2018年 07月 11日
NHKは安倍首相パリ豪華バカンス中止を「総理の英断」と褒め称える
「僕ちゃんパリに行きたいよう」をネットで批判されて中止したのが真実
小坂正則
一日も早い行方不明者捜索と被災者支援を
先週西日本を襲った集中豪雨の生々し被害の状況は時が経つにつれて、ますます甚大な被害へと拡大しています。今朝の朝日新聞によれば昨日10日現在、死者159人(心肺停止1人含む)、行方不明者72人で、200人以上の方々が亡くなられている可能性があるのです。50年や100年に一度と言われる大規模な集中豪雨による豪雨災害が毎年のように全国至る所で起こっているのです。避難所に避難した人は広島県や岡山県を中心に1万人に及ぶそうです。これから猛暑が続きますので、暑さ対策や水分補給に気をつけてもらいたいですね。そんな困難な状況の被災者を尻目に、安倍首相は豪華な宴会を繰り広げていたのです。
官邸が動き出すまでの「空白の66時間」
気象庁が緊急会見を開いた5日14時に気象庁は「観測史上例のない大雨が降る」と発表してから、政府が非常災害対策本部を設置するまでの66時間もかかっているのです。
5日20時から衆議院宿舎で安倍首相はじめ自民党の幹部と新人にいる「大宴会」が開催されていました。西日本各地の被災地ではすでに大雨は降り始めていたにも関わらず。つまり、この時点で官邸は「歴史的大雨被害」を全く想定していなかったのです。以下は66時間にわたって何もしなかった官邸の実態です。(KITERAより引用)
「…今回の安倍首相の対応はどうだったか。6日午後には福岡県、佐賀県、長崎県、広島県、岡山県、鳥取県、京都府、兵庫県に大雨特別警報が出され、気象庁も「重大な危険が差し迫った異常事態」と警戒を呼びかけたが、安倍首相は会見を開くこともなかった。
さらに、翌日7日朝には岡山県倉敷市真備町の冠水をはじめ、多くの地域で大勢の人びとが救助を待っている現状が伝えられ、事態の深刻さは誰の目にもあきらかなものとなった。だが、安倍首相はそれでも非常災害対策本部の設置をおこなわず、15分間だけの関係閣僚会議を開くと、やはり記者会見をおこなうこともなく、さっさと官邸をあとにして渋谷の私邸に戻っていったのだ。」
「大雨特別警報が出ても、安倍首相は何一つ国民に「呼びかけ」をすることはなく、政府としての態度を示す非常災害対策本部の設置さえしなかった。気象庁の緊急会見から約66時間、大雨特別警報の発令から約38時間ものあいだ、安倍首相は「緊急事態」であることを示さなかった」(LITERAより)
やっと官邸が動き出したのが66時間が過ぎた7月8日午前になって「非常災害対策本部」を立ち上げて、安倍首相は『先手先手で被災地の支援に当たってほしい』と原稿棒読みの空疎な言葉に心は全く籠もっていませんでした。実際に66時間もの間何もしなかったのです。もし、5日の夜か6日の朝に、テレビで国民に向かって「緊急事態です。大雨の予想される地域に皆さんは直ちに避難してください」と呼びかけていたら被害は少なかったことでしょう。北朝鮮のミサイル発射にはNHKにJアラートを発信させて、ミサイルが日本列島を通過した後にもかかわらず、意味もなく地下鉄や新幹線をとめて、「国民の生命を守る」とうそぶく総理大臣が、実際に多くの国民の生命の危機の集中豪雨が襲ってくる天気予報にもかかわらず、能天気に9月の総裁再選に向けて仲間の議員と酒を呑んでいたのです。
天皇は「国民の安否を気遣い」、安倍晋三は「パリ旅行を気遣う」
5日の夜NHKはワールドカップの準々決勝かなにかを流していました。NHKは官邸に忖度して、わざと集中豪雨の報道は控えてのかどうかは分かりませんが、官邸は「集中豪雨で甚大な被害が出ないように」と願って、「なんとかしてご主人様パリ・バカンスを成功させなければならない」と画策していたのです。結局、外遊中止を発表したのは9日夕方で、「首相は「災害対応に全力を挙げる。人命第一、できることは何でもするという姿勢で対応していく」と述べた」と時事通信は伝えています。
しかし、人命第一を考えるなら、6日にでも7日にでも決断できたはずです。それが9日の出発直前まで延ばした理由はネット上で「安倍首相が国民を見捨ててパリ旅行」という批判が炎上したことから、「このままパリに行くことは無理」と、旅行を中止したのです。
それに比べて天皇の素早い行動を以下のように時事通信は伝えています。
