2021年 09月 16日
感染症ムラの闇を暴く!
西谷文和「路上のラジオ」 感染症ムラの闇を暴く!
ゲスト 上昌広(かみまさひろ)医師
(医療ガバナンス研究所:理事長)
小坂正則
「路上のラジオ」の番組を一部省略して書き起こしました。一部、書き言葉に変更しています。(文責小坂)
なぜ日本は初動を誤ったのか
西谷: 上先生は感染症を専門とされている立場からも、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、当初なかなかPCR検査を拡大しようとしない政府の姿勢を策略とも言える、後手後手の対応を批判されてこられました。また、福島第一原発事故の際にも被災地の放射能汚染について、医師として警鐘を鳴らしてこられました。今日はそんな上先生に「感染症ムラの闇を暴く」と題して、パンデミックに乗じて、この国の中枢で、一体何が起こっているのか?これについて詳しく伺っていきたいと思っています。
上さん、今日の全体的なテーマは「感染症ムラの闇を暴く!」と題してお送りしたいのですが、「原子力ムラ」と同じような「ムラ」があるということを聞いて、私はびっくりしたんですけど、前半のテーマは「なぜ日本は初動を誤ったのか」と題してお送りしたいんですね。 コロナって、抜き打ちテストみたいなものじゃないですか。突然来てね。日本は台湾とかニュージーランドに比べたら、かなり初動で、このテストに落第の点を取ったと思うんですけど。なぜPCR検査を抑制してしまったんでしょうか。
上:これはですね、法律に決められた通りにやったんですよ。今回の大きなパンデミックの前に、サーズとかマーズかがありましたよね。
西谷:はい。新型インフルとかですよね。
上:あれがうまく乗り越えられたので、従来の法律どおり感染症法の規定どうりにやったんですね。感染症法というのは今の通りなんですよ。感染症の疑いのある人を見つけたら強制的に検査をして、陽性であれば、あらかじめ決めた病院に隔離をするという、これをやっていたんです。ところがあに図らんや、無症状の人はいるわ、また、感染者が増えたので、こりゃたまらんと。何とかこの仕組みでやろうとして、検査を絞ったんです。
西谷:でも普通は検査をして、早期に隔離しないと広がってしまいますよね。
上:ただ、これまでの経験で、何とかうまくいくんだろうと思っていたんでしょう。特に問題だったのは、感染者を見つけたのはいいんですけど、みんな軽症なんですよ。法律に基づいて感染者は隔離することが決まっているんです。なので無症感染者をどんどん病院に強制入院させたんですよ。そしたら病院はパンクしますよね。だから当初、「PCR検査したら医療が崩壊する」と言ったんです。確かに言っていることは正しいんです。でも、やり方が悪いんですよ。感染症法に元づいて粛々とやったらこうなったんです。感染症法に問題があったんです。
西谷:例えば、政府の専門家が37.5度くらいの熱が出ても3日は家で我慢しろと。そういうことで、お亡くなりになった方もいましたが、普通は37.5度以上だったら医者に行けという話ですよね。
上:こういうのは論外なんですよ。実は病気というのは早期診断、早期治療がいいんです。今も中等症まで家にいろと言ってますけど、あれはわざわざ病気を悪化させているんですよ。
西谷:そりゃあ何日も自宅放置されたら病気は悪くなる一方ですよね。
上:世界でこんなこと言ってる連中はいないんです。なぜかといいますと、日本の感染症法というのは非常に特殊なんです。感染者を見つけて、国家権力によって強制的に検査し、強制的に隔離するというというのは、著しい人権侵害を伴うんですよ。だからこれはがちがちに規制しているんです。これが始まったのは明治時代なんですが、明治幕末の開国で感染症が流入しましたよね。
西谷:ハンセン病何か隔離しましたよね。
上:そうですね。これらは当時問題だったんですが、これ旧内務省の衛生警察がやっていたんです。警察の仕事なんです。
西谷:明治時代の大日本帝国ですね。
上:昭和12年に、保健所ができるんですが、その時の理由というのは「建兵・健民」(健康な兵士と健康な国民をつくる)ということで、結核患者と虚弱民を選り分けるのが仕事なんです。
西谷:これ下手したらナチスの発想に通じるのではありませんか。
上:そうですよ。当時は世界的にそういう発想なので。そういうのが戦後も生き残るんです。医療というのは感染者と医師が決めて融通無限に動くのです。双方が同意したら正直、何をしてもいいんです。
西谷:普通はお医者さんが診察して一番いい治療方を考えますよね、
上:患者が同意すれば何をしてもいいんです。もちろん保険を払う払わない保険会社の意向がありますが。お金も問題は別として何をしてもいいんです。この公衆衛生と医療というのは医療が優先されるんです。医師が医師が37度5分4日間で、入院が必要であると決めたものを公衆衛生の専門家が、だめだというのは多分憲法違反なんです。こんなこと真顔で議論している国はないんです。日本というのは非常に特殊な国で、公衆衛生、これは旧内務省の衛生警察が作った仕組みが今だに生き残っているんです。
西谷:そういうことなんですか。例えばですね。パルスオキシメーターですか、あれは今95まで下がらないと入院できないと言ってますが、39度とか40度の熱があっても、その数字だけで決めていますよね。
上:そんなのは論外です。パルスオキシメーターは判断材料の1つに過ぎません。全体的を診て、元々低い人は95でも平気なんですけど、急に下がった人って、1年目の研修医は「心臓と呼吸が止まらなければ人間は死なない」と習うんです。逆に言うと、この2つは要注意なんです。急速に呼吸状態が悪化したら突然死ぬんです。案の定、自宅での死亡が続出していますよね。悪くなるかならないかを判断するのは、ベテランの医者の仕事なんですよ。長年の感が必要です。
西谷:やはりかかりつけ医を持っといて、直ぐ相談できるというのが一番いいんでしょうね。
上:医者は何となく悪くなりそうだと思ったら入院してもらうんです。そしたらモニタリングできるので、万が一の場合の時に介入するんですよ。
西谷:なるほどなるほど。
上:コロナは感染症だからうまくやれば元に戻るんですよね。
西谷:そんな人多くいただろうと思いますよね。例えばですね。すぐに入院できたら抗体カクテルなんか打って、治る場合が多いんでしょ。
上:はい、もちろんです。そういう場合もありますし、それから解熱していくとか、コロナの問題って免疫が急に悪化しますよね。ARDSというんですけど。こういうのはあらかじめステロイドホルモンなんかを使うと随分緩和できるんですよ。
西谷:ということは今自宅で亡くなっている人は十分助けることができたんですね。
上:十分できる可能性があります。できたと思います。
西谷:でもこれからもこういうケースはまだ続くんですよね。
上:これからも続くでしょうね。何よりも、この冬にもっと流行しますからね。
西谷:やはり季節的なものですか?
