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小坂正則の個人ブログ

東海第二原発が周辺6市村と「安全協定」が結べるなら、全国の原発でも結べる!

東海第二原発が締結した30キロ圏内周辺自治体との「安全協定」締結を全国に広げよう
小坂正則


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東海原発が日本の原発再稼働の権限を拡大させた

日本原電が運営する東海第二原発(茨城県東海村)は今年は建設から40年です。この原発の立地している東海村周辺30キロ圏内には5つの市があり、96万人の住民が住んでいるのです。そんな東海第二原発の再稼働の是非を決めることのできる自治体が拡大したのです。これは日本の原発政策を大きく変えるような出来事なのです。
この東海原発については脱原発の村上達也前村長が首長懇談会を設立して、「原発事故は周辺自治地への影響が大きい」と、現行の安全協定を改定して、事前了解の権限を周辺自治体にも拡大させるように日本原電にもとめていたことなどの大きな力となって、今回、3月29日に周辺5市との安全協定が締結されたのです。
3月30日の新聞各社は一斉に5市との「安全協定締結」のニュースを報じています。
この「立地以外の自治体との安全協定締結」の影響はすでに、各方面に出ています。政府は冷静さを装っていますが、内心では腸が煮えくりかるほど怒っていることでしょう。「東海村が余計なことをそそのかさなければいいのに」と。「それでなくても原発再稼働のハードルが年々高くなりつつあるのに、その上周辺自治体の了解が必要になれば、立地自治体以外の自治体が不当な要求をしてくるに違いない」と。これまで九電などは長崎県の30キロ圏内の自治体の松浦市と平戸市と壱岐市は再稼働の反対の表明をしていますし、「安全協定」の締結を求め続けてきましたが、九電は一貫して「立地自治体以外とは安全協定は結べない」と説明して来たのです。

玄海原発まで最短8.3キロの鷹島を抱え、市全域が30キロ圏内に入る松浦市の友田吉泰市長は「避難経路の確保が不十分で、現時点で再稼働を受け入れてくれと言われても容認できない」と訴えた。壱岐市の白川博一市長は「住民の不安が払拭(ふっしょく)されない限り、(再稼働)反対と言ってきた」と強調。離島は陸路での避難場所が限定されることなどを説明した上で「離島の特殊性を踏まえた避難対策が講じられるべきだ」との考えを示した。しかし、電力会社が再稼働に際し同意を取り付ける対象が原発が立地する県と市町村に限られていることに、県内の30キロ圏自治体には不満がくすぶる。
意見交換会に同席した九電の瓜生道明社長は取材に対し「要援護者の避難などサポートできることもある。再稼働前後にかかわらず、30キロ圏の住民との対話は続けたい」と語った。(2月12日西日本新聞)

とあるように、電力会社は「何が何でも絶対に安全協定は結ぶ気はないけどご理解生えるように丁寧な説明は続ける」と言い、ようは安倍晋三首相が「モリカケ疑惑」で繰り返してきたように言葉では「丁寧な説明」と、言いながら、誠実さを伴わない、口先だけの丁寧さで逃げ切ろうとしているのです。さっそく、このニュースに噛みついた御仁がいます。玄海原発の立地自治体、玄海町の岸本英雄町長はこの決定に対して「一自治体が反対しただけで国策にストップをかけることができるようになるので腑に落ちない」と不満をぶちまけていました。岸本と茨城県の6市村のどっちがまともかは良識ある人間なら誰でも分かることです。

原発再稼働のダブルスタンダードを突き壊す蜂の一差し

この説明の根拠が、まさに3月29日に崩壊してしまったのです。「結べない」のではなく「結べるけど、結びたくない」と言わざるを得なくなったのです。東海村が例外なのではありません。東電はこれまでにも、柏崎・刈羽原発の再稼働については30キロ圏内の自治体と安全協定は結ぶと発言しています。
実は、この安全協定は政府が言うように「紳士協定」なのです。だから結ぶべき根拠も亡ければ結ぶことはできないという根拠もないのです。実際は県知事がゴーサインを出せば電力会社は運転再開ができるのです。しかし、これさえも実際は法的には根拠は乏しいと言われています。ただ、県民の選んだ代表である県知事の同意がないままに原発運転は実質的には不可能です。同じように「安全協定」を結んだ市町村の同意がないままに原発を動かすことなのできません。だから「紳士協定」と言えども守らなければならない大きなな足かせになり得るのです。
「原発を絶対に事故を起こさないで運転し続ける」という自信が電力会社にあるのであれば、どことでも「安全協定」を結ばせるのは当たり前です。それだけ国民の意識が高くなったことの表れでもあるのです。まさにそれこそが国民の「社会通念」なのです。
ですから、これから全国の原発再稼働でこのような周辺市町村による「安全協定締結」の声が高まれば、ますます再稼働は困難になり、原発の終焉が早まることでしょう。これも国民の「社会通念」の結果です。

東海原発は安全協定のハードルだけではない

さて、東海第二原発は6市村との「安全協定締結」というハードルが高くなりましたが、もっと大きなハードルがあります。東海第二原発を抱える日本原電は原発専門の電力会社ですが、福島原発事故以後、電気は1キロワットも発電しないまま、7年近くも経っています。それでも潰れないという世にも不思議な電力会社です。なぜなら、基本料金という名で東電や東北電力などが支えているからです。今回も東電が8割方の債務保証をして2千億円の債務保証をして、銀行貸し付けを受けて、防潮堤などの再稼働に向けての新規制基準のための安全対策工事を進めるというのですが、その工事をやって40年から20年延長のゴーサインを規制庁からもらったとしても、周辺6市村の同意が得られなかったら運転再開は無理なのです。6市村の100万人を安全に避難させることなどできっこありません。ですから、日本原電は、再稼働など考えないで、「原発廃炉専門企業」へ、特化すべきなのです。自ら自滅の道に突き進む彼らを私たちが止める責任はありませんが。ちょうど日本帝国軍隊が太平洋戦争に突き進んで自滅したようなことになるでしょう。


by nonukes | 2018-04-06 11:23 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)