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小坂正則の個人ブログ

カテゴリ:原発再稼働は許さない( 199 )

大阪北部地震は422年前の伏見地震の再来ではないか その②

中央構造線上にない今回の大阪北部地震の次に伊方原発近辺で地震が起こる可能性は?
小坂正則

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小さく分かれているプレート境界で巨大地震が起こる

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黄色い印の場所が大きな歪みがため込まれている地域(地震の起こる可能性の大きな地域)

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本日のテレ朝「羽鳥のモーニングショー」で昨日の地震について、京都大学防災研究所准教授・西村卓也氏はGPSを使った地殻変動の観測や研究を行っている学者だそうですが、彼によると日本は4つのプレートに挟まれていると言われているが、西日本のユーラシアプレートは小さなプレートに分かれていて、その境目で大きな地震が発生するのだと説明していました。この説はGPSが世界中で使われるようになって初めて、全国の地理を詳細に伸び縮みが計測されるようになった結果、分かったことなのです。
2016年の4月3日に放送したNHKスペシャル「巨大災害 MEGA DISASTER Ⅱ」「地震列島 見えてきた新たなリスク」という番組で紹介されたものです。実にこれは熊本地震の10日ほど前に放映したものですが、そこでも西村准教授は熊本を危険な地域と指摘していたように思われます。そして彼は2000年にも東日本海域がエネルギーを蓄えていると警告していたし、「311の2日前に起こった東日本海域の地震(M7)が、巨大きな地震を起こす引き金になるのではないかと思った」と言うのです。ただ、その時は「それを警告する勇気がなかった」とNHKでは語っていました。
その番組で説明していたのが、今朝、テレ朝に出ていた、西村卓也京大准教授です。
彼の説明によると、写真のように日本列島はそれぞれ小さなプレートに分かれていて、その境界線に沿って、大きな歪みエネルギーがたまっているそうです。昨日の大阪北部地震もその歪みの大きな場所だったそうです。そして、「有馬-高槻断層帯に近い断層で大きな地震が起きる可能性がある」ということと、「歪みが集中している場所ではいつ大きな地震が起こってもおかしくない」と説明しました。
1596年慶長伏見地震の9年後には南海トラフで慶長地震M7.9の巨大地震が起こったのです。「今回の大阪地震が南海トラフ地震を誘発する可能性はあまり考えられないが、いずれにしても必ず起こるであろう南海トラフ地震については十分警戒する必要がある」というようなことを言っていたと思います。玉川徹氏が「四国・伊予には伊方原発があり心配だが、422年前のような連動して動く可能性はないのか」と聞くと、「可能性がないとは言えない」という控えめな発言だったように思います。(このところはよく覚えていませんが、否定はしていなかったように思います)

別府湾の瓜生島は本当に沈んだのか

422年前の慶長豊後地震では大分は甚大な被害が起きました。そして別府湾に浮かんでいた瓜生島が沈んだという伝説があります。しかし、これはただの言い伝えという「昔し話」レベルの伝説ではありません。なぜなら、「瓜生島」にあったお寺「瓜生寺」の仏像が新川という町の海岸に流れ着いたものを「威徳寺」という寺が今でも祀っているのです。そのほか、現在残っている古地図が複数あり、地名なども正確に残っているのですから、「作り話」というのはどうでしょうか。私は「瓜生島」は存在していた可能性の方が大きいのではないかと思っています。
慶長伏見地震によって、伏見城が崩壊して1000人以上の人が亡くなったことなど、京都は都市だったことと、寺などが多かったために正確な史実が残されているのです。大分でもお寺の住職の日記などから、被害の実態が報告されています。それに比べて、慶長伊予地震はほとんど史実が残っていないそうです。京都などの寺に「伊予で大きな地震があったそうだ」と書かれているそうなのです。しかし、その理由として、400年前、伊予の地では日記を書くようなインテリが住んでいる大きなお寺などがなかったので、史実が残っていないのではないかと思われます。安土桃山時代では農民や町民は日記など書く文化はなく、大きな寺の住職くらいしか、書き物を残す習慣はなかったのだと言われています。ですから伊予地震の被害は不明なだけで、被害がなかったわけではないのです。もし、伊方原発沖か、もしくは原発直下で熊本地震規模の地震が襲ってきたら、650ガルほどの耐震設計の伊方原発3号機は吹き飛んでしまうでしょう。そんな危険な原発と私たちは寄り添って暮らしているのです。

南海トラフ地震の備えと慶長伊予地震の再来にも備えるべきだ

422年前の中央構造線上の大分、愛媛、大阪の3連動地震があった、その7年後の1605年には南海トラフ地震が起こりました。これは中央構造線が動いた結果、南海トラフ地震が動いたといういうよりも、南海トラフ地震の影響で、プレートが沈み込む力が地上に伝わって、3連動の地震が起こったと考えた方が自然だと思います。しかし、400年前に起こった3連動地震と今回起こった、熊本大分地震と大阪北部地震とこれから起こる南海トラフ地震との因果関係がないということは誰にも言えません。私たちは「いつ起こってもいいようにあらゆる可能性を想定して、柔軟に備える必要がある」ということです。
原発震災の一番の備えは原発を止めることです。それ以上のことがあるなら、国も電力会社も規制委員会も私たち住民に説明してください。ないから黙って見て見ぬ振りをしているのです。

伊方裁判で見えてきたこと「四電は3次元調査を行った」とウソを証言

先日の5月24日に伊方原発運転差し止め仮処分の審尋が結審しました。その中でも残った対立意見が、「四国電力は3次元調査を行っていない」という原告側の出した反論の証拠です。京都大学名誉教授の地震学者(名前は手元にありませんが調べれば分かります)に四電による地震調査資料を精査してもらったところ、「こんなデタラメな調査は調査とは言えない。こんなもので誤魔化しているのなら、私が証言してもいい。3次元調査などと言えるレベルの調査ではない」と先生は憤慨していたそうです。ですから、河合弁護士は、「本日結審というのはやめて、もう一回審尋を行って欲しい」と願い出たのですが、「その証拠の説明は文書で裁判長までだしてください」で終わりました。一番重要な活断層調査を四電は2次元調査しか行っていなくて、3次元調査などやってもいないのに、大分の仮処分ではやったと準備書面に書いていたのです。ちなみに広島でも松山でも2次元調査と書いているそうですが、なぜか大分だけ「3次元調査を実施」と書いたのかは不明です。私たちは四国電力を裁判でも追い込みますが、裁判だけでは原発の息の根をとめることはできません。できるのは裁判と政治と市民(消費者)との連携とマスコミの突き上げです。巨大地震が襲ってきて、フクシマの二の舞になる前に全原発の息の根を止めましょう!



「巨大災害 MEGA DISASTER Ⅱ」「地震列島 見えてきた新たなリスク」






by nonukes | 2018-06-19 19:33 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

本日7時58分の大阪北部地震は422年前の伏見地震の再来ではないか

422年前の中央構造線上の慶長伊予灘地震が来る前に伊方原発を含め全ての原発を止めよう
小坂正則
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中央構造線が動いた慶長地震
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慶長豊後地震で沈んだと言われている別府湾の瓜生島の絵図

本日早朝に大阪北部地震が起こりました。M6.1で最大震度6弱ということです。この地震でお亡くなりになった方々にはお悔やみ申し上げます。被災した方々や怪我をされた方々にはお見舞い申し上げます。まだまだ被害の全貌は分かっていませんので、これから被害が増えるかもしれませんし、余震が起こるかもしれませんので気をつけてください。

この地震は422年前の中央構造線地震の再来ではないか

422年前の1596年9月1日に中央構造線上の伊予灘沖で(M7.0)の地震が起き、4日には慶長豊後地震(M7.0~7.8)が大分県で起き、翌日の5日には慶長伏見地震(M7.0~7.1)が起きたのです。これから考えたら、2016年の4月14日、16日に熊本地震が起きて、それから2年後に、今回の伏見地震と同じ地震が起きたとしたら、次は伊予灘地震が起きるのではないかと思っても不思議ではないのだろうか。
今回の大阪北部地震は30年間に発生する確率は0.1%だったそうです。それでも地震は襲ってくるのです。つまり、地震については発生確率など当てにはならないと言うことなのです。日本には活断層が約2000と言われていますが、見えない活断層はその3倍以上あると言われています。熊本地震のM7.0の地震の発生確率が0.9%だったそうですから、それでも、あのような巨大な地震が2年前に起こったのです。つまり、地震の発生確率を観る場合、0.1でも決して安心してはならないということなのです。南海トラフ地震が今後30年以内に起こる確立は70~80%ということなのですから、必ず起こると覚悟した方がいいのでしょう。
慶長豊後地震では別府湾に浮かんでいた瓜生島が一日で沈んでしまったという巨大地震です。そのような大きな地震の前触れではないかと不安なのです。



世界で起こる火山噴火は太平洋プレートが動き出した証拠では?
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環太平洋火山帯と地震帯は同じ位置にある
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グアテマラのフエゴ火山も環太平洋火山帯
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今年5月にハワイのキラウエア火山が噴火しているというニュースが伝えられていました。その後、6月3日に南米「グアテマラのフエゴ火山噴火して死者が69人」というニュースが伝えられました。これらの火山噴火を「遠い国の人びとの災難」と思っている人も多いと思いますが、実はこの火山噴火と最近活発な噴火を繰り返している鹿児島の桜島噴火や霧島連山の新燃岳噴火などは環太平洋火山帯でつながっているのです。つまりこれらは太平洋プレートの端とハワイ島は真ん中に穴が空いたような割れ目なのです。ですから、火山活動が活発になるということは地震活動も活発になるということなのです。上の図を見れば一目瞭然なのですが、火山も地震も世界一大きな太平洋プレートの先端で地震も火山も活発に活動しているのです。

日本中の原発は直ちに全てを止めるべきだ

日本列島は4枚のプレートがそれぞれぶつかり合っている上に乗っかっている列島なのです。ですから、日本は世界一の地震国であり火山国なのです。1994年から2003年の10年間に世界で起こったM6.0以上の地震960回起こった内の220回が日本または近辺で起こったそうです。実に22.9%です。だから、私たちが日本は世界一の地震国だから、原発など動かしてはならないというにはちゃんと根拠があるのです。日本に原発など建ててはならないし、ましては古い原発など絶対に動かしてはならないのです。


by nonukes | 2018-06-18 13:44 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

新潟県知事選は池田千賀子候補の当選で安倍自民党にNOを突き付けよう!

