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小坂正則の個人ブログ

カテゴリ:原発再稼働は許さない( 216 )

原発裁判や国民の安全を求める「社会通念」が電力会社を追いつめる

私たちが原発運転差し止め裁判を続けることは意味がある?
小坂正則

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原発を取り巻く環境がここ数年で大きく変化しているのではないかと私は感じています。というのも、2014年5月と翌15年4月に福井地裁で樋口英明裁判長が大飯原発と高浜原発の運転差し止め判決を出して、2016年3月には滋賀県の大津地裁の山本裁判長が高浜原発の運転差し止めの仮処分決定を出しました。そこで、日本で初めて動いている原発を止めるという画期的なことを裁判所が行ったのです。
2011年311以後、このような裁判所が原発の運転差し止め判決を次々に出すような動きに、多くの国民は「日本の裁判所の流れが変わったのではないか」と思ったことでしょう。しかし、その後、川内原発の仮処分では、次々にこれまでの流れに逆行するような「社会通念」という理由で運転差し止め裁判が負け続けるとい方向へと引き戻されて来ました。その後今日までその流れは変わらず続いています。
しかし、2011年から8年の間の「脱原発」を求める国民世論や「電気は普通の商品と同じで、誰でも自由に選ぶことができる」という「電力自由化」と、「再エネ電力が原発の発電コストよりも安い」という世界の経済状況など「原発を取り巻く環境」が大きな曲がり角に差しかかったことで、少しずつ変化が訪れてきているのではないかと、私には思えたのです。

規制庁が原発再稼働に厳しくなった

今年になって、原子力規制庁がいわゆる「テロ対策施設」とマスコミが言うところの「特重施設」の設置に関して、九電や関電が5年間の猶予期間を過ぎても完成できないので、再延長を求めたことに、規制庁は「再延長という甘えは許されない」として、来年3月17日を過ぎたら川内原発は止まる可能性を示唆したのです。そして、今年7月8日には「震源を特定しない地震動」の検討委員会で出た答申内容がこれまでの規制を大幅に引き上げる可能性のあるものかもしれないのです。詳しくは「原発の耐震対策が九電経営を直撃する」を読んでほしいのですが、要は原発の地震対策を「大幅に強化する」ことを規制庁が求める内容なのです。正式な答申はまだ出ていませんので、あくまでも「予定」なので、新聞各紙を読んでもよく分かりません。ですから、私は規制庁のHPから、委員会の動画を見たり、資料を読み解いて分かったのです。九電の玄海・川内原発の耐震設計基準である「基準地震動」は620ガルです。それでは甘すぎるのでもっと「耐震基準を強化しなさい」という内容なのです。どれだけの耐震強化を求めるのかは、これからシミュレーションをして出てくることでしょうが、この考えは、4月に出た「テロ対策施設」の件と「耐震強化」の答申は、もうほとんど「原発をやめなさい」という答申のようなものと私には思えるほどのハードルの高いもののような気がします。それに、この答申は「九州電力が対象になる」と新聞には書いていますが、よく考えたら、そんなこともないのです。つまり、「近くの活断層から「強振動予測」によって出た「基準地震動」と「震源を特定しない地震」から計算された「基準地震動」のどちらか大きい数値を、その原発の「基準地震動」として耐震設計しなさい」という「新規制基準」の規定なのですから、九電の原発の基準地震動が620ガルから800ガルなどに引き上げられたならば、伊方原発の現在の基準地震動は「震源を特定した活断層の地震」が650ガルですから、当然のこととして「震源を特定しない活断層」の数値の方が高くなるはずです。そうすると、「全国の原発の「基準地震動」の見直しが必要になるのではないか」と、私には思えるのです。最終的には専門家の読み解きがこれから行われることでしょう。その判断を待ちましょう。

日本の学者は御用学者ばかりではない

7月8日の「震源を特定しない…」委員会での模様は動画配信されていますが、地震の専門家である大学教授たちの発言などを見て感じたことですが、いわゆる御用学者が当局の出した内容を追認するような発言などではなく、「これでは甘すぎる」というような厳しい意見が飛び交っているのです。私はビックリしました。「専門委員会など、どうせ御用学者の集まりに決まっている」という偏見を捨てなければならないと思いました。まあ、この判断も短絡的に結論を出すのは危険ですから、今後も総合的な視点で規制庁や規制委員会の議論や方向をじっくり監視して行く必要があることでしょう。

世界中で競争力を失う原子力発電

今年1月23日に孫正義氏が設立した「自然エネルギー財団」が出した「競争力を失う原子力発電:世界各国で自然エネルギーが優位に」という報告書があります。これは「原発の全世界の発電電力量に占める比率は、ピーク時の17%から、2017年に過去最低の10%まで低下した」とあり、「全世界の発電電力量に占める原発の比率は、2017年時点で10%に対し、自然エネルギーは24%。さらに今後の予想では、2040年に原発が9%なのに対し、自然エネルギーは41%にまで上昇する」というものです。また、「米国の原子力発電の発電コストは、減価償却が終わった原子力発電の平均発電コストが3.4 セント/kWhで、陸上風力では2セント/kWh 前後で、太陽光発電も助成がある場合に 4 セント/kWh以下になり、中には約 2 セント/kWhの太陽光発電も出現している」というのです。ですから、シェールガス発電などと原子力の競争の激し米国では「2017年に全米61カ所の原子力発電所のうち、半数以上の34カ所が赤字の状態」なのだそうです。その他、中国や中東では太陽光発電の発電コストが2円や3円まで下がりつつあるのに対して、原発の発電コストは上がり続けているのです。この状況は日本でも変わりありません。規制庁による原子力発電への安全対策の規制強化で、原子力発電の発電コストは上がり続けているのです。

様々な要因で原発が少しずつ排除され続けている

以上のようなことから、「何が具体的に影響した」ということを証明することは難しいことです。しかし、原発の発電コストの上昇に比べて、再エネ電力、特に日本でも太陽光発電の発電コストが世界と比べたらまだまだ高いのですが、それでも少しずつ下がっています。また、日本の不十分な「電力自由化」でも、原子力発電に依存した電力会社に対して、再エネ電力や天然ガス発電を中心とした東京ガスや大阪ガスに地域の新電力会社の進出によって、既存の電力会社のシェアーを少しずつではありますが、奪っていることにより、地域独占だった既存の電力会社の独占力を奪っているのではないでしょうか。
そのようなことも規制庁の「専門家委員」のみなさの背中を押しているのかもしれません。また、昨年の新潟県選挙で再稼働反対派の米山県知事が辞職して、自民党の知事に代わりましたが柏崎刈羽原発の再稼働はまだまだできないのです。それは新潟の県民世論が柏崎刈羽原発の再稼働を許さないからでしょう。日本原電の東海第二原発も規制庁の運転許可が下りているにもかかわらず、再稼働の目処は立っていません。そのような国民世論の動向などが電力会社を包囲しているのです。ですから原発を動かしている電力会社は「底なし沼の脅威」に晒されているのです。
そのような「原発を取り巻く背景」を考えたら、私たちの「脱原発」を求める国民世論は決して裁判所を動かすことまでは現状ではできていませんが、それぞれの持ち場で諦めずにたたかうことで、経済的にも政治的にも世論の動きを作り出す1つの陣形として有効に作用しているのではないでしょうか。

伊方原発裁判へ新たに加わる54名の原告

今年7月18日の第13回伊方原発裁判の口頭弁論の前に、54名の新たな第4次原告が加わり、総勢568名で、今後の裁判を進めて行く予定です。2016年7月から大分地裁で「伊方原発をとめる大分裁判の会」は伊方原発の運転差し止め仮処分を申し立てました。その後、9月には本訴訟を提訴しました。しかし、この間の裁判所の判断は決して住民側に有利な判決は出ていません。多くの方は「やはり裁判で原発を止めるのは無理なのではないか」と考えているかもしれません。確かに昨年9月28日に大分地裁での仮処分では負けましたし、今年7月10日には玄海原発運転差し止め仮処分の福岡高裁で行われた控訴審でも負けました。この間各地で住民側の敗訴が続いています。ですが、世論喚起と裁判所がこれまで原発を動かすことを容認してきたことの責任を追及するという意味でも、何らかの役には立っていると考えられます。ですから、今後も決して諦めることなく、私たちにできることを小さなことであっても続けて行くことにより、やがて「全ての原発をとめる」という大事業も達成できるのではないでしょうか。「新電力への乗り換え」も「脱原発を実現する」ための大きな力となり得ます。みなさんもぜひ新電力へ乗り替えましょう。




by nonukes | 2019-07-16 12:14 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

耐震基準の見直し求められる玄海・川内原発!? 

原発の地震安全対策が九電経営を直撃する
小坂正則
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「バックフィット制度」で追加された規制基準

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九州電力川内原発の周辺に近づくとなぜか活断層が消える?


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報告書(下にアドレスを記載しています)

原子力規制委員会は昨年1月から「震源を特定せず策定する地震動に関する検討チーム」を立ち上げ、これまでの原発施設の耐震基準の見直し作業を行ってきたのですが、その検討チームが7月8日に結論を出しました。その結論というのは、耐震基準を厳しくする結論です。
もう少し詳しく説明すると、日本中の原発の近辺には活断層が走っていますし、プレート型地震の影響も受けます。そのプレート型地震や活断層が動いたときに起こる地震を「強振動予測」の計算式で計算します。それとは別に「震源を特定しない地震動」についても「強振動予測」の式によって導き出します。それで出された基準地震動の大きな数値の方を耐震設計基準として取り入れて、原発の耐震設計を行って来たのです。「震源域を特定しない地震」とはいわゆる活断層が地表に出ていなくて、見えない地震のことです。見えない活断層は日本中至る所にあります。この見えない地震の例として2004年に起きた「 北海道留萌支庁南部地震」M5.8で地下8.5キロで起きた地震を基準にして、30キロから5キロの距離で起きた地震と仮定して原発施設がどれだけの揺れが起こるかを計算して耐震基準とするのです。
ところで、今回の「検討チーム」は「1つの事例だけでは不十分である」として、2000年から2017年までに起きた89例のM5.0~M6.6以下の地震を全て当てはめて計算するとしました。ちなみにM6.6の地震はM5.8の4倍規模の地震です。机上計算では4倍の耐震設計が必要になるのではないでしょうか。

