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小坂正則の個人ブログ

安倍政権による徴用工問題とそれに伴う輸出規制攻撃には何の道理もない

安倍政権は韓国大法院の徴用工判決への介入と輸出規制を直ちにやめろ
小坂正則


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8月11日に記者会見した元徴用工問題「対決でなく対話で解決を」の弁護団たち
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河野外務大臣答弁「元徴用工の請求権は失われていない」

菅義偉官房長官は7月2日の記者会見で、いわゆる徴用工問題を挙げ「G20までに満足する解決策が示されず、信頼関係が著しく損なわれた」ので「韓国とは信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になった」と述べ、「輸出規制の強化は徴用工問題が原因で信頼関係が壊れたからだ」と、暗に認めたのです。しかし、その後それではWTOに韓国から訴えられたら「外交問題を貿易問題の絡めてはならない」というWTO原則に反するてめに、この規制は外交問題が理由ではなく、「あくまでも韓国の輸入管理がずさんだからだ」と言い訳に終始してきたのです。そして日本政府は8月2日、輸出管理の優遇措置を受けられる「ホワイト国」から、韓国を除外する政令改正を閣議決定しまたのです。そして、6日の広島での安倍首相の会見でも「韓国には日韓請求権協定をはじめ、国と国との関係の根本に関わる約束をまずはきちんと守ってほしい」といい、「最大の問題は国家間の約束を守るかどうかという信頼の問題だ。引き続き国際法に基づき、わが国の一貫した立場を主張し、韓国側に適切な対応を強く求めていく」と力説した。ここでも徴用工問題と輸出規制を一体的に考えていることが分かる。
それに対して8月11日に、韓国人元徴用工訴訟の原告弁護士と日本の支援者たちによる記者会見が行われて、声明で、弁護士らは「日本政府は韓国が『約束を守らない』と非難するが、韓国大法院は日韓請求権協定を否定したのではなく、協定を前提に法解釈を行った。河野(太郎)外相も個人賠償請求権は消滅していないと認めている」と主張。両国政府に対し、「私たちが望むのは対決ではなく対話を通じた解決。被害実態に向き合わず、国家間の政治的対立に明け暮れる姿勢は直ちに改めるべきだ」と述べた。(朝日新聞8月11日号より)

政府のいう元徴用工請求権は失われていなかった?

昨年の11月14日の外務委員会で河野外務大臣は「個人の請求権が消滅したと申し上げるわけではございませんが、個人の請求権を含め、日韓間の財産請求権の問題は日韓請求権協定により完全かつ最終的に解決済みでございます」と答えているのです。つまり、これは「財産的価値の実体的権利は全て消滅した」というのです。しかし、精神的苦痛や強制による慰謝料などの目に見えない「非財産的価値」の請求権は残っているのです。
この日の委員会で共産党の穀田委員の以下の発言があります。
1992年3月9日に柳井条約局長は、「慰謝料請求権というものが、この法律上の根拠に基づき財産的価値を有すると認められる実体的権利というものに該当するかどうかということになれば、恐らくそうではない」と答弁しているんですよ。そしてさらに、「昭和四十年、この協定の締結をいたしまして、それを受けて我が国で韓国及び韓国国民の権利、ここに言っております「財産、権利及び利益」について一定のものを消滅させる措置をとったわけでございますが、そのようなものの中にいわゆる慰謝料請求というものが入っていたとは記憶しておりません。」と明確に慰謝料請求というものが入っていないと言っているのです。(1965年6月の日韓請求権協定締結の後、12月に日本政府は措置法を作ったが、その中に精神的な権利も消滅したとは書いていなかったのです。それでもこれは日本国内の法律ですから、韓国にはこのような措置法はないでしょうから、請求権は最初から認められています)
しかし、11月14日の穀田委員の「慰謝料請求権は存在するのか」と言う質問に三上政府参考人は「請求権はない」と答弁を繰り返して、穀田委員がしつこく問い質したら、「権利自体は消滅していない。しかし、裁判に行ったときには、それは救済されない、実現しませんよということを両国が約したということだと思います。」という欺瞞的な答弁に変質したのです。「裁判では負けます」なんて、三権分立の余計な話を行政府の人間が心配してくれなくて結構です。
その他にも、「個人の請求権」の問題は一貫して日本政府は「政府が条約を結んで請求権を破棄したからといって、個人の請求権は破棄されるものではない」というのが戦後一貫した政府の考えなのです。それはシベリヤ抑留者が日本政府に「損害賠償請求」を求めたときに、「あなた方はソ連に請求して下さい。日本政府には関係ありません」と逃げる口実に使っていたのです。詳しくは(安倍政権により日本は世界から孤立する!徴用工報復の韓国輸出規制やIWC脱退)ご覧ください。