新潟県知事選で池田ちかこ氏が勝てば安倍降ろしが自民党内で始まる
小坂正則

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小泉元首相の支援で流れが変わった

5月24日告示、6月10日投票の新潟県知事選が始まりました。突然の米山知事の辞任で、新潟県知事選が否応なく始まったのです。当初は前海上保安庁次長で自民党の二階俊博幹事長の秘蔵っ子だそうです。ごりごりの自民党候補に対して、池田ちかこ県議は、告示前は3ポイント差で負けていたそうです。しかし、告示前日に小泉元首相が魚沼市で行われた講演会で、池田ちかこ候補と会って、エールを送ってくれたそうです。
以下は「ハーバー・ビジネス・オンライン」横田一氏の記事です。

小泉氏が批判の矛先を向けたのは、原発再稼動に邁進する安倍政権に対してだ

「原子力規制委員会の委員長が『新しい基準にパスしたけれども、安全とは申し上げない』と。ここに日本の原発政策のいい加減さがある。誰が責任を取っているのか。政府は委員長が『安全と申し上げない』と言っているのに『世界一厳しい安全基準』と言って再稼動をさせている」と指摘した。
 そして日本の目指すべき道が「原発即時ゼロ(自然エネルギーへの転換)」であると強調した後、その実現のためには、原発推進論者の集まりである安倍自民党を大敗させ、政権から引きずり降ろすことが重要だと訴えたのだ。

「『自然エネルギーで日本は発展できる。もう原発になんか頼らなくてもいい』という考えを国民に持ってもらって、選挙の時に原発推進論者は絶対に当選させない(ことが必要だ)」
実質的な安倍政権打倒宣言が小泉氏から飛び出した瞬間、参加者(約1100人)からは大きな拍手が沸き起こり、会場のボルテージは最高潮に達した。翌日告示の新潟県知事選を皮切りに「原発ゼロイエスかノーか」が争点の選挙で国民の民意を示し、原発ゼロ政権誕生を実現しようと呼びかけたともいえる。

◆「原発は直ちに廃炉。そういう候補に当選してもらいたい」

 講演後に小泉氏は池田氏と菊田氏と控え室で面会し、激励した。その様子は報道陣にも公開され、すぐに囲み取材が始まった。

――政府のエネルギー基本計画では原発依存が20%、そんな安倍政権が推す(元国交官僚の花角英世)候補は、原発再稼動を止められると思いますか?

小泉氏:20%というのはデタラメ。できるわけがない。

――今回の新潟県知事選挙はどのようにご覧になっていますか。

小泉氏:新潟は原発があるのだから、直ちに廃炉。そういう候補に当選してもらいたい。

――今日、池田さんお会いになって、どのような印象をお持ちになりましたか。

小泉氏:女性なのによく頑張っていると思った。女性活躍時代だからね。

池田氏:頑張ります。ありがとうございました。私を含めて新潟県民に大きなエールをいただきました。(講演を聞いて)これからの新潟の進む方向、私が公約に掲げた「原発ゼロの新潟」について確信が持てました。

◆事実上、安倍自民党への「不支持表明」か

「選挙には関わらない」と繰り返す小泉氏だが、去年秋の総選挙でも原発ゼロを掲げた小池百合子都知事(当時は希望の党代表)と面談、エールを送った。その後、小池氏の「排除」発言がきっかけとなり安倍政権打倒(原発ゼロ政権誕生)のチャンスを逃したが「そのリベンジを、今回の新潟県知事選から始める」との期待を小泉氏も持っているようだ。
 告示日前日に野党系候補と会って激励をすれば、「原発ゼロを掲げる池田氏への支持表明」という印象を与えることは容易に想像がつく。裏返せば、いまだに「原発依存20%」にこだわる安倍自民党の支援候補への「不支持表明」と受け取られるということだ。(ここまで引用)

新潟県知事選に勝って、安倍晋三を引きずり降ろさせよう

自民党の花角候補は再稼働に慎重姿勢を出して、原発再稼働を焦点化させない方針ですが、小泉純一郎氏の登場で、この選挙が「刈羽・柏崎原発の再稼働」が焦点化されたのです。おまけに公明党は前回の選挙では推薦だったのが、今回は支持に格下げしています。選挙で負けて痛手を負うのがいやなのでしょう。新潟県知事選で自民党候補が再度負ければ、安倍降ろしが党内で起こるでしょうし、9月の総裁再選がなくなるかもしれないのです。小泉元首相の影響は接戦の選挙を大きく動かすでしょう。
そこで、私たち県外者ができることは、ネットでとにかく「池田ちかこ」候補の動画やメッセージを流すことと、新潟在住の友人や知人に電話をすることなどでしょう。

http://ikedachikako.jp/


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by nonukes | 2018-05-30 17:35 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

東電が原発依存から再エネ重視へと大きく方向転換するのか?


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定価:本体1,700円+税
発売日:2017年09月05日
ISBN:978-4-532-32170-3
並製/A5判/160ページ
日本経済新聞出版社

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「電力の再エネ化へ」東電も背に腹は代えられない!
小坂正則

昨年の9月に出版された著書「エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ」が電力業界で話題を呼んでいるという、朝日新聞5月12日の記事が出ていました。
記事を簡単に要約すると、「東電子会社副社長の岡本浩氏や東電HDのチーフエコノミストの戸田直樹氏らが議論した内容をまとめた内容」で、その出版を奨めたのが、「経済産業省出身の西山圭太・東電HD取締役が出版するよう後押しした。ある東電関係者は『原発や既存の電力事業にこだわる頭の固い東電幹部の意識を変える思惑があったんだろう』とみる」という。

どんな中身なのか

中身は「業界第一線の専門家がタッグを組み電力自由化の先を見すえ、エネルギー問題を取り巻く外的要因から最新技術の動向を踏まえて、2050年のエネルギーのあり方を予測」また、「人口減少や電力自由化、デジタル化、分散型発電などが進むことで、電力はどのように変わるのかを利用者側、事業者側の双方の観点から解説しており、今後の原子力発電のあり方についても言及しています」とあります。また「エネルギー関連の研究者や実務家には役立つ最新情報が含まれるほか、エネルギーを軸に新たなビジネスや起業の機会をうかがう読者にも企画立案の参考にもなる一冊です。」と日経の解説文に書いています。
「電力システム改革は、電力業界の構造改革に留まらない。業界の枠を超えた新たな産業創出と次世代エネルギービジネスに関心を持つあらゆる人にとって必読者となる一冊。電力システム改革の近未来像がここにある」と推薦文にあります。
「東京電力ホールディングス(HD)が、再生可能エネルギーや新規事業を模索し始めた。再エネの世界的な広がりと電力自由化による競争激化で、『コスト面で優位』としてきた原子力事業が厳しさを増していることの裏返しにもみえる。」と朝日新聞記事にあるように、東電自身が再エネ電力の発電コストの劇的な価格低下がこれから本格的に進むのは間違いないので、ここで経営者は元より社員の頭を切り換えて、再エネ電力の導入で電力自由化を乗り切ろうとする、『宣言書』と言ってもいいのだろう。

電力業界の中で原発と再エネの分裂が始まった

電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は4月20日、国の2050年長期エネルギー政策の報告書で、二酸化炭素(CO2)の排出をなくす「脱炭素化」に向け、原発が実用段階にある選択肢と明記されたことを評価した。「安全確保を大前提に、重要なベースロード電源として活用していくことが不可欠だ」と強調した。(毎日新聞4月21日号)
電事連自体はあくまでも原発優先の政策を経産省出身の総理秘書官今井尚哉肝いりで「原発ムラ」の連中と進める宣言をしたのですが、電事連に村八分にされている東電としては、何の遠慮も必要なく「再エネ化へシフトできる」と決意したのではないだろうか。安倍政権は影の総理と揶揄されるように今井尚哉が牛耳っているので、原発と石炭火力中心に暴走しているが、東電はサッサと方向転換を決意したのではなかと思われる。著者の東京電力パワーグリッドの岡本浩副社長は「我が国は急速に進展する分散型電源や蓄電池、そしてデジタル技術など新たなテクノロジーにより、早くも次のビジネスモデルへの変革を迫られつつある。例えば、蓄電技術とデジタル技術の進展で、電気自動車やドローンなどが動く分散型蓄電池となって、運輸システムと電力システムが融合していく可能性がある」と5月13日の「電気新聞」に寄稿しています。彼は「原発ムラ」とは真逆の分散型の人間のようです。
さて、これから東電を中心にして既存の電力会社が再エネ電力へシフトして行けば行くほど原子力の発電コストが際立ってくることになり、電力会社間で発電コストに大きな価格差が出てくることでしょう。特に1兆円以上の費用をかけて、川内原発と玄海原発を真っ先に動かした九州電力は、後戻りできないほどの大きな影響が出てくることでしょう。「東電の次に債務超過になって、倒産する電力会社は九電か関電か時間の問題だ」と、私は思います。





by nonukes | 2018-05-13 14:02 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

本日の昼間1~2時間は九州の電力は全て再エネ電力だ!

