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小坂正則の個人ブログ

電力3社の原発で遅れているのは大規模自然災害対策工事

いま動いている9原発は福島原発事故で活躍した免震重要棟さえない
小坂正則


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5層の「深層防護」の考え方


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欧米標準装備の二重の格納容器とコアキャッチャー

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4月24日のTBSのニュースNスタ

強気の規制委委員会は果たして本気か

18日の規制委員会の会合で、各紙が「テロ対策工事が遅れている」というにユースを一斉に流していました。本日24日の規制委員会会合の続報がありました。TBSの18時からのニュースNスタでも流れていました。
日経新聞4月24日ネット版では以下の通りです。
「原子力規制委員会は24日の定例会合で、原子力発電所に設置が義務付けられているテロ対策施設が期限内に完成しない場合、原則として原発の運転停止を命じることを決めた。九州電力川内原子力発電所1号機(鹿児島県)はテロ対策施設の設置期限の2020年3月まで1年を切り、九電は建設が間に合わないと説明していた。川内1号機は停止される可能性がある。
テロ対策施設は「特定重大事故等対処施設」と呼ばれ、2011年の東京電力福島第1原発事故後にできた新規制基準で設置が義務付けられた。原子炉から離れた場所に建て、遠隔制御で原子炉を冷やす設備を備える。原子炉が航空機の衝突などによる攻撃を受けても、電源や冷却機能などを失わないようにする。
九電と関西電力、四国電力は17日、テロ対策施設の完成が規制上の期限から1~3年程度遅れるとの見通しを原子力規制委員会に報告していた。
期限に間に合わない原発は「基準不適合」となるが、規制委は24日の定例会合で期限の延長を認めなかった。不適合状態になった原発は原則として運転停止を求める方針を全会一致で決めた。」(ここまで引用)
参院選を前にして、ここで規制委員会が「まあ少し猶予期間を与えてもいいか」と、いつもの優しさを電力会社に与えたら、世論はどんな反応をするだろうかと考えたのでしょう。それとも官邸が関与した可能性もあります。安倍政権は夏の参院選が関ヶ原の戦いと考えているのです。安倍政権の長期政権樹立と憲法改正を何が何でも成し遂げるために、全力で7月21日まで戦い抜く決意だからです。そのために衆参同日選挙も取りざたされていますし、消費税先延ばしから、5%へ切り下げという説も取りだたされています。「常識も良識も通用しない」何があってもおかしくないのが安倍政権なのです。ですから、「ここは『原則論』で世論を静まらせて来年3月に最終結論を出そう」と考えたのではないでしょうか。と言うのも「原則として」という枕詞がついているのがくせ者です。

特重施設は福島原発事故級の自然災害施設

このニュースはどこの新聞社も「テロ対策」と流していますが、「特定重大事故等対処施設」の設置目的は第一に大規模自然災害で、次にテロ等と書いているのです。原子力発電の事故防護策を講じる「深層防護」の基本的な考え方は、第1層「異常の発生防止」、第2層「異常の拡大防止」、第3層「異常が拡大しても、過酷事故に至らせない」、第4層「過酷事故の進展防止」と続き第5層「放射性物質の影響から人と環境を守る」までとされているのです。これまで、日本の原発には3層の「過酷事故に至らせない」ための緊急炉心冷却装置(ECCS)などしかありませんでした。しかし、福島原発事故の反省からやっと第4層の過酷事故を防ぐ施設として「特定重大事故等対処施設」の設置義務が課せられたのです。それは福島原発事故で、メルトダウンした1~3号機の水素爆発を防ぐことができなかったことの反省を踏まえた施設なのです。もちろん「テロ対策」ではないと言えば言いすぎですが、ことさらのように「テロ対策」を強調することで、福島原発事故を遙かに超えるような事故を想定しているような飛躍した安全対策のように国民を欺す言い方だと私には強く感じるのです。想定外の事故という意味で、テロ対策や航空機対策と言うならば二重の格納容器やコアキャッチャーなど、欧米では標準装備の施設を設置すべきなのです。この特重施設は想定外のテロなどではなく、あくまでも福島原発事故級の想定内の大規模自然災害対策なのです。ですから、規制委員会は、特重施設が設置されてないのに9機の原発の再稼働を許可したこと自体がおかしいのです。

特重施設が完成するまで動いている原発は止めさせよう

今度の参院選は憲法改正や安倍独裁政権の長期化など、安倍自民党の企む戦前回帰の日本を取り戻させるのか、民主主義を回復させるのかの大きなたたかいです。その中でも、「人為的なテロ対策施設ができていないのではなく、福島原発事故のような大規模自然災害を防ぐための欧米では標準装備以下の施設だ」ということを多くの国民に理解してもらいましょう。そしてこのような「特重施設が完成するまでは9原発は動かすな」と訴えようではありませんか。
そして安倍晋三首相が世界中で嘘をばらまいている「日本の原発は世界最高レベルの安全対策が講じられている」ということの嘘が、このニュースでばれてしまったではありませんか。だって、欧米では標準の「二重の格納容器」もなければ溶け出した核燃料をすくい取る「コアキャッチャー」もない原発で、しかも大規模自然災害時に別の場所から給水したり、電力を供給したりする特重施設も完成していないのです。しかもそれだけなら福島原発事故級の安全対策ですが、今動かしている9原発は東電福島原発にはあった「免震重要棟」さえ完成してないで動かしているということをもっと声を大にして訴えていきましょう。

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by nonukes | 2019-04-24 16:37 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)