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小坂正則の個人ブログ

原発推進派?から出て来た「依存度低減へ国民的議論を」

政府から独立した「原子力評価委員会」を設置して議論を行うべきだ
小坂正則

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鈴木達治郎51年生まれ。東京大博士(工学)。
元内閣府原子力委員会委員長代理





日経新聞2月24日号に長崎大学の鈴木達治郎教授(元内閣府原子力委員会委員長代理)の「原発政策を考える、依存度低減へ国民的議論を」という記事が掲載されていました。
これまでには反原発の学者や文化人による記事で「原発は時代遅れである」ことや「他の発電方法に対して割高である」などの記事は目にして来ましたが、原発推進派の中から公然と「脱原発」を訴える文章が出てくることも珍しいので、考察してみたいと思います。
氏の提案は以下の3つのポイントにあると最初に提案しています。

①原発の脱炭素電源としての役割は限定的
②日本では事故に伴うコスト上昇も重荷に
③政府から独立した機関で客観的な評価を

①原発の脱炭素電源としての役割は限定的

日本は福島原発事故の影響で原発依存度を低減化すべきだというのが国民的なコンセンサスだ。しかも、「世界原子力産業現状報告2021年版(WNISR2021)」によると世界の総発電量における原子力のシャアは1996年のピークで(17.5%)から徐々に低下し、最近は10%前後で推移する。発電量も2020年は12年以来の減少(前年比3.9%減)となり、中国を除けば減少率は5.1%に達し95年以来の低水準。原発推進機関の国際原子力機関(IAEA)の予想でさえ30年間で最大で10%程度。最低では6%しか増えないという予想。
日本の原発は現在10基であり、20年の原子力発電比率は4%にすぎない。日本の電源構成で原発は「主役の座」を既に降りている。これでは遮二無二原子力発電を推進する意味はないと指摘する。

②日本では事故に伴うコスト上昇も重荷に

さらに原発の将来を予測するには原発の経済性が重要であるといい、経済性悪化の背景には原発事故の影響がある。経産省の発電コスト検証ワーキンググループの推定によると、事故後の追加的安全対策費は発電コスト換算で1キロワット時あたり1.3円(15年には同0.6円)にのぼる。事故リスク対応費用も同0.6円(15年には同0.3円)に上昇している。
さらに核燃料サイクルコストも上昇している。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場の総事業費は、今や14.4兆円(15年には12.6兆円)にのぼるとされ、発電コストに換算すると同0.6円(15年には同0.5円)となっている。これらのコストは今後も上昇する可能性が高く、原発の競争力は改善する見通しが立たないのが現状だ。

③政府から独立した機関で客観的な評価を

政府は30年度の原発比率を20~22%とする目標を掲げるが、とても実現できそうにない。そしてNHK世論調査(20年11~12月)によると、7割近い国民が原発依存低減を望んでおり、再稼働についても賛成が16%に対し反対は39%にのぼる。国民の信頼は全く回復していない。しかも福島原発事故の全貌も明らかになってはいないで、事故処理にこれから40年以上の長い年を莫大な税金と人間を投入して困難な技術で乗り越えていかねばならない。
この状況を考えれば、70年代の石油危機以降とってきた「原発拡大」政策から、原子力依存度を低減する方向に明確にかじを切るべき時期が来たのではないか。
具体的には、原発拡大政策の柱だった電源三法、特に立地自治体への交付金制度を見直す必要がある。高速炉と核燃料サイクルの推進を大きな目標としてきた原子力研究開発も、廃炉や廃棄物処理・処分を最大の柱とする方向に転換すべきだろう。
これまでの議論は原子力推進を前提とする省庁・機関が中心となっていた。推進・反対のどちらの立場にも偏らず、政府から独立した機関(例えば国会に設置した東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)で客観的な評価をすべきだ。
確かに2011年のあとに国会に設置された「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」は民間人も含めて、国会の権限で独自の事故調査を行いました。これと同じような機関を国会に設置して、それぞれの党から推薦された専門家によって公正・公平な議論が行われたら、原子力発電がどうあるべきかということが、初めて国会で議論できることになるのです。これまで国会では予算員会などで野党による短時間の追及はありましたが、「原子力発電」を専門的に議論する委員会や機関はありませんでした。このような考えの方が世論となって、マスコミや国民が真剣に議論を行えば必ずいい方向性が出てくることでしょう。民主党政権の後半に、一般市民公募による国民参加型の「原発議論」を行ったことはありましたが、尻切れトンボで終わってしまいました。私も鈴木達治郎教授の提案に大賛成です。

この機に及んで核武装も原子力も進める勢力に参院選でNOを

3月2日の朝日新聞に「維新、企画三原則見直し、核共有の議論求める」という記事がありました。松井一郎維新代表はロシアによるウクライナ侵攻を受けた緊急提言で、岸田文雄首相が否定した「ニュークリア・シェアリング(核共有)」や、非核三原則を見直す議論を求めている提言書を提出するといいました。提言では、今回の教訓として、「核を持たない国は核保有国による侵略のリスクが高い」との認識を示し、「核に関する議論をタブー視することなく、非核三原則の見直し、米国の持つ核戦力の共有に関する議論を開始する」と盛り込んだ。また、これまで「フェードアウト」を主張してきた原発についても、エネルギーの安定供給という文脈のなかで「一定の条件の下で再稼働も検討する必要がある」と踏み込んだとあります。
また、国民民主党も非核三原則の「持ち込ませず」の妥当性について議論すべきだと述べた。玉木代表は、「有事の際にSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を搭載した原潜や艦船の寄港も認めず、(米国の)核抑止が働くのかどうか」と指摘。
国民民主党は元々原発推進派ですから、この2党は自民党よりも右に立ち位置を取っています。このような核武装と原発事故を容認するような亡国政党とは徹底的に戦っていかなければなりません。このような偽野党と一緒に野党共闘を目指すというお花畑のような思想の立憲民主党の泉健太代表に誰か頭から冷水をぶっかけてやって目を覚まさしてやってくれませんか。
この夏の参院選には明白に「憲法の改悪はさせない」「核武装反対」と「原子力発電廃止」などを掲げる健全な野党(共産党、れいわ新選組、社民党)に投票して、自民党、公明党はもとより偽野党の維新や国民民主党を消滅させましょう。






依存度低減へ国民的議論を 原発政策を考える
鈴木達治郎・長崎大学教授
日経新聞2022年2月24日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD074630X00C22A2000000/?unlock=1




by nonukes | 2022-03-02 15:11 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)