上:そりゃあそうじゃないですか。
西谷:風邪は冬にはやりますもんね。
上:はい。春夏冬と流行って、去年の夏の流行が始まったのが、6月下旬。今年と全く一緒です。韓国も一緒。去年のピークが8月10日。今年が8月20日でほぼ一緒ですよね。春も全く一緒です。インドの流行し始めた時期と日本はまったく一緒です。
西谷:あの、ズバリですね。いまそのおっしゃった明治時代から続く旧内務省の公衆衛生優先の思想がいまずっと脈々とあると。これを「感染症ムラ」と呼ぶとすれば、「原子力ムラ」みたいなもので、「感染症ムラ」とはいったい何なんでしょうか。
上:旧日本陸・海軍と旧内務省の交差点なんですよ。
西谷:戦争が絡んでくるんですか。
上:もちろんです。ワクチンは戦前からあった唯一の薬なんです。
西谷:そうなんですか。
上:平賀源内がいましたよね。彼は江戸時代ですからね。これをやっていたのが軍医だんです。例の731部隊ですよ。
西谷:怖い話になってきましたね。人体実験してましたよね。
上:それを作っていたのが、伝染病研究所という、いまの東大の医科学研究所です。ここが研究して製造して、検定、チェックしていたんです。だから戦後731部隊の先生が大勢、東大医科学研究所に戻ってくるんです。
西谷:あれは罪に問われずにまた復帰するんですよね。
上:はい、その通りです。今回も東大医科学研究所の先生は、いっぱい専門家会議にはいっていますよね。国立国際医療センターというのは旧陸軍病院です。だから富山にあるんです。
西谷:ああ、そうなんですか。
上:ワクチンは英国、米国、中国、ロシアが作りましたけど、これは全部連合国なんです。
西谷:戦勝国ですよね。戦争に勝った国ですよね。
上:例えばよく、日本版CDCを作れと、米国の感染症センターと言いますが、あれは1946年にできているんですね。前身はマラリア研究センターなんです。米国陸軍関係のマラリア研究センターなんです。だから研究所が都市封鎖をするんですよ。
西谷:ああ、なるほど。
上:だってみなさん研究所が東京都を封鎖したらおかしいじゃないですか。元々そういう歴史があるんです。日本の感染症研究所というのは戦前までの伝染病研究所これが戦後GHQが戦争遂行体制を解体するんです。これが今の東京大学医科学研究所と感染研に分かれるんです。
西谷:はあ、そういう歴史があるんですね。
上:かなり独善的な、情報開示に極めて非協力的で国民の健康よりも国策遂行って、まさに今回と同じですよね。
西谷:同じですね。いまふっと思い出したんですけど、薬害エイズの時も、研究者が危険性を知っていながら混ざっていたとか、何か感染症に関しては日本の場合は何か下手をうっているような気がしますよね。
上:血液製剤とワクチンは同じなんです。血液から作る製剤もワクチンも伝染病研究所がが担当していたんです。戦後731部隊の隊員が伝染病研究所やミドリ十字などに帰ってくるのです。ミドリ十字関係の化血研は、東大医科学研究所の隣にあるんです。伝染病研究所は北里柴三郎先生ですが、熊本藩ですよね。化血研は熊本市にありますよね。明治の近代史を反映しているんですよ。
西谷:逆に言うと、戦争でそういう研究者が責任を取って辞めて一新して民主的な体制になっていたら、こういうことにはなっていなかったと。
上:あのですね。戦争中は世界どこでも大なり小なりやったんです。ところがこのニュルンベルグ裁判ってナチスの戦犯を裁いた裁判があったんですが、その中に医師もいましてね。その時の医師たちはナチスの命令で彼らも人体実験をやったと言ったら処刑されるんです。その時の理由は医師はプロフェッショナル。プロは前、フェスは告白するという意味で、ギリシャ時代から神様の前で告白して患者に絶対的に不利益にしないと、こういうのをプロフェッショナルと言って、牧師や医師や弁護士のことを言って、医師の職業倫理というのは国家を上回るんだというのです。46年か7年にニュルンベルグ裁判の後にヘルシンキ宣言が出て、とにかく患者ファースト国家は二の次という考えが世界的なコンセンサスになるんです。
西谷:その方が私たちもありがたいですよね。患者ファーストのはずですよね。
上:例えば患者さんが病院に行かれた時に、医療費抑制のためにこれは使わないと医師に言われたらたまりませんよね。
西谷:そうですよねえ。
上:37度5分ないと保健所がパンクしますからと言われたらたまりませんわね。日本はこんな議論が患者のためよりも公衆衛生とか言ってる議論がまかり通っているんです。もちろん公衆衛生は大切ですよ。大切ですが医師が公衆衛生というと利益相反になるんです。目の前の患者にベストを尽くすのが医師なんです。公衆衛生は社会のため、利益が相反することはままあるんです。だから医学といったら古い学問。公衆衛生といったら、まだ19世紀から20世紀の学問なんです。イギリスの産業革命後に出てくる概念で、ジョンズホプキンズ大学、米国でも20世紀にできるんです。この概念は。だから別の学部なんです。医師と公衆衛生というのはカメリオンになるんです。この考え方はナチスと同じなんです。国家を患者より優先しているんです。医師と名乗ちゃあだめなんですよ。
西谷:ああそうか。
