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小坂正則の個人ブログ

カテゴリ:電力自由化( 38 )

2020年「発送電分離」実施の前にやることがある


送電線利用は公正中立に接続させなければならない
小坂正則

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写真① 2017年12月18日テレビ朝日 報道ステーション
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写真②送電線は公平に利用できるべきもの

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写真③飯舘村に風力発電を建設計画


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         写真④20億円の送電線工事費を要求された
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写真⑤東北電力は送電線に空きがないと言う

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写真⑥東北電力の送電線利用率を計算したら?

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写真⑦送電線の空きは98~80%の空きが常にある
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写真⑧山口市が費用の金額根拠を問い合わせたら大幅に下がった




「送電線は電力会社の所有物ではない」国民の電気料金で作った公共財産だ

 2020年の4月から「発送電分離」が実施されます。しかし、使っていない送電線の権利を電力会社に既得権として認めるなら、新電力は現状と何も変わらなく、再エネ電力を増やすことなどできません。系統連携できないことや、系統につなぐために莫大な費用を求められるからです。それなら、日本の電力自由化が「見せかけの電力自由化」と批判されても仕方ないでしょう。
 2016年4月から始まった「小売り自由化」により、新電力による送電線への系統の受付が公平に行われているかなどをチェックする機関として、「電力広域的運営推進機関」(略称:広域機関)という組織が作られています。そこがチェックしているのですが、現状では既存の電力会社が送電線の利用受付を行っているため、「どのような手続きや費用が掛かるのか」などがブラックボックス状態なのです。

送電線費用は電力会社の言い値

 現状では新電力が発電所から電力会社の送電線に繋いでもらう場合、系統連携費用は電力会社が作った紙切れ1枚の請求書の金額が全てです。私が建てた太陽光発電の連携費用の場合、60数万円の請求金額だけで、その内訳も何もありませんでした。
 12月18日テレ朝の報道ステーション、(写真①②)こんなことが報じられていました。(写真③④⑤)福島県内の住民が県内に風力発電を建てようと、東北電力へ申請したら20億円の費用を請求されたので、諦めたということです。
(写真⑥⑦)ところが京都大学で空き容量が80%から98%もあることが分かったのです。なぜ、そんなに空いているのに電力会社は使わせてくれないのかという問いに「原発再稼働や夏場のピーク時に全発電所が動いた場合を想定しているため、使わせることは出来ません」と、回答したそうです。そんなバカなことはありません。夏場でも発電所の全てが動くことなどあり得ません。ましてや送電線は電力会社の所有物と思っているかもしれませんが、本当は消費者が払った電気料金で作ったものですから、公共設備です。だから「発送電分離」になった2020年からは、欧米のように「中立な運用」が求められるのです。
 次の例は、山口市のNPOが市と連携した事業として7千万円でメガソーラーを作りたいとして、中国電力に申し込んだところ、連携費用が4億5千万円という請求が来たそうです。ところが山口市が交渉に乗り出して、「何でそんなに費用が掛かるのか」と問い詰めたら、その後「70万円」という回答がきたというのです。(写真⑧)いきなり4億4千930万円の値引きです。森友学園の値引き以上の値引きです。
 こんなウソのような話しが、今日まで公然と行われているのです。
 ですから、2020年4月から始まる「発送電分離」には、送電線の利用は公平に行い、系統費用などの根拠を明らかにする必要があります。そのためには、本当は公的機関が送電線を運用するのが一番なのですが、自民党案は、そのようにはなっていません。欧米のように、電力会社とは資本関係のない送電線会社が行う「所有分離」なら公平な運用ができるですが、自民党の発送電分離案は「送電線会社を電力会社の子会社化にする」という「法的分離」です。

系統連携の運用ルールと市民の監督が必要

 ドイツでは送電会社4社の内3社は所有分離の完全分割された送電会社です。そして、系統への連携は再エネを優先するということ条件で運用されています。それに中立的な運用が行われているか、連邦政府と州政府により厳しくチェックされているそうです。はたして日本はどうでしょうか。経産省の天下りや御用学者が管理監督するのではないかという不安を、私は払拭できません。2020年の「発送電分離」の実施前に送電会社は「オープンで公平なルール」として国民が納得いくようなものにする必要があります。それにドイツのような監視・監督する公的機関のダブルチェックやそこに市民が参加できることなども必要でしょう。
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大手電力10社の送電線平均利用率が2割
朝日新聞2018年1月28日

 風力や太陽光発電などの導入のカギを握る基幹送電線の利用率が、大手電力10社の平均で19.4%にとどまると、京都大学再生可能エネルギー経済学講座の安田陽・特任教授が分析した。「空き容量ゼロ」として新たな再生エネ設備の接続を大手電力が認めない送電線が続出しているが、運用によっては導入の余地が大きいことが浮かび上がった。
 基幹送電線の利用状況の全国調査は初めて。29日に東京都内であるシンポジウムで発表される。
 50万ボルトや27万5千ボルトなど各社の高電圧の基幹送電線計399路線について、電力広域的運営推進機関(広域機関)が公表しているデータ(2016年9月~17年8月)を集計した。1年間に送電線に流せる電気の最大量に対し、実際に流れた量を「利用率」とした。
 分析の結果、全国の基幹送電線の平均利用率は19.4%。東京電力が27.0%で最も高く、最低は東北電力の12.0%。一時的に利用率が100%を超える「送電混雑」が1回でもあったのは60路線で東電が22路線を占めた。
 一方、「空き容量ゼロ」とされた基幹送電線は全国に139路線あったが、実際の平均利用率は23.0%で、全体平均と同程度。大手電力がいう「空き容量ゼロ」は、運転停止中の原発や老朽火力も含め、既存の発電設備のフル稼働を前提としており、実際に発電して流れた量ははるかに少なく、大きな隔たりが出たとみられる。
 電気事業連合会の勝野哲会長は昨年11月の会見で、送電線に余裕があるのに再生エネが接続できない状況を指摘され、「原子力はベースロード(基幹)電源として優先して活用する」と述べた。
 ある大手電力は「空き容量は、送電線に流れる電気の現在の実測値だけで評価できるものではない」と説明する。だが、欧米では、実際の電気量を基にしたルールで送電線を運用して、再生エネの大量導入が進んでおり、経済産業省も検討を始めた。
 「空き容量ゼロ」路線の割合は、東北電、中部電力、北海道電力、東電で高く、西日本の電力会社は少ない。東北電、北海道電などでは、空き容量ゼロの利用率が、管内全体の基幹送電線より低かった。
 安田さんは「本来は利用率が高く余裕がないはずの『空き容量ゼロ』送電線が相対的に空いているのは不可解だ。『なぜ空き容量をゼロというのか』『なぜそれを理由に再生エネの接続が制限されるのか』について、合理的で透明性の高い説明が電力会社には求められる」と指摘する。

再生エネ事業者に巨額の負担も

 再生可能エネルギーの導入に重要な基幹送電線が有効に利用されていない実態が明らかになった。一方で、接続を希望する事業者に、新たな送電線建設に向けた巨額の「請求書」が送りつけられている。再生エネの受け入れは大手電力で取り組みに差が出ている。
 再生エネ事業者の「レノバ」(東京都)は秋田県由利本荘市沖で洋上風力発電を計画している。最大出力は原発1基並みの100万キロワット。地元漁協の同意を得て、海底のボーリング調査などを進めてきた。2021年度に着工、26年度に運転開始を目指す。
 ところが、東北電力は、青森、岩手、秋田などの基幹送電線が「空き容量ゼロ」だとして、総額1千億円以上とみられる送電線増強費用の負担を前提に、新規接続希望を募集した。280万キロワット(当初)の枠に1500万キロワット以上が殺到、9割以上が再生エネで8割が風力だった。
 入札は来月の予定。既存の発電所も新しい送電線を利用するが、費用のほとんどを新規事業者が出す。レノバの負担は数百億円とみられ、木南陽介社長は「地元の期待が高く実現したいが、送電線への接続可能量などについて情報公開を徹底してほしい」と言う。
 京都大学再生可能エネルギー経済学講座の安田陽・特任教授の分析では、東北電は基幹送電線の約3分の2を「空き容量ゼロ」とし全国で最も割合が高いが、管内の平均利用率は最も低い。「空き容量ゼロ」路線で利用率が一時的に100%を超えた「送電混雑」は1路線だけだった。
大手電力の基幹送電線の路線数と平均利用率
既存送電線の有効利用を探る動きもある

 九州電力は14年度から6万ボルトの送電線に流せる電気を従来の2倍に増やした。故障の際の出力抑制が条件だが、再生エネの接続は増え続け、昨年4月には、一時的に電力需要の76%を太陽光が占めた。電気をためる揚水発電なども組み合わせて送電線の運用を工夫し、離島以外では再生エネの出力抑制も出ていない。
 安田さんは「九州では原発も再稼働し、太陽光が大量導入されつつあるのに、空き容量ゼロの送電線が少なく、興味深い。電力会社で運用方針に違いが出ている可能性があり、適切に運用すればさらなる再生エネの導入拡大が可能であると日本でも実証されつつある」と話している。




by nonukes | 2018-02-22 15:05 | 電力自由化 | Comments(0)

能天気な電力会社も気づき始めた 「何かこれ、ちょとヤバクねー!?」と

ついに大手電力が「再エネは怖い」と知った
小坂正則

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(図1)上が7月8月の気温変化。下が夏場の電力需要とそのピーク
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(図2最大電力と最高気温)
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(図3)2015年予備力と実際の稼働結果


12月21日に私は自分のブログに「関西電力、大飯原発1、2号廃炉の裏に隠された不都合な真実」というブログを書きました。その内容は「大飯1、2など大型原発も廃炉にしなければならないような大変な事態(顧客の流出)が関西電力で起こっている」ということを書いたのです。
そして、それに続いて昨年末から、NHK12月4日のクローズアップ+と12月17日NHKスペシャルやテレ朝の10月9日と12月18日の報道ステーションで、「再エネ電力の発電コストが劇的に低下しているということと、電力会社による再エネの妨害行為が行われてる」と同じような報道が流れました。
実に真っ当な報道です。見ていない方は私がアップしている動画を見てください。その内見られなくなるとは思いますが。

