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小坂正則の個人ブログ

「福島原発事故から14年」 喉元過ぎても熱さを忘れてはならない!!

日本の原発はいつどこで直下型地震が起きるかも知れない
小坂 正則


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朝日新聞による原発再稼働の支持率推移


原発事故処理の本命、放射性デブリ
取り出しは1歩も進んでいない

今年は福島原発事故から14年です。2011年の原発事故で、東日本が死のまちになる一歩手前で、辛うじて2号機の格納容器にひびが入って、そこから放射能が漏れることで大爆発を防ぐことができました。それに4号炉の使用済み核燃料の水が奇跡的に無くなることがなく、使用済核燃料がメルトダウンすることがありませんでした。、小出裕章氏によると、漏れ出した大量の放射能は偏西風に乗って、太平洋に流れてくれたため、日本列島には20%しか降らず、80%が太平洋に降り注いだそうです。14年前の原発事故がこの程度で終わったのは、奇跡的な偶然が何度も繰り返して起きた大変幸運な事故だったのかもしれません。
しかし、福島原発事故は全く終わってはいません。汚染水は毎日80トンも出続けていますし、原子炉に入って来る地下水は太平洋へ漏れ出したままです。一番重要な原子炉に残っている放射性デブリ(核燃料などの塊)880トンの取り出しは30年から40年で取り出す予定ですが、昨年やっと2号機のデブリ0.7グラムを取り出しただけです。そのロボットアームは三菱重工が何億もかけて作ったものでしょう。そんな高価なロボットアームも0.7グラム取り出しただけで壊れてしまいました。放射性デブリの取り出しに東電は「12年間で1兆3700億円」かかると言っていますが、そんな話は真っ赤な嘘です。 事故から14年経って取り出した量が0.7グラムで、ロボットアームは故障中です。デブリの取り出しなど実は不可能と小出裕章氏は話しています。それよりも鉄板で地下水を遮断して、「デブリは300年間そのままの状態で保管するしかない」のでしょう。300年経てばセシウム137の放射能は1/1000に減少するそうです。

原発事故の後始末は天文学的な費用が必要

東電や政府は福島原発事故の総費用が23兆円で、廃炉費用は8兆円などと言っていますが、そんなわけはありません。廃炉費用は50兆とも100兆とも言われているのです。実はいくらお金を使ってもデブリなど取り出せないのです。人間が近づけないような高濃度の放射能なのですから。つまりひとたび原発事故が起きたら天文学的な費用がかかるのです。そしてそれは私たち国民の税金で賄うのです。そんな無駄なコストを支払って、原発と心中するなど、私は真っ平です。だって、太陽光パネル1枚で電気は幾らでもできるし、しかも現状では太陽光パネルの発電コストが一番低安いのです。

破局へと突き進む日本の原発

昨年の元旦に起きた能登半島地震の志賀原発は偶然にも大事故を起こさずに済みました。もし、放射能漏れ事故が起きていたら、周辺の道路はぐちゃぐちゃだし、住宅は崩壊や半崩壊で、逃げることも自宅避難もできない状態でした。そして、能登の最北の珠洲市では4メートルも海岸が隆起していますが、そこに原発建設計画が1976年に出されていたのです。2003年には住民の反対運動で建設計画は中止されたのですが、もし珠洲原発が建っていたら、福島原発事故以上の大事故になっていたでしょう。珠洲市民の反対運動が日本を救ったのです。私たち「脱原発大分ネットワーク」の仲間が珠洲原発反対運動の現地まで行って、住民と一緒に反対運動を行ったことを思い出します。

1950年代の自動車で高速を猛スピードで走る?

これまで原発の運転は最高40年で、例外的に60年までと定められていました。しかも止まっていた期間も運転期間に加算されていました。しかし、23年9月に原子炉規制法や電気事業法など5法を一括にまとめた「GX脱炭素法案」として自公、維新、国民民主の賛成で「無期限に運転できる」という法案が可決成立しました。それによって原発は何年でも運転できるようになったのです。原子炉は長年にわたって中性子を浴びると、粘り気がなくなり脆化(ぜいか)します。それによって、長年使っている原発は、緊急停止などの急激な冷却で、原子炉が破壊する危険性があるのです。その他にも配管に力がかかることによる「応力腐食割れ」などの危険性が増します。
 今動かしている原発で一番古いのは関西電力高浜1号機ですが、1969年から建設工事が始まり、1974年運転開始で、51年も経っている老朽原発です。しかもこの原発の設計はそれよりも10年以上前のはずです。つまり1950年代の原発なのです。自動車で言えば博物館に飾っているクラッシックカーで高速道路を時速100kmの猛スピードで走るのと同じなのです。そんなクラッシックカーで、あなたは高速道路を走ろうと思いますか。