輸出規制はWTOで負け、そのツケは日本に帰ってくる

安倍政権は昨年の韓国大法院の「元徴用工裁判」の勝訴判決に対抗措置を取る手はないかと今井尚哉(経産省出身:内閣総理大臣秘書官)に安倍が指示したそうです。すると今井はすぐ部下に指示して出てきた答えが「サムソンなど半導体や液晶画面の製造過程に必要な液剤の3品目が日本から100%韓国に輸出されています。これを止めたらイチコロです」
という回答が出てきたのです。そこで、安倍は「それいいじゃん。参院選の前にやっちゃおうか」と有頂天になったそうですが、さすがに菅は「それはまずいですよ」と反対したそうです。
そしてG20が開催するまで韓国は一切返答がないのに、腹を立てた安倍は「もう我慢できない、これやるからね」と、世耕経産大臣に「3品目の輸出規制」を発表させたのです。
そしたら、韓国も文大統領もいまさら引くに引けません。しかも来年には大統領選があります。ここで腰砕けになれば選挙に大きく影響します。
その後は皆さんもご存じの通り、泥沼の展開になってきています。韓国から日本への観光客は激減しています。京都も九州でも観光地から韓国人が消えています。特に団体客がめっきり減っているのです。特に韓国に一番近い九州は、観光客の減少に地方の企業などは頭を痛めているのです。LCCなどの韓国と九州を結ぶ直行便は軒並み運休してしまいました。
韓国の半導体メイカーももちろん大打撃でしょう。しかし、韓国はフッ化水素などは海外のメーカや自国で調達するために模索しているのです。これまで、半導体に付随する小規模需要の関連資材は世界で競争するよりも互いに暗黙の国際分業で、縄張りを犯さない方が両国の関係が保てるということから、全面的に国際分業のルールが成り立っていたそうです。フッ化水素だって、日本メーカーの韓国への売り上げは数百億円と高がしれていたのです。しかし、これを韓国は国策で作れば作れるでしょう。実際にヨーロッパから2品目の調達の目処は立ったそうです。すると、今度は日本の3品目のメーカーは売り上げが激減してしまい、韓国政府はサムスンの半導体や液晶画面を日本には「安全保障上の不安があるから輸出禁止する」などの対抗措置に出られたらどうするのですか。日本では作れない「有機液晶画面」や半導体部品が来なければソニーも東芝も三菱もパナソニックもお手上げです。結局、安倍首相がバカな思いつきで拳を振り上げた結果が日本の産業界と観光業を疲弊させる結果にしかならないのです。

韓国では15日に大規模な「反安倍」集会を開催

韓国ソウルの中区地区で行政が反日の幟を掲げてそうですが、市民から抗議の声が上がって、数時間で全てを取り外したそうです。市民の声は「韓国に旅行に来てくれる日本人が見たらどう思うか。私たちは日本人がすきなんだ」と。日本のネトウヨの皆さんに、この韓国市民の声を聞かせてやりたいですね。「朝鮮人は帰れ」などのヘイトスピーチを繰り返すバカとは偉い違いです。ネット上では日韓の両NSNユーザーたちが「#好きです韓国」と「#好きです日本」というハッシュタグをつけたSNSが流行っているそうです。両国の市民は喧嘩などしません。安倍が文大統領へ売った喧嘩は、私たち両国の市民によって打ち消してやろうではありませんか。
少なくとも私たち日本人は、この喧嘩は安倍が仕掛けたもので、何の道理もない言いがかりの喧嘩だということをしっかり肝に銘じて、一刻も早く政府が行っている輸出規制を取りやめて、韓国大法院の判決に新日鉄などは素直に従って、損害賠償請求に速やかに応じるように求めようではありませんか。
韓国政府や文化人は冷静です。多くの市民は決して反日運動は行っていません。日本製品不買運動などは一部の人びとです。いま韓国で行われているの運動の大半は「反安倍」運動です。15日のソウルの集会には日本人もたくさん参加するそうです。しかし、私が気がかりなのは、日本のマスコミです。朝日新聞でも明確に「請求権は存在している」とは言いません。テレビは総なめでダメです。「韓国が不当な請求を行っている」とか「輸出規制は徴用工問題とは何の関係もない」など、まるで政府公報のような報道ばかりです。そんなテレビや新聞を見ている国民はこれじゃあ、みんな韓国が悪いと思ってしまいかねません。嘘の番組に惑わされないように気をつけましょう。特に酷いのが「TBSのひるおび」です。腐っています。




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【山田厚史の闇と死角】韓国「制裁」と徴用工判決
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by nonukes | 2019-08-12 17:58 | Comments(0)

  小坂正則

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