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小坂正則の個人ブログ

日立が英国に原発を建設すれば日本国民が全てを債務保証しなければならない

東芝の次は日立もイギリスの原発建設から撤退へカウントダウン
小坂正則
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安倍晋三首相は「影の総理」と呼ばれている今井尚哉理大臣秘書官が書いた政策原稿をただ読むだけの男です。ですから、これまでことごとくに間違った政策を行ってきました。その大きな1つが東芝による米原発メーカーWHの買収です。2006年にWHを6370億円で買収して、昨年7000億円の損失を出して、撤退することになったのですから、結局東芝は倒産寸前のWHに手を出したばかりに1兆3千億円以上の大損をしました。おまけに従業員は19万人から現在14万人へと削減しましたが、メモリー部門を売却したらまだ数万人がクビになるかもしれません。しかし、WHを買わせた経産省の今井尚哉はもちろん何の責任も取ってはいません。そこに続いて、今度は第二第三の「首相案件」がこの日立の原発計画なのです。日立の中西宏明会長は、今年5月の経団連会長就任が内定したばかりであり、1兆円超の投融資は中西と昵懇の安倍官邸からの格好の"ご祝儀"融資なのです。ここでも政治が私物化されて歪められた事実が露呈しています。

東芝に続いて日立も原発事業で大きな負債を抱えるか

さて、ご多分に漏れず、日立は2012年に英国の原発企業ホライズン社を6億7000万ポンド(当時の為替レートで約850億円)で買収して以来、すでに20億ポンド(約3000億円)をウィルファ原発計画に投じています。そして同プロジェクトは130万kwの原発2基の建設の総事業費は200億ポンド(約3兆900億円)。現在検討中の資金プランでは、まずホライズン社の出資金が4500億円、続いて日英双方からの事業融資が2兆2000億円のうち融資額の半分である1兆1000億円を、JBICやメガバンク3行など日本勢が供与して、それを政府が債務保証する計画なのです。つまり、この事業が東芝のように失敗したら1兆1千億円は全て日本国民の税金で補填されるのです。さて、皆さんは「建設資金の4兆円余りを債務保証しても完成して英国の電力会社に引き渡したらそのお金は返ってくるんだから、それくらいはいいんじゃないの?」とお思いかもしれませんが、そこが全然違うのです。この原発を建てた後、こんどはホライズン社が運転して電力市場で販売して35年間の間で、建設にの4兆円の投資額と、電力販売の利益を上げなければならないのです。いま、世界中の原発建設は、建設と運転と投資額回収のセットでなければどの国も建設を引き受けてはくれないのです。ですから、35年間、事故もなく、電力市場での激しい競争にも打ち勝って利益を上げる自信がなければ原発建設事業は成り立たないのです。

英国政府は原発の電力価格保証を約束しない

何とか原発が建設できたとしても、これから35年間もの長期にわたって、原子炉を動かして売電しなければなりません。ところで、5月1日のニュースで「日立の中西会長が3日に英国メイ首相と会談してイギリスの出資額や価格保証を引き上げるように交渉する。日立は好条件が引き出せなければ撤退も視野に入れていて、今月末の取締役会で協議する」と伝えています。
これだけでは何が何だかさっぱり分かりませんよね。そこで、「価格保証」について、少し詳しく説明します。35年間電力市場で競争するのですが、英国政府は「原発の電力価格保証」という制度があります。フランスのアレバが建てたヒンクリー・ポイントC原発の場合、その買い取り価格が1メガワット時あたり92.50ポンド(約1万4000円)=1kwhあたり14円という市場価格の2倍で、加えて差額決済の有効期間が35年(通常のCfDでは15年)という極めて異例の高水準に設定されているのです。
英国政府内では"ヒンクリー後"の原発の価格保証の相場は1メガワット時あたり70ポンド(約1万800円)=1kwhあたり10.8円しか出せないと言われているのです。なぜなら、昨年9月に決定された洋上風力発電所の価格は1メガワット時あたり57.50ポンド(約8800円)=1kwhあたり8.8円で、有効期間は15年間なのに、なんでそんな高額な電力を買わなければならないのかという世論の批判に晒されることが予想されうからです。アレバは同じヨーロッパの企業だから仕方がなかったにしても、日本企業に高額な電気料金を35年間も支払うなど英国民は納得するわけはありません。ですから、この話は破綻することは確実なのです。もし、話がまとまったとしても、35年間も無事故で原発が動き続けることなどあり得ません。もし、福島級の事故が起これば被害補償も全部日本政府が被ることになるかもしれないのですから、日立は撤退して、これまで投資した4,000億円余りはどぶに捨てたと思って諦めるのが一番利口な選択肢でしょう。