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本日、昼間1~2時間は九州の電力は全て再エネだった!
小坂正則

4月27日の日経新聞によると、「4月8日の九州管内の電力は太陽光発電が8割を賄った」
という記事が出ていました。そこで、私は本日5月5日の九電の「電力予報」とにらめっこをして、どれだけ太陽光発電が撒かぬのかを監視していました。ピーク時で太陽光発電が83%を賄っていました。
ただ、非常に残念なことに、それ以外の再エネ電力の表は出てきませんので、実際に再エネ電力の発電量は九電の資料からは分かりません。もちろん九州電力は日々分かっているし、九電社員なら知り得るのでしょうが、私たちには教えてもらえないでしょう。
なぜなら、そんなセンセーショナルなことを公表すれば「原発なしでもやっていけるじゃん」という世論喚起へ誘導させてしまう可能性が大だからです。
では太陽光発電だけをなぜ「電気予報」で知らせているのかというと、2015年から太陽光発電買い取りの電力を一時的に切り離すという契約が電力会社と設置事業者の間で交わされているのですが、それが実際に実行されそうだからです。九州管内には今年3月末までに太陽光発電の設置が785万kwに達したそうです。九電は817万kwしか連携できないと言っていますので、あと30万kwしか九州では太陽光発電を設置できないことになります。

これから再エネ電力がどんどん増えていくぞ!

本日5月5日の12時5分には太陽光発電の電力は最大で618万kw発電しました。すごい量です。発電効率が78%です。これもすごい数字です。そして12時5分の使用した電力が743万kwでした。太陽光発電の割合が83%に達したのですが、それ以外の再エネ電力がいくらなのかは、計算して予想するしかありません。太陽光発電以外の電力が125万kwになります。そこで私は昼間から他の再エネ電力がいくら発電しているかをチマチマと計算しました。九電の資料から、地熱が22万kwとありますので、地熱はフルに発電していると仮定します。本当は90%くらいの方が現実的ですが。風力発電の設置数が47万kwですが、今日は風がありませんので、ここは風力の設備利用率は20~30%と言われていますので、の25%として、12万kwとします。バイオマス発電は経産省によると、以下にあります。

九州経済産業局によると、FITが始まった2012年7月以降、管内の木質バイオマス発電所の認定件数(2015年10月末現在)は21件で出力計93万5千キロワット。5千キロワット級が多いが、総出力は九州電力川内原発1基分(89万キロワット)と同程度だ。うち10件(出力計42万6千キロワット)が現在までに運転を開始した。

ところで現在どれだけが発電しているかは分かりませんでした。ただ、2年半たっていますので、そこそこは動いているでしょう。実際に、大分県内だけでも、2万kwが増えていますので、70万kwとしました。
問題は水力発電です。九電の水力発電は358万kwあるそうですが、それは入れません。
なぜ入れないかと言えば、私は九電が嫌いだから入れないだけです。というのはウソで、水力は小回りが利くので、太陽光発電などが余るような昼間は動かさなくて、その分夜動かせばいいからです。しかし、九電以外の各県が持っている水力発電は電力を九電などに売るのですから、そんな調整をする必要はありません。ですから、県企業局の持っている水力発電は全部入れました。大分県が73700kw、宮崎県が159000kw、熊本が54200kw、福岡県が14000kwです。全部で30万kwとなりますが、年間平均稼働率が7割前後と言われていますので、7割の設備利用率として21万kwとしました。ただ、冬場は稼働率は落ちますが春からは上がります。

太陽光発電   618万kw 
バイオマス発電 70万kw
水力発電    21万kw
風力発電    12万kw 
地熱発電     22万kw
合計       743万kw

今日の昼間の1~2時間は九州の電力は火力も原子力も使わなくてやっていけたのです。(推定)これからはどんどん再エネ率が上がってきます。ということは原発も火力もなくても私たちは暮らしていける可能性に向かって進んでいるのです。もちろん九電の持っている水力発電(合計358万kw)も昼間ゼロと言うことはないでしょうから、私の再エネ設備利用率の推定値が少し大きいとしても、「九州の住民は5月5日の昼間の1時間は最低でも再エネ100%の暮らしができた」のです。

実際の電力の使われ方はどうなったの?

でも、みなさん「何かへんだなあ~」と思うでしょう。だって、私の嫌いな川内原発2基と玄海原発3号は動いていますので、この3つで296万kwはどこに行ったんだろうと思うでしょ。実はそれは大半の270万kwは系統連携線で本州へ送ったのです。それにしても天然ガス発電や石炭火力などもありますよね。それらの運転を止めることのできない電力は揚水発電へ送ったのです。揚水発電合計230万kwありますから、今夜は揚水でほとんどの電気が賄えるでしょう。

せっかく作った太陽光の電気を捨てるなどおかしい!

九電は「太陽光発電をもうこれ以上受け入れられない」と言っています。しかも、電力が余るようになったら、次々に太陽光発電の電力を切っていくというのですが、そんなことをさせてはなりません。まずは本州への連携線を太くすべきですし、まだまだ太陽光発電もバイオマスも風力も連携させるように要求しましょう。私たちは再エネ電力100%の暮らしに向けて進むのです。だから石炭火力も原発もお断りです。



by nonukes | 2018-05-05 17:33 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

日立が英国に原発を建設すれば日本国民が全てを債務保証しなければならない

東芝の次は日立もイギリスの原発建設から撤退へカウントダウン
小坂正則
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安倍晋三首相は「影の総理」と呼ばれている今井尚哉理大臣秘書官が書いた政策原稿をただ読むだけの男です。ですから、これまでことごとくに間違った政策を行ってきました。その大きな1つが東芝による米原発メーカーWHの買収です。2006年にWHを6370億円で買収して、昨年7000億円の損失を出して、撤退することになったのですから、結局東芝は倒産寸前のWHに手を出したばかりに1兆3千億円以上の大損をしました。おまけに従業員は19万人から現在14万人へと削減しましたが、メモリー部門を売却したらまだ数万人がクビになるかもしれません。しかし、WHを買わせた経産省の今井尚哉はもちろん何の責任も取ってはいません。そこに続いて、今度は第二第三の「首相案件」がこの日立の原発計画なのです。日立の中西宏明会長は、今年5月の経団連会長就任が内定したばかりであり、1兆円超の投融資は中西と昵懇の安倍官邸からの格好の"ご祝儀"融資なのです。ここでも政治が私物化されて歪められた事実が露呈しています。

東芝に続いて日立も原発事業で大きな負債を抱えるか

さて、ご多分に漏れず、日立は2012年に英国の原発企業ホライズン社を6億7000万ポンド(当時の為替レートで約850億円)で買収して以来、すでに20億ポンド(約3000億円)をウィルファ原発計画に投じています。そして同プロジェクトは130万kwの原発2基の建設の総事業費は200億ポンド(約3兆900億円)。現在検討中の資金プランでは、まずホライズン社の出資金が4500億円、続いて日英双方からの事業融資が2兆2000億円のうち融資額の半分である1兆1000億円を、JBICやメガバンク3行など日本勢が供与して、それを政府が債務保証する計画なのです。つまり、この事業が東芝のように失敗したら1兆1千億円は全て日本国民の税金で補填されるのです。さて、皆さんは「建設資金の4兆円余りを債務保証しても完成して英国の電力会社に引き渡したらそのお金は返ってくるんだから、それくらいはいいんじゃないの?」とお思いかもしれませんが、そこが全然違うのです。この原発を建てた後、こんどはホライズン社が運転して電力市場で販売して35年間の間で、建設にの4兆円の投資額と、電力販売の利益を上げなければならないのです。いま、世界中の原発建設は、建設と運転と投資額回収のセットでなければどの国も建設を引き受けてはくれないのです。ですから、35年間、事故もなく、電力市場での激しい競争にも打ち勝って利益を上げる自信がなければ原発建設事業は成り立たないのです。

英国政府は原発の電力価格保証を約束しない

何とか原発が建設できたとしても、これから35年間もの長期にわたって、原子炉を動かして売電しなければなりません。ところで、5月1日のニュースで「日立の中西会長が3日に英国メイ首相と会談してイギリスの出資額や価格保証を引き上げるように交渉する。日立は好条件が引き出せなければ撤退も視野に入れていて、今月末の取締役会で協議する」と伝えています。
これだけでは何が何だかさっぱり分かりませんよね。そこで、「価格保証」について、少し詳しく説明します。35年間電力市場で競争するのですが、英国政府は「原発の電力価格保証」という制度があります。フランスのアレバが建てたヒンクリー・ポイントC原発の場合、その買い取り価格が1メガワット時あたり92.50ポンド(約1万4000円)=1kwhあたり14円という市場価格の2倍で、加えて差額決済の有効期間が35年(通常のCfDでは15年)という極めて異例の高水準に設定されているのです。
英国政府内では"ヒンクリー後"の原発の価格保証の相場は1メガワット時あたり70ポンド(約1万800円)=1kwhあたり10.8円しか出せないと言われているのです。なぜなら、昨年9月に決定された洋上風力発電所の価格は1メガワット時あたり57.50ポンド(約8800円)=1kwhあたり8.8円で、有効期間は15年間なのに、なんでそんな高額な電力を買わなければならないのかという世論の批判に晒されることが予想されうからです。アレバは同じヨーロッパの企業だから仕方がなかったにしても、日本企業に高額な電気料金を35年間も支払うなど英国民は納得するわけはありません。ですから、この話は破綻することは確実なのです。もし、話がまとまったとしても、35年間も無事故で原発が動き続けることなどあり得ません。もし、福島級の事故が起これば被害補償も全部日本政府が被ることになるかもしれないのですから、日立は撤退して、これまで投資した4,000億円余りはどぶに捨てたと思って諦めるのが一番利口な選択肢でしょう。

