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小坂正則の個人ブログ

小学校は、なぜ1年生を無理矢理屋外に出して熱中症で死なせたのか

今年の暑さは命の危険がある暑さで1つの災害
小坂正則

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今月に入って、西日本大水害が起こったり、その後の日本列島上空に居座る2つの高気圧の影響で異常な猛暑が日本中で続いています。23日は熊谷市で41.1度という国内観測史上最高の温度を記録したそうです。23日夕、気象庁が記者会見をして、「この暑さは命の危険がある暑さ。1つの災害」と訴えていました。そのような猛暑の中で、7月17日に愛知県豊田市の小学校で、小学1年生が熱中症で亡くなるという事故がありました。ご本人は元よりご家族や関係者には大変な不幸な出来事だったでしょう。小学校の担任女性教師へのマスコミによる心ない批判などもあることでしょう。「第三者が無責任なことを言うべきではない」という御意見もあるかもしれませんが、二度とこのような不幸な事件が繰り返されないためにも、この事故=事件の検証は必要ではないかと、私は考えるのです。
ただこの事件はエアコンがなかったことが原因のような論調が多く、結果として全国でエアコン設置が進むことは悪いことではないでしょうが、はたして問題はそれだけなのでしょうか。この小学生の熱中症死亡事故には多くの疑問が残るのです。

エアコンがなかったから小学生は亡くなったのか

この事故から全国で小中学校にエアコンがないことが大きな問題として訴えられていますし、昨日政府も「来年度予算で小中学校にエアコン設置を行うように予算措置する」と発言していますので、エアコンがいまだに設置されていない学校にも設置されるのでしょうが、菅官房長官の一声で全国の小中学校に設置できるほど簡単なことなら、なぜもっと早く取り組まなかったのかという疑問が湧いてしまいます。この暑さは「災害だ」と気象庁が言うのですから、エアコンの設置してない学校は休校にすべきだったのです。災害が起こったら避難するのは当たり前なことです。
ところで、何を勘違いしているのか、脱原発派の私たちには全くいい迷惑なのですが、埼玉県の藤本正人沢市長は「快適な生活が多くの犠牲で成り立つことを原発事故で知った今、その追求をやめるべきだ。家でも学校でも冷房の中では、子どもの身体機能も弱まる」と話して、所沢市の小中学校には例外的に2校だけエアコンがあり後の小中学校にはエアコンはないそうです。脱原発派の私も無駄な照明や新幹線が夏場寒すぎるほど冷房を効かすのには困ったものだと思いますが、原発の是非とエアコンを使わないことは原発論争のすり替えでしかありません。原発反対派でも必要な電気はいらないとは言いませんし、それこそ再エネで賄えばクリーンな電気でエアコンのある快適学校生活が行われるのです。所沢市長が「エアコンを使うな」というのなら、35度以上の猛暑日は休校にすればいいのです。人の健康よりも電気を使わないことを優先する考えは間違った脱原発論です。
日本スポーツ協会の「熱中症予防運動指針」では、暑さ指数が31度以上で「運動は原則中止」とされている(朝日新聞デジタル 7月20日)とありました。当日は豊田市内の最高気温は37.3度で、高温注意報が朝から出ており、学校も把握していたそうです。


子ども主体の教育が現場で行われていないから亡くなったのでは

ただ、問題は教室にエアコンがなかったから、小学生は死んだのではありません。なせなら、校長室や職員室にはエアコンはあるでしょうし、なぜこの子を保険室に連れて行かなかったのでしょうか。保健室にはエアコンはあるでしょう。だったらエアコンがなかったからではなく、明らかにエアコンさえ使わせない学校現場の体質があったからだと考えられます。しかも他にも体調が悪いという複数の子どもがいたというのに、この担任や先生たちは大騒ぎになることを怖れて子どもへの緊急措置を取らなかったから、大事故へと発展したのではないかと考えられるのです。報道を見る限り、大まかには、

10:00~10:30 行き
10:30~11:00 公園遊び
11:00~11:30 帰り
11:50 教室にて意識不明
12:10 病院へ救急搬送
12:56 死亡を確認