上:医師は目の前の患者がよければいいのです。その代わりウソはつきませんと。ナチスとか731部隊とかは、実験するって連れてきたんじゃないですよね。治療するって言って連れて行ったんですよね。
西谷:以前佐藤章さん(元朝日新聞の記者)に聞いたんですが、感染症ムラの人は厚生労働省の医系技官が中心になっていて、彼らの天下り先が保健所で保健所の機能を守るために、あえて保健所にさせてパニックになったというふうなことをおっしゃっていたんですが。こういう構図なんですか。
上:その通りですが、粛々とやらせたらパンクしたので、つじつま合わせをさせたような感じがしますね。医系技官とは特殊な仕事で、医師免許があるからという理由で国家公務員試験を免除されているのです。
西谷:国家公務員試験を免除されてキャリアになっているんですよね。臨床体験がほとんどない方なんですよね。
上:今回の専門家会議では東大の医学部の方ってお一人も入っていませんよね。
西谷:はあ、そうなんですか。
上:極めて珍しいんです。なぜかっていうと、その20世紀の戦争の影響を残しているんですね。GHQによって作った組織がまだこなれていないんです。世界は専門家といって、グローバルコンセンサスがすぐできる、軍事と一緒ですよ。
西谷:戦後76年も経っているのに、まだこなれていないんですか。
上:こなれていませんよね。だって、現場を離れた専門家なんて、ついていけるわけないじゃないですか。例えばPCR検査で、擬陽性が1%出るとか、「あんた何をいってるの」という話ですよ。日ロ戦争の勝利に酔いしれて、ノモンハンにそのまま突っ込んだ陸軍幹部と似ていて、7月にはですねえ、中国の南京でデルタ株が少し流行したんです。そしたら中国政府は何と900万人に、1か月に3回PCR検査をしてデルタ株を抑え込んだのです。擬陽性なんか1%も出ていませんよ。これがゲノム医学の現代のレベルなんです。あの先生たちの議論で20世紀の昭和の議論をやってるです。
西谷:21世紀の時代に?
上:ゲノム医学のノーベル賞候補というのは日本人なのですよ。中村祐輔東大教授です。大阪の天王寺の出身で、阪大の卒業で東京の医科研の教授をしていたんですが、去年アメリカのメディアが「ゲノム医学のノーベル賞候補」として報じたんです。この先生などは「論外だ」と。「尾身先生たちがA級戦犯だ」と言っているんです。
西谷:尾身先生も「感染症ムラ」の人なんですか。
上:もちろん。
西谷:尾身先生にたくさん予算が付くわけですね。
上:いや凄いですよ。尾身先生は厚生省の元医系技官なんです。現在のポストというのは元々旧社保庁の附属病院なんです。
西谷:社会保険庁のですね。
上:今天下って7年間ずっと理事長を務めています。補助金だけで何と今回、350億円ついているんです。
西谷:あの方の天下り先に。凄いですねこの利権は。
上:はい。凄いでしょう。おまけに現金だけではなくて、証券を買っているんです。
西谷:ええっ。財テクしているんですか。そりゃあ、お医者さんじゃないじゃないですか。
上:もう1つ国立病院機構という旧陸海軍病院があるんですが、こっちは1千億円もらっているんです。現金が4~500億円も増えているんですよね。コロナ患者は全病床の5%くらいしかいません。
西谷:これだけ補助金もらっていて、コロナの患者をほとんど受け付けていない。
上:しかもここは独法で残すときに、役人が言ったのが「公衆衛生のために残す」と言って、設置根拠法という法律を作ったのです。おかしなことに、そんな条文があるのに、田村厚生大臣は患者受け入れの命令を出していないんです。8月に朝日新聞の経済部の松浦という記者が記者会見で、田村厚生大臣に、「この条文は使わないのか」と、聞いたら、田村大臣は「感染症法のことか」と聞き返したのです。つまり大臣は法的スキームを知らないのです。そのあと厚労省内では大騒ぎになりましてね。数日で尾身先生のところの城南病院という小さい病院で50床をコロナ専用にすると言い出したのです。
西谷:わずか50床。
上:だけど350億円も補助金もらっていて。
西谷:50床って、焼け石に水じゃないですか。
上:そんなもん、全部コロナ病院にしたらいいんです。もとからやる気がなかったんです。なぜかと言うと、コロナって手間がかかるんです。受けるとしたら、そこに医師看護師を集中しなければならばいのです。全国からアルバイトで雇えばいいんですよ。コロナと戦争するんだから傭兵を集めなければならないんです。ところがやったことは、全国各地に医師や看護師を派遣しているって、田村さんが自慢していたんです。連合艦隊司令長官がですね、これから戦争というのに、そこの船員たちを他に派遣しているといって、もとからやる気なんてなかったんです。
西谷:こういう感染症ムラという現場を知らない専門家という名前の人たちに任せてきた、この責任って菅政権にあるんじゃないですか。
上:その通りです。やっぱりこれ安倍政権、菅政権の成れの果てだと思います。2009年の新型インフルの時は、ここまでひどくなってはないんです。舛添さん、当時の厚生大臣がよくテレビで言ってましたが、彼らが今の専門家を使わなかったんです。Bチームと、オープンに議論させたら、どっちがまともかと。
西谷:ああそうか。プランAとプランBでやったんですね。
