽原発事故や、福島原発事故や今年の能登半島の志賀原発事故などは、みな地震や津波による事故です。
日本の原発の耐震設計は以前より強化されているので、「原発が地震で壊れたけど、周辺住民が避難するために使う道路は壊れていない」という想定は無理があります。志賀原発がもし運転していて、大事故になっていたら、道路は寸断し、家屋は崩壊したのですから、避難も自宅退避も不可能でした。
日本の原発再稼働の条件の避難計画は、一部の道路が地震で壊れることはあっても、大半の道路が壊れることは想定していません。住居の大半が崩壊することも想定していません。ですから「避難計画」はやり直さなければ原発など運転できまでん。

避難計画を作り直すまで全原発は止めるべき

現在動いている原発は12機あります。それらの避難計画はみな「欠陥避難計画」です。バスで逃げたり、自家用車で逃げるのが大半です。NHK4月22日のネットニュースで、「全国の原発避難計画 調べて見えた地域差とは」で、規制庁に避難計画は十分かと聞いたら、職員は「地震と原発事故の複合災害は想定している」や「福島原発事故以前に比べたら対策は格段に向上している」と言った。しかし、中身を十分検討して見えたことがあります。全国19カ所の原子力発電所の中で、地震で道路が壊れた場合、民間事業者への協力体制ができている発電所は6カ所だけ。しかも、その中身を見ると、「放射能漏れ事故の場合は出動できない」というのが大半。(ここまでがNHK)
実は労働者を被曝から守ることは雇用主の義務なのです。雇用主は被曝手帳を持っていない労働者を被曝させることはできません。レントゲン技師や原発の作業員など放射線関係者以外を放射能が漏れ出している中で、バスを運転などさせられません。米国ではちゃんと原発事故時の被曝作業員は各原発に配置しています。ジャンパーとう人たちです。高給をもらうそうです。原発事故時には放射能の中を飛び込むのでジャンパーというそうです。日本でその役目をしてくれる人は自衛隊員の一部と電力会社の社員でしょう。本当はバスの運転手や被曝しても道路を補修してくれる会社などと契約して、被曝労働者として被曝手帳を交付すべきなのです。

日本の避難計画は行き当たりばったりのいい加減

私が日本の避難計画がいかにいい加減かというのは、4月3日の台湾大地震で感じました。台湾政府は地震の4時間後には現地に個室テントを敷き詰めた避難所を用意して、豪華な中国料理など、豊富な食料品が用意されていました。しかも被災者ケアのためにマッサージ師が避難所に出向いて、無料のマッサージのサービスを行っていました。
日本では能登半島地震の被災者は体育館に雑魚寝でパンとおにぎりが、1日に1回しか食べていないと被災者の訴えのニュースを見ました。
日本は台湾と同じ地震国です。しかし日本の避難所は100年前から何も変わりません。昔は学校の講堂に雑魚寝。今は体育館に雑魚寝です。
行き当たりばったりで、事前に用意することを極端に嫌う国ですから。  私は規制庁の「避難計画」が役立たずな机上の空論だと断言します。 なぜなら石頭で無能な政治家と役人が作るから。

規制委は避難計画の見直しは不要という?

1月17日の原子力規制委員会定例会で、山中伸介委員長は「原発の運転許可の見直しの議論はする」と発言。しかし、定例会後の記者会見で、現在の指針について「能登半島地震への対応に問題はない」と述べた。すると記者から、「多数の家屋倒壊や道路が寸断がしたことを踏まえたら、大幅な見直しは必要ではないか」と問われても、「現在の指針や自治体が策定する地域防災計画で対応できる」と述べました。

新規制基準は原子力基本法に違反では?

