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小坂正則の個人ブログ

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経団連と連合傘下御用組合「電力総連、基幹労連」は「今だけ、金だけ、自分だけ」

いまだに原発新規増設と建て替えを要求する経団連と電力総連など連合内御用組合
小坂正則
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経団連が経産省へ原発新規立地などの答申を渡す
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今年2月17日に経産省は経団連や消費者団体などにエネルギー基本計画の改定に向けての聞き取り調査をやったという記事が出ていました。いつもの「原発はなくてはならない重要なベースロード電源」という、やらせ答申です。このパフォーマンスなどはいつものことなのですが、私たちが見過ごしてはならないことは、この組織の数の力です。経団連(会員企業1336社で大企業が中心)や連合傘下の電力総連、基幹労連、電機労連(組合員50万人以上)の数の多さ、つまりは組織力です。

本当の原発発電コストは?

世界では「太陽光発電の発電単価がが3円台と石炭火力よりも安くなっている」ということや、「高レベル核廃棄物、いわゆる核のゴミの後始末の処分地が日本中どこにもない」こと、直近では「廃炉が決まった原発8基の低レベル放射性廃棄物の捨て場も決まっていない」という問題も出てきています。それに東電福島原発事故の廃炉作業の費用が40兆円ということですが、あくまでも現在の見積額で将来は100兆円を超えると言われています。さて、六カ所村再処理施設の建設費が2.9兆円で、使用済み核燃料の再処理費用は13.9兆円。そして高レベル廃棄物の処分費用は3.8兆円とNUMOは見積もっていますが、そもそも受け入れ場所が見つかればという話しです。見つからなかったら、このまま六ヶ所村に地上保管ですが、その方が一番安全な気がしますが、そうなれば天文学的な費用を子孫にのこすことになります。
これらの原発関連費用を積み上げたらいったいいくらになるというのでしょうか。分かっているだけで、40兆円(福島原発事故費用)+17兆円(六カ所村再処理工場と再処理費)+1兆円(もんじゅ建設費)+3.8兆円(高レベル廃棄物処分費用)+3354億円(8基の廃炉費用)=62兆1354億円です。これは現在かかると計算された費用だけです。これから上乗せされる費用の中にはもんじゅの廃炉費用(もんじゅは廃炉の方法も考えていなくて作ったため廃炉方法はこれから考えるそうです?)は入っていません。
それに原発はこれから40基以上が廃炉を迎えるのですから、その費用を現在の費用から算出しても1基420億円です。420億円×40基=1兆6千億円です。ですから、現在考えられる原発廃炉までの費用が64兆円です。
しかし、実際には廃炉費用は処分費も含めたら、1基に1千億円はかかるといわれています。つまり廃炉費用だけで、上乗せ分が2兆円です。そして東電廃炉費用が100兆円と言われていますので、これを足すと何と126兆円ものコストが実際の原発を動かして廃炉にするためにかかる計算になるのです。ここには電源三法交付金で原発関連に使われた税金はカウントされていません。つまりは原発の発電コストは10円なんかではなく、20円も30円にもなるのです。
いえ、それら原発のコストは電気料金には入れないでしょう。だって、電力自由化で入れたら既存の電力会社は皆倒産してしまいます。じゃあ誰が払うのか?国が払うのです。つまりこれらの経費はみな税金として国民が支払うのです。だから電力会社は痛くもかゆくもありません。しかし、この国が疲弊して潰れてしまう日が早まるだけでしょう。それでなくても少子高齢化で三流国家に落ちぶれると報告されているのにです。つまり、私たちは自ら、割高でしかも放射能という猛毒を環境にばらまいて、処分の方法もない「原発による電気」を選択しているのです。なぜ政府や電力会社や鉄鋼会社などは、この国が滅亡に突き進む道へまっしぐらに進みたがるのでしょうか?私には正気の沙汰とは思えません。戦前に戦艦大和を造ったのと同じように、一度決めたことは方向転換できない官僚主義国家だからでしょうか。

原発を進める唯一の理由

よく原発推進派を表すのに「今だけ、金だけ、自分だけ」という言葉があります。もうこの一言で全ては言い尽くされていて、あとどんな説明も不要でしょう。つまりは「いま自分が金儲けができたら後は知ったことじゃない」という考えは日本の商人魂にも許されない考えです。
江戸時代の近江商人は「「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」という「三方良し」という言葉がありました。「自分が儲かるだけではだめで、相手も利益があり、社会にも貢献する」というのが日本の商人魂なのです。
そんな「商人魂」のない現在の悪徳商人たちに食い物にされてしまっているのがこの国の現状なのです。

どうすればこの現状を打破できるか

サンケイ新聞の2017年2月18日号に「電力総連など3労組、民進に『2030年原発ゼロ』再考を申し入れ」という記事がありました。経営者が「今だけ、金だけ、自分だけ」というだけではありません。そこで働く労働者ももう1つ加えて「今だけ、金だけ、自分の会社だけ」という考えなのです。電力総連がどんな考えなのかなど、私は人間として許せない発言が並んでいますのでウィキペディアを読んでください。そして、その中で何でこれまで野党の民進党は明確な「脱原発」を掲げられなかったのか、掲げていたとしても「言うだけで腹の内は別」という行動を取ってきたのか。それは電力総連や鉄鋼労連などの組合員が「脱原発派」の候補の選挙を応援しないだけなら、まだましで、対立候補の自民党を応援して、脱原発派の候補を落選させてきたのです。だから、選挙に弱い民進党の候補者は「口は災いの元」と、原発には「見猿、言わ猿、聞か猿」を決め込んで、脱原発が労働者の中に一向に進まなかったのです。
さて、今回、野党第一党の「立憲民主党」は脱原発を明確に掲げました。当然のこととして、連合傘下の反動御用組合の輩たちは自民党を応援するでしょう。小選挙区で仮に5千票が対立候補に流れたら、その影響は1万票になります。ですから、次の参院選と衆院選には御用労組の電力と鉄鋼の票を上回る浮動票と棄権票を掘り起こして、選挙に行こう運動と「原発の電気はお断り」という不買運動を進めて、この輩の考えと存在を白日の下にさらけ出す必要があるのです。
そうすれば連合の御用組合の連中も「このままでは我が社は潰れてしまう」と、考え方を改めるかもしれませんし、改めなければ電力総連の組合員は会社が潰れて路頭に迷うことになるだけです。それも身から出た錆なのでしかたないでしょう。近江商人の教えは偉大です。

原発増設、経団連が要求 経産省、計画改定へ議論
東京新聞、情報速報ドットコム2018年2月20日

経産省は2月20日、エネルギー基本計画改定に向けた有識者会議を開き、経済界や消費者団体などから意見を聴取した。経団連は計画に原発増設を明記することを要求。原発の建て替えや増設を基本計画に盛り込むか否かを巡り、賛成と反対の双方の立場から議論を繰り広げた。
経団連の担当者は、産業競争力の維持のため「海外と遜色ない価格でのエネルギー供給が必要だ」と原発の必要性を強調。2030年を標的としている現在の基本計画は増設を明記していないが、30年以降も一定規模の活用が不可欠だとして、盛り込むよう求めた。(共同)
経団連は原発建設が雇用や安価なエネルギーを生み出すとして、福島原発事故後も推進の立場を変えていません。安倍政権の原発輸出も経団連に配慮している面があり、今後の政府方針が重要になりそう。(情報速報ドットコム)
これに対し、全国消費者団体連絡会の関係者は増設に反対する考えを示した。(共同)