上:今の問題って安倍・菅政権が民主主義を私は破壊していると思っているんですが、民主主義って「チェックアン・ドバランス」なんですね。三権分立+メディアとアカデミアと。実は厚労省の医系技官て高度に専門的な知識を扱うということで、大蔵官僚であろうが、総務官僚であろうが、強面の官僚たちも、ここは議論できないんです。
西谷:まあ、そうですねえ。医学のところはなかなか専門的な知識はないですからねえ。
上:医学部を出ているんで、やっぱりよく知っている。これまで彼らをチェックしていたのが族議員なんです。ところが族議員というのはこの9年間で凄く弱ったんです。
西谷:小選挙区制の導入で自民党の族議員はいなくなってきましたよね。
上:今回、自民党で一番反対したのは塩崎恭久さんです。
西谷:塩崎さんね。元厚生労働大臣ですね。
上:一貫して反対して、彼は情報開示して、例えば今年の1月の緊急事態宣言前日に、東京の厚生省の一番の中核病院、国立国際医療センターのICUには、なんとコロナ患者は1人しか患者がいなかったとブログに書くんです。
西谷:ICUに1人しかいなかったんですか。
上:テレビは大変だと騒ぎ続けたんですよ。尾身さんの病院と一緒ですよね。
西谷:350億円と巨額の補助金をもらい、増やしたベットは僅か50床。ほとんど受け入れていない。
上:緊急事態宣言の前日に、何と重症者はたったの1人。
西谷:これはもう、戦犯じゃないですか。
上:ええ。塩崎さんが厚生省に言ったら、彼らは渋々と出したんです。塩崎さんは分かってブログに書いたんです。直ぐ消しましたけどね。クレームが入ったからでしょうね。
西谷:はあ、そうですか。
上:厚生族議員の方々が、ことごとく今回の選挙でいなくなりますよね。
西谷:そうですね。塩崎さんは引退するように言ってました。
上:伊吹さんにしかり、鴨下一郎さんも、当時は強く反対していたんですよ。政治がこうなって、野党もJCHOを何で言わないのと思いますよ。2009年は長妻さんが社会保険庁を叩いたのに。今は社会保険庁の後継の医療機関、これ本当に酷いことしているのに、何も言いませんよね。官公労の大きい組織なんですよね。でも2009年は言えたんですよね。でも今年は言えないんですよ。
西谷:2009年は民主党政権でした?
上:民主党政権になる前でした。社会保険庁改革で政権を取りますよね。
西谷:年金の問題で長妻さんはだいぶ点を上げましたよね。
上:あれは正に官公労を叩いたのと一緒なんですよ。ところが今はできないんです。これは野党の衰退ですよね。
西谷:今は野党も力弱いですよね。
上:組織票が欲しいからだと、私は思いますよ。
西谷:いわゆる連合系の労組の票を
上:中間層の支持が下がって、固定票がほしいので一言もいわないですよね。
西谷:しかし、これは政治家がおかしかったら、おかしいと軌道修正しなければいけませんよね。できるのは政治家ですよね。
上:そしてメディアも何も言わないんです。
西谷:はあ、やはりメディアは自粛忖度だったんですかね。
上:例えばですね。尾身先生の病院に患者を取ってない。病床確保、東京都で尾身さんの病院は1500床持っているんですが、そも1割しか病床を確保せず。
西谷:1割ですか。
上:いま病床確保ばかり新聞は出しているじゃないですか。実際に言ったら、その半分だったんです。要するに入れてもなかったんです。このことを最初にスクープしたのは松浦新さんという、朝日新聞の経済部の記者なんです。朝日は、この記事を書かなかったんです。松浦さんは東洋経済に書くんです。そのあと、先週くらいにAERAドットに吉崎さんというフリーの記者が書くんです。するとものすごいアクセスがあったら、翌日に朝日が松浦さんの記事を小さなベタで載せるんです。これはもう、何を見てるか分かるじゃないですか。
西谷:もう忖度です。上を見ているんです。朝日は。
上:これは記者クラブの弊害で、普通メディアは自分で取材し、相談する専門家は国以外の専門家に頼るべきなのが、コロナ記事というのは、尾身先生や特定の政府の委員や厚生省の研究班など、要するに国に用意してもらうんです。これは単にサボっているだけなんです。多分悪意とかではなくて、ものすごく質が劣化しているんですね。言い分はありますよ。記事が大変だとか。毎日毎日政府の報道を書かなきゃいけないし。記者クラブで縦のものを横にしていればいいだみたいな。だけど結果的には、尾身先生を批判しなければいけないときに、その記事をメディアができないんで、政治家も誰も誤報とかを修正できないんです。
西谷:メディは政府を忖度している。で、それをやれば政府の支持率がもっと落ちる可能性があるので、ちょっとその上層部が忖度したんでしょうか。
上:まあ、後は現場が楽しているんだと思いますよ。
西谷:発表したものをそのまま記事に書けばお終いですから。調査するのは時間がかかるけど。
上:経済部の記者がスクープするんなら医療担当の記者は専門誌読んでちゃんとやれよと。
西谷:なるほどねえ。
上:だから朝日新も部数減らしているんですよね。
パンデミックを乗り越えるための処方箋とは
西谷:まあかなり減らしていますよね。まあちょっとびっくりするような話が出たんですけど。