この原発建設には日本と英国の市民も反対しています

世界中で広がっている再エネ電力の発電コストの大幅低下が英国の原発建設にも襲っているのです。米国のGEは原発から撤退していますし、ドイツのシーメンスという原発メーカーも早々と原発建設から撤退して、再エネなどの電力など幅広い最先端の企業として発展しています。原発の固執している米国WHは倒産して、東芝もほとんど倒産状態で、日立は英国で失敗。三菱もMRJジェットで大赤字なのに、トルコの原発建設計画が当初2兆円が2倍の4兆円に膨らんで、これまた大赤字で撤退するしかない状態が続いています。バカな経営者を抱えている企業の社員はかわいそうです。でも、このバカを引っ張っているのがバカ総理ですが。



参考資料 これでも「日立」は英国「原発事業」を強行するのか
https://www.huffingtonpost.jp/foresight/hitachi-nuclear_a_23341708/
HUFFPOSTのHP


緊急共同声明
日英両国民にリスクを押し付ける日立の原発輸出は許されない
~日立・中西会長とイギリス・メイ首相との会談を受けて~
2018年5月2日
国際環境NGO FoE Japan
People Against Wylfa B

 日立の子会社であるホライズン・ニュークリア・パワーのウィルヴァ原発建設をめぐり、日立製作所の中西会長がテリーザ・メイ英国首相と面会し、イギリス側の出資額の拡大や、同原発の買取価格保証を求めると報道されています(1)。日立製作所が、このように必死になっていることは、原発ビジネスのリスクの大きさを示すものにほかなりません。
 中西会長は、同事業が民間事業として推進することは困難であるとの見解を示し、「政府がコミットしないとできないということが、英国政府・日本政府・日立の共通理解」と語っていました(2)。またプロジェクトのリスクを軽減するために、政府100パーセント出資の日本貿易保険(NEXI)による融資保証も検討されていると報道されています(3)。

 巨額のコストを要する原発は、事故リスク以外にも、安全対策費や建設費のコスト増加、規制強化への対応、住民の反対運動、放射性廃棄物の処理など、その経営上のリスクは膨大なものです。しかし、それならば、事業撤退の経営判断をすべきではないでしょうか。公的資金で国民にリスクを押し付け、事業の利益は事業者と銀行が享受するというのは許されることではありません。

 現在イギリスで建設中の原発の電力買い取り価格は92.5ポンド/MWhで、これは現在の市場価格の約2倍にも及びます。そのためイギリス監査院はこの原発事業により消費者負担が増大すると警告しています(4)。ウィルヴァ原発に高い買取価格を認めることはイギリスの国民にさらに大きなリスクとコストを負わせるのです。いったい誰のためのプロジェクトなのでしょうか。

 ウィルヴァ原発建設立地は自然豊かな場所です。EUの保護種であるキョクアジサシの繁殖地も発見されています 。日立がプロジェクトのために買収した土地の一部は、イギリス・ウェールズの自然保護区にあたる「優れて美しい自然環境エリア(AONB)」にあたります。さらに原発建設は地元の経済に貢献するどころか、かえって大きな負荷をかけかねないと指摘されています(5)。

ウィルヴァ原発に反対する地元住民団体のPAWBは、以下のように述べています。

“底なし沼である原発事業に日本のお金をつぎこまないでください。原発は時代遅れで、危険な技術で、汚染を発生させ、そしてとても高価なエネルギーです。東京電力福島発電所の事故に対し、今後日本の人々が大きな代償を支払い続けることになります。今も続くこの悲劇に終わりが見えそうにありません。日本政府が日本の原子力村を生き残らせるために、このひどい技術を他国に輸出しようとしていることは許されることではありません

東京電力福島第一原発事故はいまだ収束せず、事故原因やその後の経緯も不明なことが多いのが実情です。世界的には、再生可能エネルギーが飛躍的に伸び、コストも下がってきています。省エネの技術も進んできています。そのような中で、なぜ日本政府は、原発輸出を推し進めるのでしょうか。これは、倫理的にも、経済的にも間違った選択です。さらに、原発輸出に関する国民的議論や国会での議論もないまま、一部の企業の利益のために公的資金を投入することはゆるされません。

日本政府や企業が推進すべきものは、福島原発事故を引き起こした深い反省と教訓にもとづく、脱原発と持続可能なエネルギーのための社会システム作りや技術開発ではないでしょうか。私たちは、ウィルヴァ原発建設に強く反対します。


by nonukes | 2018-05-04 00:49 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

東海第二原発が周辺6市村と「安全協定」が結べるなら、全国の原発でも結べる!

東海第二原発が締結した30キロ圏内周辺自治体との「安全協定」締結を全国に広げよう
小坂正則


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東海原発が日本の原発再稼働の権限を拡大させた

日本原電が運営する東海第二原発(茨城県東海村)は今年は建設から40年です。この原発の立地している東海村周辺30キロ圏内には5つの市があり、96万人の住民が住んでいるのです。そんな東海第二原発の再稼働の是非を決めることのできる自治体が拡大したのです。これは日本の原発政策を大きく変えるような出来事なのです。
この東海原発については脱原発の村上達也前村長が首長懇談会を設立して、「原発事故は周辺自治地への影響が大きい」と、現行の安全協定を改定して、事前了解の権限を周辺自治体にも拡大させるように日本原電にもとめていたことなどの大きな力となって、今回、3月29日に周辺5市との安全協定が締結されたのです。
3月30日の新聞各社は一斉に5市との「安全協定締結」のニュースを報じています。
この「立地以外の自治体との安全協定締結」の影響はすでに、各方面に出ています。政府は冷静さを装っていますが、内心では腸が煮えくりかるほど怒っていることでしょう。「東海村が余計なことをそそのかさなければいいのに」と。「それでなくても原発再稼働のハードルが年々高くなりつつあるのに、その上周辺自治体の了解が必要になれば、立地自治体以外の自治体が不当な要求をしてくるに違いない」と。これまで九電などは長崎県の30キロ圏内の自治体の松浦市と平戸市と壱岐市は再稼働の反対の表明をしていますし、「安全協定」の締結を求め続けてきましたが、九電は一貫して「立地自治体以外とは安全協定は結べない」と説明して来たのです。

玄海原発まで最短8.3キロの鷹島を抱え、市全域が30キロ圏内に入る松浦市の友田吉泰市長は「避難経路の確保が不十分で、現時点で再稼働を受け入れてくれと言われても容認できない」と訴えた。壱岐市の白川博一市長は「住民の不安が払拭(ふっしょく)されない限り、(再稼働)反対と言ってきた」と強調。離島は陸路での避難場所が限定されることなどを説明した上で「離島の特殊性を踏まえた避難対策が講じられるべきだ」との考えを示した。しかし、電力会社が再稼働に際し同意を取り付ける対象が原発が立地する県と市町村に限られていることに、県内の30キロ圏自治体には不満がくすぶる。
意見交換会に同席した九電の瓜生道明社長は取材に対し「要援護者の避難などサポートできることもある。再稼働前後にかかわらず、30キロ圏の住民との対話は続けたい」と語った。(2月12日西日本新聞)

とあるように、電力会社は「何が何でも絶対に安全協定は結ぶ気はないけどご理解生えるように丁寧な説明は続ける」と言い、ようは安倍晋三首相が「モリカケ疑惑」で繰り返してきたように言葉では「丁寧な説明」と、言いながら、誠実さを伴わない、口先だけの丁寧さで逃げ切ろうとしているのです。さっそく、このニュースに噛みついた御仁がいます。玄海原発の立地自治体、玄海町の岸本英雄町長はこの決定に対して「一自治体が反対しただけで国策にストップをかけることができるようになるので腑に落ちない」と不満をぶちまけていました。岸本と茨城県の6市村のどっちがまともかは良識ある人間なら誰でも分かることです。

原発再稼働のダブルスタンダードを突き壊す蜂の一差し

この説明の根拠が、まさに3月29日に崩壊してしまったのです。「結べない」のではなく「結べるけど、結びたくない」と言わざるを得なくなったのです。東海村が例外なのではありません。東電はこれまでにも、柏崎・刈羽原発の再稼働については30キロ圏内の自治体と安全協定は結ぶと発言しています。
実は、この安全協定は政府が言うように「紳士協定」なのです。だから結ぶべき根拠も亡ければ結ぶことはできないという根拠もないのです。実際は県知事がゴーサインを出せば電力会社は運転再開ができるのです。しかし、これさえも実際は法的には根拠は乏しいと言われています。ただ、県民の選んだ代表である県知事の同意がないままに原発運転は実質的には不可能です。同じように「安全協定」を結んだ市町村の同意がないままに原発を動かすことなのできません。だから「紳士協定」と言えども守らなければならない大きなな足かせになり得るのです。
「原発を絶対に事故を起こさないで運転し続ける」という自信が電力会社にあるのであれば、どことでも「安全協定」を結ばせるのは当たり前です。それだけ国民の意識が高くなったことの表れでもあるのです。まさにそれこそが国民の「社会通念」なのです。
ですから、これから全国の原発再稼働でこのような周辺市町村による「安全協定締結」の声が高まれば、ますます再稼働は困難になり、原発の終焉が早まることでしょう。これも国民の「社会通念」の結果です。

東海原発は安全協定のハードルだけではない

さて、東海第二原発は6市村との「安全協定締結」というハードルが高くなりましたが、もっと大きなハードルがあります。東海第二原発を抱える日本原電は原発専門の電力会社ですが、福島原発事故以後、電気は1キロワットも発電しないまま、7年近くも経っています。それでも潰れないという世にも不思議な電力会社です。なぜなら、基本料金という名で東電や東北電力などが支えているからです。今回も東電が8割方の債務保証をして2千億円の債務保証をして、銀行貸し付けを受けて、防潮堤などの再稼働に向けての新規制基準のための安全対策工事を進めるというのですが、その工事をやって40年から20年延長のゴーサインを規制庁からもらったとしても、周辺6市村の同意が得られなかったら運転再開は無理なのです。6市村の100万人を安全に避難させることなどできっこありません。ですから、日本原電は、再稼働など考えないで、「原発廃炉専門企業」へ、特化すべきなのです。自ら自滅の道に突き進む彼らを私たちが止める責任はありませんが。ちょうど日本帝国軍隊が太平洋戦争に突き進んで自滅したようなことになるでしょう。


by nonukes | 2018-04-06 11:23 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