九州電力の玄海・川内原発は大幅な耐震補強工事が必要

九州電力の周辺には活断層がたくさんあります。特に川内原発の周囲には活断層が縦横無尽に走っているのですが、不思議なことに原発周辺5キロ地点には急に活断層が消えてしまいます。(上の図を参照願います)それに中央構造線も川内原発のすぐ近くを通っているのです。そんな川内原発も玄海原発も周囲の活断層が動いた場合よりも「震源を特定しない地震」の方が揺れが大きいとして、620ガルを基準地震動の耐震補強工事をやってのです。
さて、今後は「強振動予測」の調査を行って、そこで出た揺れの数値によって700ガルとなるか800ガルとなるかは分かりませんが、数千億円から1兆円は確実の耐震補強工事が必要となるでしょう。
九州電力は玄海・川内原発の再稼働のために、1兆円を越えるほどの耐震補強工事をこれまでに行いました。しかも「免震重要棟」に代わる「テロ対策施設」もこれから完成させなければならないのに、その上今度は、新たに耐震設計の見直しを求められることになるのです。もう、いい加減原発なんかやめた方がいいのではないでしょうか。巨大地震が来て大事故が起こる前に原発は廃炉にした方が、私は得だと思いますがね。

新たな知見が出たら新たな対応「バックフィット制度」

原子力規制委員会が2013年7月に出した「新規制基準」によって原発の運転許可基準ができています。しかし、規制庁は「新たな知見が出てら、新たな基準を全原発に適応させる」としています。それを「バックフィット制度」というのです。なぜ、そのような規制値のハードルが次々に上げられるのかというと、福島原発事故の教訓から導き出された制度なのです。
福島原発を襲った15メートル以上の高さの津波は、2008年に東電内部の津波対策チームは、国の地震調査研究推進本部が869年の貞観地震を元に出した地震の規模から東電内部で津波の規模を試算したら、「15.7メートルの津波が福島第一原発を襲う」という計算を出していたのです。しかし、東電経営者はこのチームの試算をもみ消してしまって、何ら対策を取らなかったためにあのような甚大な原発事故へとなってしまったのです。(ちなみに日本原電の東海原発は津波対策を行った結果、ジーゼル発電機3機の内2つが動いたので事故を免れました)そのような反省から、新たな知見が出たらすぐに新たな規制を行うという「バックフィット制度」を規制庁は作ったのです。
そのための新たな対策として、7月11日号の朝日新聞「もっと知りたい原発再稼働」以下の通りです。

関西電力は福井県にある高浜と大飯、美浜の3原発について、大山(だいせん)(鳥取県)の噴火で敷地に降る火山灰を厚さ10センチと想定し、規制委も認めた。だが、その後に見つかった論文を踏まえ、規制委は従来の研究よりも大規模な噴火が過去にあったと認定。関電は厚さが約2倍になると再評価した。規制委は先月、関電に想定を引き上げて審査を受け直すよう命じた。
 昨年12月にインドネシアのスンダ海峡で起きた津波は、関電高浜の津波対策に影響した。火山噴火による山崩れが原因とみられ、津波警報が出されなかったが、関電は津波警報を前提に対策を定めていたためだ。規制委は今月、審査をやり直す方針を決めた。(ここまで引用)
また、7月9日に日経新聞「原発安全費、想定の3倍超す 関電・九電1兆円規模 エネルギー政策に影響も」によると、「中部電力に対しては、規制委が内閣府が示した南海トラフ地震の影響を厳しく見積もるよう求めた結果、中部電が建設した22メートルの防潮堤を上回る22.5メートルの津波が来る試算値となった。中部電は想定見直しに慎重だが、規制委から求められれば防潮堤の追加工事が必要になる」(ここまで引用)
このように、それぞれ新たな知見が出たら、その度に新たな対策を規制庁は求めてくるのです。

底なし沼にはまってしまった電力会社

2013年にできた規制庁による「新規制基準」の審査の許可を得て、現在動いている原発は全て加圧式原発です。その内訳は九電の玄海3、4号機、川内1、2号機に、関電の高浜3、4号機と大飯3、4号機と四電の伊方3号機の合計で9機です。そして規制庁の審査が終わって、運転許可が下りているけど地元の同意が取れてなくて動かせないのが、東電の柏崎刈羽の6、7号機、関電の高浜1、2号機、美浜3号機、日本原電の東海第二原発で合計6原発です。そして規制庁の審査中の原発が北海道電力の泊原発3機など合計12原発が残っています。その他、まだ申請もしていない原発が東京電力の柏崎刈羽原発1~5号機に北陸電力志賀原発など14原発が残っているのです。この中の志賀原発1号機は活断層が地下に走っていると疑われている原発ですから許可は下りないでしょう。また東電の福島第二原発の4機は福島県が運転を絶対認めないと言っていますので動くことはないでしょう。そこから言えることとして、現在許可が下りている6原発と審査中の12原発は動く可能性はありますが、それ以外は動く可能性は少ないでしょう。
それらの規制基準の審査に合格するために電力会社は安全対策工事を行っているのですが、その工事費が天井知らずの高額しているのです。
原発を持っているJパワーも含めて電力会社全体で、「今年6月末時点で対策の総額は約4兆8千億円」と7月9日の日経新聞は伝えています。また「原発依存度が高い関電は、13年時点の見込みと比べ3.6倍の約1兆250億円」と伝えています。この中には「テロ対策費用」と言われる「特重施設」は入っていません。おまけに審査に合格した原発も「特重施設」は運転から5年以内に作ればいいので全く作られていませんし、設計図もないありさまです。九州電力は川内原発(鹿児島県)と玄海原発(佐賀県)でのテロ対策施設の建設に約4600億円を見込み、これを含めたら1兆円どころの騒ぎではありません。1.5兆円に迫るのではないでしょうか。

九州電力へ追い打ちをかける新たな耐震対策

そこまで再稼働に金をかけて一体元を取れると考えているのでしょうか。「最初はそんなに金がかかるなんて考えてもいなかったが規制庁が厳しくて、気づいたら引き返せなくなった」というのが本音なのではないでしょうか。このような高額投資はそれを回収するには「電気料金を値上げするか、その他の必要経費を切り詰めるか、できるだけ長く原発を運転し続けるか」という選択肢の全てを使って運転し続けるしかないでしょう。でも、そのような危機的な状況にある九電にまたしても第三の規制庁による改善命令が出そうなのです。
7月8日に決定された「震源を特定しない地震動」の答申結果によれば、九電の1.5兆円もの安全対策費用に上乗せで、数千億円の耐震対策を要求される可能性があるのです。
ただ、一番問題なのは、川内原発も玄海原発も現行の基準地震動620ガルは相当無理して出した耐震基準なのです。耐震対策には限界があるのです。原子炉の中は狭くて、手が届かないような場所には耐震補強などできません。ですから原子炉内部はなどほとんどやることはなく、ただコンピューターによるシミュレーションで出た数値なのです。建設当初は372ガルを「新規制基準」で620ガルまで上げたものを、今度は700ガルや800ガルなどの数値を出すことができるのでしょうか。やろうと思えばできるでしょう。つまり、コンピューターの数値を操作して出すだけならいくらの数値でも出すことはできます。しかし、それを世間では「改竄」と言います。それが本当に地震が来ても堪えられるかどうかは誰にも分からないのです。つまりは一か八か実際に地震が来るまで誰にも分からないのです。そんなものに私たちは依存していていいのでしょうか。
電気は原発でなくても、安全でしかもクリーンな再エネ電力は原発よりも安くできます。それでも、「何が何でも危険な原発を動かそう」とする人びとの神経が私には理解できません。もう21世紀の日本は狂っているとしか言いようがないのでしょうか。

検討委員会の委員の皆さんは御用学者ではない

 規制庁の委員会はネット発信と議事録も公開されています。私はこの第10回の最終答申の委員会をネットで見ました。そこでは「震源を特定しない地震動」の基準を上げる結論を出した委員の学者から「国内の89例だけしか検討しないのはおかしい。海外の例も入れるべきだ」という意見も出ていました。「この答申はあくまでも現時点での答申として、今後も新たな知見がでたら再度検討する」と事務局はまとめました。
 検討委員会の委員は御用学者の集まりではありません。彼らが頑張ってくれたことが、今回の大きな成果です。また彼らが頑張ったのも、私たちが全国で「再稼働反対」の裁判を打ったり、全国でデモや集会を行っ来た、私たち国民の声が彼ら学者の背中を押したのだろうと思います。このことは電力会社にとっては正に「泥沼の脅威」でしょう。彼らを金で支配できなくなってきているのです。
みなさん一番下の動画は第10回の最終検討委員会の動画です。なかなか中身は難しい話ばかりなのですが、委員会の雰囲気を少しは感じることができます。ぜひ見てください。





原発安全費、想定の3倍超す 関電・九電1兆円規模
エネルギー政策に影響も
2019/7/9 2:00日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47084510Y9A700C1SHA000/


地震審査モデル見直しへ
 未知の震源、全原発適用も
7/8(月) 12:46配信 共同通信
https://this.kiji.is/520808504988648545


(もっと知りたい)原発再稼働のいま
4 新たな知見で規制を上乗せできるの?
  2019年7月11日朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14092740.html


九電、追加対策「必要かも」
 川内・玄海で可能性 原発耐震強化
2019年7月10日朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14089904.html


全国共通に考慮すべき
「震源を特定せず策定する地震動」
に関する検討
報告書(案)
震源を特定せず策定する地震動に関する検討チーム
令和元年7月8日

https://www.nsr.go.jp/data/000276314.pdf

第10回震源を特定せず策定する地震動に関する検討チーム(2019年07月08日)動画です




by nonukes | 2019-07-13 14:49 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

「原発訴訟と裁判官の責任」

元福井地裁裁判長
樋口英明さん講演会「原発訴訟と裁判官の責任」
小坂正則

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福井地裁元裁判長の樋口英明さんが大分に来ます。樋口さんは関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め訴訟で、2014年の一審の福井地裁判決で運転差し止めを命じた裁判長です。彼の判決は2011年の福島原発事故以後初めての原発裁判でした。そして翌年の2015年4月14 日には関西電力の高浜原発3・4号機の再稼働を止める仮処分裁判に対しても住民側の申し立てを認めて「運転停止」を認めた決定を出した裁判長です。しかし、その後異議審などで全て覆されました。樋口さんは2017年8月に退官しました。
樋口さんのお話は実に分かりやすく彼らなぜ「運転差し止め」の決定を出すに至ったのかを分かりやすくはなしてくれます。
ぜひ多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

日 時:6月23日(日)13:30~15:30(開場13:00)
場 所:ホルトホール大分(大分駅南口前徒歩1分)
入場料:500円
主 催:伊方原発をとめる大分裁判の会
問合せ:090-1348-0373(小坂)




by nonukes | 2019-06-15 15:33 | 原発再稼働は許さない | Comments(1)

仮に東海第二が20年動いても廃炉費用も捻出できない虚構会社

311以後、発電しない原電へ「基本料金」1兆円は電力会社の詐欺行為
小坂正則


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電気を1ワットも発電しない原発専門会社が黒字?