後半は「パンデミックを乗り越えるための処方箋とは」と題して、お聞きしたいのですが、先ほどチラッと前半に尾身先生たちの国立病院機構とか、地域医療推進機構とか、ここの病院が巨額な補助金を受け入れておりながら、コロナ患者をほとん受け入れていないということで。先生がなにかツイッターで発表されていた表なんですが、例えば国立病院機構なんていうのは病院数が3つあって。
上:東京都内に3つ病院を持っていて、1500病床なんですよ。
西谷:1500病床ある。
上:コロナ病床と、あらかじめ決めているのが128病床で、その内に8月の終わりに受け入れていたのが84人なんです。ですからいっぱいでも何でもないんですね。尾身さんの病院は地域医療推進機構(JCHO)というんですが、5病院持っていて、ベットが1455あるんですが約1割の158をコロナ病床に割いているんですが、実際には111人。これも半分強ですよね。だから病床がそもそも少ないし、さらには患者を受け入れていないんです。これは私、知り合いの自民党の議員からいただいたんですが、一切、公表されていないんです。
西谷:そうですね。私も初めて見ました。
上:コロナに全部やってると思ってるじゃないですか。
西谷:もうそりゃあ最大限やっていて入られへんから自宅放置じゃないんですか。
上:ベットが1割だし、それから患者を受け入れていないんです。そもそも受け入れ準備をしてないんです。なぜかというと、コロナは手間がかかるんで、やるんだったら、ほかからドクターとナースをかき集めなければいけないのを、外に出しちゃってるぐらいなんで、現場がこれは大変なんです。
西谷:でも東京・大阪が大変じゃないですか。東京に集中させなああかんのじゃないですか。
上:もちろんです。感染症も治療の仕方というのは国際的にコンセンサスがあります。診断・隔離なんです。個人のレベルもそうですし、病院もそうです。
西谷:そうですよねえ。だから無症状の人がスーパースプレッターになって、ウイルスをまき散らすのを押さえるために、早期に検査して、早期に隔離して治してあげるということなんですよんよね。
上:治療の必要な人も1つの病院にまとめなければいけないんです。
西谷:そうですよね。1つの病院にまとめた方が機能的なんですよね。
上:結核が結核療養所を作っているようなものですよ。本来やるべきは国公立病院なんです。
西谷:そのためにわざわざ補助金が入っているわけでしょう。
上:法律で決まっているのに、尾身さんは自分の病院にはほとんど患者を受け入れていないんです。
西谷:それずるいですね。あれだけテレビで国民にお願いしておきながら。
上:国立病院機構というのは年間、2020年度が1500億円。尾身さんとこは400億円補助金が付いて、現預金は国立病院機構が500億円くらいでしたか、尾身さんとこは証券買っているので、何十億か何百億かは知りませんが、黒字転換しているんです。あなた何してるのと言いたいですね。
西谷:これ、例えばですね、1500床あってね、僅か128床しかコロナに当てていないなんていうのは、民間の病院だったら経営もあろうけど、ここは補助金でやってる病院だから、もっと本当は8割9割ベットを割いてもいいわけでしょう。
上:そうです。そしたらここの病院だけで東京都の病床不足は解決するんです。
西谷:解決しますよねえ。
上:日本の特徴は死者がそのへんにいっぱい出て医療崩壊の危機ではないんです。病院が足りないから危機なんです。この2つがコロナ専用病院なら、その段階で全て解決するんです。コロナ専用の病床不足なんです。病床を増やせばいいだけなんです。
西谷:何してんの尾身さんという感じですね。
上:はい。尾身さんはある意味連合艦隊の司令長官なんです。その仕事は何もせずに、参謀本部で議論ばっかりしているんです。
西谷:それで、外に出るなとか、酒飲むなとか言っているわけですよね。
上:何と言ったか分かりますか。ロックダウンが必要と言ったんですよ。お宅の病院に患者を移した方が遥かに社会暴走が起きないじゃないですか。理由は医療が崩壊しているからで、あんたの病院がちゃんとしなさいよと言いたい。
西谷:こういうことで医療崩壊の原因が、いま明らかになってきたんですけど、これは今からでも開放させるべきですよね。
上:そう思います。次の政権の使命はここです。実はここの病床を増やさない限りは、この冬も次の春も医療は崩壊してパニックになるんです。日本は感染者が多いからパニックになっているんじゃないんです。G7の中で感染者数は4番目で真ん中。死者数はドイツと並んで圧倒的に少ないんです。つまり、重症患者も少ないんです。ところが病床数が少ない。東京の病床数はG7で、圧倒的に多いんです。看護師は少ないけど、医者は多いんです。ところが、コロナ患者の引き受け手の病院が少なくて、普通は引き受け手は国公立病院が専門に引き受けるんです。
西谷:そりゃあそうでしょう。そのための国公立病院なんですから。
上:今みたいに民間病院に小出しに出すと、本当に医療が崩壊するんです。院内感染が多発しますし、非効率になりますよね。だから、今やるべきは尾身先生が専門家会議の委員なんかさっさと辞めて、この本当の仕事に専念することなんです。大変なんですよ。眼科の先生や産婦人科の先生がいらなくなるので、コロナ以外の方は別の病院に移っていただいて、患者さんを移しす準備が1、2ヵ月かかりますよ。もう冬場のためにやらなくてはならないのは、ここなんですよ。