日本の原子力発電を動かす根拠は「原子力基本法」に則って行われます。「原子力基本法」(2014年改正)の第2条2に「安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として行うものとする」とあります。ここでいう国際基準とは国際原子力機関「IAEA」の示す基準通りの安全性を担保するという意味です。当時の安倍首相は「世界最高水準の規制基準だ」と自慢していました。それではIAEAのいう深層防御とはどんなものなのでしょうか。

第 1 層(トラブルを起こさない)
第 2 層(トラブルが起こっても拡大させない)
第 3 層(トラブル拡大でも過酷事故にさせない)
第 4 層(過酷事故に至っても影響を小さく留める)
第 5 層(避難計画等で住民を防護する)

以上の5層の防御です。ドイツなどのEUでは第6層の防御として、原子炉が暴走して、メルトダウンしたとしても、地下に溶け落ちたデブリ(放射性物質)を耐火煉瓦による受け皿に受け入れて、水との接触を防ぐ施設(コア・キャッチャー)を設置することを新規の原発には義務付けているのです。そのため、」1機が1兆円どころか2兆円にも建設費が高騰しているのです。
しかし、日本では「第5層の避難計画で住民を防護する」が再稼働の規制基準ではないのです。しかも第6層のコアキャッチャーなど毛頭ありません。
規制委員会の山中委員長は「避難計画は審査対象には入っていませんので審査しません」と明確に答えています。避難計画は自治体と政府に丸投げなのです。つまりは「国際基準」を踏まえていないのです。しかし、米国など先進国では避難計画は規制基準の1丁目1番地なのです。

米国のショアハム原発は避難計画が困難で廃炉

1989年にニューヨーク州のショアハム(ショーラムともいう)原発は完成後一度も動かすことがなく、半島の先の住民が原発事故が起きたら原発前を通って避難しなければならない計画だったため、州知事が避難計画が不十分として承認せず、廃炉となったのです。このような半島の先にある原発は日本では能登半島の志賀原発や四電の伊方原発、中国電の島根原発や関電の大飯原発などは米国の規制基準では運転が認められないでしょう。
また「原子力基本法」の第2条の4で、「原子力事業者は…関係地方公共団体、その他の関係機関と連携しながら原子力事故に対処するための防災の態勢を充実強化するために、必要な措置を講ずる責務を有する」とあります。つまりは防災計画や避難のためのバスの手配や耐震設計のある一次避難所などを設置する義務が電力会社にはあるのです。つまり電力会社は事故時に核暴走を防ぐために「新規制基準」の条件を満たすだけではなく、それ以上の対策を進んで取る必要があるのです。

耐震基準補強工事のいい加減さ

福島第一原子力発電所の事故の教訓や世界の最新知見を踏まえ、2013年7月に原子力規制委員会が策定した、「新規制基準」によって、耐震基準などが強化されました。そこで、原発の津波対策や基準地震動(予想される地震に対して対応できる耐震基準)が見直されたのです。
しかし、過去に原発の耐震基準である基準地震動を超えた地震が2005年から2011年までに5回、4原発で起きているのです。ところがどれだけの工事を行えば以前の2倍も3倍もの耐震施設に改修できるのでしょうか。普通のビルなどではよく、壁にXのような鉄骨で支えている、県庁や学校などがありますよね。単なる箱物なら壁に鉄骨をはめ込んだり、車のエアーサスのような地震の揺れを吸収する装置を取り付けられるのですが、原子炉内は配管がクモの巣のように何百キロも走っていて、作業者の手が入らないような狭い場所ばかりなのです。
そんな狭い場所で、1つ1つの配管を完璧な耐震基準を満たすような、工事を行うことなど不可能なのです。実際には原子炉建屋などの耐震補強は行われていません。送電線など補強可能な工事を少し行うだけです。能登地震で志賀原発の変圧器のオイルが漏れ出した事故がありましたが、その変圧器の耐震補強は行われていませんでした。補強の対象外だったのです。耐震補強工事を行うなら原子炉から周辺施設のすべてを補強しなければ、重要施設ではない変圧器のオイルが漏れて火災になったら、原子炉もアウトではありませんか。
そこで電力会社は、コンピューター上で耐震基準のシュミレーションを行います。耐震強化による壁の厚さなどの数値を打ち込んで、その結果、何ガルの揺れに耐えられるという仮想実験をおこなうのです。耐震基準の数値から、想定される地震に耐えられるはずだといっても、実際に地震が来てみなければ耐えられるかどうかなど誰にも分らないのです。