日本原電という、実に奇妙な原発だけの発電専門の会社があります。この会社は2011年3月11日の東日本大震災で、自社所有の東海第二原発はかろうじて福島第一原発のような大事故は免れました。そしてもう1つの敦賀原発2号機は、その年の5月7日に放射能漏れ事故で止まり、2つの原発は今日まで電気は1ワットも発電していない発電会社なのですが、8年間もの間ほとんど黒字を出して、約千人の社員には高額の給与とボーナスも出しているという世にも不思議な会社なのです。
その原資は東電や関電などによる電力供給契約の「基本料金」という名目で1千億円から1500億円のお金がつぎ込まれているのです。5月24日の朝日新聞によると「2011年以降総額9,885億円になった」という記事がありました。
こんな債務超過の会社を国の税金で支えられている国営企業の東電が毎年数百億円もの「基本料金」という名の捨て金と、東海第二原発の再稼働への対策費用3千億円の債務保証まで行うことは東電株主への背任行為になるのではないかと疑われるのです。以下その理由を説明します。

日本原電とはどんな会社か

日本原子力発電(株)略称:原電とは東電、関電などの電力会社などが出資して作った原発専門の発電会社です。東海第一原発は1998年に運転停止して廃炉作業中です。残る東海第二原発110万kwは2011年3月11日の東日本大震災で被災したまま、今日まで止まったままです。福井県敦賀市にある敦賀第一原発(35.7万kw)は2015年に廃炉が決まり、敦賀原発2号機(116万kw)は2011年5月に放射能漏れ事故で止まって以来今日まで止まったまま。ところが敦賀原発2号機建屋の真下に活断層があることが判明したため、この原発は廃炉の可能性が大なのです。また、敦賀3、4号機は更地などの作業が進んだまま止まっています。ところが、その建設費用1400億円は敦賀1号機を含む4機の原発の廃炉積立金を取り崩して使っていたことが判明しています。つまりこの会社は東海第一原発や敦賀1号機の廃炉費用も使い果たして3、4号機の建設資金に流用したのです。しかし、現在3、4号機が建設される可能性はゼロです。建設費が高騰していることと、新規原発建設ができる世論ではありません。しかも、もし建設して運転開始したとしても発電単価が跳ね上がって、電力自由化や再エネ電力の価格低下の中で競争に勝てる可能性が全くないのです。

東海第二原発の再稼働はほとんど不可能

ところで、日本原電に取っては東海第二原発が唯一残された「動く可能性のある原発」なのですが、それも非常に困難なのです。というのもこの原発周辺30キロ圏内には約100万人の住民が住んでいて、周辺8市町村との間には「安全協定」が結ばれていています。その内、東海村や水戸市など6市村との間には自治体が運転を認めなければ動かすことはできない再稼働の「事前了解」協定が結ばれているのです。しかも東海第二原発は2023年1月までに再稼働ができなければ運転開始後40年が過ぎてしまい廃炉となる運命なのです。
しかもテロ対策施設と言われてる「特定重大事故等対処施設」の建設費およそ3千億円は計画も準備も全く進んでいなくて、資金調達の目処も立っていないのです。建設費の3千億円は東電などの債務保証で銀行から借り入れる計画ですが、この会社は実質的に債務超過なのに追加融資の3千億円を貸す銀行があるのでしょうか。また銀行から借ることができたとしても返すことは不可能でしょう。
また、昨年11月7日に再稼働の許可が下りたのですが、すると残り4年と少しの間で、いわゆる「テロ対策施設」は完成させなければならないのです。九電が「5年間の猶予では完成できない」と言われる施設を、日本原電は4年間で完成できるわけはありません。まだ設計図もできていないし、テロ対策施設の設計許可も規制庁からは下りていません。仮に2023年に再稼働したとしても、また、すぐ止まってしまうのです。

「基本料金」は発電できて初めて発生するもの

そんな債務超過で再稼働の可能性もほとんどないようや原発専門の発電会社へ湯水のようにお金を垂れ流す東電や関電は、ではなぜこの会社をかばい続けるのでしょうか。
それはこの会社を作った経過にその理由があります。1957年に政府主導で「電源開発」という国策企業を政府は立ち上げたのですが、当時の原子力委員会の正力松太郎委員長は原子力発電はこれからの有望事業の可能性が大きいので民間主体で行いたいとして、政府と利権争いの結果電事連主体で立ち上げた電事連主体の民間企業なのです。
ですから持ち株比率も東電、関電と続き本土の9電力会社に電源開発も含まれています。ですから、東電にとって、日本原電を潰せば、そのツケは自分たちに降りかかって来るので、何とか電気料金で支えて、最後には政府に頼りたいという甘えがあるのでしょう。
しかし、よく考えてみてください。この日本原電がガス会社と仮定します。そのガス会社は私の家にも供給していたとします。その会社から次のような請求書が来たら皆さんどうします。「当社のガス発生装置が故障して等分の間ガスを供給出来ませんので、皆さんからは基本料金だけ頂きますのでご了承願います」という通知がきたようなものです。
すると、東電さんや関電さんは「いいですよ。それでは基本料金だけはお支払いします」と言って、毎年1千億円以上の基本料金を8年間支払い続けて、その総額が1兆円になろうとしているのです。そんなバカな話があるでしょうか。これがトヨタや日産が自分の子会社が赤字が続いていても、資金提供して支えることはあり得ます。でも、それが株主の利益にならないことであれば、株主代表訴訟を起こされて、経営責任が問われることでしょう。東電や関電の株主の皆さん、ぜひこの件について株主代表訴訟を起こしてください。
ちなみに各電力会社の持ち株比率は東電が28%。関電が18.5%中部が15%で、九電は1.5%です。九電は日本原電から電力供給は受けていないため、基本料金は支払っていません。

東電は債務超過の原電の精算を

東電・関電が債務保証をやめれば、その日に倒産する日本原電を電力会社が、このまま支え続けることは、問題の先送りでしかなく、先送りするごとに負債額は天文学的に増えるばかりです。現在日本原電を精算した場合、残る債務は数千億円あるでしょうが、問題はは4原発の廃炉費用です。仮に日本原電が計画している東海第二原発を20年延長できたとしても、20年後には廃炉になるのですから、110万キロワット以外には発電しないのですから、20年間で4機の廃炉費用を捻出することなど不可能です。電力会社は1機の廃炉費用を500億円から800億円と見積もっていますが、実際には少なく見積もっても1千億円から2千億円と言われているのです。それにかかる費用は5千億円から1兆円に近い廃炉費用が必要になるのです。20年でそこまで稼げるのでしょうか。

発電した時と同額以上の基本料金を払っている

東海第二原発は動く可能性は極端に少ないのですが、それでも動いたと仮定しましょう。すると、この原発は1時間に110万kwhの発電を行います。その電気を東電などにキロワット当たり12円で販売したとします。すると1時間に1320万円の売り上げです。24時間で3億1680万円です。1年間で定期検査に1ヵ月使うとして年間330日稼働するとします(実際には13ヵ月で2ヵ月の定期検査ですが年間で1ヵ月とは随分甘く算出しました)
1年間では1045億円の売り上げです。何と1ワットも発電していない現在と同じ売り上げないのです。それでは電力会社が利益抜きの15円で買い取ってくれたとします。こんな破格の買い取りなどあり得ませんが。すると年間売り上げが1307億円です。社員の賃金が年間1人1千万円としたら116億円が消えてしまいますし、その他の経費を差し引いたら、これまでとほとんど変わらない収支にしかならないのです。それではいくらで買ってもらえば企業として採算ベースに乗るのでしょうか。1キロワット当たり20円で買い取ってもらうと、年間1742億円になり、年間400億円くらいの収益が見込めるでしょう。しかし、それでも4機の廃炉費用は積み立てられないでしょうし、そんな破格の値段で買い取ると、今度は電力自由化の中で激しい競争を強いられている東電や関電の経営に重く負担がのし掛かるし、その分を賄うために電気料金を値上げすれば、東京ガスや大阪ガスに顧客を奪われてしまう可能性が大きくなるのです。
つまり東電や関電などは日本原電へ原発が発電した場合と同額か、それ以上の金額を基本料金という名目で日本原電へ支払っているのです。東電などが支払っている1千億円以上の「基本料金」という名の「原電支援金」は東電への税金と消費者が支払う電気料金に含まれた不当なお金の横流しなのです。
しかし、日本原電は東電や関電に取っては金食い虫の重荷でしかなく、どう転んでも遅かれ早かれ消えて行く運命のお荷物会社でしかないのです。ですから一日でも早く会社を精算することが唯一無二の選択なのです。ではなぜ、東電などの電力会社は不当な無駄金を支払い続けるのでしょうか?それは「原子力ムラ」連中のなれ合いで、「最後は政府が何とかしてくれる」と期待しているからでしょう。今回、私が計算した「売電価格を上回る基本料金」の異常さを、これからもマスコミ各社には追求してもらいたいものです。