伊方原発運転差し止め訴訟 大分地裁第9回口頭弁論 原告意見陳述書(第2案)

意見陳述推敲原稿第2案
小坂正則

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 私には尊敬する中津の作家、松下竜一センセがいました。松下センセは反原発運動の同志でもありました。2004年に亡くなりましたが、もしセンセが生きていれば、ここで意見陳述をしていたことでしょう。松下センセは1974年に「暗闇の思想を」という本を出しました。その本の中で「冗談でなくいいたいのだが、「停電の日」をもうけていい。月に一夜でもテレビを離れ「暗闇の思想」に沈みこみ、今の明るさの文化が虚妄ではないかどうか、冷えびえとするまで思惟してみようではないか」と書いています。ですから、私は、電気にしかできない照明やモーターなど以外の湯沸かしや暖房は電気は使いません。だから我が家の冬は薪ストーブです。

使い捨てから循環型社会へ

 私は1985年9月まで川崎の郵便局で働いていました。
 当時の川崎市は日本一の住民サービスを掲げて、家庭ゴミの可燃ゴミも不燃ゴミも何でも分別なしで毎日収集が市の看板政策でした。当時、安心安全な食べ物や暮らしを求めて、生協組合員に入った私たち夫婦はゴミを少しでも減らそうと、生協のトラックを、私が運転して廃食油を回収し、石けんを作る活動をしたり、妻が無認可保育所で働いていたので、保育所の資金稼ぎのために古紙回収をしたり、住民から不要品を集めたリサイクルバザーなどもやりました。1984年そんな時「乾電池などに含まれる水銀がゴミ焼却場から放出されている」という問題がテレビや新聞で話題になりました。私の働いていた郵便局と保育所のすぐ近くにゴミ焼却場があったから人ごとではありませんでした。
 そこで私たちは、ゴミ焼却場周辺の住民にアンケートを取ったりして住民を巻き込んで、清掃局長と団体交渉を行った結果、翌年から分別収集が実施されるようになったのです。 住民が立ち上がれば政治は変えられるということを私は実感しました。私はゴミ収集問題などに関わる中で、「使い捨て」から「循環型」へ私たちの社会は作り変えなければならないと強く思うようになったのです。
 人間以外の生物もウンコは出しますが、処理できないゴミは出しません。糞や死体は、それを餌とする微生物などが食べて生命を循環させます。なぜ人間だけがプラスチックや、ビニールなど腐敗しないゴミを大量に使い捨てるのでしょうか。ゴミの中でも一番やっかいなゴミが使用済み核燃料から出る放射性廃棄物です。これは科学の力ではどうにも処理できません。
 
再エネNPOを作るまで

 私が1985年に大分に帰ってきた翌年の4月26日に、ソ連のチェルノブイリ原発事故が起こりました。8千キロ離れた日本まで放射能が降ってきたのです。そこで、その年の夏に大分のトキハ前で「8月30日の伊方原発見学ツアー参加者募集」というビラを一人で撒きました。そのツアーに参加した12名の仲間と大分の反原発運動が始まりました。
 あるとき街頭で「原発はいらない」というビラを撒いていたら「お前は原発がそんなにいやなら九電の電気は使うな」と言う人がいました。その時考えたのです。「自分たちで電気を作って、私は原発の電気は使っていません」と言うのが一番分かりやすいと。それに「何かを作る活動は主体的で参加者も楽しいし、共感も得やすいのではないか」と。ちょうどその頃、NPO法案が出来て、市民事業が起こしやすくなったという背景もありました。
 2001年に再エネNPOを立ち上げて、大分県や大分市や生協の屋根などに「大分県民共同発電所てるてるちゃん」という名前の太陽光発電を合計10機を作って、電気の産直運動を行いました。目標は「市民電力会社」を作ることです。電力自由化で新電力がたくさんできましたので、今は薪を作って販売したり、ヤギやニワトリを飼って、自給自足をめざす生活をおくっています。

電力会社の公益性と原発の必要性

 2年前の2016年4月1日より、一般家庭の電力の自由化ががやっと始まりました。なぜやっとかというと、OECD加盟34カ国の中で電力自由化は、日本が最後だからです。日本の電力自由化には「発送電分離」の方法など山ほど問題がありますが、それでも始まったことは一定の評価をします。
 これまでの電力会社は地域独占と総括原価方式に守られて販売競争もなく、価格も安定している殿様商売でよかったのですが、これからは自由市場の競合相手の多い普通の商品に生まれ変わりました。だから電気もスーパーでキュウリやナスを買うように、消費者が自分好みの電気を自由に選んで買うことができるのですから、再エネ電力がいいか原発の電気がいいか、結果的に、発電方法を選ぶ主役が電力会社から消費者へ入れ変わったと考えてもいいでしょう。つまり消費者が原発がいやなら原発の電気を買わなければいいのです。これからは消費者による電気の不買運動が簡単にできるようになったのです。
 昨年末の一般家定の電力の新電力への乗り換え率は、関西電力が最高で18%。東京電力15%。全国平均10%です。それに工場などの高圧電力は12.1%(昨年4月経産省発表)で、全電力の22%以上が乗り替えていて、新電力は着実に増えています。
 私は2016年の5月に新電力に乗り替えたのですが、その時担当者は「原発がいやだから乗り替えるというお客様は多いですよ」と話しいていました。
 これまでの地域独占の電力事業は「電力の安定供給の義務」もあり「公益性」もありました。そして原発は電気の30%を賄っていたので、原発が止まれば電気が足りなくなるという理由などから、原発裁判では「少々の原発事故の不安はあっても受忍限度内だ」という裁判所の判断が出されていたのしょう。しかし、原発事故で何年も原発は止まったままで「電力地域独占」も終わり、電力会社の独占率もどんどん減っているのですから、電力会社の公益性も原発の必然性もありません。いま四国電力が伊方原発を動かす唯一の必然性は企業の収益のためだけです。

企業モラルが問われる

 私の両親は満蒙開拓団員でした。2人の息子を亡くして母親1人で日本に帰って来ました。父親はシベリアに抑留されました。そんな開拓団仲間の方が佐賀県に帰って養豚業ををやっています。今は息子さんが後を継いでいるのですが、最近聞いた話です。養豚場はハエと匂いがすごいので、人家の少ない土地で養豚を始めたそうですが、そこにも家が建ってきて、周辺住民から出て行けという声が起こり仕方なく、もっと田舎の方へ引っ越したそうです。今はまだ家が少ないのでいいのですが、またいつ引っ越さなければならなくなるか不安だそうです。
 こんな零細企業の社長が周辺住民の健康に配慮して商売を行っているのです。しかも後から来た人が、前から居た養豚業者に「くさいから出て行け」といわれて、出て行くのです。
 四国電力の社員の皆さん、しっかりと聞いてください。私は伊方原発が出来る前から大分に住んでいます。放射能は色も匂いも味もしませんが、浴びたら大変な健康被害を受けます。原発を建てるとき電力会社は「事故は絶対に起こりませんが、万一起こっても周辺8キロから10キロまでしか放射能は漏れませんから大丈夫です」と言って建てさせてもらったのでしょう。それが真っ赤なウソだったことを福島原発事故が証明しました。それなら契約は白紙に戻すが当たり前でしょう。
 2011年6月18日に、福島から350キロ以上離れた静岡のお茶が大量の放射能によって、フランスから茶葉が返品されたことがありました。伊方原発がメルトダウンしても、大分まで放射能が来ない場所、350キロ以上離れた場所まで原発は引っ越してください。私の知り合いの養豚業者のように。それが日本国憲法の下に与えられた私たちの権利です。私たちの要求は基本的人権と人格権の最低限の行使です。裁判官の皆さん、どちらの主張が正しいか、分かりきったことではないでしょうか。四電の主張は福島原発事故の後の、私たちの受忍限度を遙かに超えています。