電力総連など3労組、民進に「2030年原発ゼロ」再考を申し入れ 
サンケイ新聞2017.2.18

 原子力産業と密接な関わりを持つ電力総連、基幹労組、電機連合の3労組が2017年2月17日、民進党に対し、同党が検討中の「2030年原発ゼロ」方針を再考するよう申し入れたことがわかった。同日、都内で3労組の幹部が野田佳彦幹事長、玄葉光一郎党エネルギー環境調査会長と面会し、要請文を手渡した。原発政策をめぐる民進党と労組との対立が激化しており、蓮舫代表の指導力が問われている。
 「エネルギー・環境政策をめぐる諸課題に係る要請」と題した要請文は、電力総連の岸本薫会長と基幹労連の工藤智司委員長、電機連合の野中孝泰委員長の連名で提出。平成23年の東日本大震災以来、電気料金やエネルギーコストの高騰が経済活動や国民生活に深刻な影響を及ぼしていると強調し「徹底した効率化やコストダウンなど現場で不断の努力を積み重ねている」と訴えた。

ウィキペディアより
電力総連 (電力会社とその関連企業組合など23組合、21万8千人)
基幹労連(新日鉄や造船など400組合、組合員25万人)
電機連合(電気メーカーに中小企業の電子・電気関連企業160組合組合員数は不明)

電力総連の原発に対する考え方

「数多くの組合員が…原子力の職場で働いており、日本のエネルギー政策の一翼を担っているということに自信と誇りを持っています」と、原子力発電を推進する立場をとっている。福島第一原子力発電所事故後も「事故原因が分かっていないのに、原子力発電を見直すべきかどうかの議論はできない」「原子力発電は、議会制民主主義において国会で決めた国民の選択。もし国民が原子力発電を望んでいないのなら、社民党や共産党が伸びるはずだ」(内田厚事務局長)と、連合が脱原発方針を打診した後も方針を変えていない(東京新聞2011年6月18日号「電力総連旗振り労使一体 原発推進方針変えず」)。
2013年の第23回参院選でも、民主党に組織内候補として浜野喜史(比例区)を擁立しつつ、原発再稼働反対や、脱原発を主張する候補は推薦しない、あるいは対立候補の支援に回る動きを見せた。(脱原発派の民進党候補に対しては自民党の候補を応援するなど露骨な妨害工作を行うから、民進党議員は電力総連の妨害を怖れて原発問題に触れたくないという議員が多かった(小坂:注))

by nonukes | 2018-02-25 13:46 | 福島原発事故 | Comments(0)

2020年「発送電分離」実施の前にやることがある


送電線利用は公正中立に接続させなければならない
小坂正則

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写真① 2017年12月18日テレビ朝日 報道ステーション
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写真②送電線は公平に利用できるべきもの

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写真③飯舘村に風力発電を建設計画


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         写真④20億円の送電線工事費を要求された
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写真⑤東北電力は送電線に空きがないと言う

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写真⑥東北電力の送電線利用率を計算したら?

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写真⑦送電線の空きは98~80%の空きが常にある
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写真⑧山口市が費用の金額根拠を問い合わせたら大幅に下がった




「送電線は電力会社の所有物ではない」国民の電気料金で作った公共財産だ

 2020年の4月から「発送電分離」が実施されます。しかし、使っていない送電線の権利を電力会社に既得権として認めるなら、新電力は現状と何も変わらなく、再エネ電力を増やすことなどできません。系統連携できないことや、系統につなぐために莫大な費用を求められるからです。それなら、日本の電力自由化が「見せかけの電力自由化」と批判されても仕方ないでしょう。
 2016年4月から始まった「小売り自由化」により、新電力による送電線への系統の受付が公平に行われているかなどをチェックする機関として、「電力広域的運営推進機関」(略称:広域機関)という組織が作られています。そこがチェックしているのですが、現状では既存の電力会社が送電線の利用受付を行っているため、「どのような手続きや費用が掛かるのか」などがブラックボックス状態なのです。

送電線費用は電力会社の言い値

 現状では新電力が発電所から電力会社の送電線に繋いでもらう場合、系統連携費用は電力会社が作った紙切れ1枚の請求書の金額が全てです。私が建てた太陽光発電の連携費用の場合、60数万円の請求金額だけで、その内訳も何もありませんでした。
 12月18日テレ朝の報道ステーション、(写真①②)こんなことが報じられていました。(写真③④⑤)福島県内の住民が県内に風力発電を建てようと、東北電力へ申請したら20億円の費用を請求されたので、諦めたということです。
(写真⑥⑦)ところが京都大学で空き容量が80%から98%もあることが分かったのです。なぜ、そんなに空いているのに電力会社は使わせてくれないのかという問いに「原発再稼働や夏場のピーク時に全発電所が動いた場合を想定しているため、使わせることは出来ません」と、回答したそうです。そんなバカなことはありません。夏場でも発電所の全てが動くことなどあり得ません。ましてや送電線は電力会社の所有物と思っているかもしれませんが、本当は消費者が払った電気料金で作ったものですから、公共設備です。だから「発送電分離」になった2020年からは、欧米のように「中立な運用」が求められるのです。
 次の例は、山口市のNPOが市と連携した事業として7千万円でメガソーラーを作りたいとして、中国電力に申し込んだところ、連携費用が4億5千万円という請求が来たそうです。ところが山口市が交渉に乗り出して、「何でそんなに費用が掛かるのか」と問い詰めたら、その後「70万円」という回答がきたというのです。(写真⑧)いきなり4億4千930万円の値引きです。森友学園の値引き以上の値引きです。
 こんなウソのような話しが、今日まで公然と行われているのです。
 ですから、2020年4月から始まる「発送電分離」には、送電線の利用は公平に行い、系統費用などの根拠を明らかにする必要があります。そのためには、本当は公的機関が送電線を運用するのが一番なのですが、自民党案は、そのようにはなっていません。欧米のように、電力会社とは資本関係のない送電線会社が行う「所有分離」なら公平な運用ができるですが、自民党の発送電分離案は「送電線会社を電力会社の子会社化にする」という「法的分離」です。

系統連携の運用ルールと市民の監督が必要

 ドイツでは送電会社4社の内3社は所有分離の完全分割された送電会社です。そして、系統への連携は再エネを優先するということ条件で運用されています。それに中立的な運用が行われているか、連邦政府と州政府により厳しくチェックされているそうです。はたして日本はどうでしょうか。経産省の天下りや御用学者が管理監督するのではないかという不安を、私は払拭できません。2020年の「発送電分離」の実施前に送電会社は「オープンで公平なルール」として国民が納得いくようなものにする必要があります。それにドイツのような監視・監督する公的機関のダブルチェックやそこに市民が参加できることなども必要でしょう。
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大手電力10社の送電線平均利用率が2割
朝日新聞2018年1月28日