どうか東電・関電の株主の皆さん株主代表訴訟を起こしてください。




発電ほぼゼロで収入1兆円
日本原電8年間分、本紙集計
2019年5月24日朝日新聞

 原発専業会社の日本原子力発電が、2011年度からの8年間で発電がほぼゼロだったにもかかわらず、大手電力5社から受け取った電気料金が計1兆円近くになった。「基本料金」を支払う仕組みがあるためだ。23日に発表された18年度の決算資料などから朝日新聞が集計した。一方、原電がめざす東海第二原発(茨城県)の再稼働は、テロ対策施設の建設問題で不透明感が増している。
 原電は原発を4基保有していたが、2基は廃炉作業中だ。残る2基のうち、東海第二は11年3月の東日本大震災で運転停止に。敦賀原発2号機(福井県)は同年5月上旬に止まり、それ以降の発電量はゼロだ。
 発電をしていない原電に電気料金を支払っているのは、東京電力ホールディングス(HD)、関西電力、中部電力、北陸電力、東北電力の5社。18年度の決算資料によると、原電は原発の維持、管理費などの「基本料金」として5社から計1091億円の電力料収入を得た。震災後の11年度から年1千億~1500億円ほどで推移し、総額は9885億円になった。
 ただ、16年の電力小売りの全面自由化で大手各社も経営環境が厳しく、値下げを求められている。原電の村松衛社長は「原発が長期停止し厳しい。(各社から)効率化を強く要請されており、19年度(の電力料収入)は1千億円を切る」と述べた。
 原電にとって経営再建の「命綱」が、運転開始から40年たち、昨年11月に20年間の運転延長が認められた東海第二の再稼働だ。敦賀2号機は原子炉建屋直下に活断層の存在が指摘され再稼働は難しい。東海第二が再稼働できなければ、経営破綻(はたん)が現実味を帯びる。
 原電の資金繰りが苦しいため、東電HDなど5社が検討中の約3千億円を資金支援する計画では、東海第二の再稼働時期を「23年1月」と想定する。しかし、地元了解をめぐって地元自治体と対立し、再稼働に必要な同意の見通しは立たない。原発の30キロ圏内に住む100万人近くの避難計画策定も進んでいない。
 さらに、原子力規制委員会が4月、テロ対策施設の設置期限の延長を認めないことを決めた。東海第二は23年10月が期限だ。これ以降は施設が完成しなければ、原発を動かせない。
 村松社長は「設備の仕様を検討している段階で、工期まで検討には至っていない」とする。だが、すでに再稼働した原発では工事期間を5・5~7・5年としており、未着工の東海第二でも長期化する見込みだ。仮に再稼働できても、運転できる期間が短くなる可能性が高い。
 福島第一原発事故後に実質国有化された東電HDは資金支援の理由に「経済性」を掲げるが、運転期間が短くなれば発電コストが上昇し、巨額支援の「大義名分」が薄れる。



by nonukes | 2019-05-25 13:54 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

高濃度の放射性汚染土を再利用してはならない!

8000ベクレル前後の放射性汚染土は拡散しないように厳重に管理すべきだ
小坂正則

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たまり続ける汚染土
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「南極のペンギンでも放射能に汚染されている」という話を聞いたことがあります。地球上で放射能に汚染されていない地はないのです。だから福島原発事故で汚染した「放射能汚染土」を再利用してもやむを得ないのでしょうか。それは程度の差というものです。8000ベクレル以下の「放射能汚染土」は隔離保管しなくて、再利用することを環境省は進めています。今のところ福島県内に限って行われているようですが、東京都でも8000ベクレルを越えた汚染土は各ゴミ焼却場などに保管していますが、「8000ベクレル以下のものは再利用しても問題ない」という見解を環境省は出しているようです。
でも、私たちは8000ベクレルがどれくらいの汚染なのかと言われてもピンときませんよね。そこで、私の農園の放射性セシウムの値を測ってもらったことがありますので、そのお話を少しします。
2014年3月8日に京大原子炉実験所で働いていた今中哲二さんに大分に来て頂いて講演会を行いました。その前日に私の事務所で小さな学習会を開催したのです。その時、今中哲二さんから「私は講演に行った先で、そのお宅の土壌の放射能測定をさせて頂いているんですが、小坂さんの農園の土壌を測らせてもらえますか」と聞かれたのです。私は「もちろんOKです」と答えました。その結果、私の農場の土壌の放射性セシウム濃度は1kgあたり5.7ベクレルでした。(後からメールで教えてもらったようです)
しかもこの中には放射性セシウム134は検出されなかったそうです。セシウム134の半減期は3年ですから、もし、134が検出されたら、それは福島由来のセシウムという可能性が高いのです。チェルノブイリも大気圏核実験も30年以上経っていますから、セシウム134は消えているのです。私の農園のセシウムはチェルノブイリ原発事故と大気圏核実験で出たものでしょう。(京大の今中さんが測ってくれた数値ですので、これほど正確なものはないでしょう)一般的な土地では10ベクレル前後だと話していたような気がします。それが環境省は8000ベクレルという数値を再利用するというのですから、如何にこの値が高いかがお分かりでしょう。我が農園の1,400倍以上の汚染値です。

放射性汚染土の定義

以下の文章は環境省のHPにある「指定廃棄物について」という文章です。
東京電力福島第一原子力発電所の事故によって大気中に放出された放射性物質は、風にのって広い地域に移動・拡散し、雨などにより地表や建物、樹木などに降下しました。これが、私たちの日常生活の中で排出されるごみの焼却灰、浄水発生土、下水汚泥、稲わらやたい肥などに付着し、放射性物質により汚染された廃棄物が発生しました。
これらの汚染された廃棄物のほとんどのものは放射能濃度が低く、一般の廃棄物と同様の方法で安全に処理できます。一定濃度(1キログラム当たり8,000ベクレル)を超え、環境大臣が指定したものは、指定廃棄物として、国の責任のもと、適切な方法で処理することとなりました。(ここまで引用)
とあります。実は「環境省が指定したものだけが適切な方法で処理します」とあるように、実際には各自治体ごとにバラバラで、東日本の薪ストーブの灰も8000ベクレルを越えるものがたくさんあったようなのですが、自治体によって回収する所と回収しないところなどがありました。住民から苦情があればいやいや回収していたようです。今はどうなっているのか、私にはわかりませんが、稲ワラなどが汚染していても、自主的に計測しなければ分からないままで済むのです。環境省が進んで測定したという話は今まで聞いたことはありません。

福島原発事故周辺では1億倍の10兆ベクレルもある?

環境省のHPに「8000Bq/kgとは?」という説明文かありました。以下の通りです。

8000Bq/kgとは?
廃棄物処理の過程で、放射線の影響を最も受けるのは、埋立処分を行う作業者とされています。この埋立作業者の年間での被ばく線量※1をシミュレーションした結果、通常の処理方法でも原子力安全委員会(現:原子力規制委員会)が示した「年間で1mSv(ミリシーベルト)」を下回り、安全に処理できると確認されている基準が「8,000Bq/kg」です※2
※1:作業者は、1日8時間、年間250日の労働時間のうちの50%(合計1000時間/年)の時間を焼却灰のそばで作業すると仮定
※2:指定基準を8,000Bq/kgとすることについては、環境大臣から放射線審議会にも諮問を行い、「妥当である」旨の答申を得ています。

処理する指定廃棄物のレベルは?
原子力施設で発生する廃棄物は、10兆Bq/kg超えるものなど様々なものがあります。
一方、指定廃棄物のほとんどのものは10万Bq/kg以下であり、比較すると約1億分の1とはるかに小さいものになります。(ここまで引用)

この説明では、8000ベクレルの汚染物質でも、その近くで仕事をしても年間1ミリシーベルトを下回るというのですが、それはおかしな話です。まず、年間1ミリシーベルトは日本人が被曝してよいという自然放射能などによる被曝量です。ですから、そこで仕事をする方は、その年間1ミリシーベルトに加算されて、もう1ミリ近くを被爆するのですから年間2ミリシーベルトの被曝になるではないですか。
しかも、原子力施設で発生する汚染物質には10兆ベクレルの汚染物質もあるから、8000ベクレルはその1億分の1だという論理は成り立たないでしょう。そんな10兆ベクレルの汚染物質の近くで生活していたら、経ちどころにガンや白血病になってしまうでしょう。ふざけた比較をしないでほしいものです。赤ん坊を欺すようなジョークです。

原子炉から出る鉄は100ベクレルなのに汚染土は8000ベクレル?

原子炉等規正法のクリアランスレベル(「放射性物質」と「放射性物質として扱う必要のない物」を区分する基準となる放射能濃度) ⇒ 放射性セシウムで100ベクレル/kg以下と法律で決められているのです。それが8000ベクレルが突如として出てきたのは福島原発事故で、各地に高濃度の汚染物質ができてとても隔離などできなくなったからなのです。環境省のHPにありました。
「廃棄物に含まれる放射性セシウムについて、100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて説明します。ひとことで言えば、100Bq/kg は「廃棄物を安全に再利用できる基準」であり、8,000Bq/kg は「廃棄物を安全に処理するための基準」です。」(ここまで引用)
それなら、8000ベクレル以下の汚染土を再利用するということは、環境省の言う説明にも矛盾するではないですか。詳しくは「100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて」を検索して見てください。下の日経新聞では、現在福島に移住している田中俊一元原子力規制委員会委員長が「科学的に見れば食用作物を育てても問題はない」と安全性を主張いているようですが、それならあなたがその土壌を使って野菜でも米でも作って一生涯でも食べればいいのです。

私には汚染土をどうすればいいのか解はありません

この文章を書いている私が、正義の味方のようなことを言っているのではありません。確かに福島県をはじめとして放射性汚染土が各地に溜まっています。でも、それをどんどん再利用して誰もそこで使われている土壌が放射性汚染土であると分からなければ、触ったり、近づいて危険性を意識しなくなるではないですか。しかも問題はリサイクルされた土壌の再々利用の場合です。最初に利用される場合は人間に近づかないような配慮があるかもしれませんが、それが大雨で流されたり、再々利用されるときは誰も気づかずに拡散してしまう恐れがあるのです。ですから、私には解はありませんが、まとめて厳重な管理を行うしか方法はないのではと思うのです。原発事故は解のない問題です。だからこのような事故を繰り返さないためにも「日本中の全ての原発を一刻も早く止めろ」と、私は主張しているのです。