西谷:冬はやはり感染爆発を起こすんでしょうか。
上:そう思いますよ。例年、数倍ですからね。去年の冬も夏の数倍でしたから、今年も来る可能性はあります。
西谷:例えばいまは毎日3千人くらい来ているじゃありませんか。
上:1万人くらい来ることだってあり得ますよ。
西谷:そしてベットが足らない。この尾身先生らの問題でベットがない。ほんなら自宅で亡くなってしまう人がたくさん出てくる
上:ベットが足りないのと、受け入れていない。尾身さんたちはベットの足りなくて受けてみいないんです。受けない理由は明確です。医師看護師を補充してないから。やはり手間がかかるので、その病院に大量に兵隊、医師看護師を投入しなければいけないのにやってんのは逆で引き剥がしている。
西谷:その努力をせずに。
上:もとからやる気がないということなんです。
西谷:やる気がなかったら専門家の委員を受けるなという話ですよね。
上:専門家が受けてはいけないんです。トヨタの社長が経団連の会長やるのようなもんなんです。あなたがやるのは現業の舞台のトップなんだから、病院から一歩も動けるはずはないんです。だから本当に最初からやる気がないということなんです。
ワクチンについて
西谷: いやもう本当に、びっくりする現実が暴かれていくわけですけど、ちょっと話題を変えましてワクチンについてなんですけどね。日本もワクチンには失敗したんですけど、例えばいま、副反応が言われていなすが、先生は最初からファイザーやモデルナのワクチン1瓶から6回分取れるけど、これは身体の大きい米国人向けの分量だと。身体の小さな日本人には過剰摂取になると言ってましたけど、そうなんでしょうか。
上:はい、そう思いますよ。なぜかといいますと、海外は治験をやったデータが公開されるんです。例えばファイザー社の治験では、容量をだんだん増やしていく結果も公開しているんです。医学誌で世界最高の雑誌ニュウイングランドの論文に出しているんですね。そこを見ると10マイクロ、20マイクロ、30マイクロと量を増やして検査しいるんですが、副反応は量を増やすほど多いんです。そうすると、アメリカ人の男性の体重は平均90kg。日本人の女性は45kgですから。
西谷:半分じゃないですか。
上:日本人の女性は米国の男性に比べて2倍の量を打っているんです。
西谷:そりゃあ打ち過ぎですよね。
上:はい。千葉大学の研究で、抗体は女性の方ができやすいという報告があります。それは当たり前ですよね。量が多いのですから。
西谷:それで副反応は女性の方がきついということなんですか。
上:当たり前ですよね。 副反応も効果も女性が多いのは、量が多いからで、こんなデータはとっくに出ていて、世界の専門家のコンセンサスにはネイチャーとかニューイングランドの医学誌なんかに発表するんですね。ネイチャーはモデルな製のワクチンは数か月前に既に1/4で十分だと書いているんです。これはコンセンサスですよ。ネイチャー誌って本当に保守的なので、コンセンサスしか出さないので。
西谷:なるほど。科学的に確立されたものでないと出さないということですね。そこでネイチャーの1/4でいいというのが確たる意見なんですね。
上:はい。だからWHOみたいな政治組織でも、昨日か今日、量を減らしましょうと言っているんです。日本政府もやるべきですよね。
西谷:しかしうがった見方をすると、ファイザーやモデルナはたくさんワクチンを売りたいから、1瓶を6人分にしてるんじゃないですか。そうじゃないですか。
上:まあ、正直あんまり相手にされていないイメージなんですよ。
西谷:日本がですか。
上:はい。ファイザーの知人やモデルナの知人に聞くと、米国と中国以外はどこもこう一線であると。日本は特別大きくも小さくもないくになんだという認識なんで。ワクチンは確かに大きな利益を上げているんですが、だけど利幅としてすごく大きいわけではないらしいんですよね。
西谷:あんまりおいしい商売じゃないいうわけですか。ファイザーから見れば。
上:大したもんなんですよ。ファイザーの社長さんて、どんな人か知ってますか。
西谷:菅さんが米国に行って会えなかった人でしょ。
上:ギリシャ人の獣医さんですが、ギリシャ人の採用の獣医がニューヨークの本社のトップになるんですが、ご両親がホロコーストの生き残りなんです。そういう家庭で育って、ある意味世界の辺境ですよね。で、実力一本で、昨年ビオンテックというドイツの会社のワクチンが出たら、彼はハーバードビジネス誌のインタビューに答えているんですけど、治験て、3千億円から4千億円かかるんですが、その程度なら家は自前で出せると。国を絡めずにどんどんやれって、指示を出したんです。
西谷:それで治験がどっと進んだんですね。
上:はい。それと、産官学共同とか国がどうという文化は違うでしょう。
西谷:はい、違います。
上:そんな連中を相手に菅さんが行けばリップサービスはしますよ。しかし、リップサービスはしても、それ以上でも以下でもないんですよ。
西谷:日本に来るのが遅かったですよね。
上:日本が遅れたのは明確です。ファイザーはグローバルで治験をしたいわけで、地域で一か国ずつ選んだんです。アフリカは南アフリカ。ヨーロッパはドイツ。アジアは日本だったんですが、前臨床試験って、いろんな書類の手続きで日本は特殊な規制を課していたんで、それで遅れたんです。特殊な規制が非関税障壁として、国内メーカーを守ってきたんですが、今回は待たなかったんです。だから一か国だけ治験が遅れた。