日本の夏場の電力ピークが思ったほど高くなかった

日経エネルギー2018年1月10日号に以下のような記事が掲載されていました。
「夏に火力発電所がフル稼働しなかった衝撃」「大手電力会社の経営陣から社員までが、初めて再生可能エネルギーを怖いと思った年」。ある大手電力幹部は、2017年をこう表現します。電力需要が高まる夏になっても大手電力各社の火力発電所がフル稼働しない状況は、相当な衝撃だったと言います。急速に広がった太陽光発電によって、昼間の電力需要が賄われたためです。太陽光発電が最も早く、大量に導入された九州電力エリアでは2016年から、既にこうした状況にありました。ただ、「たまたまかもしれないという思いが、九電以外の大手電力にはあった」そうです。ですが、2017年の夏を経験して、淡い期待は打ち砕かれたのです。(ここまで引用)
上の図1は2015年夏の九州電力の需給状況のグラフです。例年ですと夏場の平日の昼間で、しかも気温が30度を超える真夏日には電力需要が跳ね上がるため、電力会社は全ての発電所をフル運転して、跳ね上がった需要に供給を合わせるかに必死だったのです。これまでの日本の電力需給は夏場の電力ピークを如何にして乗り切るかが電力マンの腕の見せ所だったのです。
ですから、国も電力会社も夏場の節電を呼びかけていました。クールビズやゴーヤを南向きの窓に植えるなどや打ち水を行うなどということを真顔で国(環境省)を挙げてやってました。「そんなことしていったい何になるんだ」と、私はあざ笑いながら批判していましたが、それでも私もゴーヤやハヤトウリなどを植えて食べてはいました。
ところが、2015年の夏場には結構厚かったにもかかわらずピークがそれほど高くならないまま夏が終わったのです。
2015年夏の最高気温が8月6日で35度に達しました。しかし、最大需要が1500万kwで、発電所の12%もの余裕があったのです。しかし、2010年には同じような最大需要の日には1750万kwにも達していたのですから、それに比べたら、約20%近くも需要が落ち込んでいるのです。2011年の福島原発事故以後、省エネ化や節電意識が高まったこともあるかもしれませんが、4年前の2013年1634万kwに比べても10%も需要が落ち込んでいるのです。夏の冷房による電力需要を太陽光発電がカバーして、火力発電の出番がなくなってしまったのです。
つまり、理由は省エネエアコンや工場などの節電でピークが来なくなったということなのでしょう。また、新エネ電力への乗り換えなどの影響もあるのかもしれません。九電管内では5%の顧客が流出していますので、この影響もバカにはなりません。
実はこのような現象はドイツで既に起こっているというのです。ドイツは電力卸市場で取引されています。これまでピーク時の電力は高く売れていました。ピーク時にはガスが発電していたので、既存の電力はガス発電で利益を上げていました。ところがここに来て、再エネ電力が普及し過ぎて、ピークが来なくなり、ガスを動かすときがなくなりつつあると言うのです。しかもドイツの冬場の電力需要でもピークが来ないため、電力価格が下がって、既存の電力会社はもう火力発電による利益が出せなくなって、電力会社の統合や発電事業からの撤退などが進んでいるというのです。
同じく「日経エネルギー2018年1月10日号」によると、日本の電力会社の社員は「ドイツでは大量の再エネ電力が電力市場に流れ込み、卸電力価格が低迷し、最新鋭の火力発電所が停止しているという話になっても、2016年当時は、必ずといっていいほど、『それはドイツの話であって、日本とは違う』と切り替えされたものです。まだ対岸の火事であると言える心境だった」(ここまで引用)ところが近ごろは人ごとではないと青ざめているというのです。

日本の電力会社のビジネスモデルが描けなくなった

そして、もう1つのグラフ(図2)を見てください。この図から言えることは毎年のように夏場のピークが下がってきているのです。一時的な夏場ば涼しかったから需要が落ちたのではないことが証明されます。つまり慢性的に電力需要は下がり始めているのです。これから人口減少が加速しますから、これから20年先や30年先を見越して大型火力や原発などの発電所を建設するという計画が、これでは立てることすらできないのです。(図3)は夏場の予備率が13%以上あるということはそれだけ設備が遊んでいると言うことですから、無駄な設備を13%以上遊ばせているということになります。だから日本の電力会社は電力料金が世界一高いのです。中津のお隣の福岡県豊前市に豊前火力発電所100万kwがあります。この発電所は石油火力ですからコストが高くてめったには動かしません。2020年には廃炉だそうです。この発電所は1年間に1週間動かすかどうかという発電所です。さすがに311原発事故以後、全原発が止まっていたころはフル運転でしたが、原発や天然ガスが動けばここは割高なので動かさないのです。
日本の電力会社はとにかくオール電化でガスの顧客まで奪って電力需要をどんどん増やしていくという経営戦略をこれまで続けてきました。高度成長時代にはとにかく電力需要をどんどん作り出してきたのです。電力需要が増えるから、その分だけ原発を建てて、また供給を増やすと、余った電気を売るために、新たな需要を作り出すという「無限の需要を作り出す」という悪矛盾を繰り返していました。アメリカのカリフォルニア電力公社などは、日本とは真逆の方法で電力需給を行っていました。それは電力需要のピークをカットしてできる限り需要の振れ幅を小さくするという発想です。ですから、省エネ冷蔵庫に買い換えると補助金を出したり、白熱電球から蛍光灯に変えたら補助金を出したり、変わったところでは、西日の当たる窓側の庭に木を植えれて西日対策を行えば、そこにも補助金をだすなどの方法でした。そのように省エネ対策を行って、無駄な発電所の建設をしないことが、電力会社の利益につながるからです。米国やヨーロッパ諸国では発電所の稼働率が平均75%のところが、日本の発電所の稼働率は65%ということがありました。(20年くらい前の話です)稼働率が高ければ高いほど利益率は上がりますから、投資効果は高くなるのです。日本では夏場の需要ピーク時のために、豊前火力発電所が1年間に7日しか動かなくても、そこには従業員が365日張り付いているのですから、儲かるはずはありません。でも、そんな無駄なことができたのは「地域独占」と「総括原価方式」(投資額の一定割合を利益としてよいという方式)の親方日の丸経営が成り立っていたから、そんな無駄なことで利益を上げることが、これまではできたのです。しかし、2016年から電力自由化と2020年からは「発送電分離」が実施されたら、そんな親方日の丸経営が成り立たなくなるのです。
これから先が見通せない中で3500億円の投資して川内原発を再稼働させて、今度は玄海3,4号をこれまた数千億円をかけて動かしても設備投資したお金が回収できるのかという不安が巻き起こってくるのです。
ですから、関電が大飯1、2号を廃炉にする決断をしたことの大きな理由は、夏場のピークが来ないことと、毎年のように需要が落ち続ける恐怖から何とかして逃れようとする1つの決断だったのでしょう。

新電力の敵と新たな敵が現れて来つつある

日経新聞17年5月24日ネット版によると、九州電力管内の電力需給が瞬間的に太陽光発電が24日の昼間に需要の7割を越えたという記事が出ていました。連休中に太陽光発電の比率が最大となったのは4月30日午後1時で73%。770万キロワットの需要に対し、太陽光による出力は565万キロワットとなった。(ここまで引用)そこまで日本の再エネの出力も増えているのです。今年の5月の連休に玄海原発が動いていたら、その分200万kwだけ電気が余ってしまします。どうするのでしょうか。
また、12月3日毎日新聞によると、東京ガスと東邦ガスが一緒にメガソーラーを中部電力管内に作って,その電力で中部電力管内の顧客を奪うという計画を発表したそうです。2020年までに220万件の顧客を奪いたいそうです。ガス会社がガスで発電しないで太陽光発電を設置するというのは将来的に再エネの方がガスよりもコストが安くなるということを見越して乗り出すのでしょう。
「日本は島国だからドイツのように隣の国から電気を買えないから原発は必要」と安倍首相が以前話してました。ところがそれが覆ろうとしているのです。
孫正義氏の「アジアスーパーグリッド構想」とは、インドからモンゴルを通って、インドネシア・フィリピンに台湾・中国、韓国に日本とロシアまでアジアを1つの電力網でつなぐという構想です。それがいよいよ現実化しつつあるのです。
ですから最後に現れた天敵が孫正義氏です。10月9日の報道ステーションで、孫さんの会社、ソフトバンクエナジーがモンゴルのゴビ砂漠で2千kwの風車25基、合計5万kwが動き出したというニュースがありました。やがてここに千300万キロワットの太陽光発電・風車を建設して日本へ送る計画なのです。既にモンゴルと中国と韓国とロシアの政府系の電力会社とは契約が締結されたのだそうです。残すは日本政府の了解が取れたらいつでも日本に電気を送ることができると話していました。
日本政府とロシアとの間には天然ガスパイプライン構想が昨年のプーチン安倍会談で決まりました。それなら送電線構想もできるでしょう。パイプラインに比べれば送電線は格安でしかも安全です。約400億円で可能です。日韓海底ケーブルも僅か230キロの距離ですから600億円でできると孫さんは話していました。日本政府がゴーサインを出せば来年にも「日韓海底ケーブル」は実現するのです。ソフトバンクエナジーの社長は番組で話していました。「2020年の東京オリンピックにはモンゴルの風車の電力でオリンピックを開催させたい」と。モンゴルの風車の発電コストは4円。送電線コストを加えても1kw当たり10円以下になると社長は話していました。太陽光発電はもっと安くなるでしょう。中東では2.6円とか、最低が1.98円と言われていますので、ソフトバンクも3円で発電できるでしょう。そうすれば少なくともこれまでで一番格安の電気がモンゴルから日本に送られてくるのです。ぜひ日本に3円の太陽光発電をモンゴルから引いてもらおうじゃありませんか。

国民の幸福追求権と人格権の行使で「日韓海底ケーブル」を実現させよう

「日韓海底ケーブル」の敷設は私たち日本国民の基本的人権である幸福追求権と人格権の行使です。「安心・安全な暮らし」や「安全で安い電気を使いたい」という。しかも「放射能フリー」ということは原発事故の恐怖から解放されるのです。そのためには私たちがいくら心の中で「願ったり思ったり」してもだめです。権利は行使しなければ絵に描いた餅です。私たちが具体的に行動するということはどういうことでしょうか。それはデモや街頭で訴えたり、署名活動をしたり、は大変ですよね。でももっと簡単な方法があります。放射能フリーの新電力に乗り換えたり、まだ乗り換えていない友人や知人に「あなたも早く電気料金が安い新電力に乗り換えて放射能フリーの気持ちいい生活を送ろうよ」と呼びかけて、友人や知人にアクションを起こすことです。
そして日本の原発の電気20円(福島原発事故処理費21兆円を入れた発電コスト)とソフトバンクなど新電力と既存の原発電力と競争してもらおうじゃないですか。それでも原発の電気がお好きな方はどうぞ、高くてブラックな関電でも九電でも残ってください。私たちはさっさとソフトバンクエナジーなどに乗り換えます。(私はソフトバンクではありません。いろんな新電力があります。特に私はガス会社を応援しています)