福島の汚染土再利用 住民の反対根強く 国・東電に負担軽減の思惑
2019/4/29 日経新聞 

東京電力福島第1原子力発電所事故で出た汚染土壌の処分計画がつまずいている。国は昨年末、汚染土を除染して長期間保管した後でほぼ全量を再利用する方針を打ち出したが、住民の反発で思うように進まない。計画にこだわる背景には処分費用を抑えて国や東電の負担を減らす思惑が垣間見える。
「再利用は住民の理解がなければ進まない。絵に描いた餅にしてはならない」。3月19日に開いた環境省の検討会で大学教授らが再利用に向けた技術的な課題を詰めた。
福島第1原発事故ではセシウムなどの放射性物質が大量に放出され、汚染が広がった。国は汚染土を集める除染を進め、放射線量を毎時0.23マイクロ(マイクロは100万分の1)シーベルト未満まで下げ、住民を帰還する計画をまとめた。
汚染土壌の総量は1300万立方メートル。除染作業は7市町村に残る帰還困難区域を除き18年3月で終え、福島県内の10万5千カ所に仮置きする。国は12年7月に閣議決定した「福島復興再生基本方針」で福島第1原発近隣(同県大熊町・双葉町)の中間貯蔵施設で長期間保管し、貯蔵開始から30年以内に福島県外で最終処分する計画を立てた。
ただ1300万立方メートルもの土壌を集約した後、再び県外の別の場所に運ぶのは現実的ではなく候補地のあてもない。国の検討会で座長を務める東京農工大学の細見正明名誉教授は「再利用で量を減らさないことには最終処分は到底できない」と指摘する。こうした専門家の意見を踏まえ、国は汚染土を最大99%再利用する方針に踏み切った。
再利用は放射線量が1キログラム当たり8千ベクレル以下まで下がった汚染土。農地や公園などの造成、高速道路や防潮堤の公共工事に利用を見込む。環境省は再利用で、最終処分する汚染土の量が最大99%削減できるとしている。
17年3月に住民の避難指示が解除された同県飯舘村では再利用が始まった。低地を汚染土で埋め立てバイオマス燃料の原料作物を栽培する。原子力規制委員会の初代委員長を務めた田中俊一氏は同村に移住。汚染土を再利用した場所で放射線量を調べ安全性の確認を続ける。田中氏は「科学的に見れば食用作物を育てても問題はない。(収益面を考慮して)住民の要望もある」と話す。
ただ再利用が頓挫しかけているケースもある。

「安全なら東京五輪の工事に使えばいい」「風評が心配だ」

3月7日に同県南相馬市で開いた住民説明会。環境省が市内を通る常磐自動車道の拡幅工事に汚染土を使う計画を説明したところ出席した10人の行政区長らが抗議した。同省は3月中の工事着工を断念。同省福島地方環境事務所の中尾豊次長は「丁寧に説明していくしかない」と肩を落とす。
同県二本松市でも約200メートルの市道整備で汚染土を活用する計画を市議会で説明したが、反発が相次いだ。住民の反対署名運動まで広がり計画の中止を余儀なくされた。
なぜ国は住民の反対が強いにもかかわらず汚染土の再利用を進めるのか。除染費用を抑えて東電などの負担を減らす意図が見え隠れする。
政府は16年12月、福島第1原発の処理にかかる費用が約21.5兆円に達するとした。これは原子炉の廃炉や住民などの賠償も含むが、中間貯蔵建設も入れた除染費用は5.6兆円にのぼる。当初は3.6兆円だったが、すでに2兆円膨らんだ。
除染費用は事故後に購入した東電株の売却などで充てる計画だったが、それでは足りず中間貯蔵施設の費用では税金の投入も決まった。これ以上、除染費用を膨らませたくないというのが国の本音だ。最終処分地を新たに作れば莫大なコストがかかる。再利用できれば費用が大幅に減る。
長崎大学の鈴木達治郎教授は「国民負担は不可避となっており、政府は費用の内訳や見通しを説明し、透明性を確保すべきだ」と語る。
事故から8年がたち、放射線への差し迫った危機はなくなった。しかし汚染された土壌をどう処分するか。住民にとっては先送りできない現実的な課題として突きつけられている。

by nonukes | 2019-04-29 16:43 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

電力3社の原発で遅れているのは大規模自然災害対策工事

いま動いている9原発は福島原発事故で活躍した免震重要棟さえない
小坂正則


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5層の「深層防護」の考え方


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欧米標準装備の二重の格納容器とコアキャッチャー

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4月24日のTBSのニュースNスタ

強気の規制委委員会は果たして本気か

18日の規制委員会の会合で、各紙が「テロ対策工事が遅れている」というにユースを一斉に流していました。本日24日の規制委員会会合の続報がありました。TBSの18時からのニュースNスタでも流れていました。
日経新聞4月24日ネット版では以下の通りです。
「原子力規制委員会は24日の定例会合で、原子力発電所に設置が義務付けられているテロ対策施設が期限内に完成しない場合、原則として原発の運転停止を命じることを決めた。九州電力川内原子力発電所1号機(鹿児島県)はテロ対策施設の設置期限の2020年3月まで1年を切り、九電は建設が間に合わないと説明していた。川内1号機は停止される可能性がある。
テロ対策施設は「特定重大事故等対処施設」と呼ばれ、2011年の東京電力福島第1原発事故後にできた新規制基準で設置が義務付けられた。原子炉から離れた場所に建て、遠隔制御で原子炉を冷やす設備を備える。原子炉が航空機の衝突などによる攻撃を受けても、電源や冷却機能などを失わないようにする。
九電と関西電力、四国電力は17日、テロ対策施設の完成が規制上の期限から1~3年程度遅れるとの見通しを原子力規制委員会に報告していた。
期限に間に合わない原発は「基準不適合」となるが、規制委は24日の定例会合で期限の延長を認めなかった。不適合状態になった原発は原則として運転停止を求める方針を全会一致で決めた。」(ここまで引用)
参院選を前にして、ここで規制委員会が「まあ少し猶予期間を与えてもいいか」と、いつもの優しさを電力会社に与えたら、世論はどんな反応をするだろうかと考えたのでしょう。それとも官邸が関与した可能性もあります。安倍政権は夏の参院選が関ヶ原の戦いと考えているのです。安倍政権の長期政権樹立と憲法改正を何が何でも成し遂げるために、全力で7月21日まで戦い抜く決意だからです。そのために衆参同日選挙も取りざたされていますし、消費税先延ばしから、5%へ切り下げという説も取りだたされています。「常識も良識も通用しない」何があってもおかしくないのが安倍政権なのです。ですから、「ここは『原則論』で世論を静まらせて来年3月に最終結論を出そう」と考えたのではないでしょうか。と言うのも「原則として」という枕詞がついているのがくせ者です。

特重施設は福島原発事故級の自然災害施設

このニュースはどこの新聞社も「テロ対策」と流していますが、「特定重大事故等対処施設」の設置目的は第一に大規模自然災害で、次にテロ等と書いているのです。原子力発電の事故防護策を講じる「深層防護」の基本的な考え方は、第1層「異常の発生防止」、第2層「異常の拡大防止」、第3層「異常が拡大しても、過酷事故に至らせない」、第4層「過酷事故の進展防止」と続き第5層「放射性物質の影響から人と環境を守る」までとされているのです。これまで、日本の原発には3層の「過酷事故に至らせない」ための緊急炉心冷却装置(ECCS)などしかありませんでした。しかし、福島原発事故の反省からやっと第4層の過酷事故を防ぐ施設として「特定重大事故等対処施設」の設置義務が課せられたのです。それは福島原発事故で、メルトダウンした1~3号機の水素爆発を防ぐことができなかったことの反省を踏まえた施設なのです。もちろん「テロ対策」ではないと言えば言いすぎですが、ことさらのように「テロ対策」を強調することで、福島原発事故を遙かに超えるような事故を想定しているような飛躍した安全対策のように国民を欺す言い方だと私には強く感じるのです。想定外の事故という意味で、テロ対策や航空機対策と言うならば二重の格納容器やコアキャッチャーなど、欧米では標準装備の施設を設置すべきなのです。この特重施設は想定外のテロなどではなく、あくまでも福島原発事故級の想定内の大規模自然災害対策なのです。ですから、規制委員会は、特重施設が設置されてないのに9機の原発の再稼働を許可したこと自体がおかしいのです。

特重施設が完成するまで動いている原発は止めさせよう

今度の参院選は憲法改正や安倍独裁政権の長期化など、安倍自民党の企む戦前回帰の日本を取り戻させるのか、民主主義を回復させるのかの大きなたたかいです。その中でも、「人為的なテロ対策施設ができていないのではなく、福島原発事故のような大規模自然災害を防ぐための欧米では標準装備以下の施設だ」ということを多くの国民に理解してもらいましょう。そしてこのような「特重施設が完成するまでは9原発は動かすな」と訴えようではありませんか。
そして安倍晋三首相が世界中で嘘をばらまいている「日本の原発は世界最高レベルの安全対策が講じられている」ということの嘘が、このニュースでばれてしまったではありませんか。だって、欧米では標準の「二重の格納容器」もなければ溶け出した核燃料をすくい取る「コアキャッチャー」もない原発で、しかも大規模自然災害時に別の場所から給水したり、電力を供給したりする特重施設も完成していないのです。しかもそれだけなら福島原発事故級の安全対策ですが、今動かしている9原発は東電福島原発にはあった「免震重要棟」さえ完成してないで動かしているということをもっと声を大にして訴えていきましょう。

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by nonukes | 2019-04-24 16:37 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

「テロ対策の施設が未完成だけではなかった」九電の原発には「免震重要棟」もない

「特定重大事故対応施設」は第4層「過酷事故収束」の必要施設
小坂正則

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特定重大事故対処施設と免震重要棟の概念図

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東京電力福島第一原発の免震重要棟の内部

4月19 日の朝日新聞に「対テロ施設、建設間に合わない原発9基が停止の可能性」という以下の記事が出ていました。
再稼働した関西、九州、四国の電力3社の原発全9基が停止を迫られる可能性が出てきた。新規制基準で義務づけられている原発のテロ対策施設の建設が設置期限に間に合わないためだ。3社は期限の先延ばしを含めた対応を原子力規制委員会に求めているが、委員からは厳しい意見が相次いでおり、3社の見通しの甘さが露呈された形だ。
3社によると、九電川内(鹿児島県)や玄海(佐賀県)、関電高浜、大飯、美浜(いずれも福井県)、四電伊方(愛媛県)の6原発12基で建設工事が遅れ、設置期限を1年~2年半ほど超える見通しという。玄海の超過期間は精査中だという。最も早い川内1号機は来年3月に期限を迎える。
テロ対策施設は、航空機の意図的な衝突の際などに遠隔で原子炉を制御する。当初の設置期限は新基準の施行から5年だったが、2015年に、再稼働に向けた原発本体の工事計画の審査を終えてから5年以内に設置することになった。
建設が遅れた理由について、3社は「安全性を向上させた結果、高度で大規模な工事が必要になった」などと主張。関電の役員は17日の規制委の会合で、「見通しが甘かった」と陳謝しつつ、「土日なしの工事で最大限の努力をしてきた」と理解を求めた。(ここまで引用)
テロ対策がまだくらいまあいいか?

