2018年 07月 28日
人口減少社会でサブリース方式のアパート経営が儲かるはずはない
楽して儲かる、そんな美味しい話はこの世にはない
小坂正則
素人でも手軽に手を出せる高収入アパート経営
先日ニュースで女性専用シェアハウス「カボチャの馬車」をサブリースで販売していた スマートデイズという会社が破産して、そこから購入したオーナーがスルガ銀行から不正な融資を受けていたことが社会問題化していました。「サブリース」と言えば大東建託やレオパレスなど大手の一括家賃補償制度で賃貸住宅を販売している会社が有名です。
私が昨年、由布市の市長選に知り合いの女性が出るというので、選挙の応援に行った時のことが思い出されます。
その日は選挙の告示前で、選挙チラシを各家に投げ込んでくる仕事でした。これなら選挙違反でもないし、誰にでもできることなので、ジョギング気分で2日間ボランティアしてきました。私は2日間で湯布院の町の隅から隅まで歩きました。その中に区画整理が進んだ駅南の新興住宅地がありました。そこは田んぼが広がった場所にポツリポツリとどれも似た同じようなアパートが建っていました。入居者募集中という幟には大東建託とかサブリースとかという名前があったように思います。その建物はみな同じ形をしていて、どれも洋風で小洒落た外観でした。それに近くではまだ建設が進んでいたのです。
湯布院と言えば観光地で自衛隊と温泉のまちですから、そこに入居するのは若い夫婦に小さな子どものいる家庭が大半でしょう。そんな田舎に20棟くらいはあったかと思うのですが「そんなに需要があるのだろうか」と私は不思議に思ったのです。
破産した「カボチャの馬車」はうたい文句が「年利8%の高収入を確保」という宣伝文句で、「素人でも手軽にできるサイドビジネス」と言ってサラリーマンなどを狙ってスルガ銀行から1億円から2億円の借金をさせて、手許金ゼロでもやれると言って顧客を瞞したそうです。それに銀行の審査を通すために通帳を偽造したり所得証明を偽造したりして審査を通していたそうですが、その偽造にスガル銀行の行員が関わっていたそうです。スルガ銀行の融資額は2000億円を超えるそうで、そのほとんどが焦げ付きだそうです。
ほとんど詐欺商法に近いサブリース契約
大東建託などの大手は「カボチャの馬車」ほど悪質ではないでしょうが、似たり寄ったりです。大東建託などの大手は不動産を持っている近郊農家の小金持ちを狙うそうです。その農家の遺産相続対策として、アパートを建てて、銀行融資を受けると資産額が減って相続税を支払わずに済むということが売りなのだそうです。しかも「30年間家賃補償で、一括借り上げですから、入居者が減っても安心ですし、アパート経営の煩わしさがありません。安心の30年間補償です」と言われたら、私だってコロッと瞞されかねませんよ。
だって、「このアパート一棟1億円で、家賃が10戸で月に100万円。年間1200万円で、10年で返済終了。残り20年が丸儲けです。こんな美味しい話しはありませんよ。銀行に預金したって1億円30年で金利は30万円そこそこですよ。どうします」と迫られるのです。しかし、そのからくりは実に巧妙です。契約書の片隅に小さな文字で、こう書いています。「10年経過後に賃貸契約額の見直しもあり得ます」と。ここがミソです。10年後には必ず大幅な家賃値下げを迫られるのです。「家が古くなったので家賃を下げなければ契約解除します」と。いきなり2割や3割の家賃値下げされるのです。しかもその頃には修繕がまっています。しかも、この一棟丸ごとサブリースで会社は何でそんなに儲かるかといえば、建物の建設費は普通のアパートに比べて2倍の価格で建設費を取るから1棟建てれば5千万円も最初に儲かる仕組みなのです。
素人が手を出して儲かるほど世の中甘くはない
私の会社の先輩が以前、「小坂、楽して儲かる話があるんだ。お前も乗らないか」と言うので、「そんなに楽して儲かる話は人に教えてはだめ。他人に教えたらあんたが儲からなくなるよ。楽して儲かる話しは黙って一人で儲けなきゃあ」と言って立ち去りました。世の中、確かに楽して儲かる話はあるかもしれません。でも人が教えてくれる「楽して儲かる話は、みな損をする話」です。だって楽して儲かる話は人には話しませんから。