原発と再エネは共存できない

 これまでの仮処分審尋や口頭弁論でも「原発事故の危険性」を中心に議論されてきましたので、私は少し視点を変えて、世界で今起こっているエネルギー革命について話したいと思います。
 米国カリフォルニア州では2030年に電力会社は販売電力の50%を再エネにしなければならないという法律が2016年に成立しました。同州で唯一原発2基を所有している電力会社PG&E社は、再エネ50%を達成させるには原子力では負荷調整を行うことは困難と考え、2025年には原発2基を廃炉にすることを決定しました。なぜなら再エネ50%を達成させるには再エネの主力である、太陽光発電は晴天の昼間しか動きません。そこで、太陽光発電で電力50%を賄おうとすると昼間はほとんどを太陽光発電を運転させて、夜だけ化石燃料とならざるを得ないのです。原子力は一年中一定の発電量を生み出すので、再エネ50%とは共存できないのです。同じことは日本でも考えられます。「パリ協定」で日本は2050年には温暖化ガス80%削減を約束していますが、電力に関しては二酸化炭素ゼロでなければならないのです。つまり、2030年には日本も二酸化炭素の割合を50%以上の削減が求められるでしょう。再エネ以外で止めたり動かしたりできるのは天然ガスしかありません。先の展望が全くない原発の運転に多額の金をつぎ込むことは電力会社にとっても自殺行為でしかないのです。
 現在、資源エネ庁が公表している、日本の原発の平均的な発電コストは3・11前までは5.3円と言っていましたが、2012年から8.9円以上と言っています。でも、その8.9円以上は福島原発事故の廃炉費用などを11兆円という根拠で計算した金額ですが、それが2016年には21兆円と見積もられているのです。実際には70兆円を越えると民間シンクタンクの日本経済研究センターは出しています。(2017年4月2日 東京新聞)つまりは次々と膨らむ原発事故費用を発電コストに加えれば、原発の発電コストはいくらになるか見当がつきません。
 それに対して日本の太陽光発電の発電コストは約20円と言われていますが、昨年12月17日のNHKスペシャル「脱炭素革命の衝撃」で中国や中東では太陽光発電のコストが3円とか2円だと解説していました。しかも5年後には半額になるだろうと話していました。
 日本も「パリ協定」に参加したので、2050年ころには温暖化ガスはほとんど出せなくなるのです。すると、石炭火力がいくらコストが安くても発電所は動かせないし、発電コストでも太陽光発電が石炭火力も抜くと同番組では言っていました。つまり将来有望な電力は再エネ電力しかないのです。だから世界中の投資家が「再エネが一番儲かる」から再エネへの投資に火がついたのです。
 3月29日の朝日新聞によると、ソフトバンクの孫正義さんがサウジアラビアに2030年までに100万キロワット級の原発200基分の太陽光発電を21兆円かけて建設するそうです。
 2050年にはガソリン車が動かせなくなるとEU諸国で電気自動車への転換が計画されています。特にカリフォルニア州のZEV規制という電気自動車を促進させる法律により電気自動車の開発競争に火がつきました。
 普通は電気自動車が増えれば電力需要が増えるので、むしろ原発は必要になるのではないかと思うかもしれませんが、電気自動車は再エネと相性がいいのです。
 マイカー所有者が毎日1時間車を運転するとしても車の稼働率は4%です。96%は車庫に置かれたままです。日産リーフのバッテリーが40kwhですから、リーフ100万台がコンセントに繋がれていたら、100万kwh原発の電力を最大で3時間50分蓄える能力がある計算になります。電気自動車は不安定な再エネ電力を安定させるための出力調整の役目をしてくれる可能性があるのです。
 日本政府や電力会社が、この流れを止めたいと願っても世界中で勢いついた「再エネ革命」の流れは誰も止めることは出来ません。再エネ電力はまだまだ安くなります。それに対して原発はますます事故防止対策費の負担に迫られて発電コストはどんどん上がるでしょう。世界中の原発メーカーはどこも虫の息です。フランスの国営アレバも赤字倒産の危機。日本の三菱も日立も東芝はもちろん、大赤字です。


次世代へ私たちの責任

 米国のトランプ大統領は「パリ協定」の脱退を表明しましたが、米国の大企業やカリフォルニア州など大きな州の大半がパリ協定にとどまって、温暖化対策を行うそうです。
 この国の総理大臣は日本の成長戦略の3本の柱が武器輸出と原発輸出とカジノの誘致だと言い、原発再稼働を進めると宣言しています。しかし、私は米国市民や企業の良心的な取り組みに見習うべきものが大いにあると思います。選挙で政権を変えれば政治を変えることができるでしょうが、選挙以外でも政治を変える方法はあります。私が川崎市で体験した、ゴミの収集方法をみんなで変えたように。そのためには、私たちひとり一人が諦めずに「何が正しくて、何が将来の世代のために今選択すべきか」を自から考え、自らが行動し続けることが大切なのだと思います。
 私が死んだ後も、かわいい私の孫が平和に安心して暮らすためには、この裁判を負けるわけにはいかないのです。だから私は裁判所の中でも、裁判所の外でも40名を越える大弁護団に支えられながら、500名の原告と200人を超える応援団と、この裁判に感心を持ってくれている多くの県民や国民と一緒に、日本中の原発を1基残らず止めるまで、たたかい続けることを肝に銘じて、わたしの意見陳述とします。

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by nonukes | 2018-04-02 18:49 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

伊方原発運転差し止め訴訟 大分地裁第9回口頭弁論 原告意見陳述書(案)

意見陳述 (案)
小坂正則

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私には尊敬するセンセがいます。それは松下竜一という中津の豆腐屋から貧乏作家になった心優しい人です。彼が生きていたら、間違いなくこの場で、蕩々と傍聴人の皆さんが涙を流さずにはいられないほどの意見陳述をおこなっていたことでしょう。しかし残念ながらセンセは2004年に亡くなりましたので、私が松下竜一センセの変わりはできないのですが、喋らせて頂きます。「暗闇の思想」という書物を1973年に書いたのですが、今でも、その思想が生きていると思っています。「電気は足りなければみんなで分かち合えばいい。月に1度でもいいから停電の日があればいい。そしたら電力のありがたさが分かる」等々と。

私が原発に疑問を持ったきっかけ

 私が若い頃住んでいた川崎市は革新伊藤三郎市政で、日本一の住民サービスを掲げて、家庭ゴミは分別なしの何でも収集と毎日収集が市政の看板政策でした。新聞紙などの資源ゴミも全部燃やしてたのです。また私の働いていた郵便局の近くにゴミ焼却場があったのですが、そのころ乾電池の水銀が大きな社会問題となっていました。ゴミ焼却場から水銀が大気中に放出されていたのです。そこで何でも燃やす川崎市のゴミ焼却を止めさせようと、私たちは分別収集の是非を問う住民アンケートを取って、清掃局長と交渉を行いました。結果的には、私たちの住民運動に押されてかどうかは分かりませんが、2回目の交渉の当日の朝に川崎市が急きょ記者会見を行って、「準備でき次第分別収集を実施する」と発表したのです。新聞記者から「住民との交渉によって分別収集を始めるというのは彼らの面子が立たないので、交渉の前にやると決めたのですよ」と聞きました。確かにそうかもしれませんが、大量生産・大量消費の時代が大きく変わる節目だったのだと思います。ただ住民が立ち上がれば政治は変えられるということを私は強く実感しました。
 川崎の郵便局では深夜勤務のある職場でしたので、勤務明けの日や休日には、生協のお母さんたちと一緒に、私がトラックを運転して廃食油を回収し、石けんを作るボランティアをやりました。私の妻が友人と一緒に無認可保育所をやっていたので、保育所の資金稼ぎのために古紙の回収をしたり、周辺の住民から不要品を集めて、リサイクルバザーなどもやりました。
 私はミミズを飼ってゴミから肥料を作ったりして、ゴミ問題に関わる中で、「使い捨て」から「循環型」へ私たちの社会を変えなければならないと思うようになりました。 人間以外の生物も糞は出しますが、処理できないゴミは出しません。糞や死体は、それを餌とする微生物などが食べて生命を循環させます。なぜ人間だけがプラスチックや、ビニールなど腐敗しないゴミを大量に使い捨てるのでしょうか。ゴミの中でも一番やっかいなゴミが使用済み核燃料から出る放射性廃棄物です。これは科学の力ではどうにも処理できません。放射能は時間だけが解決してくれるのです。ただ何万年という長い時間をかけなければ解決できないのですが。
 その後、親父の農業を手伝おうと思って、1985年に大分に帰ってきた翌年の4月26日に、ソ連のチェルノブイリ原発事故が起こりました。8千キロ離れた日本まで放射能が降ってきたのです。

再エネNPOを作ることで反原発運動を分かりやすく

 1986年の夏に大分市のトキハ前でビラを撒きました。「たった1人で伊方原発に反対する大分市民の会」という名で、8月30日に伊方原発見学ツアーに参加しませんかというビラです。そのツアーに参加してくれた12名の仲間と一緒に大分の反原発運動は始まりました。32歳の若造だった私を松下竜一さんや梶原徳三郎さんなど先輩方が、私たちを支えてくれたのです。
 あるとき街頭で「原発はいらない」というビラを撒いていたら「お前は原発がそんなにいやなら原発の電気は使うな」という人がいました。その時考えたのです。そんなわからんちんに一番分からせる方法とは、自分で電気を作って「私は九電の電気は使っていませんよ」と言うのが一番だと。それに反対運動というのは実にしんどいたたかいなのです。そこで、「せめて何か楽しいこともやろうじゃないか」と考えたのです。それに、ただ反には必要ではないかと考えました。ちょうどその頃、NPO法が出来て、市民事業が起こしやすくなったという背景もありました。
 2001年に再エネNPOを立ち上げて、大分県や大分市や生協の屋根などに「大分県民共同発電所てるてるちゃん」を10機作って、電気の産直運動を始めました。その目標は「市民電力会社」を作ることです。ただし、現在は新電力会社がたくさん出来ていますので、「市民電力を作ろうという看板は下ろしました。今は薪を作って販売したり、ヤギやニワトリを飼って、自給自足に近い生活をやりながら、原発を止めた後の代替エネルギーの研究を行っています。