「基準地震動」は原発が
最大の地震に耐えられる数値ではない

基準地震動とは何かというと、「原子力施設の敷地周辺の地質や地震工学的観点などから、原子力施設の運転期間中に発生しうる最大の揺れのことをさす」と説明されていますが、実際には「想定される最大の地震」ではありません。基準地震動を決めるのは原発周辺の活断層が揺れた震源を特定して想定した地震動と、震源を特定しないで、どこで起きるかわからない地震の平均値をとります。しかし、その時に用いる震源を特定しない地震は東日本大震災や能登地震や阪神大震災のような巨大な地震から導くわけではありません。強振動予測で用いるような標準的な弱い地震動の平均値が「基準地震動」なのです。

原発事故は複合災害を想定するしかない

基準地震動を超えたからといって、原子炉や格納容器が真っ二つにわれることはないでしょう。でも、冷却用の配管が破断しただけでメルトダウンを起こす可能性があるのです。小さな配管の損傷が複合災害で重大事故につながる可能性が一番重要なのです。福島原発事故も地震と津波という複合災害による事故です。
熊本地震では最初の揺れが余震で翌日の地震が本震でした。原発の基準地震動では立て続けに2回も巨大地震が襲ってくることなど想定していません。しかも、基準地震動の揺れで原子炉は耐えたとしても外から原子炉に繋がっている冷却用配管の基礎などが隆起や陥没をしたら、それだけで冷却用の配管は破損して、大事故に繋がる可能性があるのです。

東海第二原発は裁判で運転停止中

茨城県東海村にある日本原電の東海第二原発について、茨城や東京などの住民は、「巨大な地震で重大な事故を引き起こす恐れがある」として再稼働しないよう求める訴えを起こしていました。それに対して水戸地裁は2021年3月に「広域避難計画は不備がある」として運転差し止めを命じました。
水戸地方裁判所の前田英子裁判長は、地震や津波の想定などに不合理な点は認められないが、避難計画については「実現可能な避難計画が策定され、実行できる体制が整っていなければ重大事故に対する防護レベルが達成されているとは言えない」と指摘。
「原発から30キロ圏内の住民は94万人もいて、避難計画を策定しているのは14市町村のうち5市町村にとどまり、自然災害を想定した複数の避難経路が設定されていないなど、実現可能な避難計画や実行できる体制が整えられていると言うには、ほど遠い状態だ」として、日本原電に再稼働を認めない判決を言い渡しました。
94万人が安全に避難できる計画を作ることは非常に困難です。周辺自治体が同意するまでには長い時間が必要です。また、現地の反対派の住民は再稼働への動きが始まったら、その前に運転差し止めの仮処分を申し立てる予定だそうです。  

政府・電力会社は一次避難さえできれば、
         後は知ったことじゃない

日本の原発の新規制基準でも、再稼働の条件はあくまでも事故が起きたら速やかに逃げて、放射能の被ばくを避けることだけが争点になっているのです。しかし、よく考えてみてください。福島原発事故では、強制避難を命じられた避難指示区域の7市町村の大半は原発事故から13年経った今でも帰還困難区域に指定されています。
しかも帰還が許された浪江町の人口は事故前は2万1000人が、21年に帰還した人は1700人です。 また日本人の平均的な被曝量は年間2.1ミリシーベルトですが、福島県の避難指示区域では年間20ミリシーベルト以下なら帰還できるそうです。実に10倍の放射能被ばくを覚悟しなければ帰還できません。しかも除染は日常生活区域しか行いません。山林などは除染してくれませんので、山間部で暮らせば日本人の平均被ばく量の何十倍もの放射能被曝をする可能性があるのです。だから小さな子のいる家族は帰還しないのです。

原発事故で奪われた暮らしは二度と取り戻せない

福島原発事故で故郷に帰れない人は、今でもたくさんいます。福島原発級の大事故が起きたら半永久的に我が家には帰ることができなくなるのです。これこそが原発事故の最大の問題です。戦争で日常生活や暮らしが奪われることは、不可抗力かもしれません。しかし、一民間企業が私利私欲の金儲けのために原発を動かして、それが元で放射能漏れの大事故を起こせば、私たちの暮らしや幸せは全て奪われることになるのです。一民間企業には国民の幸福や暮らしを奪う権利などありません。