 風力や太陽光発電などの導入のカギを握る基幹送電線の利用率が、大手電力10社の平均で19.4%にとどまると、京都大学再生可能エネルギー経済学講座の安田陽・特任教授が分析した。「空き容量ゼロ」として新たな再生エネ設備の接続を大手電力が認めない送電線が続出しているが、運用によっては導入の余地が大きいことが浮かび上がった。
 基幹送電線の利用状況の全国調査は初めて。29日に東京都内であるシンポジウムで発表される。
 50万ボルトや27万5千ボルトなど各社の高電圧の基幹送電線計399路線について、電力広域的運営推進機関(広域機関)が公表しているデータ(2016年9月~17年8月)を集計した。1年間に送電線に流せる電気の最大量に対し、実際に流れた量を「利用率」とした。
 分析の結果、全国の基幹送電線の平均利用率は19.4%。東京電力が27.0%で最も高く、最低は東北電力の12.0%。一時的に利用率が100%を超える「送電混雑」が1回でもあったのは60路線で東電が22路線を占めた。
 一方、「空き容量ゼロ」とされた基幹送電線は全国に139路線あったが、実際の平均利用率は23.0%で、全体平均と同程度。大手電力がいう「空き容量ゼロ」は、運転停止中の原発や老朽火力も含め、既存の発電設備のフル稼働を前提としており、実際に発電して流れた量ははるかに少なく、大きな隔たりが出たとみられる。
 電気事業連合会の勝野哲会長は昨年11月の会見で、送電線に余裕があるのに再生エネが接続できない状況を指摘され、「原子力はベースロード(基幹)電源として優先して活用する」と述べた。
 ある大手電力は「空き容量は、送電線に流れる電気の現在の実測値だけで評価できるものではない」と説明する。だが、欧米では、実際の電気量を基にしたルールで送電線を運用して、再生エネの大量導入が進んでおり、経済産業省も検討を始めた。
 「空き容量ゼロ」路線の割合は、東北電、中部電力、北海道電力、東電で高く、西日本の電力会社は少ない。東北電、北海道電などでは、空き容量ゼロの利用率が、管内全体の基幹送電線より低かった。
 安田さんは「本来は利用率が高く余裕がないはずの『空き容量ゼロ』送電線が相対的に空いているのは不可解だ。『なぜ空き容量をゼロというのか』『なぜそれを理由に再生エネの接続が制限されるのか』について、合理的で透明性の高い説明が電力会社には求められる」と指摘する。

再生エネ事業者に巨額の負担も

 再生可能エネルギーの導入に重要な基幹送電線が有効に利用されていない実態が明らかになった。一方で、接続を希望する事業者に、新たな送電線建設に向けた巨額の「請求書」が送りつけられている。再生エネの受け入れは大手電力で取り組みに差が出ている。
 再生エネ事業者の「レノバ」(東京都)は秋田県由利本荘市沖で洋上風力発電を計画している。最大出力は原発1基並みの100万キロワット。地元漁協の同意を得て、海底のボーリング調査などを進めてきた。2021年度に着工、26年度に運転開始を目指す。
 ところが、東北電力は、青森、岩手、秋田などの基幹送電線が「空き容量ゼロ」だとして、総額1千億円以上とみられる送電線増強費用の負担を前提に、新規接続希望を募集した。280万キロワット(当初)の枠に1500万キロワット以上が殺到、9割以上が再生エネで8割が風力だった。
 入札は来月の予定。既存の発電所も新しい送電線を利用するが、費用のほとんどを新規事業者が出す。レノバの負担は数百億円とみられ、木南陽介社長は「地元の期待が高く実現したいが、送電線への接続可能量などについて情報公開を徹底してほしい」と言う。
 京都大学再生可能エネルギー経済学講座の安田陽・特任教授の分析では、東北電は基幹送電線の約3分の2を「空き容量ゼロ」とし全国で最も割合が高いが、管内の平均利用率は最も低い。「空き容量ゼロ」路線で利用率が一時的に100%を超えた「送電混雑」は1路線だけだった。
大手電力の基幹送電線の路線数と平均利用率
既存送電線の有効利用を探る動きもある

 九州電力は14年度から6万ボルトの送電線に流せる電気を従来の2倍に増やした。故障の際の出力抑制が条件だが、再生エネの接続は増え続け、昨年4月には、一時的に電力需要の76%を太陽光が占めた。電気をためる揚水発電なども組み合わせて送電線の運用を工夫し、離島以外では再生エネの出力抑制も出ていない。
 安田さんは「九州では原発も再稼働し、太陽光が大量導入されつつあるのに、空き容量ゼロの送電線が少なく、興味深い。電力会社で運用方針に違いが出ている可能性があり、適切に運用すればさらなる再生エネの導入拡大が可能であると日本でも実証されつつある」と話している。




by nonukes | 2018-02-22 15:05 | 電力自由化 | Comments(0)

河野太郎外務大臣が官邸に反旗を翻したか?

有識者会議は「原発は高リスクで競争力のない電源」と安倍政権のエネルギー政策を切り捨てる
小坂正則
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昨日、外務省の「気候変動に関する有識者会議のメンバー」が河野太郎外務大臣へ「これまでの原発依存の外交を改め、原子力発電への依存度を可能な限り低減させて、再生可能エネルギー外交を行うよう」提言を手渡したものです。
この有識者会議は今年1月9日に初回の会合が開かれて、第1回会合では,河野大臣による冒頭挨拶に続き,自然エネルギー財団の大林ミカ事業局長から,「エネルギー転換」に向かう世界と日本について,黒崎美穂ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス・アナリストから世界の電力市場見通しについてそれぞれ報告がありました。その後,それらの報告で提供された情報やデータに基づき,メンバーが活発な意見交換を行いました。
外務省のHPによると、「次回以降の会合については,鈴木秀生地球規模課題審議官と有識者に加え,企業等において再生可能エネルギーの導入や気候変動対策に積極的に関与する関係者の参加を得て,1月中旬から2月上旬にかけて複数回にわたり開催予定」とありましたので、複数回の会合を開いたあと、19日の「提言」となったのでしょう。
よく調べたら、8回も有識者会議を開催して下記のような提言を行ったのです。1月9日から2月19日の提言までには1週間に1回の会合では7回しか開かれませんので、そこかで1週間に2回会議を行ったことになります。ハイスピードで立派な提言をまとめたことに、私は最大の敬意を表します。大林ミカさんは元原子力資料情報室のメンバーで現在は孫正義氏が作った「自然エネルギー財団」の事務局長だと思います。要は河野太郎氏の肝いりで集められた方々だから、こんなすばらし提言ができたのでしょう。
この提言を世間に広めて、外務省の名誉挽回を図りましょう。河野太郎外務大臣は、近ごろ世間では人気がた落ちのようですが、ここに来て一気に名誉回復ができるかどうかの瀬戸際です。秋の総裁選にこの勢いで突っ走って、安倍内閣をぶち壊してもらいたいものです。頑張れ外務省!頑張れ河野太郎新首相!

詳しくは外務省のHPへ


気候変動に関する有識者会議のメンバー

末吉 竹二郎 国連環境計画 金融イニシアティブ(UNEP-FI)特別顧問(座長)
大林 ミカ 自然エネルギー財団 事業局長
加藤 茂夫 日本気候リーダーズパートナーシップ 代表代行
 (株式会社リコー 執行役員サステナビリティ推進本部長)
黒崎 美穂 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス アナリスト 日本及び韓国リサーチ責任者
鈴木 達治郎 長崎大学 教授
鈴木 悌介 鈴廣かまぼこ株式会社 代表取締役副社長
 (一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 代表理事,小田原箱根商工会議所会頭)
高橋 洋 都留文科大学 教授
山岸 尚之 WWFジャパン 気候変動エネルギー・グループリーダー
吉高 まり 三菱UFJモルガンスタンレー証券 クリーン・エネルギー・ファイナンス部 主任研究員
 (慶應義塾大学大学院政策メディア研究科 特任教授)





外務省 気候変動に関する有識者会合 エネルギーに関する提言
気候変動対策で世界を先導する新しいエネルギー外交の推進を
 この提言は、外務大臣の諮問による有識者会合が、国際的な状況を分析し、日本の新しいエネルギー・気候変動外交の方向性について議論をし、とりまとめたものである。今回はエネルギーに関して、また、4月には気候変動全般についての提言を行うこととする。