この原発建設には日本と英国の市民も反対しています

世界中で広がっている再エネ電力の発電コストの大幅低下が英国の原発建設にも襲っているのです。米国のGEは原発から撤退していますし、ドイツのシーメンスという原発メーカーも早々と原発建設から撤退して、再エネなどの電力など幅広い最先端の企業として発展しています。原発の固執している米国WHは倒産して、東芝もほとんど倒産状態で、日立は英国で失敗。三菱もMRJジェットで大赤字なのに、トルコの原発建設計画が当初2兆円が2倍の4兆円に膨らんで、これまた大赤字で撤退するしかない状態が続いています。バカな経営者を抱えている企業の社員はかわいそうです。でも、このバカを引っ張っているのがバカ総理ですが。



参考資料 これでも「日立」は英国「原発事業」を強行するのか
https://www.huffingtonpost.jp/foresight/hitachi-nuclear_a_23341708/
HUFFPOSTのHP


緊急共同声明
日英両国民にリスクを押し付ける日立の原発輸出は許されない
~日立・中西会長とイギリス・メイ首相との会談を受けて~
2018年5月2日
国際環境NGO FoE Japan
People Against Wylfa B

 日立の子会社であるホライズン・ニュークリア・パワーのウィルヴァ原発建設をめぐり、日立製作所の中西会長がテリーザ・メイ英国首相と面会し、イギリス側の出資額の拡大や、同原発の買取価格保証を求めると報道されています(1)。日立製作所が、このように必死になっていることは、原発ビジネスのリスクの大きさを示すものにほかなりません。
 中西会長は、同事業が民間事業として推進することは困難であるとの見解を示し、「政府がコミットしないとできないということが、英国政府・日本政府・日立の共通理解」と語っていました(2)。またプロジェクトのリスクを軽減するために、政府100パーセント出資の日本貿易保険(NEXI)による融資保証も検討されていると報道されています(3)。

 巨額のコストを要する原発は、事故リスク以外にも、安全対策費や建設費のコスト増加、規制強化への対応、住民の反対運動、放射性廃棄物の処理など、その経営上のリスクは膨大なものです。しかし、それならば、事業撤退の経営判断をすべきではないでしょうか。公的資金で国民にリスクを押し付け、事業の利益は事業者と銀行が享受するというのは許されることではありません。

 現在イギリスで建設中の原発の電力買い取り価格は92.5ポンド/MWhで、これは現在の市場価格の約2倍にも及びます。そのためイギリス監査院はこの原発事業により消費者負担が増大すると警告しています(4)。ウィルヴァ原発に高い買取価格を認めることはイギリスの国民にさらに大きなリスクとコストを負わせるのです。いったい誰のためのプロジェクトなのでしょうか。

 ウィルヴァ原発建設立地は自然豊かな場所です。EUの保護種であるキョクアジサシの繁殖地も発見されています 。日立がプロジェクトのために買収した土地の一部は、イギリス・ウェールズの自然保護区にあたる「優れて美しい自然環境エリア(AONB)」にあたります。さらに原発建設は地元の経済に貢献するどころか、かえって大きな負荷をかけかねないと指摘されています(5)。

ウィルヴァ原発に反対する地元住民団体のPAWBは、以下のように述べています。

“底なし沼である原発事業に日本のお金をつぎこまないでください。原発は時代遅れで、危険な技術で、汚染を発生させ、そしてとても高価なエネルギーです。東京電力福島発電所の事故に対し、今後日本の人々が大きな代償を支払い続けることになります。今も続くこの悲劇に終わりが見えそうにありません。日本政府が日本の原子力村を生き残らせるために、このひどい技術を他国に輸出しようとしていることは許されることではありません

東京電力福島第一原発事故はいまだ収束せず、事故原因やその後の経緯も不明なことが多いのが実情です。世界的には、再生可能エネルギーが飛躍的に伸び、コストも下がってきています。省エネの技術も進んできています。そのような中で、なぜ日本政府は、原発輸出を推し進めるのでしょうか。これは、倫理的にも、経済的にも間違った選択です。さらに、原発輸出に関する国民的議論や国会での議論もないまま、一部の企業の利益のために公的資金を投入することはゆるされません。

日本政府や企業が推進すべきものは、福島原発事故を引き起こした深い反省と教訓にもとづく、脱原発と持続可能なエネルギーのための社会システム作りや技術開発ではないでしょうか。私たちは、ウィルヴァ原発建設に強く反対します。


by nonukes | 2018-05-04 00:49 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)