西谷:日本だけ入れなかった。
上:はい。だから海外は年末から打てたのに日本は2月の中旬からしか打てなかったんです。
西谷:そうですね。ヨーロッパは早かったですよ。
上:世界中早いんですよ。日本だけ遅れたんです。そしたら田村大臣が特別承認をすればいいのに、それもせず治験をやったので遅れたのです。
西谷:この問題は第二次世界大戦と一緒で専門家が間違うと修正が効かないんです。でも「ムラ」の人は間違うようにやるんでしょ。
上:ムラの人たちが世界のレベルに行ってないからです。だからノモンハン事件の当時の陸軍幹部と同じなんです。
西谷:電話かけても繋がらへんし、自宅で高熱でね。そして病院のお医者さんが入院していいと言うのに、保健所が止めて、亡くなったケースもあるんですよ。
上:考えられませんよね。こんなの専門家の間違いです。さらに医師としてのではなくて、公衆衛生を医療よりも上に置いてる国なんてないですからね。
西谷:苦しんでる人を助けるのがいの一番でしょ。
上:国民ももっと怒らなくてはいけないんです。
西谷:そうですよね。現実をまだ、私たちが知らされてないということも大きいですね。
上:そうですね。
西谷:テレビに出てこのような話はできますか。
上:テレビはお呼びないですね。テレビは田原さんの番組ぐらいですね。お呼びいただくとしたら。
西谷:いわゆるワイドショーのようなみんなの見るところには出れない。
上:当然でしょうねえ。
西谷:今の話をしたら、尾身さん吹っ飛ぶもん。
上:でも、尾身さんが辞めないとだめですよ。
西谷:ああ、そうですか。
上:彼は正直言ってそんなレベルじゃあないので。
西谷:世界のレベルから2周も3周も遅れている。
上:去年の2月に中村佑輔先生に「コロナが空気感染する」と私は教えてもらいました。
西谷:そうそう。空気感染なんだそうですね。いわゆる濃厚接触というレベルではなくて、20メートル離れていてもうつったりするんですよね。
上:「3密」とかクラスターとか意味がないんです。間違っていたら、尾身さんたちは間違っていたと、早く修正すべきなんです。今でも「3密」などと言って、濃厚接触者を調査させてるじゃないですか。保健所はあんあもんサッサとやめて在宅ケアに余力を回せばいいんですよ。
西谷:ほんとですうよねえ。すぐに入院出来て、直ぐに抗体カクテルを打てるんだったら、みんな安心しますよね。
上:保健所の人たちに調査させるよりも治療した方がいいですよ。
西谷:保健所の人たちは数字しか見ませんもんね。酸素飽和度が95以下でないと入院できないとか。
上:あれは尾身さんたちが決めたんです。
西谷:これ間接殺人に近いんじゃないですか。
上:本当におかしいですよ。戦争で言えばA級戦犯ですよ。多数の方を殺しているのですから。
西谷:そういう方が補助金もらって、そこで財テクしているのは、どういうことやねんと思いますね。
上:財務諸表が公開されているから、公開データを読めば誰でもわかることですよ。
西谷:最後に、いまラムダ株が猛威を振るっていますが、ミュー株というのもあるらしいので変異株の恐怖があります。この冬が危ないと言っていましたが、このままだったらどうなって行きかすか。
上:私はこの冬で世界はある程度は乗り切ると思ってます。なぜかというと、変異株が出てきても、ワクチンの感染予防効果は半分くらいに減ったんですが、重症者が少ないんです。冬は危ないから3回目のワクチンを打つと政府は言っています。基礎的な免疫がある程度できたら、かかっても重症化しないことが分かっています。さらにこの年末までにはメルクやファイザーやロッシュなどのグローバルファーマーが飲み薬を開発しそうなんです。
西谷:いま飲み薬の話が話題になっています。
上:コロナは感染するけど重症化しない。今の日本の高齢者が既にそういう状況になっています。ワクチンを打って、飲み薬さえあれば乗り切れるんです。
西谷:安心できますよね。
上:ただ日本は病床が足りないので、いつまでたったって、どっかの病床でまとめて診ない限りは、重症者は少ないけど医療崩壊するんです。この病気は風邪とかインフルエンザほど、まだ落ち着いてはいないので、一部が重症化して亡くなるんですよ。ワクチンを打っても一部は重症化するんですよ。死なないけど重症化するんです。重症化する人たちはやっぱりまとめて診ないといけないんです。やることはもう、明確で、日本は重症者が多いわけではないんです。だけど医療崩壊してるのは受ける病院が足りなく、ベッドが足りなく、選択と集中すべきなんです。これは尾身先生あんたのとこでしなさいよということなんです。
西谷:尾身先生の病院をコロナ専門にして、そこに医者と看護師さんを集中させて、早期に治療させたら安心ですよね。
上:その通りです。それは次の首相になる方がやるかやれないかなんです。
西谷:これ、次の総選挙ってめちゃめちゃ大事になってきますよね。
上:そうなります。
西谷:これまた、菅さんみたいのが出てきたら、尾身さんが行き残ってずっとこれをやられたら、世界は治るのに日本だけ治らないということになるんじゃないでしょうか。