驚きの再生エネルギー価格、世界のエネルギー革命



再生エネ普及を阻む大手電力会社の“壁”









by nonukes | 2018-01-11 15:55 | 電力自由化 | Comments(0)

特集:原発ムラに巣食う寄生虫企業を発送電分離による電力自由化で一掃しよう!「断末魔の日本原電」



2020年から日本も欧米に10年以上遅れて、「発送電分離」による電力自由かが始まります。そこでできた電力会社の子会社の送電線会社が親会社の電力会社と、それのライバル会社の新電力を平等に扱うかどうか実に疑わしい限りです。
現在は電力会社が送電線を独占しているので、送電線に余裕があっても「送電線の余裕はない」と言って風力や太陽光発電を受け入れていません。東北電力の代表にテレビ朝日の記者が「実際には最大でも2%~18%しか送電線は使っていないのでは」と問うと、東北電力は「原発や火力など全ての発電所がフルで運転した場合余力がないので、お貸しできないのです」という回答だったのですが、それは嘘です。発電所をフルマックスで動かすことなどほとんどありません。あっても夏場の2,3日です。それでいて余力がないというのは嘘のようなものです。おまけに根拠を示すことなく「送電線に余力がない」と言って系統連携を断ってくるそうです。これこそ「原発ムラ」による地域独占の弊害です。
ですから、これまで経産省・資源エネ庁など国と特殊法人など原発ムラと電力会社が結託して甘い汁を吸い続けた「寄生虫企業や特殊法人」を一掃して透明性の高い電力市場競争を実現させるためには、これまでのウミを出し切り、経産省や文科省の原発ムラの住人を洗いざらい白日の下に晒す作業をこれからシリーズで行います。まず第一弾は「日本原電」です。乞うお楽しみに!


第一話:1ワットも発電しなくて黒字を叩き出して来た会社「断末魔の日本原電」

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6年半以上、電気を1ワットも発電していないのに黒字の「日本原電」

日本に商用原子力発電を導入するために、電気事業連合会加盟の電力会社9社と電源開発の出資によって1957年に国20%と電力会社80%出資で作った特殊な株式会社。売上高1,085億28百万円(2016年度)社員1,134人。
この会社は東海第二原発と敦賀原発1号と2号、3基の原発しか持っていない原発を専門に運転して、その電気を東電を中心に関電と中部電力、北陸電力、東北電力へ電気を供給する発電専門の電力会社。
ですから、国民の大半がその存在すら知らない知名度ゼロの会社です。この会社の凄いことは、まず3基の原発を持っている会社なのですが、敦賀1号は2011年1月に定期点検に入った以後、3月11日の東日本大震災で起きた福島原発事故の影響で、そのまま廃炉になってしまいました。敦賀2号は2011年5月7日に1次冷却材中の放射能濃度の上昇に伴う漏えい燃料の特定調査のた停止したまま今日まで停止中です。さらに、この原発の原子炉の直下に活断層が走っているという理由で、規制庁は運転再開を認めていません。そして意外に知られてないのが、東海第2原発のことです。この原発は、3月11日に緊急停止したのですが、外部電源が途絶えて、5台あるジーゼル発電機の内3台で原子炉を冷却していたのですが、津波の影響で3台のジーゼル発電機が止まって、残る2台でかろうじて冷温停止したという、一歩間違えれば、第2の福島原発事故へとつながった可能性のあった原発なのです。そして、東海第二原発も3月11日以降6年以上にわたって止まったままです。しかもこの原発は来年には40歳を迎える老朽原発です。
しかし日本原電という会社は、2011年5月7日以後、6年半の間1ワットも電気を作っていないのに、毎年黒字を叩き出しているという、実に不思議な会社なのです。
「そんなバカな話はあるはずがない」と、皆さんは思うでしょうが、それがあるのです。
2012年からは電気は1ワットの発電していませんが、毎年、東電から277億円、関電から162億円など合計610億円の基本料金をもらっているのです。12年度の決算では209憶円の黒字を叩き出しています。(上記の図参照)それから5年間に3千億円以上の収入を得ているのです。しかし、東電は税金をつぎ込んで成り立っている国営企業です。その東電から毎年270億円以上の金がこのバカ企業に流れ続けているということは、それもこれは税金と国民が支払った電気料金なのですから、国民の財布から猫ばばしてきた、ヤクザ以下の最低企業なのです。
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廃炉積立金もコッソリ使い込んでしまった?モラルハザード企業

以下は朝日新聞2017年11月17日号より。
「原発専業会社の日本原子力発電(原電)が、廃炉のために準備しておくべきお金を流用し、残高が大幅に不足している。原電が保有する原発4基のうち、東海第二(茨城県、停止中)は来年11月に運転開始40年を迎え、敦賀原発2号機(福井県、同)は建屋下に活断層が走っている可能性が指摘される。これらの原発が廃炉の判断を迫られても、作業に必要な費用を賄えない可能性がある。原電は近く、東海第二の運転を最長60年に延長できるよう原子力規制委員会に申請する方針だが、廃炉にするにもその資金を確保できないことも背景にある。経済産業省の省令では、原発事業者は保有する原発の廃炉費用を見積もり、毎年、解体引当金の名目で積み立てるよう義務付けられている。ただ、積み立てたお金を一時的に別の用途に使うことは禁じていない。原電の場合、廃炉作業中の東海原発(茨城県)、敦賀原発1号機を含む4基の廃炉にあてるため、総額1800億円前後の解体引当金がある計算だが、「大半を流用してしまった」(関係者)という。」ここまで引用。
つまり、廃炉にしたくても廃炉費用を使い込んでしまって、殆どなくなっているというのです。残額は187億円ということですから、1基の原発の廃炉費用もままならないのです。実質金庫は空っぽなのです。そんな役立たずな会社を誰が面倒を見るのですか?
そこで、廃炉にはできないから、東海第二を動かそうという計画なのですが、動かすにはこれまは3~4千億円も必要になるのです。ただ再稼働ではなく、20年延長ですから安全対策工事が多額です。また、動かせたとしても工事に4~5年もかかれば、実質動く期間が狭まって元が取れないのではないか関係者の中でささやかれてるそうです。
また、この会社の資産は原発だけですが、それが廃炉になるということは、資産がゼロどころかマイナスになるわけですから、お金を貸す銀行などはありません。結局は電力会社が債務保証をすることになり、債務不履行になれば全ては電力会社の持ち出しになるのです。
24日の朝日新聞によると、「打開策は国頼み」とあります。結局はここも税金で何とかしてもらおうと虫のいい話がまたぞろ出てきつつあるのです。もし、この日本原電を救うのであれば、無駄な税金を使って、再稼働などさせずに、1日も早く企業を整理させるべきです。そして、その責任をとって、債務保証分は電力会社が支払うべきです。電力自由化ですから、そこで債務保証した分のお金は電気料金を値上げして消費者にお願いすればいいでしょう。原発の電気が好きな消費者や東電が好きな消費者は高い電気料金でも文句を言わずに買ってくれることでしょう。いやな方は東京ガスや大阪ガスに乗り換えるだけですから、「日本原電」を助けるのが嫌いな消費者は、さっさと新電力へ乗り換えればいいので、消費者の選択権は保証されますから問題ありません。
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刑事被告の3悪のボスざるが勝俣被告

東電元会長の勝俣恒久が「日本原電」の社外取締役

この会社は電力会社が作った発電会社ですから、社長も東電や関電からの出向者です。2011年の福島原発事故時に東電の会長だった勝俣恒久(福島原発事故の被告)が社外取締役だったのですが、事故以後も取締役に残っていました。2013年の総会でやっと辞めたのです。その間には毎年何千万円もの役員報酬を得ていたことでしょう。
そんな、親方日の丸企業の「日本原電」ですから、経営責任など感じる経営者はいませんし、「いざとなれば政府が面倒を見てくれる」という虫のいい話がすでに資源エネ庁や経産省内から出ているのです。
原発に群がる様々な特殊法人や国策企業はこのようにことごとく、「最後は国が面倒を見てくれる」という安易な考えでどんぶり経営をいまだに行っているのです。
「日本原電」は東海1号を廃炉にした実績があるから「廃炉専門の企業」へという話も出ていますが、私は反対です。なぜなら、放射能を取り扱うというモラルもなければ、経営者としてのコスト感覚もない「親方日の丸企業」では、この先安全に福島原発の廃炉作業ができるという保障がないからです。「原発だけを動かす会社」なのですから、役目が終わったら解散するのが筋でしょう。1200人の従業員の皆さんはかわいそうですが、民間企業の倒産した社員や非正規のみなさんと同じように、ハローワークに通って、新しい仕事を1日も早くお探しください。



by nonukes | 2017-12-27 11:47 | 電力自由化 | Comments(0)

ガス会社が電力会社によって潰される

ガス会社が電力会社によって潰される
小坂正則
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上の題を見て皆さんは「何を言ってるの。ガス会社が電気も売って儲かっているんじゃないの?」と、疑問に思う方もいるかもしれません。ところが、事実は全く逆なのです。今年の4月から「ガスの全面自由化」が始まりました。一定の条件さえ揃えば都市ガス会社のガス管を使ってガスを自由に売ることができるようになったのです。この自由化は電力自由化とセットで行われたエネルギー自由化政策の一環です。
昨年の4月から電力自由化で私たち一般消家庭の電気も自由に電力会社を選ぶことができるようになりました。しかし、全国で既存の電力会社から新電力に乗り換えた一般家庭は約5.4%(4月8日朝日新聞)だそうです。工場などの高圧電力は約10%が電力会社以外の新電力などに変えているのに比べたら、一般家庭の電力の乗り換えが進んでいないのです。東京や関西では東京ガスと大阪ガスが宣伝を盛んに行っているので東京ガスへの乗り換えが新電力の中ではトップなのですが、新電力間の競争も激しくて、東京ガスへの乗り換えは70万件で東電管内の2300万件の3%しかありません。東京ガスは100万件をめざすと述べていますが、その目標に到達したとしても4.3%にしかならないのです。