原発事故は国民の幸福追求権も
人格権も剥奪する憲法違反だ

日本国憲法 第12条で基本的人権が保証されています。基本的人権とは①平等権(法の下の平等)、②自由権(居住や財産権など)、③社会権(教育を受ける権利や労働権など)、④請求権(裁判を受ける権利など)、⑤参政権の5つの権利だそうです。
日本国憲法第13条では 「…生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、…最大の尊重を必要とする」とあります。私たちは他人に迷惑をかけない範囲で自由に幸せに生きる権利があるのです。
また、いわゆる人格権という権利があります。これは権利者から分離することのできない利益で、私人の権利に属するものです。「プライバシー」や「名誉」や「肖像」や「信用」などの権利です。
国民には私的な生活を営む権利があります。しかも企業の利益追求権は、公共の福祉に反しない範囲で与えられる権利です。他人に大変な迷惑をかけてまで追求できる権利などではありません。

大飯原発差し止め裁判の樋口裁判長の判決

2014年5月21日福井地裁で、樋口英明裁判長は大飯原発判決で次のように言っています。「本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土と、そこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」また「原子力発電所の稼働は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである」と「大きな自然災害や戦争以外で、人格権という根源的な権利が極めて広汎に奪われる事態を招く可能性があるのは原発事故のほかは想定しがたい」と。
また「このような危険を抽象的にでも伴う経済活動は憲法上容認できないというのは極論に過ぎるとしても、少なくとも具体的危険性が万が一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然のことである」、「具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象となるべきで、この判断には必ずしも高度の専門技術的な知識、知見は必要ない」(判決文抜粋)

主人公は自民党でも電力会社でもなく国民

この樋口裁判長の判決が全ての原発裁判の本質です。避難計画がいくらあっても、事故が起きて、故郷を捨て去るようなことを国民に強いることは日本国及び日本国民の国富の損失であり、国民の幸福追求権の侵害なのです。電気を得るためには原発しかほかに方法がないならまだしも、太陽光発電などは低廉で簡単に安全な方法で電気は作ることができるにも関わらず、しかも原発の核燃料の放射能ゴミのような処分もできないものを生み出してまで、経済的にも割の合わない危険なのもを、国民に押し付ける行為は犯罪であり、岸田政権及び原発依存の電力会社は直ちに退場させるしかありません。
しかし、岸田自民党政権は無能で、電力会社と経産省の官僚に唆された人形のようなものです。
自民党政権を倒して脱原発と平和憲法を守る政権に交代をさせるしか、解決方法はないかもしれない。
  


 






# by nonukes | 2024-05-06 11:27 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

能登半島の珠洲に原発が建てられていたら直下型地震で原発大惨事だった!

珠洲原発を止めてくれた能登の被災者へ復興支援のお願い!
小坂正則

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映像になった珠洲原発



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活字になった珠洲原発


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2度も地元のために原発反対派の珠洲市長選に出てくれた樫田準一郎さん(元小学校校長)
 22年6月12日に91歳で死去(北陸中日新聞より)



1月1日の能登半島地震で、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。そし大変不自由な避難生活を送られている被災者の皆さんにお見舞い申し上げます。
ところで1976年、関西電力と北陸電力と中部電力3社が共同で、東京電力の柏崎・刈羽原発に対抗するような、最大で100万kw級の原発10機分の原発建設計画が珠洲市に持ち上がっていました。その建設計画は、地元住民による粘り強いたたかいによって、幸いにも2003年に白紙撤回されました。
そして今年1月1日の本震M7.6の震源地が、計画されていた珠洲原発の建設予定地の真下で起きたのです。 
もし、そこに珠洲原発が建っていたら、2011年の福島原発事故を上回る規模の直下型地震で、原子炉が破壊される原発大惨事が起きていたかも知れないのです。それに能登半島の中ほどに建っている志賀原発は13年間止まったままでしたので辛うじて大事故を免れました。
日本列島に住む私たちは、能登の住民のたたかいや、志賀原発が止まっていたという、偶然に寄って、原発大惨事を免れることができたのかも知れません。
しかし、原発反対運動を行ってくれた皆さんの中にも、多くの災害者がいることをお聞きしました。そこで何か被災者の皆さんに支援ができないかと考えて、復興支援カンパの呼びかけを行うことにしました。