この記事を読んだ私も「たいしたことではない」と思ってしまったのです。だって、北朝鮮の脅威を安倍政権はことさら騒ぎ立てていましたが、ここ1年で随分おとなしくなったし、「航空機が墜落する可能性」といえば、それは地震が襲うよりも遙かに小さな確率でしかないかと思ったからです。でも、ちょっと気になったので九州電力のホームページを調べてみたのですが、どこにも「免震重要棟」という記載がないのです。川内原発1、2号も玄海原発3、4号も免震重要棟を建設することを条件に規制委員会から運転再開の認可をもらったのだけど、2016年に急きょ免震構造を耐震構造に格下げして、それで代用するとして、規制委員会の田中委員長に大目玉を食らったという記事がでていました。それでも電力会社の味方の田中委員長は「まあいいか」と変更を許してくれたそうなのです。
「免震重要棟」から「耐震設計棟」へ変更になったと、そこまでは確認できたのですが、その後この「耐震設計施設」が完成して稼働しているという記事が見当たらないのです。ですから、私は九電本店の広報課に電話で確認しました。

私「特重施設」の建設はまだだと言うことですが、福島原発事故で活躍した「免震重要棟」のようなバックアップ施設は完成しているのですよね。
職員「いえ、免震重要棟から耐震設計棟へ変更になりましたがその施設もまだ完成していません」
私「では耐震重要棟というのかは知りませんが、それがなくて運転しているのですか」
職員「原子炉の近くに耐震施設に代わるような建屋で事故時にバックアップできるようにはできています」(ここまでが会話)
ということは耐震重要棟でも免震重要棟でも、まあいいとして、いざ事故が起こって原子炉がメルトダウンしたら適当に建てたプレハブのような建屋であの過酷な事故対応を行う気なのかと呆れてしまったのです。

福島原発に免震重要棟がなかったら東日本は死の町になっていた

以下の文章は私の友人の松山の小倉さんのブログ「伊方原発の廃炉のために」の中からの引用です。
そもそも東電福島第一原発の免震重要棟は、06年の中越沖地震のおりに東電の柏崎刈羽原発の緊急時室が地震でドアが開かず機能を果たさなかった問題を受けて、新潟県泉田知事が東電に申し入れ、柏崎刈羽にも作り、福島にも311の半年前だかに完成したばかりの建物でした。あれがなかったら地震による被害も大きかったですし、放射能の上昇を受けて、ただちに撤退しなければ、となっていたかもしれません。東電の総員撤退をさせないで済み、結果的に東日本を救った、と言っても過言ではないのが、この免震重要棟建設という「過酷事故のための対策所」建設対策だったわけです。
 これはIAEA提唱の5層の深層防護の第4層である「過酷事故の収束・緩和策」の範疇の対策だった、といえるでしょう。311前には電力会社の自主的対応に任されていたこの第4層対策の法制化は、新規制基準の中で拡張された目玉商品なわけですから、規制委員会に対して、免震事務棟を(そのうち)作りますから許可をしてください、と九州電力が言っておいて、手のひら返しでお金が掛かるから作りません、を許しておいては、原子力規制委員会が骨なしだ、ということになります。
(もう原子力規制委員会はお手盛り委員会だということはみんなの共通認識になってしまっていて、今さらそんなこと言うな、と言われるかもしれませんが・・・)(ここまで引用)
つまり、それだけ重要な施設を作らなくてこの川内原発は2015年8月、9月から3年間以上の間運転をしていたというのです。「それがまだまだ完成しないけど運転させてください」と九電などの3電力会社9原発は動かし続けると言うのです。そんなことが許されるでしょうか。

「特定重大事故対応施設」とはどんな施設のこと?

マスコミの悪いところは規制庁や電力会社の説明をそのまま鵜呑みに記事にすることです。もっと、視聴者や読者に分かりやすくかみ砕いて説明し、九電が免震重要棟から耐震施設に格下げして、それでもいまだに作っていない理由を、掘り下げる必要があるのです。しかし、電力会社か規制庁は頭がいいと言うか、ずる賢いと言うか、規制委員会で決めた、特重施設の目的は、下記にあるように、テロ対策が1番の目的ではありません。第1の目的は大規模自然災害です。それをあたかも「テロ対策施設」であるかのように誤魔化して、マスコミに情報を流したのでしょう。マスコミの記者も、それを鵜呑みにして記事を書くのですから、記者魂を疑います。私のような素人でも、ちょっと調べたらすぐ分かったのですから。こずるい電力会社のエリートや規制庁の官僚に騙されるとは情けないことです。この記事の表題は「大規模自然災害の施設が未完成で原発を動かし続けている。福島原発事故で活躍した免震重要棟も出来ていない」に私ならします。
規制委員会の「特重施設等の設置に向けた更なる安全向上の取組状況について」というPDFによると、「特定重大事故等対応施設」というのはテロ対策だけではありません。「シビアアクシデントを起こさない対策に加えて、大規模自然災害やテロも含めて様々な事象により万が一シビアアクシデントが起きた場合の対策として必要な機能を全て備えることが求められている」と、その目的を謳っています。そして具体的には「緊急時制御室(免震重要棟)」に「電源」「水源と溶融炉心冷却ポンプ」「格納容器スプレイポンプ」など、原子炉格納容器や建屋内にある緊急時の施設が使えなくなった場合に、遠隔地からバックアップするための施設です。

南海トラフ地震が来て原発がメルトダウンしたらどうするのか
「特定重大事故等対応施設」という、この施設があって初めて第4層の「過酷事故の収束・緩和策」を取ることができるのです。ですから、これらは何も「テロ対策」などではありません。自然災害のために最も重要な施設なのです。特に日本は地震と津波と火山噴火という自然災害の危機が迫っている国に於いて、それへの対応施設がなくて、「原発を動かしていい」と考えること自体が異常なことです。この施設を完成させるために5年間の猶予が法律で与えられていますので、少なくともその日が来たら速やかに運転停止をしなくてはなりません。この国は法律に則って成り立っている法治国家だからです。
しかも、30年以内に70%から80%の確率で南海トラフ地震が襲ってきます。南海トラフ地震はユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込んで起こるプレート地震ですから、この地震の影響で中央構造線が動くかもしれないのです。そうなると、伊方原発や川内原発が影響を受ける可能性は限りなく大きいのです。一刻も早く原発の運転を止めるか、少なくとも5年を過ぎた時点で「特定重大事故等対応施設」ができるまでは運転を止めるべきです。


by nonukes | 2019-04-23 13:42 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

中西経団連会長は気が狂ったか?「原発は新設して60年以上以動かすべきだ」

重厚長大産業の経営者は日立の中西会長のようなバカばかりなの?
小坂正則

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3月11日の中西経団連会長のエモーショナル発言

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2月14日原自連の吉原毅会長(右)と河合弘之事務局長の反論

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電事連のCMに懲りずに出続ける石坂浩二


中西会長殿ご乱心のこれまでの発言経過

一昨日8日の中西経団連会長(日立会長でもある)は会見で、以下のような発言をしました。
「複数の可能性を想定した電力システム全体の将来像のもとで、再エネも原子力も、次のステップへ進める必要がある。これは企業だけでできることではなく、資源エネルギー庁にも対応をお願いしたい。再エネは、安定した電力供給を確保しつつ拡大していかなければならない。原子力も、投資回収ができなければ、経営判断として、事業から撤退することになる。安全性が確認された原子力発電所は、地元の理解を得て再稼働していくことが求められる。リプレース・新増設に向けた検討も必要である。日本の将来を考えれば、不稼働期間を運転年限から除外する、あるいは運転期間を60年超に延長するといった可能性について、技術的な検証を行う必要がある。」(経団連のHPより転載)
という発言を聞いて、私は「殿ご乱心を!」と感じました。
中西殿様は正月会見でいいことを言ったような気がしたのです。「国民が反対するもの(=原発)はつくれない。全員が反対するものをエネルギー業者や日立製作所といったベンダー(設備納入業者)が無理につくることは民主国家ではない」といい、「原発を進めるには国民的な議論が必要だ」という発言をしたのです。
その発言を受けて、小泉元首相は「公開討論会はすばらしいことだ。頑張ってくれ。僕も出るよ」と吉原さんに言ったそうです。 そして、 小泉純一郎元首相が顧問を務める市民グループの「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」(原自連)が、2月14日に記者会見を開催し、事務局長の河合弘之弁護士は、1月11日および2月13日の2度にわたり経団連に公開討論会開催の要請書を手渡したのですが、2月15日に経団連は原自連に「現時点において公開討論会を開催する考えはない」と電話で伝えたというのです。
そして3月11日には「経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は、自ら必要性を訴えていたエネルギー・原発政策に関する国民的な議論をめぐり、「エモーショナル(感情的)な反対をする人たちと議論をしても意味がない。絶対いやだという方を説得する力はない」と語った。そして、「反原発を通す団体では議論にならない。水と油だ」などとして断ったそうです。「原発と原爆が結びついている人に『違う』ということは難しい」とも発言したのです。おいおいちょっと待てよ。小泉元首相をそこまでバカにしていいの?「小泉さんは原発と原爆の違いが分からない?」というの。
今年になって、中西会長が自分で一石を投じた「国民的な原発是非の議論」を一方的に破棄して、今度は安倍官邸の腰巾着の規制委員会でも言い出せない、「原発60年以上延長運転も」と言い出す有様なのです。

原子力規制委員会も骨抜きにされたが、それを100倍も上回る中西発言

2011年3.11までは経産省の中に原発を推進する「資源エネ庁」と「原子力安全・保安院」が同居するということが行われていました。米国では全く独立した1つの組織として「原子力規制委員会(NRC)」が原発の運転許認可から抜き打ち検査まで厳しく規制しています。ちなみに日本の現在の規制委員会では「避難計画」は運転許可の審査対象外ですが、米国では事故時の避難計画が十分でなければ原発の運転許可が下りません。ニューヨーク州ロングアイランドという半島の先にたショーラム原発があります。1972年建設開始して1984年完成しましたが、避難計画が不十分として規制委員会が運転を認めず、1989年に一度も動かすことなく廃炉が決まったのです。
日本の規制委員会が米国のNRCに比べものにならないほどお粗末だという現実がありながら、しかもフクシマを経験したこの国の経済界のトップが「原発をどんどん再稼働させろ」や「60年以上運転させろ」というのですから、呆れて開いた口がふさがりません。
2012年9月にできた日本の規制委員会とそれをサポートする原子力規制庁は環境省の外局という形で経産省からは別れたのですが、それでも規制委員はそのほとんどが原発推進派の学者で固められています。唯一と言ってもいい、島崎邦彦委員長代理のみが原発推進派ではない地震学者でした。ですから、彼が居た2012年9月から2014年9月までの2年間はまともな新規制基準の審査が行われていましたが、電力会社や自民党から排除の声が出て、安倍政権は2年間の任期で再任せずに辞めさせました。ですから、新規制基準で決まった、「原発の運転は40年。ただし例外として60年もあり得る」という規制基準が、今では「原則40年運転」を骨抜きにして60年運転が既成事実となってしまったのです。しかし、それすら中西会長は「生ぬるい。もっと延長させろ」とトチ狂った発言をしているのです。