電力会社がガス料金を大幅値下げ攻勢

私たち大分市民には分かりませんが、首都圏では東京ガスの電力乗り換えコマーシャルや社員の家庭訪問などが繰り返されているそうです。なぜそれほど東京ガスが電力販売に力を入れているかと言えば、実は「ガスと電力もセット割」で自分たちの会社のガスを守るために社員一丸となって東電とたたかっているのです。今年の4月から始まった「ガスの全面自由化」で、首都圏でLPガスを販売する「日本ガス」が東電と組んで都市ガス販売に乗り出しています。東電の電気と自社のガスでガス料金は東京ガスより1割以上安いし、携帯電話などのセット割りで最大3割値引です。東京や名古屋や大阪では都市ガス会社が電力自由化で電力会社の顧客を奪うたたかいを昨年から始めています。それは「ガスと電力のセット割」で長年の顧客をガス会社に囲い込むためだったのです。ですから東ガスの電気料金は東電よりも1割も安くしているそうです。そこに東電が「ガスのたたき売り」で参入して来ようとしているのです。東京ガスと日ガス+東電との仁義なき戦いが首都圏では始まっているのです。
「電気料金もガス料金も安くなればいい」かもしれませんが、ことはそう単純ではありません。東電による「ガスのたたき売り」で、東京ガスが潰れでもすれば、東電が電力もガスも支配する社会が到来するかもしれないのです。あの傲慢な電力会社がガスも支配してライバル企業が姿を消せば今度は独占価格で値上げを行うことでしょう。東電幹部がこんな話をしていました。「東京ガスなど怖くはない。いざとなれば東ガスを買収すればいいことだ」と。

電力自由化は大きなウソが残っている

九州電力も「西部ガスよりも電力ガスセットで11.1%値引き」(30A家庭)という広告を打っています。「今年7月から東京ガスに対抗して東京電力はガス料金を大幅値下げして反転攻勢をかける」と記者会見で喋っています。もともと都市ガスも燃料の天然ガスは電力会社が一番輸入しているものですから、大口顧客の東電などは東ガスよりも安く輸入できるでしょう。それを安く売るというのですから、下手をしたら東電によって東京ガスが潰されるかもしれないのです。潰されないまでもこれからガスと電気の販売競争の消耗戦が始まることでしょう。
電力自由化で、顧客を奪われた電力会社に取っては、ガスの自由化は反転攻勢の絶好のチャンスなのです。それも我が方に大いに有利なチャンスなのです。どんなチャンスかと言えば、まず規模の違いがあります。東京ガスの年間売り上げが2015年度で約4千億円です。片や東電の年間売り上げは約6兆円です。企業規模も東電は東ガスの15倍なのです。だから資本力でもガスと電気は大企業と中小企業が同じ土俵で相撲を取るようなものなのです。しかも、最も大きな問題は「託送料」などの共通使用する送電線とガス管などのインフラ管理と運用方法に大きな違いがあるのです。電力は貯めておくことができないので、「同時同量ルール」(30分毎の消費量に系統電力量を合わせるルール)が適応されています。つまり、新電力会社は30分毎の販売電力量に合わせて電力を自社で調整する必要があるのです。系統量がマイナス10%以下だったら大きなペナルティー料金を取られるのです。その罰金は送電線を管理する電力会社の利益となります。それに比べてガス管はガスタンクにいくらでも保管が可能ですから、自社の販売量のデータによってガスを送ればいいのでここではペナルティーが発生することはほとんどあり得ません。
つまり、ガス管を管理運営するガス会社にはガス管を持っているメリットはほとんどなくて、電力会社の持つ送電線は発電会社や売電会社などに比べて各段に安定していて十分な利益を永遠に生み出す魔法の杖のような存在なのです。だから発送電分離が不十分な「電力自由化はインチキ自由化だ」と、私は言い続けてきたのです。

原発がある限り電力会社は国が保護

日本の「電力自由化」は欧米に比べてインチキだという理由は、送電線の所有や管理を電力会社の子会社にさせる「法的分離」という方法です。「完全自由化」は発電会社と送電会社を完全に資本関係を断ち切った別会社にする「所有分離」にしなければ完全分離ではありません。そうすれば電力販売競争が平等にできるのですが、2020年に実施去れる日本の「電力自由化」の計画では送電会社は電力会社の子会社です。すると、子会社に余計な経費を積ませたり、NTTとドコモもような関係で、子会社の利益で親会社が生き延びるということができてしまうのです。すでに福島原発事故の後始末の費用も新電力の託送料に2.5兆円上乗せすることが決まりました。このようなことがこれからもどんどん生まれてくるでしょう。これは国や経産省による原子力を進めるためにの電力会社への過保護政策以外の何ものでもありません。
それにこのようなことも行われています。電力自由化のために平等に送電線を使えているかなどを監視するための中立的な組織が『電力広域的推進機関』と言う組織が各電力会社管内にできています。そこで送電線会社が公平に電力系統を行わせているかなどをチェックしているのですが、その組織は経産省の下部組織ですから、電力会社優先意識が残っています。また、「電力事業に関わる検証規定」という法律の中の附則第74条2項は以下の文言です。
「政府は必要があると認めるときは、原子力政策をはじめとするエネルギー政策の変更その他のエネルギーをめぐる諸情勢の著しい変化に伴って電気事業者の競争条件が著しく悪化した場合、または著しく悪化することが明らかな場合における競争条件改善措置、安定供給を確保するために…必要な措置を講ずる」と、あるのです。つまりは原子力は特別扱いですよと明言しているのです。だから既存の電力会社は「原子力を持っている限り国は決して悪いようにはしない」と、高をくくっているのです。

再エネ電力優先が電力自由化の目的のはず

「電力自由化」の目的は20兆円の電力産業のイノベーションを起こして新たな雇用を生み出すことと、電力料金価格を引き下げると。そして再エネ電力を普及拡大させて二酸化炭素を削減することが大きな目的なのです。しかし、今回の電力自由化では再エネ優先策を進める気配が一向にありません。むしろ逆に原子力の電気が余れば太陽光発電などは系統から切り離すことが公然と行われています。本来の電力自由化は「再エネ電力を優先して系統に流す」ことでなければなりません。しかし、現行の系統監視組織には再エネ電力優先の考えが見えません。監視委員会を公開し透明化させる必要があります。

ガスなど新電力へ今すぐ電力を乗り換えよう

NTTの独占だった電話事業が市場開放したときや航空事業自由化時には新規参入企業を優先的に保護して大企業を不利になるような条件を課して市場開放を無理してでも行わせたものです。電話線の一部を低料金で使わせることや羽田空港の利用を新規参入航空会社に優先的に使わせる等々の保護政策を行ってきました。そうしなければ大企業と中小企業は対等には競争ができないのでっす。ところが電力自由化は全く逆で、既存の電力会社をとにかく至るところで過保護なほど保護しまくっています。その最大保護が「発送電のインチキ分離」です。それだけではありません。原子力の価格保証制度も経産省内には案があるそうです。電力自由化で原子力が赤字になりそうなときは原子力だけは価格を保証しようというのです。
そんなことされたら日本から原発は永遠になくすことはできません。1日も早く原発を一掃するためにも原子力優遇政策を撤廃させなければなりません。だからこそ、私たちは「原発の電気はいりません」という消費者の意思を電力会社や国に示す必要があるのです。その最大の手段が「新電力への乗り換え」という行動なのです。
ところが、なかなか電力乗り換えが進んでいません。最新情報では全国で5.4%です。九州管内では3.4%です。これから電力会社による「ガスとのセット割」という巻き返しが繰り広げられるでしょうから、この数字が増えるかどうかは微妙です。「原発の電気など1ワットもいらない」という私たちの意思を示し、原発の電力会社を徹底的に叩くためには、都市ガスを使っている市民はガス会社に、都市ガスの来ていない私のような田舎に住む者は生協電力や地元の新電力に今すぐ乗り換えで、国と電力会社の「原発依存社会を続かせよう」というあくどい企みを打ち砕いていきましょう。
by nonukes | 2017-04-08 14:05 | 電力自由化 | Comments(0)

高速増殖炉「もんじゅ」廃炉は「核燃料サイクル計画」というウソ崩壊の序章

高速増殖炉「もんじゅ」廃炉は「核燃料サイクル計画」というウソ崩壊の序章
小坂正則
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先週から新聞やテレビで「高速増殖炉『もんじゅ』は廃炉の方向で政府は検討中」というニュースが出ています。そして20日のニュースでは自民党茂木政調会長は記者会見で「私の頭の中には存続ということは全く想像できません」と語っているのですから、安倍政権は近日中にも『もんじゅ』廃炉を決定することでしょう。なぜ廃炉とするしかなかったのかというと、文科省の下部組織の日本原子力開発機構が維持費だけで年間200億円もの税金を湯水のように無駄遣いする高速増殖炉の原型炉(実験炉のこと)なのです。
『もんじゅ』を原子力規制庁が検査をしたところ、1万点以上に及ぶ定期点検を何年もやっていなかったことが明るみになったのです。そこで、規制庁の田中委員長が「新たな組織に衣替えして出直してこい」と、注文を付けたのですが、どこも引き受け手がなかったので廃炉となるのです。当初は電力会社や原発メーカーに文科省はお願いしたそうですが、電力会社は「ウチは再稼働の準備でそれどころではありません」と断られたそうですし、原発メーカは東芝を筆頭にどこも倒産の危機に瀕しているのにそんなお荷物など抱えられるはずはないのです。この『もんじゅ』は液体ナトリウムを冷却剤として使っているのでナトリウムが固まらないように電気で暖めるために1日に約5千万円の電気代がかかっているという途方もない無駄遣いのお荷物なのです。さっさと廃炉にすべきだったのです。建設費も1兆円を越えるそうですし、廃炉にも3千億円以上かかるのです。こんなもの誰も引き受けるわけはありません。

『もんじゅ』とは

まず、『もんじゅ』とはどんな原発なのかを簡単に説明する必要がありますね。原発はウランを燃やして発電します。ところが天然ウランの中の燃えるウラン235は僅か0.7%しか存在しません。残りの99.3%は燃えないウラン238です。ですから、燃えるウランの地下資源は60年後にはなくなってしまうのです。そんな僅かしか存在しないのになぜ、安倍首相は「原発は唯一のベース電源」などと言うのでしょうか。60年後の人類は使うことはできないのです。ところが、高速増殖炉で中性子をばんばん発生させて原子炉を運転すると燃えないウラン238が中性子を取り入れて、プルトニウム239へと変化するのです。だから、使った燃料以上に燃料が生まれるので、そのことを「夢の原子炉」などと言われていたのです。
とろが、問題は冷却剤に水を使えないということが大きなネックなのです。普通の原発は水を使います。しかし、水は中性子のスピードを弱めてしまって燃えないウランをプルトニウムに変えることができないので、どうしても冷却剤に「液体ナトリウム」を使わざるを得ないのです。ナトリウムは水と激しく反応します。だから1995年にナトリウム漏れで『もんじゅ』は大火災事故を起こして、その後少し動いては止まったりで、21年間に250時間しか動いていないのです。数時間動いて廃船になった原子力船「むつ」と同じ運命をたどるしかないのです。