全国の原発を直下型地震が襲う前に廃炉へ

地震の影響でボロボロになった志賀原発はもとより、日本列島のどの原発も、いつ直下型地震が襲うかも知れません。ですから、私たちは全ての原発を地震が襲う前に止めてしまうことをめざして、これからも全国の仲間と粘り強くたたかっていきましょう。
なお、送金先は志賀原発の廃炉訴訟をたたかっている「志賀原発を廃炉に訴訟原告団」です。このカンパの運用は彼らが責任をもって行い、会計報告はホームページにて行ってもらいます。
ただいま賛同呼びかけ人を募集しています。賛同していただける方は下記まで連絡願います。



連絡先:  脱原発大分ネットワーク

NPO法人九州・自然エネルギー推進ネットワーク 小坂正則

nonukes@able.ocn.ne.jp 連絡先 090-1348-0373


◇郵便 振替口座番号 00740-3-61047

◇口座名 志賀原発を廃炉に訴訟原告団

◇北陸労金本支店 口座番号 3610225

◇口座名 志賀原発を廃炉に訴訟原告団

呼びかけ人(順不同)


河合 弘之 (東京)弁護士


柳田  真 (東京)たんぽぽ舎共同代表


深  江守 (福岡)脱原発ネットワーク


向原 祥隆 (鹿児島)反原発・鹿児島ネット代表


池島 芙紀子(大阪)脱原発政策実現全国ネットワーク事務局長

  

佐藤 大介 (大阪)ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン事務局


青木 幸雄 (宮崎)宮崎の自然と未来を守る会








# by nonukes | 2024-01-10 23:46 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

岸田政権と馳知事が率いる石川県の災害対応は最低

大阪万博中止して、その予算は被災者家屋再建の費用に充てよ
小坂正則
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宮城県石巻市の駐車場にたまった土砂を運ぶ石川県のボランティア
  (2011年4月30日撮影)

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能登半島地震の被災者が集う避難場所


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何の役にも立たな大阪万博に2350億円。ただし木製リンクは350億円は別予算


1月7日月曜日の本日の石川県の震災関連死者は128人。行方不明者は195人。死者・行方不明者総数は323人になります。それらの方々が被害になっているのです。
そして、3万人余りが体育館などいに避難しているそうです。ところがその大半の避難場所が電気も水道も復旧していない避難場所が多いということです。電気や水道などのインフラ復旧は関連事業者の努力によって解決するしかありませんが、行政や自衛隊などによるフォローは電気や水がないなら、人力で何とかカバーするしかありません。避難所の体育館に石油ストーブが1個しかないような状況の処もあるそうです。ガソリンや灯油などの配給は国や県が準備をして自衛隊が届ける役割分担を行えば済むことです。
それほど難しいことではないでしょう。21世紀の先進国の国で、道路が寸断していたとしても、ヘリやドローンで運ぶことは無理ではないでしょう。避難場所によっては、食料もままならず女子高生が1日にパン1個しかもらえない避難所もあるそうです。
震災から1週間過ぎて、公的支援が行き届かないというのは、どう考えても行政の失態です。

行政が統率するのではなくネットワーク管理へ

そして、今回の災害復旧と支援の特徴に、外部からの支援物資受け入れと、ボランティアを受け入れないことです。小さな県で、大きな災害が起きて、行政職員の手が回らいくて、パニック状態なのだと思います。支援物資は金沢市や能登半島の拠点には山のように集まってきているそうなのですが、それを効率よく避難所へ届けるきめ細やかな毛細血管のような仕組みができていないのでしょう。だからこそ災害復旧に手慣れた外部のボランティアや災害復旧NPOなどに依頼すればいいのです。能力のない役場や県職員が全部を統率しようとするから回らないのです。今日の支援や災害復旧はネットワーク方式が有効なのです。
ネット環境さえあれば、避難所にNPOなどが張り付いて、それぞれの避難場所で情報交換して、ここは何が足りないが何は余っているなどの情報のやり取りをおこなうことで、スムーズな物流システムが整うのです。支援物資の分配やボランティアの配置は役所による上意下達ではなく、対等平等なネットワーク管理方式へ。

