2018年 06月 19日
大阪北部地震は422年前の伏見地震の再来ではないか その②
中央構造線上にない今回の大阪北部地震の次に伊方原発近辺で地震が起こる可能性は?
小坂正則
本日のテレ朝「羽鳥のモーニングショー」で昨日の地震について、京都大学防災研究所准教授・西村卓也氏はGPSを使った地殻変動の観測や研究を行っている学者だそうですが、彼によると日本は4つのプレートに挟まれていると言われているが、西日本のユーラシアプレートは小さなプレートに分かれていて、その境目で大きな地震が発生するのだと説明していました。この説はGPSが世界中で使われるようになって初めて、全国の地理を詳細に伸び縮みが計測されるようになった結果、分かったことなのです。
2016年の4月3日に放送したNHKスペシャル「巨大災害 MEGA DISASTER Ⅱ」「地震列島 見えてきた新たなリスク」という番組で紹介されたものです。実にこれは熊本地震の10日ほど前に放映したものですが、そこでも西村准教授は熊本を危険な地域と指摘していたように思われます。そして彼は2000年にも東日本海域がエネルギーを蓄えていると警告していたし、「311の2日前に起こった東日本海域の地震(M7)が、巨大きな地震を起こす引き金になるのではないかと思った」と言うのです。ただ、その時は「それを警告する勇気がなかった」とNHKでは語っていました。
その番組で説明していたのが、今朝、テレ朝に出ていた、西村卓也京大准教授です。
彼の説明によると、写真のように日本列島はそれぞれ小さなプレートに分かれていて、その境界線に沿って、大きな歪みエネルギーがたまっているそうです。昨日の大阪北部地震もその歪みの大きな場所だったそうです。そして、「有馬-高槻断層帯に近い断層で大きな地震が起きる可能性がある」ということと、「歪みが集中している場所ではいつ大きな地震が起こってもおかしくない」と説明しました。
1596年慶長伏見地震の9年後には南海トラフで慶長地震M7.9の巨大地震が起こったのです。「今回の大阪地震が南海トラフ地震を誘発する可能性はあまり考えられないが、いずれにしても必ず起こるであろう南海トラフ地震については十分警戒する必要がある」というようなことを言っていたと思います。玉川徹氏が「四国・伊予には伊方原発があり心配だが、422年前のような連動して動く可能性はないのか」と聞くと、「可能性がないとは言えない」という控えめな発言だったように思います。(このところはよく覚えていませんが、否定はしていなかったように思います)
別府湾の瓜生島は本当に沈んだのか
422年前の慶長豊後地震では大分は甚大な被害が起きました。そして別府湾に浮かんでいた瓜生島が沈んだという伝説があります。しかし、これはただの言い伝えという「昔し話」レベルの伝説ではありません。なぜなら、「瓜生島」にあったお寺「瓜生寺」の仏像が新川という町の海岸に流れ着いたものを「威徳寺」という寺が今でも祀っているのです。そのほか、現在残っている古地図が複数あり、地名なども正確に残っているのですから、「作り話」というのはどうでしょうか。私は「瓜生島」は存在していた可能性の方が大きいのではないかと思っています。
慶長伏見地震によって、伏見城が崩壊して1000人以上の人が亡くなったことなど、京都は都市だったことと、寺などが多かったために正確な史実が残されているのです。大分でもお寺の住職の日記などから、被害の実態が報告されています。それに比べて、慶長伊予地震はほとんど史実が残っていないそうです。京都などの寺に「伊予で大きな地震があったそうだ」と書かれているそうなのです。しかし、その理由として、400年前、伊予の地では日記を書くようなインテリが住んでいる大きなお寺などがなかったので、史実が残っていないのではないかと思われます。安土桃山時代では農民や町民は日記など書く文化はなく、大きな寺の住職くらいしか、書き物を残す習慣はなかったのだと言われています。ですから伊予地震の被害は不明なだけで、被害がなかったわけではないのです。もし、伊方原発沖か、もしくは原発直下で熊本地震規模の地震が襲ってきたら、650ガルほどの耐震設計の伊方原発3号機は吹き飛んでしまうでしょう。そんな危険な原発と私たちは寄り添って暮らしているのです。
南海トラフ地震の備えと慶長伊予地震の再来にも備えるべきだ
422年前の中央構造線上の大分、愛媛、大阪の3連動地震があった、その7年後の1605年には南海トラフ地震が起こりました。これは中央構造線が動いた結果、南海トラフ地震が動いたといういうよりも、南海トラフ地震の影響で、プレートが沈み込む力が地上に伝わって、3連動の地震が起こったと考えた方が自然だと思います。しかし、400年前に起こった3連動地震と今回起こった、熊本大分地震と大阪北部地震とこれから起こる南海トラフ地震との因果関係がないということは誰にも言えません。私たちは「いつ起こってもいいようにあらゆる可能性を想定して、柔軟に備える必要がある」ということです。
原発震災の一番の備えは原発を止めることです。それ以上のことがあるなら、国も電力会社も規制委員会も私たち住民に説明してください。ないから黙って見て見ぬ振りをしているのです。
伊方裁判で見えてきたこと「四電は3次元調査を行った」とウソを証言
先日の5月24日に伊方原発運転差し止め仮処分の審尋が結審しました。その中でも残った対立意見が、「四国電力は3次元調査を行っていない」という原告側の出した反論の証拠です。京都大学名誉教授の地震学者(名前は手元にありませんが調べれば分かります)に四電による地震調査資料を精査してもらったところ、「こんなデタラメな調査は調査とは言えない。こんなもので誤魔化しているのなら、私が証言してもいい。3次元調査などと言えるレベルの調査ではない」と先生は憤慨していたそうです。ですから、河合弁護士は、「本日結審というのはやめて、もう一回審尋を行って欲しい」と願い出たのですが、「その証拠の説明は文書で裁判長までだしてください」で終わりました。一番重要な活断層調査を四電は2次元調査しか行っていなくて、3次元調査などやってもいないのに、大分の仮処分ではやったと準備書面に書いていたのです。ちなみに広島でも松山でも2次元調査と書いているそうですが、なぜか大分だけ「3次元調査を実施」と書いたのかは不明です。私たちは四国電力を裁判でも追い込みますが、裁判だけでは原発の息の根をとめることはできません。できるのは裁判と政治と市民(消費者)との連携とマスコミの突き上げです。巨大地震が襲ってきて、フクシマの二の舞になる前に全原発の息の根を止めましょう!
「巨大災害 MEGA DISASTER Ⅱ」「地震列島 見えてきた新たなリスク」
by nonukes
| 2018-06-19 19:33
| 原発再稼働は許さない
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