核燃料サイクル計画とはなんのこと

『もんじゅ』は28万kwの原型炉という実験炉です。これが成功したら、今度は50万kw規模の実証炉で実験して、最後に実用炉へとたどり着くのですが、2番目の実験炉でつまずいたのですから、商業炉などできるわけはありません。高速増殖炉の実用炉つまり、商業的に低コストで安全で大量に電気もプルトニウムも作ることのできる実用的な炉ができるはずはなく、「夢の高速増殖炉」まさに「悪夢」に終わってしったのです。
ただ、自民党や文科省の中には、「『もんじゅ』を廃炉にしていきなり実証炉を作ってしまえ」という乱暴な意見も出てきています。様々な実験を繰り返さなくてロケットをぶっ飛ばすのと同じことです。ちなみに世界中でどの国もこの「高速増殖炉」に成功した国はありません。米国はさっさとやめました。ロシアとフランスは核のゴミを減らすゴミ焼却炉として生きながらえようとしています。日本もその案も検討したそうですが、それでもボロボロの『もんじゅ』をこれ以上動かすことは不可能と諦めたのです。
では『もんじゅ』が止まったらなぜ、原発政策が破綻してしまうかを説明します。
燃えないウランが高速増殖炉で燃えるウランに変わったら、1千年も2千年もウランを使い続けることができるということで、「夢の核燃料サイクル計画」が50年も60年も前に考えられたのです。
そこで、今度は青森県の六ヶ所村にある「核燃料サイクル」に赤信号が点りだしたのです。高速増殖炉を動かすから、青森県は全国の原発から出る「使用済み核燃料」を引き受けてきたのです。高速増殖炉を動かさないのならプルトニウムは必要なくなり、使用済み核燃料はゴミとなってしまいます。そのばあいは今あるゴミは全て各電力会社へ持って帰ってもらうという約束を国と交わしているのです。だから国も電力会社も「核燃料サイクル計画」をやめるとは口が裂けても言えないのです。

『もんじゅ』やめても「プルサーマル」があるから大丈夫?

『もんじゅ』がいつまで経っても動かないので国は姑息な手段として「普通の原発でプルトニウムを燃やしてしまえ」ということを考えて2009年に「プルサーマル運転」を九電の玄海原発3号機から始めたのです。しかし、プルサーマルではプルトニウムを消費するだけで増えませんから、夢の原子炉ではありません。しかも燃料が普通の核燃料の10倍もする高額なのです。プルトニウムを減らすというだけの目的のために高額の燃料を使うという矛盾に満ちたことを電力会社はやって来たのです。
六ヶ所村核燃料サイクルの使用済み燃料処理工場は何年も止まったままです。動く気配もありません。しかも3兆円もの税金と電気料金をぶち込んできたのです。それらは全て国民のお金なのです。

『もんじゅ』から「核燃料サイクル計画」そのものを廃止させよう

つまり、『もんじゅ』が止まれば、その燃料を作り出す「核燃料サイクル計画」を続ける道理はありません。「核燃料サイクル」をやめたら、使用済み核燃料は電力会社へ返還されます。それでは原発を動かそうにも動かすことなどできなくなります。ですから、どこを切り取ってやめても全てが一蓮托生に止まってしまうのです。
このようにウソと金目で誤魔化し続けてきた「原発」と「夢の核燃料サイクル計画」は、とっくに破綻していたのです。しかし、これまでの政府はズルズルと解決策を出さずに今日まで先送りで矛盾を引き延ばしてきたのです。ですから、私たちはここで、これまで誤魔化してきた政府と電力会社の持っている全ての情報をさらけ出させて、原子力エネルギー政策を国民的な議論のまな板に乗せてしっかり議論を行い、国民の声を反映させた結論を出させる必要があるのです。

原子力は割が合わないことが分かってもまだ諦めようとはしない政府電力会社

電力自由化で、電力会社のウソもばれてしまいました。だって新電力の会社が使う送電線使用料がべらぼうに高いことを皆さんはご存じですか。平均で1kwhあたり、8.36円も既存の電力会社に支払っているのです。1kwhあたり24円から25円で販売する新電力会社がその内の8.36円も支払えば、販売価格の30%ものコストが送電線使用料(託送料)で取られるのです。何でそんなに高いのか?理由は簡単です。その価格の内訳が不明朗なのです。つまり、新電力の会社は言い値で利用させられているのです。もちろんある程度は分かります。まず、託送料の中には放射能のゴミ処分費用が入っています。それに電源促進税も入っています。これは二重取りです。しかも経産省と政府は東電の事故処理費用を新電力の消費者に払わせいる計画だと言います。
ちょっと待ってよ。原発の電気は安いから原発をベース電源として進めるんじゃなかったの?実は高いから、その付けを関係ない新電力に支払わせて、おまけに託送料でがっぽり既存の電力は儲けるなんて、そんなバカなことがあるでしょうか。だから倒産した東電が3千億円以上の黒字をたたき出して、社員の賃金も上げて、おまけにボーナスも昨年から復活しているというではないですか。どこに倒産会社が社員にボーナスを払えるのですか。社員にボーナス払う前に福島の避難者や福島事故の被害者への保障金を支払うべきです。
こんな腐った政府と電力会社へお灸をすえるためにも新電力へ皆さん乗り換えましょう。
新電力乗り換えキャンペーンは



MOX燃料の価格、ウランの9倍 高浜原発で1本9億円
朝日新聞2016年2月28日
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MOX燃料の輸入量と価格

使用済み核燃料を再処理して作るウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料は、通常のウラン燃料より数倍高価なことが、財務省の貿易統計などから分かった。再稼働した関西電力高浜原発3、4号機(福井県)などプルサーマル発電を行う原発で使われるが値上がり傾向がうかがえ、高浜で使うMOX燃料は1本約9億円となっている。
プルサーマル発電は使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する国の核燃料サイクル政策の柱とされる。核兵器に転用できるプルトニウムの日本保有量(47・8トン)を増やさない狙いもあるが、国内の再処理施設は未完成なうえ、コスト面でも利点が乏しいことが浮き彫りになった。
電力各社は使用済み核燃料の再処理をフランスなどに委託。MOX燃料は1999年以降、東京電力福島第一、柏崎刈羽、中部電力浜岡、関西電力高浜、四国電力伊方、九州電力玄海の各原発に搬入された。27日に核分裂反応が継続する「臨界」に達した高浜4号機は、核燃料計157本のうちMOX燃料(燃料集合体)が4本、3号機は同じく24本入っている。燃料集合体は燃料棒を束ねたもので、長さ約4メートル、重さ約700キロある。

電力各社は「契約に関わる事項」などとしてMOX燃料の価格を明らかにしていないが、貿易統計で輸送費や保険料を含むとされる総額が公表されている。それを輸入本数で割ると、MOX燃料1本あたり2億604万~9億2570万円。時期でみると、99年の福島第一は1本2億3444万円なのに対し、直近の2010年と13年は7億~9億円台。13年6月に高浜に搬入されたものは1本9億2570万円となった。
ウラン燃料の価格も非公表だが、同様に98年7月輸入分は1本1億1873万円。13年10月の輸入分は同1億259万円で、13年6月輸入のMOX燃料はこの約9倍にあたる。
1本のMOX燃料で利用できるプルトニウムは多くない。一方、燃料の値段は電気料金に反映される。原発のコストに詳しい立命館大の大島堅一教授(環境経済学)は「安価になるからリサイクルするはずなのに、MOX燃料は逆に高価で、経済的におかしい。国は商業的にも技術的にも破綻(はたん)している政策を続けており、負担は国民に回ってくる」と指摘する。(福島慎吾)

■プルサーマル、課題山積

プルサーマル発電は国内では2009年に玄海原発で始まり、新規制基準のもとでは高浜3、4号機に続いて伊方原発3号機で予定されている。しかし、多くの課題がある。
MOX燃料は当初高速増殖炉で使うはずだったが、原型炉もんじゅ(福井県)は実現の見通しが立っておらず、プルサーマルが核燃料サイクル政策の軸とされる。電力各社は、16~18基の原発でプルサーマル発電をすれば年間6トン前後のプルトニウムを利用できると想定している。
しかし、青森県六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場とMOX燃料加工工場は、稼働が大幅に遅れている。加えて、使用済みMOX燃料は建設中の加工工場で処理できず、その処分方法も決まっていない。
内閣府原子力委員会の小委員会は12年、核燃料サイクルのコストの試算を発表。将来の電源に占める原子力の比率にかかわらず、使用済み核燃料を再処理せずに地下に埋める「直接処分」の方が、再処理してプルトニウムを利用するより安いとしている。
by nonukes | 2016-09-22 01:50 | 電力自由化 | Comments(0)

原発の発電コストが1番安かったのでは?「新電力にも原発廃炉費用を」

原発の発電コストが1番安かったのでは?「新電力にも原発廃炉費用を」
小坂正則
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上は2011年までの発電コストの比較


これだけウソを言い続けるのは「ミサイル実験を宇宙衛星」と言うのと同じ

下の毎日新聞の記事を見てください。経産省・資源エネ庁の「総合資源エネルギー調査会」で、「原発のコストを新電力に負担させる方法を導入させようとしている」と言うのです。
「新電力へ乗り換えた一般家庭一軒で数十円から200円の負担」制度を導入する案を検討していると言うのです。
この話は想定されていたことなので、驚くには値しない話なのですが、よくよく考えてほしい。何か政府の言ってることに論理矛盾はありませんか?2011年3月11日までは「原発の発電コストは1kwhあたり5.3円で一番安い」と、政府も電力会社も言っていました。
ところが福島事故を起こしてしまった以降はさすがに膨大な事故処理費用のコストを考えるといくら何でも5.3円とは言えなくなったので、2015年には10.1円と跳ね上がりました。「何だ原発は安くはなかったんだ」と、皆さんもやっと分かったと思ったら、原発の発電コストを上げるのと一緒にほかの発電コストも上げて、「やっぱり原発は一番安いのです」と、ぬけぬけといまだに「原発は1番安い」と言い張っているのです。
皆さん、ちょっとアホらしくなって来ませんか。「これはミサイルではありません。宇宙衛星です」と、言い張るどこかの国の偉い方と全く同じ論理です。誰でもが知っていることをいまだにウソを通し続けようとしているのですから。

原発がコストが安のなら、そのツケを関係ない新電力に回すな

分かりきったことですが、この国は資本主義の国です。市場原理で企業は競争するのです。そこでは「社会的規制」(公害防止条例や大気汚染防止法)などの規制は受けますが、「経済的規制」はできる限りなくさなければなりません。そうでなければ自由競争や市場原理が歪められるからです。唯一経済的な規制があるのは「独占禁止法」です。大企業と中小零細企業が対等に競争するときには、大企業へは市場開放のために規制することはあり得ます。
今回の電力自由化でいえば、地域独占の既存の電力会社に対して新電力は零細企業でそのシェアは僅か全国でも2.4%というのです。明らかに今は独占状態が続いているのですから、本来なら既存電力のシェアを落とすために新電力を応援する政策を取らなければならないのです。一定のシェアまでは無条件に強制的な方法で市場を開放させる政策を実施しなければ、電力市場の対等な競争など実現できないのです。
この国は相変わらず、国家官僚資本主義の国です。呆れて開いた口がふさがりません。
でも、そんなに呆れていても始まりません。セッセと官僚と電力資本は、いわゆる「原発マフィア」の連中は国民を騙して、何とか原発を支える政策を導入しようと企んでいるのですから。
原発のコストは私の以前のブログを見てください。http://nonukes.exblog.jp/21746678/

