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小坂正則の個人ブログ

オウム真理教事件犯人13名の処刑は安倍独裁国家によるテロ以外のなにものでもない

オウム犯を処刑しても事件の本質や再発防止も何の答えも出ていない
小坂正則

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本日7月26日にオウム事件の犯人6名の死刑が執行されました。この20日間に13名もの死刑囚が処刑されたのです。
私は7月6日の朝起きてテレビが「一斉に本日7名のオウム事件の死刑囚の死刑が執行されることが分かりました」と臨時ニュースを流していました。そのニュースを聞いて、私はものすごく暗く重たい気持ちになったものです。その理由は私にも分かりませんでした。ただ、何だか恐ろしいまでの恐怖と不吉な気持ちに陥ったのです。
さて、オウムの死刑囚のニュースと前後して、安倍晋三とそのお友達が、西日本豪雨による避難勧告が出ている5日の夜に、「赤坂自民亭」と言う題名で国会議員宿舎でバカ騒ぎいをしている写真がネット上に流れてきました。そこには川上陽子法務大臣と安倍首相は嬉しそうに酒を酌み交わして笑った写真が映っていたのです。安倍首相も翌日オウム事件の犯人を処刑するという事実を知らなかったことはないでしょうし、川上法務大臣は自分が処刑許可の印鑑を押したのですから知っていないわけはありません。犯罪者と言えども彼らの尊い命を奪う前日に楽しそうに酒を呑んでバカ騒ぎを行うという安倍と川上両人の神経が私には理解できません。処刑に立ち会う刑務官はそのショックでトラウマになる職員が多いとTBSのテレビニュースで話されていました。それほど人の命を奪う行為は人にとっては精神的なショックを受ける行為なのだそうです。

オウム死刑囚の大量死刑は明治政府による大逆事件以後最大の処刑数

戦前には、社会主義者が弾圧された「大逆(たいぎゃく)事件」で1911年に12人が執行された例はあるが、その後一度に7名で13名の死刑囚の死刑を執行した事件は大逆事件以後最大の処刑だそうです。大逆事件とは1910年に幸徳秋水を中心とした社会主義者が天皇暗殺を企てたというでっち上げ事件で無実の罪の12名を処刑した事件です。当然戦後最大の処刑です。しかも戦後の処刑は後から法務大臣が処刑を報告するという方法が一般的だったのですが、安倍首相は天皇代替えがある来年には処刑はできないので、今年しかないという考えで、しかもマスコミにリークして政治ショーと化して死刑を楽しんだのです。朝日新聞7月7日号には以下のように書いています。
…欧州連合(EU)加盟28カ国とアイスランド、ノルウェー、スイスは6日、今回の死刑執行を受けて「被害者やその家族には心から同情し、テロは厳しく非難するが、いかなる状況でも死刑執行には強く反対する。死刑は非人道的、残酷で犯罪の抑止効果もない」などとする共同声明を発表した。そのうえで「同じ価値観を持つ日本には、引き続き死刑制度の廃止を求めていく」とした。(ここまで引用)

麻原に事件の本質を喋らせるチャンスを絶った政府の責任は大きい

麻原彰晃は「人格が崩壊している」と言われていました。しかし、法務省の説明によると処刑の直前に「あなたの亡骸は誰に託しますか」と問うたら、麻原は小さな声で「四女にお願いします」と答えたと言うのです。この話が本当なら麻原は詐病(仮病の意味)を通していたわけで、それなら、事件の本質を喋らせる方法は残されていたはずです。医者であれば麻原が詐病であるかどうかは調べれば分かるはずだからです。しかも米国CIAもこのような特異な事件の本質を調査したいと政府に申し出ていたとも言われています。「なぜ宗教的なマインドコントロールによって信者を自由に操り犯罪を行なわせることができたのか」を研究することは日本政府にとっても治安維持対策の意味でも貴重な研究課題だったはずです。
また、麻原にマインドコントロールによって犯罪を犯した犯人を処刑するのは罪が重すぎるのではないかという国民感情の高ぶりを怖れて、麻原への追求をうやむやにして、さっさと刑を執行しようと法務省は考えたのではないかとも疑われます。
7月17日朝日新聞の高橋源一郎氏による「『正しさ』が支配する社会、別の麻原を生む」という表題の高橋源一郎氏の文章に私は同意します。以下は高橋源一郎の文章の一部です。