はじめに
 世界がエネルギー転換に向かう中で、日本の立ち遅れが顕著になっている。
 日本は、東日本大震災以降、固定価格買取制度の導入や電力システム改革の推進などのエネルギー政策を進めてきた。一方、気候変動の影響が年々厳しさを増す中で、各国はパリ協定が求める脱炭素社会の実現に向けて、産業・経済・社会の変革を強く推し進めている。その速度は、日本を遥かに上回っており、世界との差は拡大している。
 気候変動をひきおこす温室効果ガスの9割を二酸化炭素が占め、そのほとんどが化石燃料の燃焼から放出されるエネルギー起源である。もっとも鍵となる気候変動対策は、エネルギー分野の脱炭素化、すなわちエネルギー転換であり、近年、エネルギー効率の向上とともに、再生可能エネルギーの拡大が、ますます重要となってきた。
 今、日本は再生可能エネルギーの拡大で先行する諸国に水をあけられ、また、二酸化炭素の排出が天然ガス火力に比べ2倍程度大きい石炭火力の利用を進める政策が、国際社会の厳しい批判を受けている。
国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)等の国際交渉の場で日本外交の隘路ともなり始めている。
 このまま脱炭素化をめざす世界の努力と齟齬ある政策を続ければ、エネルギー・環境分野での遅れにとどまらず、カーボンリスクを重視する世界市場でビジネス展開の足かせとなり、国際競争力を損なう一因となる。
 他方、日本の豊かな自然に根ざす再生可能エネルギーの活用を中心に据え、海外からの化石燃料やウランへの依存を減らせば、エネルギー安全保障に貢献し、国内に新しい経済を呼び込むことができる。もっぱら化石燃料資源の確保を目指してきた従来のエネルギー外交は、これからは、諸外国とともに、持続可能な未来の実現を希求する再生可能エネルギー外交を柱とするべきである。脱炭素化をめざす流れのなかで、まず、世界の現実を正しく伝えるデータと情報に真摯に向き合い、日本の置かれた状況を謙虚に受け止めることが必要である。その上で、国も、企業や自治体などの非国家アクターも、他国から信頼され、枢要な役割を果たすことのできる日本を目指して、エネルギー・気候変動政策のあり方を議論すべきである。
「エネルギーのことをエネルギーだけで考える時代」は終わった。この提言はそうした議論を進めるための第一歩である。

提言:気候変動対策で世界を先導する新しいエネルギー外交の推進を
 1.再生可能エネルギー外交を推進する
  1)気候変動対策で世界に貢献し、日本の経済・社会の発展につなげる
  2)持続可能なエネルギーで途上国の未来に貢献する
  3)多様な非国家アクターの国際舞台での活動を支援し、協働する
 2.エネルギー転換の実現へ、日本の道筋を確立する
  1)エネルギー効率化と再生可能エネルギーを脱炭素化の中心におく
  2)パリ協定と調和した脱炭素社会へ
  3)「原発依存度を可能な限り低減する」、この原点から出発する 
 3.脱炭素社会の実現をリードし、新たな経済システムを構築する
  1)日本の潜在力を引き出し、世界の最前線へ
  2)脱炭素化へ責任ある投融資の推進
  3)地域分散型エネルギーモデルで世界に貢献する

日本を取り巻く世界の状況

1.エネルギー転換に向かう世界
1)加速する再生可能エネルギーの導入
 今、世界は、産業・経済・社会の変革を促すエネルギー転換の最中にある。今まで、欧州や米国を中心とした一部先進国が享受してきた再生可能エネルギーが、中国、インド、アフリカや中南米諸国など、世界規模で拡大している。
 再生可能エネルギーの中でも、急速に伸びているのは太陽光発電と風力発電である。2000年にはわずか1.3ギガワットだった太陽光発電は、2017年には400ギガワット近くまでと300倍の伸びを見せ、風力発電は2000年の17ギガワットから、2017年には540ギガワット近くに伸びたとみられている。

2)急激に下がる再生可能エネルギーのコスト
 こうした動きを促進しているのが、世界各地で加速度的に進む再生可能エネルギーのコスト低下である。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、太陽光のコストが過去7年間で7割以上低下し、さらに2020年までに半額になること、また、2020年には、条件の良いところの太陽光や陸上風力は、キロワットアワーあたり3セント以下が主流になり、世界平均ですべての再生可能エネルギーが化石燃料より安価になるとしている。これまで再生可能エネルギーの中でも、高価と言われてきた洋上風力発電も、相次いで最安値を記録しており、過去5年で、7割のコスト低下が起きている。英国、デンマーク、オランダ、ドイツなど各国が、ビジネスリスクを低減した市場環境作りという政策競争を行い、次々に入札価格の下落記録を塗り替えている。

3)変わる電力市場の主役
 国際エネルギー機関(IEA)の最新予測は、これから導入される電源で際だって大きな割合を占めるのは、太陽光や風力を中心とした再生可能エネルギーであるというものである。一方で、ブルームバーグは、2040年までの電力市場の見通しとして、再生可能エネルギーへの投資が6割以上を占め、電力容量も6割以上となり、世界全体の発電量の中で石炭が占める割合は2020年代半ばにピークを迎えるとしている。
 世界の総発電量に占める原子力発電の割合は、1996年に最大の17%となり、次第に低下、現在は10%前後である。新規の開発も勢いを失っている。開発が減少している最大の要因は建設費の高騰である。欧米では、新しい原発の建設コストが、キロワットあたり100万円近くにのぼっている。原発は、すでに気候変動対策の切り札ではなくなっている。
電力の安定供給のために、「ベースロード電源」として原子力や石炭が必要だという考え方は、すでに過去のものになっている。電力市場の成熟した各国では、限界費用の安い再生可能エネルギーをまず最大限に使い、残りの電力需要には、気象予測を統合した電力取引や系統の広域化、需要マネジメントとともに、天然ガス火力などの柔軟な電源を活用するというシステムに移行している。柔軟性に乏しい原子力や石炭の役割は次第に限られたものとなってきた。エネルギー市場の主役は入れ替わり、エネルギーを考える出発点が変わったのである。

4)新しい経済を後押しするエネルギー転換
 経済成長を維持しながらエネルギー消費や二酸化炭素排出を減らしていく「デカップリング」は、すでに世界規模で起きており、石炭からガス火力への転換を行ってきた英国や米国、再生可能エネルギー導入先進国のドイツなどで、長期的な傾向となっている。
 再生可能エネルギーやエネルギー効率化など、エネルギー産業を脱炭素化するために必要な投資は、2050年までにさらに約29兆ドル以上にのぼるが、世界全体の国内総生産(GDP)に占める比率は0.4%に過ぎない。そして、むしろこうした投資が新しい経済成長を促し、2050年に世界全体でのGDPを0.8%押し上げていく。世界全体のエネルギー転換が進むにつれて、再生可能エネルギー産業における雇用は2016年時点で1,000万人近くに達し、日本でも30万人以上が雇用されている。気候変動への投資は経済成長への投資である。経済だけではなく、エネルギー転換により、大気汚染が緩和されるなど、環境面や健康面でのメリットを通じて、人類の幸福度が向上していく。
 このような新しい経済は、地域社会の仕組みを大きく変える可能性も秘めている。再生可能エネルギーは各地域に分散する地域に根ざした資源であるため、関連事業による地域経済への波及効果は大きい。