こんなふざけた制度を入れさえないためにも新電力へ乗り換えよう

原発のコストが高いのなら、まずは国民に「ごめんなさい。実は原発の発電コストは一番高いです」と本当にことを言って、誤るべきです。そして、その後どうするかは国会で話し合うべきです。でも、国会に任せていたら民進党は電力会社の労組にあごで使われているので、まともな議論はできないかもしれないのですが、国民の判断を仰ぐべきです。
この問題だけでも衆院は解散して「原発選挙」を行うべきです。「高くても原発は続けるべきか、高いし危険だからやめるべきか」という争点で選挙を行いべきです。
ここまで国民を愚弄する政治を行う、自民党と民進党の一部の議員は辞任すべきほどの大きな責任がある問題なのだと私は思います。
こんな不当なことをやれば、「電力自由化」など、まやかしで、新電力など育ちません。アベノミクスの3番目の矢は「規制改革」と言っておきながら8兆円の市場の活性化を自ら怖そうとしているのです。ここは「電力自由化」を支えるためにも、消費者と新電力企業が一緒に声を上げる必要があります。そして私たち消費者は、こんなふざけた制度を導入させないためにも「新電力への乗り換えを進んで行う」必要があるのです。
「あなたも新電力へ乗り換えましょう」というブログえを見てください。http://nonukes.exblog.jp/23334653/
皆さんぜひ、新電力へ乗り換えましょう。そして、次の衆院選では「原発是非」を相転移して選挙をたたかわせましょう。


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原発コスト
新電力も負担、政府調整 料金に上乗せ

毎日新聞2016年9月8日 

政府が原発の廃炉や東京電力福島第1原発事故の賠償を進めるため、大手電力会社だけでなく、新電力にも費用負担を求める方向で調整に入ったことが7日、わかった。電力自由化で大手電力から新電力に契約を切り替える消費者が増えた場合、原発の廃炉や原発事故の賠償にかかる巨額の費用を賄えなくなる可能性があるためだ。だが、本来は大手電力が負担すべきコストを国民全体に求めることになり、議論を呼ぶのは必至だ。
現行制度で原発の廃炉は、原発を保有する大手電力が自社の電気料金から費用を回収することになっている。福島第1原発事故の賠償は、東電が国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から必要な資金の交付を受け、大手電力が負担金を同機構に納付している。
政府が導入を検討している新制度は、原発を保有する大手9社だけでなく、新電力にも廃炉や福島原発の賠償費用を負担させる仕組み。新電力各社は電気料金に上乗せして回収するため、契約者の負担が増すことになる。政府は事故を起こした福島第1原発のほか、全国の原発が廃炉になった場合の費用と、同機構を設立する前にかかった福島原発事故の賠償費用の合計を約8兆円と試算。家族3人の標準家庭モデルで月額数十円から200円程度の負担を想定している。

しかし、新電力の契約者に原発の廃炉や東電の賠償費用を負担させることは、大手電力と新電力との競争を促すことで料金引き下げにつなげる電力自由化の趣旨に反し、原発を抱える大手電力の事実上の救済策と言える。
政府は総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の下に小委員会を設け、新制度を議論し、年末までに一定の方向性を出した上で来年の通常国会に電気事業法の改正案を提出する。【川口雅浩】


大手の救済色濃く 利用者の反発必至
毎日新聞2016年9月8日 

政府が原発の廃炉や東京電力福島第1原発事故の賠償を進めるため、大手電力会社だけでなく、新電力を含むすべての電力会社に費用負担を求める背景には、4月に始まった電力小売りの全面自由化がある。電力自由化で大手から新電力に切り替える消費者が増えた場合、巨額の費用がかかる原発の廃炉や事故の賠償に支障をきたす可能性があるためだ。ただ、政府案は大手電力への救済策の色彩が強く、新電力各社や消費者から反発の声が上がりそうだ。【川口雅浩、秋本裕子】
 原発の廃炉にかかる費用は、110万キロワット級の原発で570億〜770億円程度とされる。これは50万キロワット級の火力発電所の廃炉費用30億円程度と比べて15〜20倍超と巨額で、電力会社の経営の重しとなっている。原発を保有する電力大手各社は、原発の廃炉に備え、必要な費用を「原子力発電施設解体引当金」として、電気料金に上乗せして徴収している。
経済産業省によると、国内の原発の廃炉に必要な見積額は電力10社(大手9社と日本原子力発電)の合計で2兆8200億円。このうち2013年3月末時点で10社が解体引当金として積んでいたのは1兆5800億円で、引当率は56%だった。その後も10社は引当金を積み増ししているものの、電力全面自由化で将来、徴収が進まない可能性もある。
大手電力から新電力に切り替えた契約数は7月末時点で約148万件と全体の約2.4%に過ぎないが、将来的には拡大するとみられている。
そこで今回、政府が考えたのが、大手電力会社だけでなく、新電力を含めたすべての電力会社に廃炉や賠償の負担を求める案だ。新電力に切り替えた消費者も、過去には大手電力が原発で発電した電力を使っており、「過去に大手電力の電気を利用した需要家(消費者)と、電力自由化後の需要家の間に負担の公平性が損なわれてはならない」というのが政府側の言い分だ。
しかし、福島の原発事故を教訓に、再生可能エネルギーによる発電比率の高い新電力を選んだ消費者もいる。すべての契約者に負担を求めるとなれば、原発のない沖縄県の消費者にも廃炉費用を負担してもらうことになる。制度的な矛盾は否めず、消費者から「原発のコストは大手電力が負担すべきで、すべての国民に転嫁するのはおかしい」などといった反発が強まる可能性がある。
電力全面自由化は、地域独占だった大手電力と新電力の競争を促し、電気料金を下げるのが目的だった。にもかかわらず、政府が原発の廃炉や賠償を優先せざるを得ないのは、原発が潜在的にコスト高である現実も物語っている。

これこそ原発のリスク 大島堅一・立命館大学教授(環境経済学)の話 

原子力事業者(大手電力)にも新電力にも有利、不利な点がある。なぜ原子力事業者だけ不利な点を取り去る必要があるのか。明らかにおかしな政策で、保護策といえる。要するに原発のコストが高いということ。原子力事業者が自己解決すべきで、国が制度を作り面倒を見る必要はない。原子力事業者が原発のコストを払いきれなくなっている証明で、これこそ原発のリスクだ。政府が事故や廃炉のコストを入れても原発は安いと主張してきたこととも矛盾する。

原発をめぐる政府の主張と問題点
<政府>

・電力自由化で大手電力は廃炉や福島原発事故の費用を回収できなくなる恐れがある

・新電力に切り替えた消費者も、過去には大手電力が原発で発電した電力を使っている

・原発の廃炉や事故の賠償を円滑に進めるには、新電力を含むすべての契約者に負担を求めるべきだ

<消費者や有識者>

・廃炉や賠償の費用は大手電力が経営努力で電気料金から回収すべきだ

・廃炉や賠償の費用を入れても原発は安いと言っていた主張と矛盾するのではないか

・原発のない新電力や沖縄県の契約者が費用を負担するのはおかしい。大手電力の救済ではないか

by nonukes | 2016-09-08 13:52 | 電力自由化 | Comments(0)

「電力自由化」で私たちの暮らしはどう変わる?

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講演会のお知らせです
「電力自由化」で私たちの暮らしはどう変わる?


今年の4月からいよいよ電力自由化が始まりました。これからは九州電力以外の電力会社から一般家の電気も自由に買うことができるのです。「原発の電気は使いたくない」という方や「再エネ100%の電を使いたい」という方の夢が叶うかもしれません。でも、まだまだ多くの課題が残っています。そこで、よりかりやすく電力自由化の現状を知ってもらい、これからの私たちにできる可能性などを議論しませんか。

演 題:「電力自由化で私たちの暮らしはどう変わる?」
講 師:小坂正則さん
(NPO法人 九州・自然エネルギー推進ネットワーク理事長)
場 所:ホルトホール大分
日 時:4月17日13時~15時30分
参加料:無料
主催者:しあわせな未来政策研究会おおいた主催
代 表:後藤慎太郎
連絡先:080-2755-5100(後藤) 

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小坂正則 プロフィール

1953年、大分市生まれ。
1972年、九州産業大学芸術学部写真学科入学。入学と同時に新聞部に入部、学生運動に参加。
1978年から川崎市の郵便局に勤務。地域で生協運動やせっけん、リサイクル運動などに関わる。
1985年、大分へ転勤となり帰郷。作家の松下竜一氏らとともに反・脱原発運動に取り組む。
2001年、自然エネルギーのNPO「九州・自然エネルギー推進ネットワーク」を設立。市民オーナー制で太陽光発電施設を設置したり(現在10機設置)。薪ストーブやペレット・ストーブを普及させてバイオマス利用の促進をはかるなど、自然エネルギーの普及推進活動に積極的に取り組む。大分県環境教育アドバイザーとして、地域や学校などで講師もやっている。そのほか脱原発大分ネットワーク事務局長など。
2012年「市民電力会社をつくろう」(影書房)を出版する。


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3月5日久留米にて講演です

どこにでも講演に行きます

講演内容:自然エネルギーや電力自由化など

大分県内は「環境アドバイザー」講師として大分県に申し込んでもらえれば無料で行きます。(申込先大分県庁内、地球環境対策課へ電話してください)
大分県外は交通費と宿泊費などの必要経費を出してもらえればお礼なしで講師を引き受けます。

お問い合わせ先:090-1348-0373(小坂)
by nonukes | 2016-03-24 16:30 | 電力自由化 | Comments(4)

4月から始まる「電力小売り自由化」の問題点

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2011年311で津波に襲われた南相馬市のがれきの前に咲いていた一輪のひまわり8月に撮影
4月から始まる「電力小売り自由化」の問題点
小坂正則