2013年の現在日本の空き屋は820万戸で空き屋率は13.5%だそうです。これまで日本は人口は減ってはいますが、世帯数は増えていたそうですが、2020年から世帯数も減り始めるというのです。2023年には空き屋率が21%になるという予想があります。2023年の総住宅数は約6640万戸で、空き家数は約1397万戸になる(野村総研)とあるのです。
いまオリンピックで東京は不動産バブルと言われています。タワーマンションが飛ぶように売れているそうですが、これもオリンピックが終わったら一気にバブルが弾けて、日本が世界恐慌の引き金になるのではないかとささやかれてるそうなのです。
ですから、特にアパート経営はこれから素人が絶対やってはならない投資です。不動産投資やアパート経営は少子化が進む日本では、ほんの一部の好立地の不動産以外はマイナス価値の「負動産」になってしまうのです。「使い道はないけど毎年固定資産税がかかるし市に寄贈したいと言ってもいらないと言われて売り出しても売れない」日本中の不動産がこんなマイナス価値の負動産になるのです。
マイナス経済成長社会はお金がなくても楽しく豊かな生活を
これからの日本は世界でも例を見ないマイナス経済と少子化社会に莫大な借金を背負っているという緊縮社会が待っています。それは凄まじい社会です。まず、地方の町から若者が消えてしまいます。地方の町には高齢者しかいません。それに自治体には予算がないので、公共サービスもどんどん失われていきます。しかも消費税20%は目前です。そんな社会がもうすぐ目の前に来ているのです。
2025年問題とよく言われます。団塊の世代が後期高齢者になるときから、国民の3人に1人が65歳以上の社会になるのです。若い勤労者が2人で1人の高齢者の面倒をみなければならばい社会なのです。
そんな社会で私たちがどのように楽しく老後を暮らすかが私たちの身に迫った緊急課題なのです。そんな社会でも、私たちが自分にでできることや元気な高齢者が弱者をみんなで支え合いながら、楽しい町を作っていくことを考えなければなりません。それへのヒントはシェアと自給自足と共助だと私は思います。自分で作るものは料理でも何でも感動が二倍です。私は近ごろマヨネーズは買いません。マヨネーズは全て手作りです。自家製の卵と後は酢と油は買いますが、手作りマヨネーズは安価でとてもおいしいです。これからもどんどん手作りメニューを増やして、近所の仲間と助け合いながら豊かで楽し老後を送っていきたいと思います。
我が国の危機は北朝鮮ではなく安倍さまだ
それにしても生活保護費を160億円減額して、北朝鮮のミサイルの心配もないのにイージスアショアが2基で6千億円だとか。中古のイージス艦や使い物にならない戦闘機が1基100億円とかいって、何兆円もトランプに掴まされる我が国のポチにはいい加減に辞めてもらって、この国の危機を理解してもらえるまともな総理大臣に替わってほしいです。それでなければ私たちがチマチマと助け合って無駄な税金を使わないように努力しても国のバケツの底に大穴が空いたのでは、国民の努力もつゆに消えてしまいかねません。
元気な高齢者は無理をしない程度には働いて少しでも税金を納めて、若者に負担をかけないように汗水流しているのに、政府のトップが外国のリゾート地を飛び回って、ジャバジャバ税金をばらまいているのですから、仕方ありませんね。
これこそこの国の最大の危機です。ヨーロッパに遊びに行く前にあなたが行くべき国はすぐ近くの北朝鮮です。そこで、拉致被害者を連れ帰ることが何よりも真っ先にやらなければならない仕事です。トランプに頼んでお終りですか。自分の国のことは自分で解決しなさい。多くの国民もこの国の危機をよく分かっています。だから年寄りは自分たちで自分たちの町を少しでも住みやすい町のしようと努力しているのです。
by nonukes
| 2018-07-28 12:27
| 小坂農園 薪ストーブ物語
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