2.脱炭素社会構築に疾走する世界

1)パリ協定が加速するエネルギー転換
 パリ協定は、2015年12月にCOP21で合意された、脱炭素社会を実現するための国際協定である。先進国も途上国も一体となって「産業革命前からの地球の気温上昇を2℃より十分低く保つ。1.5℃以下に抑える努力をすること」、「そのために、21世紀の後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにすること」を約束している。
 このパリ協定の目標を確実に達成するために、各国は2050年を展望する2030年のより具体的な政策目標を示している。欧州は90年比で2050年に80-95%、2030年に最低で40%の温室効果ガスを削減する目標を掲げている。電力分野の再生可能エネルギーは、2030年にドイツは50%以上、フランスは40%、欧州全体では45%程度の導入を目指す。米国でも、カリフォルニア州やニューヨーク州では、2030年までに50%の再生可能エネルギーの導入を目指している。中国やインドなどの新興国も、再生可能エネルギー電力の最大限の活用を、脱炭素社会への移行を実現する中心的な戦略として位置付けている。
 2017年11月のCOP23では、国内の石炭火力を廃止し、国内外の全ての石炭火力に対する投資を止めることを宣言する「石炭火力からの撤退連盟」(Powering Past Coal Alliance)が発足した。12月のパリ気候変動サミットの時点で、26の国と8地方政府、24企業等が参加している。カナダ、英国、フランスなどの先進工業国が石炭火力の全廃を目標として掲げるだけでなく、中国やインドなどでも、新規電源開発の中心は石炭火力から再生可能エネルギーに移ってきている。
 
2)世界に広がる金融の脱炭素化
 金融業界では、脱炭素化という創造的破壊が進みつつある。世界銀行や欧州投資銀行などの国際投融資機関や政府系投資ファンド、機関投資家は、石炭など化石燃料への新規出資の停止や、投資そのものを引き揚げる「ダイベストメント」を次々に宣言し、実行に移している。例えば、96兆円を運用する世界有数の政府系投資ファンドであるノルウェー政府年金基金(GPFG)は、気候変動や資産運用の観点から石炭関連への投資はリスクが高いと位置付けている。ノルウェー国会は、2015年6月、GPFGの石炭関連株式の売却を正式に承認、GPFGは9,000億円以上の株を売却し、2017年3月までに日本の企業を含む世界の石炭関連77社からのダイベストメントを実施している。
 一方、投資先企業に積極的な気候変動対策の実施を求める「エンゲージメント」という取り組みも広がっている。例えば、全米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)など世界の主要な機関投資家は、2017年のCOP23において、温室効果ガス発生量の多い世界の大企業100社を対象に、気候変動対策の強化を求める「クライメートアクション100+」を開始している。

3)脱炭素化を先導するビジネス
 政府や金融だけではない。世界規模でビジネスを展開する企業こそ、脱炭素社会の構築の先頭に立っている。グーグルやアップル、マイクロソフト、アマゾン、GM、バドワイザーなどの世界的企業が、自らの消費電力やバリューチェーンで消費されるエネルギーを再生可能エネルギーに転換するための取り組みを始めている。
 こういった企業の再生可能エネルギーへの転換は、気候変動問題への対応だけが理由ではなく、ビジネスと一体となったものである。従来型の化石燃料への投資や、化石燃料を利用し続けること自体が事業リスクになっていること、価格が安定した再生可能エルギーの長期購入は、企業のエネルギー費用を下げるなどの実際の利益をもたらすことが、明らかとなってきたためである。

エネルギーから見た世界の中の日本
1.遅れる脱炭素への取り組み
1)偏る再生可能エネルギーの導入状況と低い目標値
 日本は、東日本大震災以降、固定価格買取制度の導入や電力システム改革の推進などのエネルギー・環境政策を進めてきた。固定価格買取制度により、太陽光発電の導入量は拡大し、わずか5年で、5%程度の電力を供給するまでに成長した。2017年までには合計で50ギガワット程度が導入されたとみられている。一方で、太陽光以外の再生可能エネルギーは導入速度が遅く、特に、世界的には高い価格競争力を持つ陸上風力発電の拡大はまだ本格的に始まっていない。地熱や小水力も伸び悩み、バイオエネルギーの拡大が輸入に依存しているように、日本に存在する豊かな再生可能エネルギーを活用できていない。
2030年に電力の22-24%という日本の再生可能エネルギー目標は、市場に対して今後も再生可能エネルギーを拡大していくというメッセージを発信できていない。

2)依然として各国よりも高い再生可能エネルギーのコスト
 太陽光発電の拡大につれ日本でもコストが次第に低下し、固定価格買取制度導入前に比べ、事業用太陽光も住宅用太陽光も6割から7割もコストが下がっている。ベストパフォーマンスの太陽光は、すでにガス火力とも競争力を持つようになった。しかし、海外ではそれを上回る速度で急速にコスト低下が実現しているため、日本は、太陽光も風力も平均では世界でもっとも高い国々の一つにとどまっている。
 近年、多くの国々が、良好な競争環境を政策的に用意し、入札によって再生可能エネルギーのコストを低下させている。しかし、日本では、系統連系や優先給電の保証がなく、目標設定が低いことなど将来的な再生可能エネルギー拡大の展望に欠けるため、事業者がコスト低下に踏み込める環境が整っていない。
 こうして、再生可能エネルギーのコストが高止まりすることにより、日本では企業が再生可能エネルギーを十分に活用できずにいる。こうした状況が続けば、国際競争力を削ぐ一因になることが懸念される。

3)効率化の求められる熱利用
 石炭火力や原子力発電では、投入されるエネルギーの3割から4割しか電力にすることができず、高効率のガス発電でも5割程度にとどまる。残りのエネルギーは、熱として環境中に捨てられている。一方でエネルギーの消費サイドでは、熱需要が全体の三分の一を占めている。これまで日本では、電力に力点を置いた政策がとられてきたため、大きなポテンシャルが存在する、太陽熱、バイオエネルギー熱、地中熱などの利用は進まず、地域熱供給やコージェネレーションの導入も限定的なままである。国内に大きなポテンシャルのあるこういった熱エネルギー源の徹底利用の推進が必要である。

4)大きな改善の余地がある省エネルギー・エネルギー効率化
東日本大震災前に比べて、日本では電力消費量が年間10%程度減少した。電力の使い方の見直しや、高効率のエネルギー機器の導入が大きな効果をあげた結果であるが、すべての分野で効率化が進んでいるわけではない。国内には、日本の産業は先進的な対策をやりつくしているため「乾いた雑巾」のような状態だ、という神話がある。確かに、1970年代の第一次石油ショックの直後は、一気にエネルギー効率化が進められ、エネルギー効率大国となったが、80年代から90年代にかけて効率化は停滞し、国の統計でも製造業のエネルギー生産性は足踏みを続けている。特に、日本のGDPの半分を生み出す中小企業・小規模事業者での省エネルギー・エネルギー効率化は、まだ進んでいない。建築分野のエネルギー消費性能基準の義務化も始まったばかりで、多くの住宅・建築物が対象とされておらず、既存の建築物の対策も進んでいない。一方、欧州各国では、すべての建築物に省エネルギー基準を課して、需要側でのエネルギー消費削減を促進し、同時に、電力だけでなく再生可能エネルギーの熱利用にも目標値を設定している。日本にも、IoT技術などの活用で、仕事と暮らしの場で快適な環境を維持し、質を高めながらエネルギーの消費量を減らしていくことのできる大きな余地が存在している。
 
5)高まる石炭火力発電への依存
 パリ協定の発効以降、日本国内で計画されている約17ギガワットもの石炭火力の増加や、日本政府による途上国への石炭火力の輸出支援の問題が、国際会議の場でもたびたび取り上げられるようになってきた。
 国内の計画が実行されれば、現行の「エネルギー基本計画」にある2030年に26%を石炭で賄う目標を大きく上回る可能性もある。再生可能エネルギーの増加とエネルギー効率化により、日本の温室効果ガスの排出量は、2013年度以降低下傾向にあるが、石炭火力が増設されることで、削減目標の達成が著しく難しくなる。そして、エネルギー消費の低下や再生可能エネルギーの増加による設備利用率の低下などで、大規模な投資が座礁資産となっていく可能性が高い。