「4月からいよいよ家庭部門の電気も自由に買えるようになる」というニュースが流れていますね。皆さんの中には「これで日本も原発の電気にさよならできる時代が来た」と喜んでいる方も多いと思います。
私も電力自由化を待ち望んできた者としては感慨深いものがあります。ただ、あの電力会社と経産省官僚などの、いわゆる「原発ムラ」の人間が自分のクビを絞めるような制度を易々と作るだろうかと思うのです。この電力自由化の制度には必ず隠された大きな罠があるだろうと、私は思うのです。
小ずるい日本の腐った官僚どもが作った制度には必ずといっていいほど、自分たちの利権を守る秘密が隠されているものです。そんな小細工を探ってみたいと思います。

電力会社は送電線使用料をぼったくり

現在大口電力は自由化されていて、全国の60%の電力が自由化されていますが、新電力のシェアは2014年度で僅か4.5%しかないのです。これでは自由化などとはとても言えたものではありません。
そこで、今年の4月から残りの家庭部門が自由化されたので、これで完全に自由化が完成した形なのです。地域独占の電力会社と、それに対抗して参入する新電力とでは象とアリほどの差があります。しかも、象の持ち物の送電線を使わせてもらって商売をするのですから、象が公平に送電線を使わせる訳はありません。最低でも発送電の分離(発電と送電会社を分離する)を行ってから自由化すべきだと私は思っています。象に対しては徹底した強制力で門戸を開放しなければならないのです。具体的には送電線の開放です。これは2020年に行われる予定ですが、ですから現状では自由化などと言える状況ではないのです。
送電部門の分離が4か5年後に行われるとして、その前に新電力会社は息絶えてしまうことを私は大変危惧しているのです。その時、経産官僚や電力会社はこう言うでしょう。「やはり電力自由化は失敗だった」と。まず、現状のふざけた制度をご紹介します。第一に送電線使用料(託送料)がやたらと高すぎます。1kwhあたり、9.71円(東北電力)から7.81円(関西電力)までです。ちなみに東電は8.57円で、九電は8.3円です。この中には送電線の管理費など含まれていると電力会社は言いますが、それが本当かどうかを調べるすべは私たちにはないのです。嘘つき東電(福島原発のメルトダウンを2ヵ月も隠し続けたなどなど、上げればきりがありません)が本当のコストを言うわけもないでしょう。24円で販売する電気の送電線使用料が9円もするのなら、商品の価格に対して送電線コストが37.5%もかかるのです。米国では託送料は10%以下だそうですから、2円そこそこなのです。つまり、電気事業で一番儲かる商売は送電線運用会社なのです。だから私はふざけた自由化だと訴えたいのです。
まだまだふざけた制度があります。「30分同時同量制度」です。これは何かというと、30分毎にその前の需要に供給量を合わせろという制度です。電気というのは刻一刻と需要が変化します。その変化に対して電力会社は供給量を合わせているのです。だから昼間は需要が上がって、夜中は需要は下がります。下がったら発電所を止めたり、揚水発電で上ダムに水を上げて調整しているのです。新規参入会社にもそれと全く同じ調整を行えというのです。もし上回ったら無償で電力会社がもらうけど足りなかったら罰金をもらいますよというのですからひどい話です。原価が11円から12円の電気を50円以上もの罰金を取るというのです。弱小な新規参入電力会社はこんなに取られたらたちまち倒産してしまうでしょう。恐ろしインバランス料金が待ち構えているのです。
この制度がいかに不都合であるかといえば、ヨーロッパにはこんな高額な罰金を取る制度はないのです。だって、電力卸市場が整備されていたら卸市場で電力を購入すればいいのです。確かに極単に暑かったり寒かったら一瞬だけ50円とか100円という価格に跳ね上がることもあり得ますが、普段は安定した価格で足りない分を市場で買い求められます。ところが日本の電力会社は相対取引ばかりしていて市場に電気を流そうとしないのです。
国が強制的に電力会社の電気の2割や3割を市場に出させる必要があるでしょう。これには脱原発派の皆さんからは大変な反論があるでしょう。「そんなことしら既存の電力会社が利するだけで、原発を止められない」と。でも、卸市場に電力を流さないことが自由化を阻害する最も大きな要因なのです。自由化を成功させるには強制的に電力会社に一定量の電気を卸市場に出させることが重要だと私は考えます。その中でどんな種類の電気であるかとう品質明記をさせればいいのです。
また、小規模な電力会社が需要に応じて負荷調整を行う必要など全くありません。それぞれの電力会社が組み合わさってでこぼこの需要はフラットになるのです。もちろん、それでも山や谷はできますが、その分だけは大手の電力会社が負荷調整を行って、それに要した経費を全体で分担すれば済むだけの話です。こんな不当な価格で暴利をむさぼる電力会社はブラック企業です。
電気事業法では部分供給(2つの電力会社から電気を買うこと)という制度は1999年の電気事業法の改正で実施可能となったのですが、これまでに2件の実験が行われただけで現在はゼロです。これなども強制力を持って実施させるべきです。

小坂はなぜ再エネ電力を応援しないか

私はこれまで「電力自由化はガスなどの大手新電力を応援すべきだ」と言ってきました。再エネ100%を唱っている新電力会社を私は応援していません。なぜなら、上のようなルールの中で再エネ100%など無理だからです。もちろん再エネ電力を唱っている会社も全量再エネだとは言ってません。太陽光発電の電気を中心にして販売するのが大半です。でも、現状では太陽光発電が電気を生むのは昼間の数時間だけです。それ以外は卸市場で買うという計画の会社が多いようです。現状では卸市場には買いたいだけの電気は出てきません。買うならうんと高い価格で電力会社から買うしかないのです。作りすぎた電気は無償で電力会社が取ってしまうのですから、それに高い送電線使用料を取られたら、そのうちには「日本ロジテック」のように倒産してしまうでしょう。だから、発送電分離の2020年までは大手のガス会社や石油会社や商社などの新電力に頑張ってもらって、おかしな制度を改善させるたたかいをまずは行うべきだと考えているのです。そして一番重要なことは発送電分離が法的分離(子会社にする)ではなく、所有分離(完全な別会社にする)させるたたかいを私たちが行うことです。電力会社は送電会社に衣替えしてここで甘い汁を吸おうとしているのではないかと私は思っています。なぜなら送電会社は総括原価方式なのです。美味しいところは我がものに独占しようという小ずるい「原発マフィア」たちの考えです。
皆さんの原発の電気はいやだから100%再エネ電気を使いたいという気持ちは分かりますが、ゼロか100かではなくて、20か30くらいの成果を求めることも大事だと私は思います。

電力会社などエネルギー企業再編成が始まる

確かに再エネ100%の電力会社がいいですよね。ドイツのシェーナウのような再エネ100%の市民電力会社が日本にもできることを私も期待しています。でも、それまでにはまだまだ越えなければならない課題があります。ドイツは送電線が一緒の会社や別会社など様々だったから、村の送電線をみんなで買い取って市民電力会社を作ったのです。東京ガスや大阪ガスや東邦ガスの3社は2017年のガス自由化を迎え撃つために電力とガスをセットで販売してガスの顧客を守ろうとしているのです。しかし、日本でガスを一番扱っているのは東京電力で2番目は中部電力です。3番目にやっと東京ガスが出てきます。そんな中で東電と中電はガスを販売する共同出資の会社を設立しました。東電はガス事業に参入しようと狙っているのです。これから電力会社がガス会社を買収してガスと電気の一体企業などができるかもしれません。それに新電力会社は5社程度に再編されるだろうと言われています。激烈なエネルギー販売競争の中では中小零細企業は生き残れないでしょう。

自治体電力会社で福祉電力を実施しよう

私はみやま市や山形県など13自治体が進めようとしている自治体電力会社がこれから一番応援したい電力会社です。私は2012年に「市民電力会社を作ろう」という書籍を出しました。その中でも書いているのですが、大分県でこんな悲しい事件がありました。2001年2月14日、バレンタインデーで世間が浮かれている時に中学3年生がろうそくの火が原因で焼死した事件がありました。この家庭は親子二人の母子家庭でお母さんが帰ってきたらかわいそうだと台所にガラスの灰皿にろうそくを立てていたようだと新聞は書いてます。この家は貧しくて電気を止められていたのです。しかし、母親は九電にお金を払うので電気をつないでほしいと言った後、1時間後くらいに火事になったのです。九電がすぐに電気をつけに来ていたら火事にはならずに済んだかもしれないのですが、もう一つ重要なことが隠されていました。九電の内規で「電気料金を支払わない家庭の電気を止める時は100ワット分だけ電気が流れるようにしなさい」という指示文書があったのに、大分県国東営業所はこの内規違反を行って完全に電気を止めていたのです。だから私は九電株主総会で「九電は中学3年生焼死事件の責任を取れ」と社長を追求しました。自治体が電力事業を行えば生活保護家庭や貧困家庭の内実を知ることが可能ですから、憲法25条の最低の文化的な生活を営む権利を保障するために福祉電力制度ができると考えるのです。そのほか自治体が電力事業を行うことのメリットは山ほどあります。

地方の再生の切り札に電力が使える

その1つが福祉電力の可能性ですが、まだあります。電力産業の国内で動くお金が約8兆円です。九州ではその十分の一ですから8千億円、大分県内では約800億円。この多額のお金を県内で回せたら、どれだけ地方が豊かになるでしょう。市町村でこのお金が回せたら、不況も過疎化も吹っ飛んでしまうかもしれません。そして、電力を地域で生み出すことで、新たな雇用を生み出せるのです。もちろんエネルギーは電気だけではありません。暖房に使う石油の代わりに木質バイオマスを地域で生産できたら、ここでも新たな産業と雇用が生まれて、地域のお金が東京や中東に吸い上げられないで済むのです。街興しの切り札にエネルギーと農業と観光をリンクさせて豊かな地域を再生させましょう。
by nonukes | 2016-03-24 13:25 | 電力自由化 | Comments(0)

講演会のお知らせ「電力自由化で原発ゼロへ」

電力自由化で原発ゼロへ
小坂正則
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新電力の日本ロジテックは小売自由化の前になぜ撤退するか

新電力の中でも5番目の大手の日本ロジテック協同組合が3月一杯で電力事業から撤退すると2月24日の新聞各社が伝えています。一般には聞き覚えのない会社ですが、防衛庁や地方自治体などに販売実績があるちゃんとした企業なのです。うさん臭いブラック企業と言うわけではないのです。この会社は自家発電などの電気を購入して、大口電力へ販売していた企業です。ただこの会社は自分で発電所は持っていませんでしたので、販売価格に対して電力購入コストが見合わなかったことが大きな原因だと言われています。その理由の一つに、既存の電力会社や新規の発電会社間の販売競争が過熱していて、価格を下げなければ入札に勝てないので、どんどん値下げして、採算ラインを割り込んで販売していたことがあるのだでしょう。