なぜ原発はだめなのか

今までのは前段で、ここからが本題です。2年前の2016年4月1日より、一般家庭の電力の自由化ががやっと始まりました。なぜやっとかというと、OECD加盟34カ国の中で電力自由化は、日本が最後だからです。日本の電力自由化には「発送電分離」の方法など山ほど問題がありますが、それでも始まったことは一定の評価をします。
 いまでは電気は、私たちがスーパーや八百屋に行ってキュウリやナスを買うように、自分の好みの電気を買うことができるのです。無農薬のキュウリがいいのか。放射能たっぷりの電気がいいのか選択出来るようになったのです。一昔前のような「地域独占事業」ではなくなったのです。そして、一般家定の電力の新電力への乗り換え率は関西電力が最高で18%。東京電力が15%です。九州電力は7%。全国平均で10%です。それに工場などの高圧電力は12.1%(昨年4月経産省発表)で、全電力の20%以上が乗り替えていて、新電力は着実に増えています。
 これまで電力は地域独占でしたから、電力事業は水道事業と同じように「公益性」が求められていました。「電力の安定供給と低廉な電力を届ける」という責任が電力会社には課せられていたのです。ですから、原発裁判では、公益性を盾にして、「少々の原発事故の不安はあっても受忍限度内だ」という裁判所の判断が出されていたのです。しかし、「電力地域独占」が終わって、供給率もどんどん減ってきているのですから消費者の声を無視した経営者は消費者に見捨てられるでしょう。私に言わせればこれまでの電力会社は押し売りのようなものです。私の家に黙って入ってきて「四の五の言わずに原発の電気を黙って使え。文句があるなら電気を止めるぞ」と一方的に電気を買わされ続けてきたのです。
私は2016年の5月に新電力に乗り替えたのですが、その時担当者は「原発がいやだから乗り替えるというお客様は多いですよ」と話しいていました。そうです。押し売り商売のような電力会社からどんどん顧客が逃げていけば、いくら原発を動かしても電気は売り先がなくなってしまうのです。それは自由市場社会の原則です。ですから裁判所も「原子力発電の公益性」などという考えははやめてください。原発にはもう公益性も必要性もないのですから。
 もう1つ、こんな話しがありました。私の両親は満蒙開拓団員でした。2人の息子を亡くして母親1人で日本に帰って来ました。父親はシベリアに抑留されました。そんな開拓団仲間の方が佐賀県に帰って養豚業を始めたそうです。今は息子さんが後をやっていますが、最近聞いた話です。養豚場はハエと匂いがすごいので、人家の少ない土地で養豚を始めたそうですが、そこにも家が建ってきて、周辺住民から出て行けという声が起こったそうです。仕方なく、もっと田舎の方へ引っ越したそうです。今はまだ周辺には家が少ないので、どうにか養豚業はやれているが、またいつ引っ越ししなければならなくなるか不安だというのです。
 そんな零細企業の社長が周辺住民の健康に配慮して商売を行っているのです。しかも後から来た人が前から居た養豚業者にくさいから出て行けといわれて、出て行くのです。
 四国電力の社員の皆さん。私は伊方原発が出来る前から大分に住んでいますよ。皆さんよく耳を大きく開けてしっかりと聞きなさい。放射能は色も匂いも味もしませんが、浴びたら大変な健康被害を受けるのです。原発を建てるとき電力会社の皆さんは「事故は絶対に起こりませんが、万一起こっても周辺8キロから10キロまでしか放射能は漏れませんから大丈夫です」と言って建てさせてもらったのでしょう。それが真っ赤なウソだったことを福島原発が証明しました。それなら契約は白紙の戻すが当たり前でしょう。
 福島から250キロ以上離れた静岡のお茶まで大量の放射能が降ってきて、フランスから茶葉が返品されたことがありました。伊方原発がメルトダウンしても、大分まで放射能が来ない場所、最低250キロ以上離れた場所まで原発は引っ越してください。私の知り合いの養豚業者のように。私はあなたたちが来る前からこの地に住んでいるのですよ。それが日本国憲法の下に与えられた私たちの権利です。私たちの要求は基本的人権と人格権の最低限の行使です。裁判官の皆さん、どちらの主張が正しいか、分かりきったことではないでしょうか。四電の主張は福島原発事故の後の、私たちの受忍限度を遙かに超えています。

脱原発と再エネ誘導は日本の進むべき道

これまでの仮処分審尋や口頭弁論でも「原発事故の危険性」を中心に議論されてきました。それはやむを得ないことなのですが、私は少し視点を変えて、世界で今起こっているエネルギー革命についてお話ししたいと思っています。この裁判がいつまで続くかは分かりませんが、電力をどの発電方法で発電するかという議論は、あと5年もすれば決着がつきます。原発がどんなに頑張っても、再エネ電力にはかないません。世界中で原発を持つ理由はたった1つです。それは核兵器を持ちたいから国策として原発を進めるのです。
資源エネ庁が日本の原発の平均コストは12円とか言っていますね。311前は5.3円とか言ってましたが、さすがに今は12円とかですよね。でも、その12円は福島原発事故の廃炉費用などを11兆円という根拠で計算した金額ですが、それが2016年には21兆円と見積もられているのですが、実際には70兆円を越えると民間シンクタンクの日本経済研究センターは出しています。(2017年4月2日 東京新聞)つまりは次々と膨らむ原発事故費用を加えれば、原発の発電コストは50円にも100円にもなるかもしれないのです。それに対して太陽光発電の原価は現状では30円以上ですが、昨年12月17日のNHKスペシャル「脱炭素革命の衝撃」で中国や中東では太陽光発電のコストが3円とか2円だと解説していました。しかもここ3年から5年でまた、その半額になるだろうと。確かに今1キロワット3円だとしても。それは発電所での単価であって、送電線やバッテリーなどの付帯施設全体のコストを足すと、そんなには安くはありませんが。
しかし、これからどんどん普及するにつれて安くなるのです。「パリ協定」の発効で2050年ころには温暖化ガスはほとんど出せなくなるのです。すると、石炭火力がいくらコストが安くても発電所は動かせないのです。その代替施設は再エネ電力しかないのです。だから世界中の投資家が「再エネが一番儲かる」と、気づいて再エネへの投資に火がついたのです。自動車も同じように2050年には二酸化炭素を出せなくなるので、これからは電気自動車だという方向性がハッキリしたので電気自動車の開発競争にも火がついたのです。それに大きな影響を与えたものがカリフォルニアの排ガス規制です。この規制は、一定数の電気自動車を生産販売してない自動車メーカーはガソリン車の販売に規制がかかるのです。その規制は中国でも導入しました。中国も同じような規制を作って自国の電気自動車産業を育成させています。
そこで、電気自動車が普及すればバッテリーの価格が下がり、太陽光発電と風力など、再エネ電力の不安定さをカバーするためのにバッテリーが普及するというように再エネと電気自動車とバッテリーの普及は連動しているのです。
3月29日の朝日新聞に出ていました。ソフトバンクの孫正義さんがサウジアラビアに2030年までに100万キロワット級の原発200基分の太陽光発電を21兆円かけて建設するそうです。このような流れは止めようがありません。日本政府や電力会社がこの流れを止めようと思っても世界中で勢いついた流れは誰も止めることは出来ません。太陽光発電はまだまだ安くなります。そして原発はますます事故防止対策を講じる必要に迫られて建設コストはどんどん上がるのです。世界中の原発メーカーはどこも虫の息です。フランスの国営アレバも赤字倒産の危機。日本の日立も三菱も東芝はもちろん、大赤字です。それからの日本の若者の雇用と大分の地元の産業や生活を守るためにも世界の技術の最先端を行く必要があります。これから何が伸びて何が衰退するか。それは政府や企業だけの責任ではありません。裁判官も、日本の若者の雇用を創出するために、世界の流れに乗り遅れないように国を挙げて新しい産業の発展を支えようではありませんか。
この国の総理大臣は少し頭がおかしいようです。日本の成長戦略の3本の柱が武器輸出と原発輸出とカジノの誘致だと言うのですから。どれも人びとを殺すか廃人にしてしまう産業です。私は私が死んだ後も、かわいい私の孫が平和に安心して暮らせるような豊かな日本を残してあげたいのです。だから私は裁判所の中でも、裁判所の外でも500名の原告の仲間と200人を超える応援団と、この裁判に感心を持ってくれている多くの県民や国民と一緒に、日本中の原発を一基残らず止めるまで、たたかい続けることをここに固く約束して、わたしの意見陳述をおわります。ご静聴ありがとうございました。
5月24日の意見陳述案です。


by nonukes | 2018-03-31 02:49 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

米電力最大手が「ディアブロキャニオン原子力発電所」廃炉決定

米国カリフォルニアで出来て日本では実現できないのか
小坂正則
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下の記事を見つけました。この記事は2年前の記事ですが、カリフォルニアの電力会社PG&E社が州の条例で「電力会社に対し2030年までに総発電量の最低50%を太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーにするよう義務付けた」ことを受けて、そのために原発を止めて、再エネ電力を増やして行くことを決めたというのです。しかもその決定をしたのは環境保護団体と労組と企業経営者の三者による協議で決めたという記事だったのです。
こんな画期的なことがカリフォルニアで「全米最大の電力会社が脱原発を決定できた」のだから、この方法を日本の電力会社でも真似てみたらどうだろうと、記者は提案しています。
カリフォルニアの電力会社PG&E社が2025年までにディアブロキャニオン原発を廃炉にして原発ゼロを実現することを決めたというのです。そして、その政策を環境保護団体の「地球の友」や「NRDC」など有力環境団体と労組との「共同提案」として発表。この会社が脱原発に舵を切った理由として、①「昨年成立したカリフォルニア州条例。同条例は、温暖化ガスの排出量削減のため、電力会社に対し2030年までに総発電量の最低50%を太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーにするよう義務付けた」こと。②「同時に、建物のエネルギー効率を2倍にし、総電力消費量の抑制を目指している。この条例が結果的に、PG&Eが脱原発を決断する決め手となった」といいます。

なぜ原発を止める決断に至ったのかを分析する

報道によると、上の2点の理由で原発から撤退の決めた理由だと書かれてるのですが、それだけでは理由が分かりにくいので、その中身をもう少し分かりやすく分析してみます。
原発の発電量は大きいのです、一旦事故などで止まったら、再稼働までに長時間の停止を余儀なくされます。そのために原発が止まった時のために代替手段の発電所を作っておかなければならりません。でも、その発電所は普段は動かすことが殆どないわけですから、その分コストがかかってしまいます。それに太陽光発電などの再エネ電力の50%達成を条例で決められているので、再エネ電力をこれからもっと増やして行かなければなりません。ところで全電力の50%を再エネで賄うということは常に50%ずつ化石燃料と再エネが発電し合うということではなく、結果的に総発電量で半分ずつ担うということです。ですから、現実的には天気の日中は太陽光が70%とか80%以上を担い、曇りの日や夜は太陽光発電はゼロで風力が10%そこそこで、残りを化石燃料が担う必要があるのです。原発は夜は100%運転をすればいいでしょうが、昼間に太陽光発電が80%も発電した時には原発の電気は20%運転が必要になり、電力が余ってしまうことになり、原発は再エネ電力とは共存できないのです。

