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小坂正則の個人ブログ

東電が原発依存から再エネ重視へと大きく方向転換するのか?


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定価:本体1,700円+税
発売日:2017年09月05日
ISBN:978-4-532-32170-3
並製/A5判/160ページ
日本経済新聞出版社

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「電力の再エネ化へ」東電も背に腹は代えられない!
小坂正則

昨年の9月に出版された著書「エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ」が電力業界で話題を呼んでいるという、朝日新聞5月12日の記事が出ていました。
記事を簡単に要約すると、「東電子会社副社長の岡本浩氏や東電HDのチーフエコノミストの戸田直樹氏らが議論した内容をまとめた内容」で、その出版を奨めたのが、「経済産業省出身の西山圭太・東電HD取締役が出版するよう後押しした。ある東電関係者は『原発や既存の電力事業にこだわる頭の固い東電幹部の意識を変える思惑があったんだろう』とみる」という。

どんな中身なのか

中身は「業界第一線の専門家がタッグを組み電力自由化の先を見すえ、エネルギー問題を取り巻く外的要因から最新技術の動向を踏まえて、2050年のエネルギーのあり方を予測」また、「人口減少や電力自由化、デジタル化、分散型発電などが進むことで、電力はどのように変わるのかを利用者側、事業者側の双方の観点から解説しており、今後の原子力発電のあり方についても言及しています」とあります。また「エネルギー関連の研究者や実務家には役立つ最新情報が含まれるほか、エネルギーを軸に新たなビジネスや起業の機会をうかがう読者にも企画立案の参考にもなる一冊です。」と日経の解説文に書いています。
「電力システム改革は、電力業界の構造改革に留まらない。業界の枠を超えた新たな産業創出と次世代エネルギービジネスに関心を持つあらゆる人にとって必読者となる一冊。電力システム改革の近未来像がここにある」と推薦文にあります。
「東京電力ホールディングス(HD)が、再生可能エネルギーや新規事業を模索し始めた。再エネの世界的な広がりと電力自由化による競争激化で、『コスト面で優位』としてきた原子力事業が厳しさを増していることの裏返しにもみえる。」と朝日新聞記事にあるように、東電自身が再エネ電力の発電コストの劇的な価格低下がこれから本格的に進むのは間違いないので、ここで経営者は元より社員の頭を切り換えて、再エネ電力の導入で電力自由化を乗り切ろうとする、『宣言書』と言ってもいいのだろう。

電力業界の中で原発と再エネの分裂が始まった

電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は4月20日、国の2050年長期エネルギー政策の報告書で、二酸化炭素(CO2)の排出をなくす「脱炭素化」に向け、原発が実用段階にある選択肢と明記されたことを評価した。「安全確保を大前提に、重要なベースロード電源として活用していくことが不可欠だ」と強調した。(毎日新聞4月21日号)
電事連自体はあくまでも原発優先の政策を経産省出身の総理秘書官今井尚哉肝いりで「原発ムラ」の連中と進める宣言をしたのですが、電事連に村八分にされている東電としては、何の遠慮も必要なく「再エネ化へシフトできる」と決意したのではないだろうか。安倍政権は影の総理と揶揄されるように今井尚哉が牛耳っているので、原発と石炭火力中心に暴走しているが、東電はサッサと方向転換を決意したのではなかと思われる。著者の東京電力パワーグリッドの岡本浩副社長は「我が国は急速に進展する分散型電源や蓄電池、そしてデジタル技術など新たなテクノロジーにより、早くも次のビジネスモデルへの変革を迫られつつある。例えば、蓄電技術とデジタル技術の進展で、電気自動車やドローンなどが動く分散型蓄電池となって、運輸システムと電力システムが融合していく可能性がある」と5月13日の「電気新聞」に寄稿しています。彼は「原発ムラ」とは真逆の分散型の人間のようです。
さて、これから東電を中心にして既存の電力会社が再エネ電力へシフトして行けば行くほど原子力の発電コストが際立ってくることになり、電力会社間で発電コストに大きな価格差が出てくることでしょう。特に1兆円以上の費用をかけて、川内原発と玄海原発を真っ先に動かした九州電力は、後戻りできないほどの大きな影響が出てくることでしょう。「東電の次に債務超過になって、倒産する電力会社は九電か関電か時間の問題だ」と、私は思います。





by nonukes | 2018-05-13 14:02 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

  小坂正則