新電力への嫌がらせに満ちあふれた系統ルールでは自由化などありえない

日本ロジテック協同組合が倒産する大きな原因が加熱する価格競争にあることは事実ですが、もう一つ大きな原因があります。それはどうにもならないコストから新電力は逃れられないという呪縛があるからなのです。これまでの電力自由化は大口電力のみでしたが、それでも既存の電力会社の高圧送電線を使って電気を送るわけですから、託送料という高圧送電線使用料を東電など電力各社に取られていたのです。その料金が1キロワット当たり3.5円から4円と言われています。つまり、1kwhを13円で販売する場合、託送料が4円とするとすでに9円の売り上げの中から原価の電力購入費を引けば利益など出るわけはないのです。仮に8円で購入していた場合は1kwhで1円の利益が出ますが、9円で買えば利益は出ません。ロジテックが販売用電力の購入先、つまりはロジテックに電力を売っている工場などにとっても、8円という捨て値の価格で電気をロジテックに売るくらいなら、もっと電気を有効利用して製品コストを下げようと工夫するでしょうし、需要が増えればもっと高い価格でかうという新電力も出てくるかもしれないのです。ロジテックの需要に対して、供給が追いついていかなかったのかもしれません。ロジテックにとっては、入札で販売先を確保すればするほど電力が必要になるわけですから、足りなくなれば東京電力などから買うしかないのです。競争相手の東京電力は自分のところの電力が余って困っていても、競争相手の企業に電力を売るなどしないでしょうし、売る場合も価格を引き上げてくるでしょう。だって、競争相手から買わなければならないほど電力が足りないのだったら、価格を引き上げてやろうと思うからです。この会社の倒産の大きな理由の1つに電力取引市場が育っていなかったこともあるでしょう。
そして、一番の理由は託送料が不明確だということです。つまり託送料の価格設定の根拠が曖昧なのです。東電がこれだけですと言えば、その価格を支払わなければ使わせてはもらえないという制度なのです。ですから、託送料が高すぎることなどが大きな原因だと思われます。
まだ倒産の大きな理由が考えられます。それは「30分同時同量ルール」と言う制度です。
それは「新電力が系統(高圧送電線)に電気を流す場合、30分で区切って、そこで消費された電力の上下3%以内で電力消費に合わせて電力を供給しなければインバランス料金というペナルティーを電力会社に支払わなければならない」というルールなのです。そしてペナルティー料金がどれだけになるかというと最高3倍の料金が電力会社から請求されるというのです。15円で販売している電力だったら45円もの高額のペナルティーを支払う必要があるのです。このインバランスのペナルティーが大幅に増えたことが1番の原因ではないかと私は考えています。

託送料が透明化しなければ電力自由化などまやかし

4月から始まる「電力小売り自由化」によって、昨年の9月からは「電力取引監視等委員会」というところが託送料を審査するようになるのです。経産省のホームページによると「電力取引監視等委員会は、①小売全面自由化等を踏まえた電力の取引の監視、②ネットワーク部門の中立性確保のための行為規制の実施等を行うために、新たに設立する経済産業大臣直属の8条委員会です。委員会には、総務課、取引監視課、ネットワーク事業監視課の3課からなる専任の事務局が置かれるほか、地方組織の経済産業局等においても総務企画部門に取引監視室を設置し、その事務の処理に当たります。」とあります。昨年の9月1日に発足したようです。
ここでは託送料の議論も行われるのですが、どうも高額な託送料を答申しているようです。東電の託送料は1kwhあたり8.57円だそうです。
そして電力自由化の本命である「発送電分離」の方法が自民党の案では電力会社の子会社案で決まるようですが、これでは本当の電力自由化など出来ません。それこそ電力会社がここに乗り移って、これまでと同じように独占で生きながらえるだけなのです。だって、一番儲かるのは送電会社だからです。発送電分離は電力会社の分割ではなく、電力会社が送電線会社に母屋を移して、原発などの発電事業を子会社化するというのが本当の電力会社の描く将来像なのです。これまでさんざん悪さをしてきた電力会社を生きながらえさせてなるものでしょうか。
発送電分離は完全資本分離の別会社にさせて、送電会社は公共インフラとして非営利事業または国有化して既存の電力会社は発電会社にさせなければなりません。そこで、自由競争させて原発の電気がほしい方に電力を高く売ればいいのです。

私の講演会があります。お近くの方で、よかったら皆さん聞きに来てください。

演題:電力自由化で原発ゼロへ
日時:3月5日14時~16時30分
場所:え~るピア久留米(久留米駅前)
料金:500円
主催:さよなら玄海原発の会・久留米



日本ロジテック電力事業撤退へ「新電力」揺らぐ信頼性
毎日新聞2月24日

大手電力会社以外で電力を販売する「新電力」大手の日本ロジテック協同組合(東京)が24日、3月末にも電力事業から撤退する見通しとなった。資金繰りが悪化したためで、同日には電力小売りに必要な事業登録の取り下げを経済産業省に申請した。4月に電力小売りが全面自由化されるが、今回の撤退で新電力に対する利用者の信頼が揺らぎ、他の事業者の戦略に影響を及ぼす可能性もある。
「価格が安いため日本ロジテックと契約した。今後、契約の仕方を検討し直さないといけない」。川崎市の担当者は肩を落とした。同市は市立小・中学校など170校に対する2015、16年度の電力供給について、ロジテックと契約済み。ロジテックが事業をやめても、大手電力会社が電力供給するため停電にはならないが、料金が割高になる恐れがある。
ロジテックの撤退は、家庭向けなどで新規顧客獲得を目指す新電力各社にとって逆風になる可能性がある。東京ガスは24日、家庭向けの電力申し込み件数が5万件を突破したと発表。今後、新電力に対する利用者の警戒感が広がる可能性もあるが、「安定的に電力供給していくことをしっかり説明していきたい」(担当者)としている。 電力自由化

日本は戦後の電力事業再編で、大手電力会社が地域ごとに電力販売を独占し、安定的に稼げる仕組みを築いた。このために電気料金が割高になっているとの指摘が強まり、政府は電力事業に競争原理を導入しようと、1990年代から段階的な自由化に着手。新規事業者の参入や、工場など大口需要家向けの小売り自由化を進め、今年4月からは家庭や中小商店も含む電力小売りの全面自由化に踏み切る。政府は自由化後も安定供給に支障が生じないよう、電力会社間の電力融通を指示したり、送電網の整備計画を策定したりする「電力広域的運営推進機関」を設立。2020年には総仕上げとして、大手電力から送配電部門を切り離す発送電分離を行う計画だ。
by nonukes | 2016-03-02 15:56 | 電力自由化 | Comments(2)

ソフトバンクはどこに向かって進むのだろうか?

ソフトバンクはどこに向かって進むのだろうか?
小坂正則
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孫正義は何で5年前の決意を捨てたのだろうか


私は忘れもしないことがある。2011年の4月22日に自由報道協会での記者会見で孫正義氏は「脱原発」を宣言した時のインタビューを聞いて、時代が大きく変わるかもしれなと思ったのです。いえ、正確にいえば、「福島原発事故は非常に不幸な事故でしたが、そこから日本は大きく変わるだろうし、変わらなければならない」と思ったのです。
そして、ソフトバンクという通信事業者代表の孫正義氏は自らの人生をかけて日本のエネルギー政策を変えることを当時は本気に考えていたのでしょう。しかし、あれから5年の月日が経って、孫正義氏による脱原発の思いの声が私たちには全く直接聞こえなくなってしまいました。
あの時は彼も本気で日本を変えようと思っていたのだと思いますが、6.6万人もの社員を抱えて、総資産7.8兆円ものお金を動かす投資家の孫氏は、理想だけで動く事はできなかったのでしょう。今のソフトバンクの社長は孫氏ではないのですが、それでも大きな影響力を行使できる立場に居ることだけは事実でしょう。ただ、5年前にも「私が何でも決めることができるわけではないのです」とは話していました。でも、あのソフトバンクが東電と組んで事業を行うということは、どう考えても企業イメージを損なうことになると私は思います。企業ですから、激しい競争の中で勝ち抜いていかなければならない厳しさはよく分かるのですが、それでも結果として業績を引き下げる効果しか生まないのではないかと私には思えてなりません。東電と組むことは孫さんの大きな失敗だと思います。
彼は「脱原発をめざす」と宣言したのですから、少なくとも既存の電力会社と結託するのではなく、規制改革の旗手として、徹底して電力自由化を進める側に立ってほしかったものです。既存の電力会社の中でも最も311事故の責任の張本人の企業で国有化された東電と手を結ぶということは政府と手を結んで規制改革に抵抗をすると宣言したようなものだからです。

時代の寵児の使命も終わったのだろう

「ミイラ取りがミイラになる」ということわざもあるように、孫正義のソフトバンクも大きくなりすぎて、小回りが利かなくなったのか、守るべきものが増えすぎて、規制改革の旗手ではなくなってしまったのでしょう。孫正義という人間がすばらしかったのではなく、時代が孫正義を生み出したのでしょう。そう思えば納得も行くでしょう。でも、せっかく脱原発宣言を行ったのですから、もう少し道理を貫いてほしかったものです。
私は5年前、携帯をソフトバンクに変えに行った記憶があります。もうソフトバンクを使い続ける必要はなくなりました。AUかドコモに機種変更をしようと思っています。
しかも「FITの電気だけを売ります」というわけの分からない宣伝も繰り広げていますが、東電と提携して、しかも再エネ電力を売るというのはどう考えても納得が行きません。一体ソフトバンクはどこへ向かおうとしているのでしょうか。再エネ電力はバックアップがなければ安定供給はできません。だからたいていの独立系の電力会社も市場で電気を買うか、電力会社からバックアップをしてもらいます。ただ、東京ガスなどは東電と全面戦争を仕掛けていますので、東電から電気を買うことはしないでしょう。東電以外の電力会社から購入することはあり得ますが。そんな全面戦争を行おうとしている東京ガスに比べたら、ソフトバンクの腰抜け具合が見て取れます。ふがいないソフトバンクの電力参入へ顧客がどれだけ支持をすることでしょうか。私のような浮気な消費者が後を絶たないことを私は願っています。電気がクリーンなら言い訳ではないのです。その企業の心意気に消費者は支持して買うのです。ガンバレ東京ガス!


https://youtu.be/Vhv-TTuBx3Q


011/04/22 にアップロード
ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、2011年4月22日夜、自由報道協会の主­催で行われた会見で、原発から自然エネルギーへの転換を訴え、私財で約10億円を投じ­、太陽光や地熱、風力発電など自然エネルギーの利用について政策提言する「自然エネル­ギー財団」の設立について説明した。
by nonukes | 2016-01-14 12:19 | 電力自由化 | Comments(0)

  小坂正則