原発を優先するか再エネを優先するか

日本の電力会社は原発をベース電源として使うと決めているので、常に20%から30%のベースを原発が担い、残りの需要を再エネと火力による調整で撒かなう計画です。それでしたら、再エネ50%などという目標達成は不可能です。せいぜい20%が限度でしょう。九州電力は川内原発2基に加えて、玄海原発3号機を動かして4号機も動かそうとしています。そうすると、5月の晴天の昼間には原発の電気が全て余ってしまうことになります。ですから、日本の電力会社は、その時には太陽光発電など再エネの発電を止めるというのです。この考えはカリフォルニアとは逆の発想です。
カリフォルニアのPG&E社はベース電源に再エネを当てるという日本とは逆の発想で発電する計画ですから、再エネの電気を増やすためには原発を止めるしかないのです。原発は止めたり動かしたりが苦手なので、再エネ電力の負荷調整を原発に行わせるのは困難です。だから再エネ電力が増えるに従って、負荷調整のための天然ガス発電などが必要になるので、原発が邪魔になってくるのです。つまりは必要なことは「政治的な意思」が求められているのです。再エネ社会を実現したいという意思があるのなら原発は止めざるを得ないし、再エネ社会を否定して原発中心の化石燃料社会を続けようとするのなら、「原発を動かし続けて再エネは増やさない」という両国の市民の意思の違いが結果に表れるのです。

省エネ技術の進化も再エネに追い風

原発の撤退を決めたカリフォルニアのPG&E社にはもう1つの大きな背景があったのでしょう。これまでは人口が増加したり電力需要が毎年拡大していきました。しかし、最近の社会は人口減少やLEDなどの省エネ技術の進化によって、電力需要の増加が見込めなくなって来ているのです。ところが原発は40年以上の長期需要を見込んで建設しなければなりません。40年先の社会がどんなエネルギーシステムとなっているかなど誰にも予測不可能なのです。つまり長期に渡って資金を回収する投資は投資家にとってはリスクが大き過ぎるのです。またもう1つの大きな背景があります。バッテリーの開発と再エネ電力、特に太陽光発電の発電コストが劇的に下がってきて、太陽光発電とバッテリーの組み合わせたコストが原発の発電コストよりも安くなったら、原発は無用の長物と成り果ててしまいます。そんな長期の見通しなども考慮してPG&E社は決断したのでしょう。

環境派の市民と電力会社と労組が一緒に手を組む

この報告書にも書いていますが、このPG&E社の決断には環境保護団体の「地球の友」などと労組も参加して出した結論だと言います。実にすばらし3者の連携で生み出された結論です。環境派の市民組織は電力会社の敵ではありません。味方というわけでもありませんが、同じテーブルに着いて話し合えば同意できることは必ずあるでしょう。しかもそこに労組が入って調整をしたのかもしれません。日本では考えられないようなことですが、これは米国だからできたのかもしれません。自由と民主主義が確立している国だからでしょう。日本の電力労組は経営者と一体で、いわゆる御用組合ですから、経営者よりも原発推進に凝り固まっています。そんな労組と話し合うかけらも日本にはありませんね。以前日本の電力会社にも総評系の全九電労という労組がありました。電産中国という闘う組合も中国電力の中にありました。この組合は原発に反対をして闘っていました。しかし、企業側の介入で組合員は減って、解体されてしまいました。もちろん彼らは経営者に何でも反対していたわけではありません。原発は事故の危険性や労働者の安全などが保てないから反対していたのです。正に真っ当な主張をしていたために企業と国によって潰されたのです。私たちも何も九電や四電が憎くて原発に反対しているわけではありません。
事故が起これば私たちが被曝する可能性が高いからであり、そこで働く労働者や警察や自衛隊員も被曝を余儀なくされるから反対なのです。企業が正当な利益を上げるために話し合うというのならいくらでもテーブルに着く用意はあります。

四国電力こそ1日も早く原発から撤退すべき

九州電力は川内原発と玄海原発4基の再稼働に1兆円あまりの予算をつぎ込んだと新聞報道されていますが、四国電力は伊方3号機の再稼働に1900億円余りの予算しか使っていないそうです。それに本日3月27日の取締役会で2号機の廃炉を決めるそうです。それだったら、3号機しか残っていないのですから、まだ引き返すことも可能でしょう。九電のように1兆円もつぎ込めばその資金を回収するためには原発を動かすしかないということに突き進むかもしれません。カリフォルニアのPG&E社のような選択肢も可能かもしれません。もともと伊方原発が作られた経緯をひもとけば、経産省が四電に原発を持つように強引に進めた経緯があるからです。第6代1985年~1988年まで社長社だった佐藤忠義氏は業界紙のインタビューに「こんな小さな会社に本当に原発が必要なのか疑問もあった」(小坂の記憶の再現)というような発言をしていたことを反原発新聞で読んだ記憶があります。ですから1900億円を不良資産として切り離せばいつでも原発をやめることだって可能なのです。だって、裁判で止まったり、また動き出したりしたら本当に採算など合うのでしょうか?私には大変疑問です。


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米電力最大手が画期的な脱原発案
猪瀬聖 | ジャーナリスト
2016/7/10(日)

カリフォルニアが原発ゼロ州に

福島第1原子力発電所の爆発事故以降、原発大国の米国でも、原発の安全性に対する懸念が強まっている。しかし、原発への依存度を下げると温暖化ガスの排出増加につながるとの理由から、脱原発の動きは鈍い。そうした中、米最大の電力会社が画期的な脱原発案を打ち出し、注目を集めている。
この電力会社は、カリフォルニア州中北部地域を基盤とするパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)。6月下旬、所有するディアブロキャニオン原発の原子炉2基を、免許の更新時期を迎える2025年までに廃炉にすると発表した。
カリフォルニア州では1950年代以降、計6つの原発が建設されたが、うち4つは1980年代までに閉鎖。残る2つのうち、同州南部のサンオノフレ原発は放射能漏れ事故などをきっかけに住民の間で不安が高まり、2013年に稼働を停止。ディアブロキャニオン原発が唯一現役の原発となっていた。同原発の廃炉により、米最大の人口を抱えるカリフォルニア州は、主要州で初めて原発ゼロの州となる。
米全体では依然、100基前後の原子炉が稼働中。新設の動きもあり、ディアブロキャニオン原発の廃炉で、米国が一気に脱原発に突き進むわけではない。しかし、米最大の州で米最大の電力会社が脱原発に踏み切った意義は、けっして小さくない。ニューヨーク・タイムズ紙は社説で、「カリフォルニア以外の州や米国以外の国が、温暖化ガスの排出を増やさずに原発の老朽化問題を解決しようとする際の、よい前例となるだろう」とPG&Eの脱原発案を高く評価している。

決め手は州条例
ニューヨーク・タイムズ紙などがPG&Eの脱原発案を取り上げるのは、単に電力最大手が脱原発を打ち出したからだけではない。注目すべきは、脱原発の決断にいたる経緯だ。
PG&Eの決断に最も影響を与えたのは、昨年成立したカリフォルニア州条例だ。同条例は、温暖化ガスの排出量削減のため、電力会社に対し2030年までに総発電量の最低50%を太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーにするよう義務付けた。
同時に、建物のエネルギー効率を2倍にし、総電力消費量の抑制を目指している。同条例は脱原発を目的としているわけではないが、結果的に、PG&Eが脱原発を決断する決め手となった。
なぜか。企業として利益を確保しつつ、同時に再生可能エネルギー比率50%以上という目標を達成し維持するには、エネルギーミックス(電源構成)に高い柔軟性が欠かせない。ところが、図体のでかい原発は、いったん稼動停止したらすぐには営業運転を再開できないなど、小回りが利かない。さらには、福島原発のメルトダウン事故以降、日本と同様、米国でも原発の安全対策費が膨らんでいる。原発は、どこであろうと、経済的かつ柔軟なエネルギーミックスに不向きになっているのだ。
PG&Eのトニー・アーリー社長も、カリフォルニア州の新たなエネルギー政策の下では「原発は必要性がなくなった」と、脱原発決断の理由を明確に述べている。
条例の制定はもちろん、有権者の意向なしにはあり得ない。その意味では、カリフォルニア州の脱原発は、民主主義が健全に機能した結果とも言える。

反原発団体とも協働

注目すべきもうひとつの理由は、PG&Eの脱原発案が、反原発の市民団体などと一緒に練られた点だ。実際、PG&Eは同案を、「地球の友」や「NRDC」など有力環境団体と労組との「共同提案」として発表している。
参考までに、地球の友は、有力環境団体「シエラ・クラブ」の幹部だった故デヴィッド・ブラウワーが、シエラ・クラブがディアブロキャニオン原発の建設に賛成したことに激怒し、離脱して新たに設立した団体という因縁がある。
共同提案によると、PG&Eは今後、脱原発と同時に、再生可能エネルギー分野への投資を大幅に増やし、2031年までに総発電量の55%を再生可能エネルギーにする計画。ちなみに、2014年のPG&Eのエネルギーミックスは、再生可能エネルギーが総発電量の27%、原発が同21%。カリフォルニア州は自然環境に恵まれているとは言え、目標の55%を達成するのは容易ではない。
そのほか、米メディアによると、PG&Eは、原発事業に従事する社員を配置転換するための再教育費用など、従業員対策として3億5000万ドル(約350億円)を計上する計画だ。
反原発団体との共同提案は、見方を変えれば、脱原発を目指す市民団体の作戦勝ちとも言える。やみくもに反原発を叫ぶのではなく、電力会社が脱原発しやすいような戦略を立て、粘り強く交渉し、実行に移したからだ。カリフォルニア州の脱原発は、ニューヨーク・タイムズ紙が指摘するように、「米国以外の国」にも参考になるに違いない。


by nonukes | 2018-03-27 12:31 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

  小坂正則