「原発が動かないから電気料金が高い」は嘘

福島原発事故直後には、「危険な原発はお断り」という声が大多数でした。下の朝日新聞は2013年から24年までの再稼働の賛否のグラフです。
2013年には再稼働反対が58%で賛成が28%です。実に反対が賛成の2倍以上でした。それが22年のウクライナ戦争の影響でエネルギー価格が高騰したことに便乗して電力大手と政府のプロパガンダによって、マンマと国民は騙されてしまい、24年には再稼働賛成が50%で反対が35%と逆転してしまいました。「原発が再稼働しないから電気料金が上がった」という話は真っ赤な嘘だという事実をこれから立証します。

原発やめてたら電気料金はもっと安くなっていた

福島原発事故以後、2012年に「原子力規制委員会」が設立して、原発の運転を審査する「新規制基準」が新たにできました。その大きな特徴は耐震設計基準の強化や、「重要免震棟」の建設や津波対策のための防潮堤建設に、火災が起きても電源ケーブルが燃えないような不燃性のケーブルに交換するなどの安全対策工事が、再稼働のために義務付けられたのです。
九州電力は4基の原発を動かすために1兆円も使ったそうです。しかし、全国ではまだ1基も動いていない東電や中電なども動いていないのに1兆円以上の安全対策費を使っています。その分は全て消費者が支払う電気料金に上乗せされているのです。だったら、もう原発なんか動かすのをやめればこんな数兆円もの設備投資は不要でした。
その他に福島原発事故の費用も電気料金に上乗せされています。おまけに原発の廃炉費用と福島事故の賠償金も原発に縁のない新電力からも取り立てているのです。
これまで原発に幾ら税金が投入されてきたのか、見てみましょう。六ケ所村の使用済核燃料の再処理費用が19兆円。再稼働などの安全対策費用が5.9兆円。53機の廃炉費用が6.7兆円です。
電源三法交付金という税金があります。これは全ての電気料金から、1kwhあたり、0.425円が徴収されます。一般家庭の月の平均使用電力量は348kwhで、月に157円です。21年度の日本の総売電量は8,635憶kwhで電源三法交付金の徴収額は3900億円です。この税金の半分以上は電源交付金として原発立地自治体と、その周辺自治体への交付金です。これも原発のコストです。年間3千億円として、ザっと50年で15兆円が私たちから電気料金と一緒に取られたのです。

原発があるから60兆円もの無駄使いをした

それら全てを足してみましょう。再処理費19兆円。再稼働が5.9兆円。廃炉費用6.7兆円。電源三法交付金が50年で15兆円。合計したら少なくとも46.6兆円にもなるのです。しかも、今日までに福島原発事故で支払った総額は実に13.3兆円です。これも加えると、合計59.6兆円にもなるのです。もし日本に原発がなかったら、60兆円は福祉や教育の充実に使うことができていたのです。しかも、福島原発事処理費は、これからもまだまだ出ていくのです。もうここら辺で原発なんかやめませんか。

自公に維新に国民民主に騙されるな!

岸田政権の原発政策は「可能な限り低減」から「最大限活用」へと大きく舵を切りました。その流れが「GX脱炭素法案」や第7次長期エネルギー政策に繁栄して、AIが普及すればデータ・センターが各地にできて電力需要が大幅に伸びるとして、原発の建設を積極的に増やす必要があると政府は説明しています。これも真っ赤な嘘です。NTTは電力で動かすこれまでの集積回路を、シリコン光集積回路で動かす、デジタル演算技術を開発したそうです。これは消費電力を大幅に抑えることができる可能性が高いのです。また量子コンピューターが実用化すれば大幅に演算スピードが上がり、電力の節約が可能です。日本は人口減少で電力需要は益々減るのです。しかも純国産のペレブスカイトという画期的な日本発の太陽光発電がいよいよ実用化されます。原発など「万害あって一理なし」です。
先日、国民民主党代表の玉木雄一郎氏が柏崎刈羽原発を見学して、「安全面の確認ができた。早期運転が必要だ」のような発言をしました。嘘つき不倫男に安全点検ができるのか?ふざけるな!です。


by nonukes | 2025-03-11 11:12 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)