「陛下、静岡訪問取りやめ=大雨被害受け-宮内庁」宮内庁は7日、西日本を中心とした大雨被害を受け、天皇、皇后両陛下が9~10日に予定していた静岡県への私的旅行を取りやめられると発表した。8日夜、サントリーホール(東京都港区)でのコンサート鑑賞も取りやめる。同庁によると、両陛下は皇居・御所で、テレビなどで状況を見守り、広範囲にわたり甚大な被害が発生していることを大変案じているという。(2018/07/07-16:28)
天皇は安倍がパリ旅行の中止を決める2日も前に決断しています。しかし、安倍首相が「外遊中止」の報道をNHKは首相の「英断」のような表現で伝えています。多くのマスコミもNHKと同じように安倍を賛美するような報道ぶりでした。ほとんどのマスコミは天皇と比べたり、ギリギリまでパリに行こうとした実態は伝えていません。
安倍外交、実は大金ばらまきの大名旅行
安倍首相は2012年12月の第2次政権発足から昨年5月までに外遊は41回で約88億円の“出張費”を使ったそうです。延べで92カ国と地域を訪問して、費やした日数が204日です。国会を休んで外遊していたのです。なぜ外遊したいかというと、日本に居るとモリカケ疑惑を追及されるので、海外に居ると誰からも追求されないので気楽なのだそうです。これまでの5年間で安倍首相がばらまいた金は、円借款やODAなど種類はいろいろありますが、総計50兆円とも言われています。これだけの金をばらまいて世界旅行をやれば、受け入れ国は最大のおもてなしで受け入れてくるでしょうから、今回もぜひパリの夜景を楽しみたかったのでしょう。
それだけではありません。トランプ交渉に行くときは帰りに何千億円もの中古武器を買わされて帰ります。米国からの武器購入額は、2008~12年度の5年間で計約3647億円だったが、安倍政権が予算編成した13~17年度は、計約1兆6244億円と約4.5倍にはね上がった。ステルス戦闘機F35、垂直離着陸輸送機オスプレイ、弾道ミサイル防衛対応のイージスシステム(イージス艦搭載)など高額装備品の導入が増えたためだ。トランプ氏が「世界最高の戦闘機」と言及したF35は計42機の購入が決まっており、陸上配備型の新型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入も決定済みだ。
支持率さえ下がらなければ何をやっても許されると思っている安倍政権
北のミサイルを日本列島から落とすという理由でイージス・アショアは一基1千億円を2基配備予定で2000億円です。水陸両用の被災救援車「レッドサラマンダー」という車を2千億円あれば全市町村に1台ずつ配備することができたのです。安倍首相は国民の生命や財産を守ることには本当に無頓着です。
10日、西日本の災害現場では行方不明者の捜索が行われる中、安倍首相は行方不明者の捜索などよりもカジノ法案の審議を優先させました。それに対して立憲民主党など野党は「国会再開よりも被災者支援を優先せよ」と要請しましたが、カジノ法案と参院議員定数6増案を今国会で強行採決する予定です。
このような強引な国会運営や集中豪雨の捜索などを無視して、自分の再選やカジノ法案などを優先して行う我がもの顔で国会や国政を乗っ取り、日本国憲法を骨抜きにして安倍独裁政権を樹立しようと企んでいるのです。そのような好き勝手に行う安倍官邸の原動力は国民の政権支持率です。
明仁天皇の旅行自粛は反安倍表明か
それは米国大統領のトランプと同じです。フェイクニュースを垂れ流して、政権を維持する大統領や総理を1日も早く一掃するためには、ファクト=真実を国民に知らせることが何よりも必要です。官邸の今井尚哉秘書官の指示の下、NHKの政権賛美放送に電通によるネット世論操作を暴き出し、アベノミクスのウソに瞞されている若者や市民を覚醒させるたたかいがいまこそ必要なのです。いま最もまともなニュースを流しているメディアはネットのLITERAや日刊ゲンダイや東京新聞です。ネット上で繰り広げられている反安倍メディアと野党と立憲主義と日本国憲法を守ろうとする市民との全面的な共闘が必要です。
国民生活を優先する政治を実現させるためにも、現憲法を支持し立憲主義政治を守ろうとするオール日本の市民共闘を実現させよう。
最後に安倍の暴走に一番こころを痛めていつのは明仁天皇だということも忘れるべきではありません。明仁天皇は政治的な行為はできませんが、今回の旅行自粛は反安倍表明なのかもしれません。
正義は我らの側にありです。
by nonukes
| 2018-07-11 23:12
| 小坂農園 薪ストーブ物語
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