避難場所が余りにもお粗末だ

戦後の伊勢湾台風などの災害では小学校の講堂に避難してそこに雑魚寝をしていました。それから80年経って、講堂が体育館の鉄骨に変わったくらいで、あとは何も変わっていません。相変わらずの段ボールで仕切った大広間に毛布や布団を持ち込んで男女の別もなく雑魚寝です。21世紀になったというのに、阪神大震災や東日本大震災や熊本地震など大災害を何十回と経験してきたこの国は、災害対策は1ミリの進化していません。何か進化してはならないという法律でもあるのでしょうか。私は長く続いた自民党政権の一党支配の腐敗堕落だと思います。
なぜか。日本国は国連などによる勧告や提言などを極端に嫌います。ILOの批准や国連による提言などには無視するか逃げ回る癖が官僚の肌に染みついているようです。

人道支援の国際基準スフィア基準に反している

国連が定めたもので、災害や紛争の被害者に対する人道支援活動のために策定された、「人道憲章と人道対応に関する国際的な最低基準」の通称。 1997年に作られ、現在は2018年版が最新。の国際基準スフィア基準(スフィアスタンダード)という被災者への基準があります。その中で、避難場所のスペースは1人3.5平方メートルでトイレは20人に1個必要。女性のトイレは男性の3倍など細かく決められています。日本の避難場所は難民キャンプよりも酷いものです。このスフィア基準に日本の体育館は全く適応していません。大阪万博など開催する金があるなら、1日も早くスフィア基準の避難場所を大阪万博の労働者を能登半島の被災地に送り込んで、スフィア基準の避難場所を350億円の予算で作ってくれ。そしてそれはプレハブで作れば、能登で不要になれば次の震災の被災地に持って行って、すぐに受け入れ可能になるではないか。

大阪万博など中止して、能登半島の復興事業へ

今すぐに全国からボランティアを受け入れよ。(ボランティアは衣食住は自力で)ボランティアが落とす金は観光客の代替になる。周辺の観光地やホテルや旅館で営業再開できる宿泊施設はボランティアを観光客の代わりにうけいれればいい。ボランティアに扮して泥棒や詐欺師などが来ることは想定内。1000人が能登に来ればその中に1人くらいは悪人は混ざるもの。犯罪者は警察が取り締まればいい。
ボランティアの良心に任せた方がきめ細やかに被災者に寄り添った復興支援が可能だ。
次に能登半島は少子高齢化が進んだ地域だ。特にそのなかでも半島の突端にある輪島や珠洲は観光と漁業が主産業で、高齢化率も高い。ここの復興は他の地域よりもより厳しいだろう。私に取っては珠洲市は原発建設をストップしてくれた恩人の町だから、何とか復興してほしい。そのためにも復興には莫大な予算が必要だろう。輪島は日本三大朝市のブランドがあるから、復興の目標を立てやすいだろう。
しかし、ライフラインが復旧して、被災者の日常生活が取り戻せたら、今度は家の再建をどうするかという問題が起きるだろう。日本国の災害支援金制度では崩壊して家屋の再建支援金は最高300万円だ。建築資材と工賃の値上げで、そんなはした金ででは塀くらいしか作れない。せめて1000万円以上は必要だ。災害復旧支援金の4倍増(1200万円)くらいなら小さな家が建てられるかもしれない。しかし、その予算がない?予算はある。大阪万博の予算が確か2350億円。崩壊家屋が5000棟としたら、合計で僅かの600億円。木製リンクの2倍しかかからない。大阪万博の全経費1兆円以上に比べたら鼻くそ程の経費だ。半年で壊す木製リンク何かより100倍も千倍も価値がある。大阪万博を中止したら、珠洲市と輪島市の家屋復旧に大阪万博の経費2350億円を充てるなら、大阪市民も吉村知事も大いに喜んで、賛成してくれるのではないだろうか。

能登半島は北朝鮮からの侵略を防ぐ砦だから防衛費を

もちろん、災害復旧支援金は恒久財源が必要なので、恒久財源としては防衛費だ。自衛隊が出て出動するのも防衛費だし、能登半島が無人の半島になったら、ここに北朝鮮から侵略されるかもしれないので、能登の復旧は正に防衛予算からでても一向におかしくない。能登は日本の防衛の最前線だから。北海道もロシアからの防衛の最前線だ。九州・沖縄も中国からの防衛最前線だ。防衛の概念を少し変えて、国民総防衛のためには国民の生活や地域の治安が最も重要。だから故郷を守ることは最も重要な防衛の一環であるとして、5年間で43兆円の防衛予算を今後の災害復興費に補填すればいい。






# by nonukes | 2024-01-08 12:08 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則

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