原発マフィアの甘ったれた要求に乗ったらこの国は潰れてしまう

経団連は「重厚長大」産業と言われる石油・鉄鋼や電力などを中心とした戦後の日本を高度成長へと導いた大企業中心の政治団体です。政府自民党と二人三脚で経済政策を引っ張ってきたのです。しかし、政府と経済界の重陣が引っ張ってきた日本経済がにっちもさっちも行かなくなって「失われれた20年」がいまでは「失われた30年」と言われるまでに成長が止まったままの日本経済です。日本経済をどん底に落とし込んだ戦犯が安倍政権の「アベノミクス」と経団連なのです。
日本には中西日立・経団連会長のようなバカばかりしかいないのでしょうか。孫正義さんやトヨタの豊田章男社長や楽天の 三木谷浩史社長などは、中西ほどバカではないと私は思うのですが。日本の経営者にも政府におんぶに抱っこで、「この夢を永遠に」と考える「今だけ、金だけ、自分だけ」の身勝手な将来の発展性のない過去の栄光にすがって、自分たちの利権だけを守りたいという輩だけではないはずです。
もっと、電力などは規制緩和して市場開放と自由競争を広げて、世界に打って出るような夢を持った、イノベーションに積極的に投資するような経営者はいないのでしょうか。まあ、この国の総理大臣がウソつきでバカだから、経済界も同じレベルの人間しか出世できないのかもしれませんが。経産省官僚もほとんど安倍晋三と同列か、出世のために自分を殺して官邸の下僕と化しているようです。

原発反対派を「エモーショナル」という批判はソックリお返しする

これまで日本ではほとんど原発推進派と反対派が同じテーブルで議論することなどありませんでした。その理由として推進派は公開討論を行えば反対派にコテンパンに負けてしまうから決して公開議論をしてこなかったのです。もう20年も前のことですが、原子力文化財団が「原子力の講師を無料で派遣します」という案内を見つけた私は電話してお願いしてみました。「私は再エネNPOの者ですが原発推進派の学者と私たち再エネ推進派との議論をしたいのですが、講師を派遣してもらえますか」と。すると、事務局の職員は「私どもは原発の必要性を学ぶ学習会には講師を派遣しますが、原発反対派との討論への派遣はしません」と。九電にも頼んだことがありますが、ここでも断られました。これまで唯一行われたのは日テレの「朝まで生テレビ」の「原発徹底討論」のみでしょう。ですから、よくマスコミなどで白々しく「推進派も反対派も冷静な討論を行うべきだ」という「ケンカ両成敗」のような批判をする人がいますが、それは論外です。反対派はいつでもどこでも公開討論に応じます。ただ推進派は逃げて逃げて逃げまくっているのです。
今回の中西会長の発言の「原発と原爆を一緒に考えるような感情的な人と議論しても時間も無駄」のような発言も、逃げる口実に考え出した淺知恵です。
実は日本には原発推進派の学者はほとんど居ません。実際にはいるのですが、「私は推進派ではありませんが、現状では今ある原発を動かすのはやむを得ない」と言って良識ぶったり、「私は原発には中立である。二項対立はやめて冷静に議論を行うべきだ」とか、これも嘘っぱちです。原発反対派は「私は原発反対です」と明確に言いますが、推進派の学者や文化人は自分のことを推進派という学者はほとんどいません。しかし、反対派という学者以外のエネルギー学者は全て「隠れ推進派」と思って間違いありません。自称文化人で唯一推進派は石坂浩二ただ1人です。ご本人が推進派と名乗っているかどうかは知りませんが、フクシ事故の後も電事連のCMに出ているんだから、推進派に間違いないでしょう。このオッサンお金もたっぷり稼いでいてフクシマの悲惨さを知ってか知らずか、よくもまあしゃあしゃあと「原発が必要」とか言えるものです。ただその逃げない態度にはある意味たいした玉です。原発の利権にすがっている文化人も学者も大勢いるのですが、総じて「私は原発推進派ではありません」と、「自分の本心を隠して」生きているのです。
この国の政治は腐りきっていますし、テレビはNHKを筆頭に御用放送ばかりで、NHKしか見ない有権者は「安倍首相は偉大な総理大臣で、原発はなくてはならない唯一の日本人の選択肢」と考えるのでしょう。

原発マフィアを倒すために参院選で自民党にNOを突きつけよう

この誤った認識を変えるのは第二の福島原発事故が起こるか、第二の福島原発事故が起きる前に安倍政権を私たちに手で倒すしかありません。夏の参院選で野党共闘を実現させて、安倍政権を倒して原発再稼働に厳しい政権を作って、脱原発を実現させましょう。そうすれば新たな新エネ産業が拡大して、若者の雇用も増えることでしょう。

by nonukes | 2019-04-10 13:42 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

九電は原発の負の遺産から逃れることはできない

玄海原発1・2号機廃炉で見えてきた新たな問題
小坂正則

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2月13日玄海2号の廃炉会見、九州電力の池辺和弘社長(右)

廃炉作業は莫大な経費と70年以上の長期に渡る

九州電力は玄海原発1号機は2015年に廃炉を決めましたが、玄海2号機はこれまで動かすとも廃炉にするとも決めずにズルズルと引き延ばしてきましたが、今年2月13日に九電は取締役会で正式に廃炉を決めました。これで54基あった日本の原発の24基が廃炉となることになりました。これから九州電力は玄海1、2号を30~40年かけて1機365億円、合計730億円かけて廃炉作業を行う予定ということですが、実はいくらかかるかはやって見なければ分からないのです。でも、これまでに廃炉費用の実績からある程度の試算は可能です。廃炉先進国の英国ウェールズ地方のトロースフィニッド発電所(出力23.5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)の作業現場に入った。1993年の作業開始から20年で「既に99%の放射性物質を除去した」そうですが、2026年に一旦作業を中断して放射能が少なくなるのを待って、2073年から最終処分に取りかかるそうです。総費用は現段階の試算で900億円だそうですが、実際にはやって見ないと分からないそうです。日本でも実績があります。日本原電は、東海原発(16.6万kw)の廃炉費用を850億円と見込み、2020年度までに終了させる予定ですが、長引けばそれ以上かかるのです。
東海原発の5倍以上の大きさで、しかも2機の原発を九電が果たして730億円で解体できるはずはありません。1千億円とも2千億円とも建設費くらいはかかるのではないかと言われているのです。英国の29基の原発の廃炉費用を英国政府は約9兆円だそうです。1機3千億円です。日本政府の試算では54機で3兆円だそうです。そんなに安く廃炉作業ができることはないでしょう。
しかもここから出る放射性廃棄物40万トンの内、6千トンは地下に埋設処分を行う予定なのですが、玄海原発は処分地をこれから探すそうです。高レベル廃棄物の処分地が日本中で決まらない現状で、原発から出る放射性廃棄物を受け入れる地域が果たしてあるのでしょうか。この放射性廃棄物の処分地は24基の原発の全てがこれから探す予定です。ここにも「原発のトイレのないマンション」が明らかになります。

九州電力が倒産する日はもうじき?
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上の図は九州電力の債務と資産の図です。どう見てもこの資産と債務では一般的には「債務超過」で倒産していてもおかしくはありません。福島原発事故以後、原発依存度が40%以上という九州電力は代替え燃料費用で年間2千億円もの燃料費がかかっていましたので、毎年大幅な赤字でした。川内原発が動き出した2015年8月と9月に再稼働した結果、僅かながらの黒字決算が続いているので、融資している銀行団や保険会社は倒産させてはいません。
2011年以降は毎年大幅な赤字決算だったのですが、2015年から2017年度にかけては毎年500億円程度の黒字を確保しています。ただ川内原発1、2号機と玄海原発3、4号機の再稼働のために安全対策などに9千億円以上投下したため、年間500億円くらいに黒字では債務超過を解消するには焼け石に水です。
しかも、原発には大きなリスクがつきまとっているのです。それは地震などで原発事故が起こる危険性があることと、地震によって事故にならなかったとしても、基準地震動を越える地震が襲ったり、他の原発で事故が起きたら、全国の原発は一斉に停めて安全点検や新たな対策が必要になるのです。ですから一旦止まったら再稼働まで何年もの長期にわたって安全対策に取られてしまうのです。実際に福島原発事故で、玄海原発は7年以上も止まっていたのです。その他にもリスクがあります。それは「司法リスク」です。原発運転差し止め裁判で住民側が勝ったら、判決が覆されるまで止まるのです。

新電力のシェア拡大で原発は無用の長物
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九州電力の販売電力量のグラフを見てください。毎年のように電力販売量は減っています。2007年に最高販売量を達成して以降、2011年の福島原発事故で節電が広がってこれまで10年以上も電力販売量は下がり続けているのです。このグラフは一昨年のものですが、2016年度が786億kwhでしかた、2017年度は768億kwhとまたまた下がっているのです。なぜこんなに毎年電力販売量が下がっているのでしょうか。その1つが省エネの普及です。省エネ冷蔵庫や省エネエアコンに何と言っても大きいのがLED照明の普及などがあるでしょう。それに新電力のシェアが確実に九州電力の「原発の電気はいりません」というお客さんが増えたこともあるのです。2018年5月現在で九電から新電力への乗り換えは低圧電力(一般家庭)で6.5%です。東電管内で14%。関西電力管内で13%で、全国平均では10%です。これに大口電力を含めると全国で13.5%は新電力に乗り替えているのです。