とあります。お子さんは10時から公園に行くと途中に「行きたくない」と主張していたと言います。それでも女性教師が手を引いて連れて行ったのです。この時点で大きな間違いを犯しています。子どもが「行きたくない」というのは何らかの体調不良があったからだと思うのが自然です。それを無理矢理手を引いて連れて行ったと言うのですから、これは強制連行です。しかもその後のこの子の動きを注視していたのなら、何らかの異変に気づいていたはずです。しかも、完全に体調不良だった子をまた帰りも手を引いて歩かせたというのですから、この時点で考えられない異常行動を教師は取っているのです。
しかも、「この学校のすぐ近くには地域医療センターが目と鼻の先にあり、救急搬送にはさほど時間を要しない」というのに意識がなくなって、20分後にしか緊急病院に連れて行っていないのです。何度も処置するシグナルは発していたでしょう。公園に着いた時点で子どもは元気よく遊んだはずはありません。ぐったりしていたはずです。その時、「様子がおかしいので一応病院に搬送して看てもらおう」という判断はできなかったのでしょうか。また、帰りに歩いて帰らせるという異常な対応を取らずに、「学校に電話して車で迎えに来てもらい、そのまま緊急病院で看てもらう」ということだってできたはずなのです。そんな普通の人間なら何度でも死なせずに取るためのチャンスはあったのです。ではなぜこんな当たり前の緊急措置がこの学校ではできなかったのでしょうか。

教師が自分の意思を失ってロボットのような命令で動かされているからでは

多くの学校現場では教師への管理体制が昔に比べて厳しくなっていると聞きます。組合が強かった時は、教師の判断で自由にできたことが、今では何でも教頭や校長の許可を取らなければ教師が自分で判断できないと。これって何かに似ていませんか。そうです。軍隊です。元々義務教育は軍隊方式で富国強兵政策の1つでもあったのです。だから教室にエアコンなど設置したら、「軟弱な人間になってしまう」という狂った政治家や校長がいまでも残っているのです。
前文部次官の前川喜平氏が書いていましたが、運動会は軍事教練で、整列や行進は軍隊の訓練だと。日本の学校では小中学校は小さな軍人を作るためにあるのです。そこにはひとり一人の個性など全て邪魔なのです。
だって、この子は「公園に行きたくない」と先生に訴えていたのです。なぜこの子の訴えは認められなかったのでしょうか。それは簡単です。軍隊は自由行動が認められないからです。残念ながら日本の教師や政治家も、小学校や中学校が小さな軍隊だとは思っていない方が多いですが、私に言わせたら、これは小さな軍隊です。だからいじめも亡くならないし、教師による暴力もなくならないのです。もし、こどもたちが主人公で、彼らは大切なお客様で、教師はお客様へサービスを提供する使用人と考えたら、お客様が「私は今日はこの遊びはいりません」と言えば、使用人は「かしこまりました」と言って彼を自由にしただけのことなのです。

親や教師が間違っているから、この国の子どもたちは幸せになれない

「子どもは国の宝」と昔から言われていたようですが、それは「子ども=国の宝=立派な軍人又は軍人を生む機械」だっただけなのではないでしょうか。子どもには一人の人間として人格権があるのです。子どもがいやというようなことを教師が強制してはならないし、学校が軍隊なのですから、子どもが「学校に行きたくない」と言えば親は子どもを行かせない義務があるのです。子どもを守るのは最後は親しかいませんから。
学校でいじめに遭っても学校に行かせる親がたくさんいます。憲法26条を見てみましょう。第二十六条「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」とあります。
子どもに学校教育を受けさせる義務は確かに親にはあります。それは働かせたりしてはならないだけで、無理矢理学校に行かせる義務ではありません。ましてや子どもには学校に行く権利はありますが、義務など憲法には書かれていませんから、子どもは学校に行く義務など一切ありません。子どもには教育を受ける権利があるだけなのです。ですから嫌なら行かない権利がちゃんとあるのです。それが憲法の保障する教育を受ける権利なのです。
今回の事件は教師が校長の命令で働かされている結果が、このような不幸な事件とおこしたのではないかと私には思えてなりません。
最後に校長のコメントを。
豊田市立梅坪小学校の籔下(やぶした)隆校長は「これまで校外学習では大きな問題は起きておらず、気温は高かったが中止するという判断はできなかった。結果として判断が甘かったと痛感している」と記者会見で釈明したそうです。
何か自分たちには落ち度がなかったかのような発言です。「結果として判断が甘かった」という発言は、「この子が軟弱だったからこんな大変なことになってしまった」というぼやきのように聞こえるのは私だけでしょうか。何も校外学習を中止しなくてもいいのです。この子を無理矢理参加させたことが問われているのです。








by nonukes | 2018-07-25 16:22 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則

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