上:菅さんはコロナが始まった時の官房長官。官房長官、厚労大臣、与党の責任者が、今の厚労大臣だから方向転換できないんです。次の自民党の総裁選で関係ない人がいれば換えないといけないんです。変えないとまた倒閣になるんです。このやり方は合理的でないから誰がやっても失敗するんです。世界でこんなやり方してる国はないんです。重症者が世界の先進国で最も少ないけど、医療崩壊が起きるんです。
西谷:私たちが一生懸命働いて収めた税金で、この国立病院などが成り立っているので、だからみんなのための病院のはずなのに、なんと尾身さんら一部の「ムラ」の人たちのための病院となっている。
上:旧内務省衛生警察と旧陸海軍の成れの果てを見ているんですよ。
西谷:これやっぱり原発と似てませんか。こうなんか突き進んで行ったら止まらないというか。
上:原発よりも歴史が古いですからね。明治時代からの。原発はまだ、あの程度で止まっているんですけど、これ多分現場では止まらないじゃないですか。
西谷:それに素人は分かりませんからね。上先生の話を聞かないと。
上:明治時代と文化が同じなんです。特権意識を持って、俺たちが国家を仕切る。国民なんかは言うことを聞けみたいな。
西谷:かって東条英機が大和魂で勝てるんだと言っていた世界ですよね。
上:だって今はうまくいかなかったら、人流減だとか、若者を批判したりして、飲食店のせいにして、今はデパ地下のせいにしていますよね。
西谷:そしてバタバタと倒産したりしています。
上:感染対策しない店が悪いなんて言っています。
西谷:でも、いまおっしゃったように、空気で感染するんですから、対策してても止めようがない。
上:だから徹底的な検査やるしかないんです。でも、彼らもさすがに悪いとは知っているんで、オリンピックはちゃんと検査しましたよ。選手全員にワクチンを打って、毎日検査をして、陽性者は隔離した。言うこととやることが違うじゃないですか。
西谷:そりゃそうですよ。だって、小学校、中学校に運動会中止しろと言うときながら、自分たちはオリンピックという運動会をやってるんですから。
上:パラリンピックは子供たちに見に行かせましたよ。だから余計に支持率は下がったんです。
西谷:まあ最後は投げ出したわけですけど。私は投げ出さんと総選挙をやってもらって、抜本的に代える方がいいとは思っているんですけど。
上:そうでしょうね。専門家も全部リセットしないと。この話は安倍菅官邸から専門家が暴走しやすい構造に9年間にできちゃったんです。誰もチェックが入らなくなって、統帥権を盾に暴走した戦前の参謀本部と同じ構造なんです。専門性を盾に暴走しているんです。
西谷:その土台になっているのは、恐らく安倍菅政権の中でイエスマンばっかりを入れて、耳の痛いこと言う人は飛ばしていたでしょう。これが大きな問題じゃあないですか。
上:だから9年間かけてここまでおかしくなったんです。これは敗戦以上の経済的なダメージになりますよ。
西谷:やあ、そうやと思います。これからものすごい不況になって来るんじゃないですか。
上:先進国は規制を全部解除しているんです。普通の経済活動を始めているんです。日本だけなんです。ロックダウンなんて行ってる国。感染者が少ないんです。4回も5回も緊急事態宣言やっていて。
上:この冬に一番大きなのが来るんです。
西谷:ということは、いまここで準備しておかないと間に合わないですね。
上:簡単なんです。国立病院機構とJHCOでやればいいんです。ワクチン接種は国民の5割が終わっています。フランスが規制緩和したのが20%台です。米国も40%台で緩和しているんです。
西谷:ということは病院のベットと医者の数だけ確保してしっかりと体制を組めば、もうノーマルな生活ができるということですか。
上:そです。海外ではやっているんですから。
西谷:そうですね。マスク外して、サッカー見に行ったりしてますよね。
上:米国はこの問題を最も本質的に見ているものがウォールストリートジャーナルなんですよ。企業にとって合理的行動なんです。
西谷:ああ、そういうことなんですか。ということは日本も早く周回遅れが追いつかなあかんのに、まだまだ今の体制だったら遅れたままということですね。
上:専門性と経団連が言ったって尾身先生が何を素人がと言ったら、その場で終わりやないですか。尾身先生こそ素人なんです。専門家じゃないんですよ。
西谷:そういうことなんですね。
上:だって、ネイチャーやサイエンスや医学誌に書いていることが専門家のコンセンサスで、全く違うことを言ってきたんです。
西谷:そしてメディアがそれを追求しなかったんですね。
上:読まないんです。医療記者という人たちが、専門家すら厚生省に授けてもらっているんです。社内で異論が出た場合、こういう記事を掲載しないんです。これが日本のメディア。
西谷:なるほど。
上:戦前とよく似てますでしょ。
西谷:似てますねえ。上先生今日はありがとうございました。感染症はまだまだ収まりませんけど、これからも私たちにいいアドバイスを伝えていただけたらと思います。今日はどうもありがとうございます。
by nonukes
| 2021-09-16 16:20
| 小坂農園 薪ストーブ物語
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