原発廃炉費用を新電力にも負担させる

地域独占の電力会社の電気料金を決める方法として「総括原価方式」が採用されてきました。2020年の「発送電分離」以降も離島など電力自由化の恩恵を受けることができない地域には残るものです。これは電力会社の資産や経費の3%を利益として電気料金を決めるという方法です。ですから資産や経費が多ければ多い程、利益が得られるという方法です。そこで、廃炉となれば資産価値はゼロになるため、経産省はまず、これまで運転されてきた原発の廃炉費用を捻出させるために2つの方法を導入しました1つが廃炉となった「資産価値ゼロの原発」を「資産価値があると見なし」てその分を電気料金算出のための資産として計算していいことにしたのです。もう1つは電力自由化となって、新電力に乗り替えたお客は電力会社の廃炉費用を払わなくなるので、そうすると原発の廃炉費用が賄われなくなることから、新電力へ乗り替えたお客にも廃炉費用を負担させることにしたのです。しかも廃炉費用だけではなく、東京電力福島原発事故の処理費用も送電線の使用料金(託送料)の中に含まれているのです。

世界中で投資家は原発から撤退している

日立が英国の原発輸出を諦めて、三菱はトルコの原発輸出を諦めたように、日本の原発メーカーの東芝は新規原発建設からは完全に足を洗いました。実は日立も新規原発建設は諦めて、廃炉事業に舵を切っているようなのです。日経新聞2018年12月12日号によると「米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製作所の原子力発電合弁会社、GE日立ニュークリアエナジー(GEH)は10日、原発の廃炉事業を手掛ける米企業を買収すると発表。欧米で需要が増えている廃炉ビジネスの拡大につなげる」とありました。三菱重工も赤字部門の航空と原子力の縮小へと舵を切るのは時間の問題です。
そして日立の会長で経済連の会長でもある中西会長が正月会見で「国民が反対するものを民主国家ではやることはでいない」とか「原発の国民的な議論が必要だ」と私たち国民の大きな期待を寄せた方が、安倍首相か菅官房長官に怒られたのか知りませんが、一転して1月15日には「再稼働をどんどん進めるべきだ」と言い、原自連(代表小泉純一郎)の河合弘之事務局長が「公開議論をぜひ行いましょう」と呼びかけたら、「時期尚早ですからお断りします」と、随分腰砕けになったようです。
日経新聞2月14日号によると「足元では原発再稼働は電力各社の収益にプラスだが、長期的にみると原発のコスト競争力自体も揺らいでいる。米投資銀行ラザードは世界の新設案件を比較し、18年時点で原発のコストは石炭火力の約1.5倍と分析。欧州で普及が進む太陽光や陸上風力発電と比べると約3.5倍の高さになる。」ここまで引用(日経新聞2019/2/14)とあるように再エネ電力の普及がジワジワと真綿で首を絞められるように効いてくるのです。1兆円もの原発コストを20年で回収するなどあり得ないのです。
日本の総理大臣がバカなのでそれに付き合わされている経済界も可哀想ですが。身から出た錆です。「原発ルネッサンス」とホラを吹きまくった今井尚哉内閣総理大臣秘書官に欺されてWHを6千億円で掴まされた東芝が実質的に倒産したように、もはや世界中の資本主義国家では「原発は負の遺産」以外の何ものでもないのです。安倍政権に騙され続けている大手9電力会社は倒産の憂うべき事態に至っても致し方のないことなのでしょう。「石炭から石油」へと産業構造が変化したように「原発から再エネ」は歴史の必然性なのですから。


by nonukes | 2019-02-22 18:34 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

なぜもっと原告を集めなければならないのか

伊方原発発運転差し止め裁判の第4次訴訟の原告を募集
小坂正則



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2019年1月8日【大分合同新聞】

これまでの経過

 2016年3月9日、高浜原発3、4号機の運転差し止め裁判で、「日本では初めて動いている原発を裁判所が止める」という、滋賀県津地裁の山本裁判長が画期的な仮処分決定を下しました。しかも津地裁は原発立地自治体の裁判所ではなく、申し立て人も原発立地自治体の住民ではなかったのです。
 そして大分県の対岸にある伊方原発3号機は福島原発事故で停止したままでしたが、2016年3月23日には規制委員会によって運転許可が下りました。そこで私たち大分の住民も津地裁の勇気ある決定に背中を押されて、「大分県民でも伊方原発を止めることができるかもしれない」と裁判を行うことを決意したのです。それから1ヶ月余り経った4月14日、16日に中央構造線の直下の活断層が動くという「大分・熊本地震」が起こりました。この巨大地震は「日本中どこで直下型地震が起こってもおかしくない」という不安と「中央構造線の近くにある伊方原発は直下型地震に耐えられるのか」という疑問から多くの原告や弁護士が裁判に協力してくれました。そこで7月に4名で仮処分の申し立てを行い、9月には264人の原告によって大分地裁へ提訴したものです。その後17年には114人、18年には136人が原告に加わって、総勢514人よる裁判が大分地裁で行われているのです。
大分地裁始まって以来最大規模の「住民訴訟」となった「伊方原発裁判」ですが、昨年9月 28日に仮処分の申し立てに対して、大分地裁佐藤裁判長は「四国電力は適切な安全対策を取っており、安全性は十分確保されている」という理由で棄却されました。2017年12月13日に広島高裁が伊方原発の運転を差し止める決定を下した以外は、九州電力の川内原発や関西電力の大飯、高浜原発などで軒並み「社会通念」を盾に住民側は負け続ける結果となって今日に至っています。

なぜもっと原告を集めなければならないのか

政府と原子力規制庁は原発再稼働に前のめりです。残念ながら大分地裁の佐藤裁判長のような、政府に忖度して電力会社を勝たせる「ヒラメ判事」が多いのも事実です。しかし、経済的には原発の時代は完全に終わりました。三菱・日立・東芝の原発メーカーはどこも赤字です。そして国策だった「原発輸出」も全てがキャンセルされました。しかも日立の会長で中西経済連会長年の年頭挨拶では「国民の支持がなければ原発は進められない」という発言まで飛び出したのです。原発を推進する外堀は完全に埋められつつあります。あと少し私たちが多くの県民を巻き込み伊方裁判で「なぜ伊方原発は動かしてはならないか」という理由を裁判長や県民に示すことで、必ず日本の原発は止めることができるでしょう。
安倍政権にとって原発再稼働は最も重要な国策の1つです。ですから伊方原発裁判も、そんなに簡単に勝てるたたかいではないでしょう。でも、伊方原発に対して4県で裁判が繰り広げられていますし、全国各地で原発裁判を進めることで、地域住民の意識は変わり、「原発をやめる」という民意が圧倒的な多数派になることは、結果として原発をとめる判決が出しやすい世論を作り、良心的な裁判長の背中を押して勇気ある判決を出すことができるかもしれないのです。すでに2016年大分合同新聞の世論調査で原発再稼働反対が60%、賛成が26%です。反対が多数なのです。しかし、どちらかと言えば賛成(15.7%)と、分からない14.3%の方々を反対に巻き込むためにも、もっと多くの方が原告となり伊方原発裁判を行うことは裁判に勝つためにも重要なことですし、再エネ電力の普及にもつながることになるでしょう。そして、この裁判をマスコミが取り上げてくれることで、新たな世論喚起となり、自然エネルギーの普及や脱原発社会を1日でも早く実現するたことにつながるのです。

どのようにすれば伊方原発裁判に参加できるのか

原告になるには大分在住者に限ります。そして原告参加費が1万円必要です。それ以外には何も条件はありません。他県に在住の方は応援団に加入できます。そして私たちは裁判をたたかうだけではありません。河合弘之弁護団共同代表の監督作品の映画「日本と再生」の上映会を大分県内で10カ所以上で上映を行いました。またこれからも脱原発の映画や自然エネルギーの映画などを県内各地で上映する予定です。講演会や署名活動など可能な限りの活動を行います。それと「原発の電気はいりません」という消費者としての具体的な経済行動も車輪の両輪という考えで、九州電力から新電力への乗り換え運動も行います。「原発がいやな私たちは原発の電気は買わない」という消費者運動です。みなさんの可能な限りの行動に参加願います。

申し込み先 伊方原発をとめる大分裁判の会 

大分市田の浦12組 小坂正則方 
HP:http://ikata-sashitome.e-bungo.jp/
E-miil:nonukes@able.ocn.ne.jp
携帯:090-1348-0373
FAX:097-5325-3772
電話:097-529-5030

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59・5%が否定的 伊方原発3号機再稼働
2016年7月8日【大分合同新聞】
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/07/08/004000842

大分合同新聞社が実施した参院選の電話世論調査(3~5日)で大分県内の有権者に四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働について聞いたところ、回答者の59・5%が再稼働に否定的だった。肯定的な意見は26・1%にとどまった。大分県から最短距離で45キロにある「対岸の原発」は7月下旬にも再稼働する見通しだが、地震により重大事故が起きることなどを懸念している県民が多い実態が浮かび上がった。
調査では「反対」が最多の40・1%、「どちらかといえば反対」が19・4%を占めた。これに対し「賛成」は10・4%、「どちらかといえば賛成」も15・7%だった。「分からない・無回答」は14・3%。
反対理由で最も多かったのは「大地震による重大事故が心配」。伊方原発は南海トラフ地震の震源域の端に位置し、さらに国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」のそばにある。中央構造線の延長上で熊本・大分地震が起きたこともあり、伊方近くの断層が動いた時などの重大事故を懸念しているとみられる。次いで多かったのは「原発はそもそも危険」。さらに「安全対策が不十分」などが続いた。
賛成理由は「安定したエネルギーとして必要」が多数。「福島第1原発事故の反省を踏まえ、十分な安全対策を取った」「原発なしでは電気料金が値上がりする」―などの順となった。
伊方3号機は再稼働に向けた最終手続き「使用前検査」を受けており、既に核燃料の装填(そうてん)を終えた。四国電は今月26日にも原子炉を起動させたい考え。
一方、耐震性への不安は根強く、大分、松山、広島の3地裁では、各地の住民が運転停止を求める仮処分を申し立てている。
大分県内では愛媛県知事が再稼働に同意した昨年10月以降、沿岸部など7市町の議会が再稼働中止や再考を求める意見書を可決。別府市議会は「慎重な対応」を要望、臼杵市議会は事故時に大分も被災する可能性があるとして「周辺自治体の同意を再稼働の要件とすべきだ」などとする意見書を可決している。

【調査の方法】大分県内の有権者を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。845人から回答を得た。






by nonukes | 2019-01-09 15:10 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)