2020年 02月 05日
関電と玄海町長だけの贈収賄事件にしてはならない!全国の電力会社を洗い出せ
関電疑獄が玄海原発の玄海町長に飛び火
小坂正則
関西電力の高浜原発の建設工事などの受注のために関西電力幹部や福井県庁の職員を巻き込んだ「関電疑獄事件」が公になったのが昨年の9月26日に第一報を打った共同通信でした。実に不思議なことに、新聞やテレビによる事件の後追い記事を全く見なくなりました。捜査当局はどうも動いていないようなのです。これほどの証拠が揃っていて、公務員が賄賂を受け取っているリストなどの物的証拠もあり、本人が認めているにもかかわらず事情聴取も行われていないのでしょうか。日本の検察は、コンビニでおにぎり1個を盗んだ65歳の老人は逮捕するが、50万円の背広仕立券の賄賂をもらっても逮捕されないのです。それは関西電力による「第三者委員会」という名前だけは、「第三者」を謳ってはいますが、中身は検察上がりの札付き弁護士で、関電による「関電疑獄揉み消し委員会」が行われていから、関電の調査結果が出るまでは動かないのでしょうか。
大阪地検は札付きの地検で、森友事件でも財務省の公文書改竄事件でも財務省理財局長(当時)・佐川宣寿(のぶひさ)氏は嫌疑不十分!起訴もしませんでしたから、今回も動く気配もありません。これまでの法務事務次官の人事案を官邸が拒否して、官邸の言いなりになる人物を事務次官に入れ替えたために、検察を官邸が支配するようになった結果、自民党の政治家の逮捕・起訴も見事になくなってしまったのです。
日本中の原発疑獄事件が漏れ始めた
しかし、「関電疑獄」事件は氷山の一角でしかありません。今度は九電の玄海原発の立地している玄海町の脇山伸太郎町長が2018年7月の町長選で当選した翌日に福井県敦賀市の建設会社「塩浜工業」から現金100万円を受け取っていた事件が明るみに出ました。今年の1月23日に新聞各紙が一斉にこの事件を取り上げていますので、誰かのたれ込みだと思います。政治家は政治資金規正法で、寄付を受けたら収支報告書に記載しなければなりませんが、「1年半あまり金庫に入れたままだった」と供述していますが、そんなことを誰が信用するでしょうか。現金授受の噂や、たれ込みがあったために、コッソリ昨年末に現金を返したのでしょう。これだけでも政治資金規正法で違反行為ですが、善意の第三者が町長選で当選した町長になぜ100万円もの大金を何の思惑もなくプレゼントするでしょうか。町長は電力会社に対して相当の権限があります。「私の友人の会社を使ってくれ」と、電力会社に要求すれば電力会社は「嫌」とはいいません。そんな絶大な権限が町長にはあるから、それを見越して「賄賂」を贈ったのでしょう。この「塩浜工業」という会社は、関西電力高浜原発など国内最多の原発15基(廃炉中を含む)がある福井県若狭地方で、土木や建設を手がけている「地場ゼネコン」です。2019年3月期の売上高は約357億円にのぼる。関東や関西にも拠点を設けており、東京スカイツリーの建設にも携わったと言います。以前は九電の原発工事にも係わっていたそうです。現在は九電の工事には係わってはいないそうです。
脇山伸太郎玄海町長は2月3日の記者会見で、「許されるのならば町長の職を続けさせてほしい」と述べ、辞職しない意向を表明したそうです。責任を取るため、条例を改正して給与を3カ月間全額受け取らない考えも示したと言います。新聞各紙は玄海町長への責任追及を続けて、批判記事を書き続けて欲しいでものす。
また、玄海町長だけではあり得ません。まだまだ多くの政治家や首長などが賄賂を電力会社や関連企業からたくさんもらっているはずです。それらを徹底的に調べ尽くしてほしいものです。
内部告発者と記者の目で「原発疑獄」を暴け
「関西電力疑獄事件」は関電内部の良心的な幹部職員と思われる方による内部告発によって、事件が明るみになったのです。幹部ではなくても関電経営に近い方の告発でしょう。玄海町長の疑惑も誰によってマスコミに告発したのかは、新聞各紙を調べても出てきませんでした。それは内部告発者を守るための処置かもしれません。不正は必ずいつかはばれるものです。各マスコミ人や新聞記者のみなさんは、記者クラブの中で、ぬくぬくと電力会社や官邸からもらう御用記事ばかり書くのではなく、自らの足で記事を書いてほしいものです。「関電疑獄」の後追い調査を行えば、必ず何処かに特ダネ事件は落ちていることでしょう。各紙の新聞記者は関電や九電だけではなく、全国の電力会社の中で行われているであろう、贈収賄事件を徹底的に調べて、どんどん特ダネ記事を書きまくってください。
by nonukes
| 2020-02-05 13:54
| 原発再稼働は許さない
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