6)原子力発電の役割の低下
 東京電力福島第一原子力発電所の事故から7年が経とうとしているなかで、事故前には54基あった原発のうち、現在稼働しているものは4基である。
世界的には、原子力は、高リスクで競争力のない電源であることが明らかになっているにもかかわらず、日本では、原子力が他の電源よりも安価であるという試算がそのまま使われている。新規の原子力発電に巨額の公的支援を必要としている海外の事例を見ても、日本での原発新増設は経済的な現実性を欠いている。また、原子力発電は、石炭火力と同様に需要追従性が低く、系統に対する柔軟性に乏しいため、世界が進める再生可能エネルギー中心の電力システムとの整合性に問題を抱える。
 投資リスクが高く柔軟性に欠けるエネルギー技術への固執は、再生可能エネルギーの拡大を阻み、日本のエネルギー転換を妨げてしまう。

2.日本不在のまま進むグリーンビジネスのルールメイキング 

1)バリューチェーン参加に求められる再生可能エネルギーの利用
 脱炭素化が企業評価の基準になる中で、エネルギー産業以外のビジネスアクターが、再生可能エネルギーの利用などのビジネスの脱炭素化にむけて大胆に動き始めている。そういった中で、世界と足並みを揃えられない日本の製品やサービスが、バリューチェーンへの参加条件を失うリスクが生じている。
 例えばアップルは、世界全体での100%グリーン化を視野に入れて活動し、中国に500メガワット近くの再生可能エネルギー施設を自ら建設し、生産業者も再生可能エネルギー電力の購入に取り組むよう働きかけている。また、世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、2017年に、商品を納入するサプライヤーに対し二酸化炭素排出量削減を求める「プロジェクト・ギガトン」という取り組みを開始した。
 これらの動きは、脱炭素化が新たな商業ルールになったことを意味している。日本の再生可能エネルギー導入率が低い水準にとどまれば、日本企業の世界でのビジネス展開を困難にする恐れがある。

2)世界で進む脱炭素化のルールメイキング
 製品評価の基準や企業活動のルールを脱炭素経済への転換と整合するものに改めていく動きが広がってきている。例えば、欧州では、ライフ・サイクル・アセスメント(LCA)によって蓄電池を評価する
動きが出ている。今後、こうした評価が導入されれば、国内で再生可能エネルギーからの電力供給率の高い欧州各国で作られる製品が、化石燃料依存の高い日本製品より有利に評価される可能性が高い。再生可能エネルギー導入に立ち遅れ、化石燃料に依存したエネルギーを使い続けることは、日本で生産される製品の評価を下げてしまう。
また国際的には、EU、中国などで排出権取引制度や実効性のある炭素税がすでに導入されており、米国でもカリフォルニアやニューヨークなどの主要な州で排出権取引制度が導入されている。しかし、日本では、地球温暖化対策税で設定された炭素価格は低いレベルにとどまり、排出権取引制度も東京都以外では法制化されていないなど、国際的な炭素市場の議論や制度設計に大きく出遅れている。
 脱炭素経済のルールづくりが日本不在のまま続けば、世界的に活動する日本の企業にとって、大きなマイナスとなりかねない。

提言:気候変動対策で世界を先導する新しいエネルギー外交の推進を
1.再生可能エネルギー外交を推進する
1)気候変動対策で世界に貢献し、日本の経済・社会の発展につなげる
 気候変動は地球規模の危機であり、人類の存続をも左右する。この課題に真摯に立ち向かうことを抜きに、日本の国家としての品格を保つことはできない。また気候変動は地域紛争の一因ともなり、安全保障上のリスク拡大を招く。
 今日の日本は、パリ協定で合意された2℃目標達成に向け、主導的な役割を果たしているとは言い難い。
この状況から脱却するために、脱炭素社会に向かう世界で急速に役割が高まっている再生可能エネルギーを、日本が内外で強力に推進することにより、国家としての信頼を高める「再生可能エネルギー外交」を展開する。
 再生可能エネルギー外交は、化石燃料資源の確保を中心とした従来のエネルギー外交を、尽きることのない自然のエネルギー資源の活用により、世界とともに持続可能な未来を希求する外交へと発展させるものである。気候変動の危機回避の取り組みは、脱炭素ビジネスの成長機会を生み出しており、日本外交がこの課題で世界をリードすることは、新たな経済成長への道である。

2)持続可能なエネルギーで途上国の未来に貢献する
 世界で未電化地域に住む12億人の人々へ電力アクセスを提供することは、国連持続可能な開発のための2030年アジェンダ(SDGs)の重要課題である。広域的な電力系統の整備がなくても分散型電源として電力を提供できる再生可能エネルギーは、未電化地域への最も迅速な解決策である。
 途上国の経済発展にともなうエネルギー需要の拡大への対応として、日本の有する優れたエネルギー効率化技術の活用とともに、途上国の再生可能エネルギー資源を活用する技術の供与や投資を促進していく。持続可能なエネルギー開発を支援することが、途上国の未来への真の貢献であり、日本は、途上国の新しい経済を共に築いていくパートナーとなる。

3)多様な非国家アクターの国際舞台での活動を支援し、協働する
 脱炭素社会をめざす世界各地で、企業や自治体、NGOなど非国家アクターの役割が高まっている。非国家アクターの活躍が、パリ協定の実施を支え、加速している。「企業版2℃目標」とも呼ばれる「サイエンスベースドターゲット」には、すでに42社の日本企業が取り組み、2017年には、使用電力を全て再生可能エネルギーに切り替える「RE100」に3社の日本企業が初めて参加を表明した。また、全国各地で、地域に根差した中小企業が共同し、再生可能エネルギーの電力や熱の利用を活発化させており、国に先んじたエネルギー政策を進める自治体も存在感を高めている。
 率先して脱炭素化に取り組む非国家アクターを支援し、これらの世界でのプレゼンスを高めることも、日本外交の新たな役割である。国内の先駆的な企業や自治体、またNGOとのネットワークを形成し、市民社会と連携して、世界に向けた発信強化を進めていく。

2.エネルギー転換の実現へ、日本の道筋を確立する

1)エネルギー効率化と再生可能エネルギーを脱炭素化の中心におく
 脱炭素社会への転換は、経済、地域のあり方の根幹に関わるものであり、速やかな実現には強い政治的意思の発揮が必要である。
 脱炭素化に向け、省エネルギー・エネルギー効率化と再生可能エネルギーが中心的な役割を果たすことは、今や国際的な共通認識になっており、日本でもこれまで以上に高い目標の設定が必要である。野心的な目標値は、企業と地域への明確なメッセージとなり、エネルギー効率化技術、再生可能エネルギー拡大の長期的で安定的な市場の形成、公正な競争を成立させる土壌の醸成、規模拡大によるコスト低下を可能にする。

2)パリ協定と調和した脱炭素社会へ
 石炭火力発電は最新のものであったとしても、パリ協定の2℃目標と整合しない。日本は石炭火力発電所の廃止を覚悟し、その基本姿勢を世界に公表していく。国内の石炭火力の段階的廃止のロードマップを示すとともに、途上国への支援はエネルギー効率化と再生可能エネルギー開発を中心としていく。石炭火力輸出への公的支援は速やかな停止をめざす。