 オウム真理教に集った者たちの多くは、元々は現代社会の矛盾に悩む善男善女たちだったろう。だが、彼らに送った麻原の回答は、ひとことでいうなら「自分の考え」を持つな、ということだった。豊田は、そのことについて別の言い方をしている。「簡単に言えば、教祖という存在を絶対とし、その指示に対しては疑問を持たず、ひたすら実行することが修行であると考えていた」(同)
 だが、この国では、70年以上前には、国民全体が、ある存在を「絶対とし、その指示に対しては疑問を持たず、ひたすら実行」していたのではなかったか。この国に戦争を仕掛けた、オウムという小さな「国」は、実は相手にそっくりでもあったのだ。(ここまで引用)

つまり戦前のこの国の民はみなオウムの信者のように「自分の考え」を持たずに「天皇」=「麻原」を信じてアジアの人びと2000万人以上と言われる人びとを殺戮したこととと同じではないかと思うのです。それを「一億総懺悔」というわけの分からない論法で曖昧な形に誤魔化して、天皇の戦争責任の追及から逃げてしまった。それがまた70年経って同じようなことが起こったのではないかと、私は問いたいのです。

死刑制度が残っている国は野蛮な国家

私は死刑制度は廃止すべきだと考えています。なぜなら、犯罪者やテロリストが行う、テロや殺人などは非人道的で野蛮な行為ですから、それらの行為は絶対に許すことはできません。しかし、その犯罪者を国家が殺すことは、国家による同等の行為が許されるということになるから、テロリストや殺人犯の行為を許さなくて国家による行為は許していいはずはありません。おまけに中国などでは「国家反逆罪」や「国家転覆罪」という国家に反抗する人間を合法的に殺すことが認められています。社会主義独裁国家では政敵を死刑にするようなことは日常茶飯事です。自由主義国家でも無実の罪で処刑された人はたくさんいるでしょう。日本でも1998年7月25日に起こった「和歌山カレー事件」の林真須美死刑囚には情況証拠だけで、死刑が確定した事件なのです。林元被告は再審請求もしていますし、マスコミの過剰な報道に引きずられるようにして逮捕起訴された事件の犯人なのです。
死刑制度を容認する政治家や政府は死刑制度を廃止しない理由として、1つに死刑制度が凶悪犯罪の抑止効果となると言います。2つ目に国民の80%が死刑制度を支持示していて、死刑廃止を支持する人は10%に過ぎないと言います。
多くの学者の説では、死刑制度が凶悪犯罪の抑止効果は一切ないそうです。確かに殺人事件の被害者家族は「犯人を殺してやりたいという衝動に駆られると」とよく言われます。でも、結果として「目には目を」で、犯人が処刑されたからと言って家族の恨みが晴れることになるのでしょうか。それよりも終身刑を設けて、一生罪を償うことの方が殺して罪を水に流すよりも、私は重たい罪になるような気がするのです。
最後に死刑制度に反対している国際組織アムネスティ・インターナショナルのメッセージを添付します。

私たちアムネスティ・インターナショナルは、死刑を人権の問題と考えています。そして、「生きる」という最も基本的な人間の権利を根本から否定する刑罰が、死刑だと考えています。
アムネスティは、1977年に「死刑廃止のためのストックホルム宣言」を発表し、「死刑は生きる権利の侵害であり、究極的に残虐で非人道的かつ品 位を傷つける刑罰である」として、あらゆる死刑に例外なく反対する姿勢を明確にし、死刑のない世界の実現に向かって活動してきました。
こうしたアムネスティの活動は、死刑廃止への世界的な潮流につながり、1991年には国連の死刑廃止国際条約(自由権規約第二選択議定書)が発効しました。それから20年あまり経った今日、死刑廃止国は世界の3分の2以上の140カ国になっています。


追加記事より
7月27日の朝日新聞によると
オウム事件の死刑囚13人の執行は、今後の死刑制度の運用にも影響を与えそうだ。特に大きいのは再審請求に対する考え方だ。再審請求中の死刑囚を執行しない慣例は長年続いてきたが、現在収容中の確定死刑囚110人のうち、約8割が再審を請求している。法務省も昨年、再審請求中の執行に踏み切った。
 今回執行された13人も、10人は再審請求中で、裁判所が請求について一度も判断していないケースもあった。ある法務省幹部は言い切った。「もう再審請求中だからといって、執行を躊躇(ちゅうちょ)する必要はない」(浦野直樹、小松隆次郎、北沢拓也)(ここまで引用)
以上の記事がありました。何と安倍独裁政権は「再審請求中の死刑囚は刑の執行をしない」という不文律さえ投げ捨ててしまったのです。こんな卑劣な政権が世界中にそんなに多くはないでしょう。北朝鮮金政権か中国習政権と似たいりょったりです。ちなみにもう一つの社会主義独裁国家のロシアでは死刑制度は廃止されているそうです。

by nonukes | 2018-07-27 01:06 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則

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