3)「原発依存度を可能な限り低減する」、この原点から出発する 
 東日本大震災後に初めて策定された現行のエネルギー基本計画は、その冒頭に「震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見直し、原発依存度を可能な限り低減する。ここが、エネルギー政策を再構築するための出発点であることは言を俟たない。」と明記している。
 原子力発電が経済競争力を失い、再生可能エネルギーが価格競争力を高めている世界の現状を認識し、原発への依存度を限りなく低減していく。

3.脱炭素社会の実現をリードし、新たな経済システムを構築する

1)日本の潜在力を引き出し、世界の最前線へ
 日本企業は、エネルギー効率化、電気自動車などの次世代自動車、蓄電池などのストレージ技術、次世代太陽光パネルや洋上風力発電など、さまざまな高い脱炭素化技術を有している。政府がエネルギー転換を実現する新たなビジョンを示すことにより、十分に活用されていない既存技術も含め、日本企業の有する技術力を活かす新たな市場が国内に生まれるとともに、世界市場でさらに大きな役割を果たす足掛かりとなる。
 また、企業が高効率のエネルギーシステムや再生可能エネルギーを選択・利用しやすい仕組みを構築するともに、国際的な評価基準の策定をリードすることも必要である。脱炭素化のルール作りに主体的に参加してこそ、日本経済が今後とも世界のバリューチェーンの中に確かな位置を占め続けることできる。

2)脱炭素化へ責任ある投融資の推進
 脱炭素化に向けてはグリーン金融の役割が欠かせないという認識のもと、エネルギー政策に金融を含める統合的アプローチが進んでいる。石炭など化石燃料への新規出資の停止や投資引き揚げ(ダイベストメント)だけではなく、内外におけるエネルギー効率化、再生可能エネルギー分野への、長期的視点に立った責任ある投融資や保険を普及し促進する政策が必要である。また、環境・社会・ガバナンスに取り組む企業を重視するESG投資が進む中で、国内外のバリューチェーン全体の脱炭素化への投資が促進されるよう、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」などが示した気候変動のリスクと機会に関わる財務情報開示の普及を促進する。
 さらに、政府開発援助における気候変動分野への資金拡大、緑の気候基金(GCF)などの気候変動関連の国際的な資金メカニズムの活用促進を途上国とともに進めることが重要である。

3)地域分散型エネルギーモデルで世界に貢献する
 地域分散型の再生可能エネルギーは、広域的なエネルギーインフラが遮断されても、電力や熱を供給することが可能であり、災害に強い地域づくりに寄与する。今後、気候変動が引き起こす自然災害の頻発が予想される中で、地域分散型再生可能エネルギーの重要性はますます高まっていく。
 日本でも2011年の東日本大震災を経て、地域に根ざした主体による再生可能エネルギー発電事業や自治体新電力などが多数生まれている。こういった動きは、地域が再生可能エネルギーの活用や省エネルギーの促進において主役となるものであり、地域外へのエネルギーコストの流出を減らし、地域を豊かにするものである。電力だけでなく、地域における再生可能エネルギーの熱利用開発も有効な方策である。
 これらをさらに促進するために、既存制度の見直しや、新たな法的枠組みの構築、人材育成やノウハウの共有といった支援を進めていく。さらにこのような取り組みを世界的に普及させるため、各国と連携し、地域分散型再生可能エネルギーの導入支援などの国際協力を推進していく。


by nonukes | 2018-02-20 10:33 | Comments(0)

パリ協定が世界を脱化石エネルギー社会へと変えた

小坂正則

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               (出典)United Nations Framework Convention on Climate Change

伊方原発3号機仮処分のショック

 昨年12月13日の広島高裁決定は、近ごろ久方ぶりの幸せになれたひとときでした。河合弁護士から「広島高裁では勝てそうだ」という噂が私の耳にも聞こえてきていたのですが、何せ、あのようなひどい決定を出した広島地裁と同じ場所にある上級審で、そんな仮処分を認めるなどあり得ないだろうと考えていたのです。しかし、それが期限付きとは言え、9月までの10ヵ月間も伊方原発3号を止めるというのですから、正に青天の霹靂のような出来事でした。広島高裁の決定は今後の伊方仮処分にも少なからず影響を与えることでしょう。しかし、この決定に世界のエネルギー政策の大きな波が影響を与えたということを証明はできませんが、世界で起こっている再エネ革命は日本の経済界は基より、司法の場にも何らかの影響は与えることでしょう。
 私が今年になって最初に観た映画が「不都合な真実2放置された地球」です。前作の「不都合な真実」は2006年に発表されて、今回の第二作目は10年目の地球温暖化を訴える映画です。この映画を観て、私が考えていたスピードを遙かに越えるスピードで世界が大きく変わりつつあるのだということを実感しました。
 昨年、トランプ米大統領が「パリ協定を脱退」というニュースがありました。しかし、カリフォルニアの知事や米国の大手企業など米国で排出するCO2の30%排出する企業や自治体が、「トランプが脱退しても我々はパリ協定に残るんだ」と、表明しています。日本ではそんなに「パリ協定」のニュースは大きく報道されませんが、実は「パリ協定」が、今日の「脱炭素革命」を引き起こした大きな理由なのです。

パリ協定が世界を変えた

「パリ協定」とは、第21回気候変動枠組条約の国会議(COP21)が開催されたパリにて、2015年12月12日に採択された、気候変動抑制に関する国際的な協定のことの略称です。その目的は「産業革命前からの地球の気温上昇を21世紀後半に2℃より低く抑えることと、21世紀の後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにする」というものです。
 そして、2016年4月から各国による署名が始まり、9月には世界で二酸化炭素排出国の1位と2位の中国と米国も署名をしました。1997年の京都議定書には米国は元より発展途上国の中国やインドなどは入っていませんでしたが、パリ協定は世界192カ国とEUが加盟している文字道理の世界協定です。残念ながら米国は17年6月に脱退を表明しましたが、「パリ協定は2020年の末から始まるが、その前に米国の大統領選挙があるから、トランプを落とせば何の問題もない」とアル・ゴアは言います。
 実はこのパリ協定が世界のビジネスモデルを激変させているのです。なぜなら今世紀末には温室効果ガスは完全に排出できなくなるのだから、「これからは再エネや電気自動車など二酸化炭素ゼロの製品でなければ売れないし、そのような産業が爆発的に拡大する」ことは誰にでも分かることです。大手企業の経営者で、その意味が分からない者は経営者失格です。だから東芝や三菱や日立が今、窮地に追い込まれているのです。
 日本政府と石炭火力発電機のメーカーである三菱や東芝などの大手企業と安倍首相は「石炭ガス化複合発電で16%CO2を削減」のパンフレットを引っさげて、東南アジアなどへ高効率の石炭火力発電を売り込んでいて、実際にアジアで十数機の石炭火力発電を日本政府の融資付きで売り込みに成功しています。そのことで、COP23の開場前では日本の「石炭火力反対」のNGOや投資家から冷たい視線に晒されました。何よりもそのことが今日の日本の現状を表しているように思います。

再エネとEVに対して失速する石炭火力と原発

 昨年12月17日のNHKスペシャルで「激変する世界ビジネス“脱炭素革命”の衝撃」という番組がありました。そこでは、日本の石炭火力が批判さえた映像が流れていました。そして太陽光発電の発電コストがこの数年で衝撃的なほど価格低下が起こったと言うのです。それは生産量が毎年倍々ゲームで伸びていることから来ているのですが、企業や政府が太陽光発電を導入を決めるきっかけが「パリ協定」にあったのです。中東や中国では太陽光発電の発電コストが3円を切っているそうです。すると、日本のような手厚い補助をしなくても市場が太陽光発電を普及させるのです。いまや石炭火力が1キロワット当たり5円ですから、3円の太陽光発電の方がCO2を出さなくて石炭火力よりも安いのですから、石炭火力など世界から不要になりつつあるのです。もちろん原発は安全対策のために発電コストがどんどん上がっていますから、論外ですが、日本では原発の発電コストが12円以上だそうですから、元々話にもならないのです。
 世界中の企業が企業イメージをアップするために再エネに投資するのではなく、経済的な利益のために太陽光発電への投資を行っているのです。また投資家は、これから伸びていく企業として温暖化対策を取る企業に投資を集中させているのです。ウォルマートは全ての店の屋根に太陽光を設置して、そこで消費する電気の全てを賄う計画だそうです。再エネ投資で1年間に1千億円の利益を上げたそうです。また投資家が石炭火力発電などへの投資から撤退しつつある理由として、今後現在のペースで化石燃料を使い続けると、後25年でCO2の排出上限に達してしまい、化石燃料があっても使うことができなくなるから、化石燃料が無価値になってしまうというのです。だから投資家などを中心にして「脱炭素革命」が起こりつつあるのです。
 さて、電気自動車ですが、これは電気で走るので、走行人はCO2を出しませんが、充電時に使う電気を何で発電するかによって随分変わってきます。確かにプリウスなどエコカーと言われていた省エネカーにより石油の使用量を減らすことはできるようになりましたが、電気自動車を石炭火力発電で走らせたらCO2削減効果にはなりません。ただ将来的には再エネで電気自動車を走らせたらCO2ゼロを実現できます。それと、中国の北京が石炭火力発電と自動車排気ガスで空がスモッグで覆われていることも電気自動車普及の理由です。また、中国が再エネや電気自動車の普及に国家を上げて取り組むもう1つの大きな理由があります。それは再エネ関連の産業を育成して、世界をリードしていこうという習近平政権の国家戦略があるからです。
 そんな理由から電気自動車導入のために環境規制が中国と米国カリフォルニアで始まりました。中国やカリフォルニアでは一定数の電気自動車の販売実績がない企業は、車を売れないという規制を掛けるそうです。だから電気自動車を販売してないトヨタも慌てて2019年から電気自動車を販売すると方向転換したのです。それに呼応するようにフランスでもイギリスドイツなどでガソリン車の生産規制が始まります。インドでも2030年には全自動車を電気自動車へシフトさせると伝えられています。世界中の自動車が電気自動車に代われば石油消費は減りますが、電力消費は爆発的に増えます。しかし、その分は太陽光発電の爆発的な導入でカバーできて、電気自動車のバッテリーの需要が増えれば、バッテリーのイノベーションが起きて、性能は上がりコストは下がるでしょうから、世界中で増える太陽光発電の負荷調整用のバッテリーが低コスト化して普及するでしょう。ですから、太陽光発電と電気自動車とバッテリーは三角関係で互いにイノベーションを起こし合うのです。

地球温暖化説の異論

 実は「地球温暖化説」と「地球寒冷化説」や「地球温暖化懐疑説」などがあって、特に地球温暖化説の中には原発推進派も混ざっているので、私はスンナリと「温暖化説」を支持する気にはなれませんでした。
 もちろん私は「温暖化懐疑説」や「地球寒冷化説」を支持するわけでもありません。科学は真実の追求を行う学問ですから様々な説があるのはむしろ当たり前です。科学の真実は多数決で決めることではありません。真実は歴史が証明するでしょうから、それまでの間は色んな説を科学者の間で戦わせればいいのです。
 ただ、政治や環境対策はそういうわけにはいきません。政治的な対策は多数決で決めざるを得ないのです。「100年後に地球の温度が6度上がったから、これは何とか対策を講じなければならない」といっても手遅れです。ですから、今人類にできることの全ての対策を講じる必要があるのです。温暖化対策をやって、100年後に温暖化しなかったなら、それはそれで良かったということでしょう。

化石燃料にすがりつく日本政府と企業

 このような世界の動きに逆行しているのがトランプ政権と安倍政権です。トランプは支持者の石炭や石油オーナーの支持を得るために、パリ協定から離脱したのですが、トランプと安倍晋三はよく似ています。お二入は世界がどうなろうと知ったことではないし、自分の目先の利益しか頭にない人間でなのです。政権に群がった「重高長大」の古い産業のトップと官僚と一緒に国家を食い物にしているのです。
 安倍政権が日立の原発をイギリスに売り込むために、1兆5千億円の政府債務を保証して、産業界から1兆5千億円の投資を呼び込むという計画が報じられていました。結局、この原発建設が頓挫したら湯治場と同じような目に遭うのです。今度はその負債分は国民の税金で賄うというところが違うだけです。こんなふざけた計画は許してはならないし、日本でも1日も早く再エネへシフトさせなければなりません。


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「パリ協定」1.5℃目標に反する恥ずべき日本の石炭政策
緊急声明
第23回気候変動枠組条約締約国会議(CO23)、ボン
2017年11月16日

私たち世界中の環境団体は、国際協力銀行(JBIC)がインドネシア・西ジャワ州チレボン石炭火力発電事業の拡張計画(チレボン2、1000 MW)への貸付を実行したこと、および日本政府がパリ協定の1.5℃目標の達成に相反する化石燃料、特に石炭事業への経済支援を継続していることに強く抗議します。

11月14日、JBICは現地で新たに発行された環境許認可に関わる問題が解決していないにも関わらず、チレボン2拡張計画への1回目の貸付を実行しました。このチレボン拡張計画には、日本の大手商社の丸紅株式会社および東京電力と中部電力が共同で設立した火力発電事業のための株式会社JERAが出資しています。新しい環境許認可は、地裁によって違法と判断された元の環境許認可に代わって発行(2017年7月17日発行)されたものですが、現地住民はこの新しい許認可に対しても無効を求めて起訴する考えです。

JBICには、2017年4月にも住民訴訟判決が出る前日に融資契約を締結したという前科があります。私たちは、このように違法性を軽視し、現地住民の訴えと権利を無視し続けるJBICの態度に断固抗議します。

現地住民は、既設のチレボン1(660MW)によって生計手段を奪われるなど、既に多大な損害を被っています。チレボン1にもJBICは融資しており、住民はこれ以上の彼等の生活への悪影響が出ないようにJBICがチレボン2への融資を行わないことを求めていました。

JBICがチレボン2への融資貸付を実行し、日本政府が石炭関連事業への支援を続けていることは、世界中の現場、および、今まさにここで開催されているボンでのCOP23において気候変動を食い止めようとしている世界の努力を台無しにするものです。

また、JBICはインドネシアの石炭火力発電事業だけ見ても、最近、バタン新設、タンジュンジャティB拡張、ロンタール拡張への融資を行なっています。さらに、国際協力機構(JICA)がインドラマユ石炭火力発電事業への円借款供与を検討しています。これらの計画は全てジャワ島に位置しており、すべてが建設された場合の発電容量は6,455MWに上ります。

JBICは、インドネシアに限らずベトナム、ミャンマー、ボツワナを含む世界8ヵ所で建設が予定されている新規の石炭火力発電所に対し、融資を行なうことが予想されています。これらの計画の多くは、土地収用、つまり、土地収奪、不透明性、人権侵害および環境破壊などの問題を引き起こしています。

私たちは、日本政府がクリーンではないエネルギー計画に投資することを止め、民主的かつ分散型で持続可能な解決法により住民とコミュニティーに電力のユニバーサルアクセスを提供する支援を行うことを要請します。

以上






by nonukes | 2018-02-14 17:38 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)