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小坂正則の個人ブログ

九州電力は原発再稼働の事故対策工事費が1兆円に迫っている

九電などの電力会社が倒産する日?!
小坂正則
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上の写真は2月28日の朝日新聞西部版の衝撃的な記事がです。これまで九電は私たちの交渉などで再稼働に伴う工事費用は3500億円とか5千億円とか言っていました。しかし、そんなのは真っ赤なウソで、1兆円に届きそうな額だというのです。そんな金額を川内原発1,2号と、玄海原発3、4号につぎ込んで元が取れるとでも思っているのでしょうか。
そして、有利子負債が2010年では2兆円で利息が340億円だったのが、2016年には金利が360億円になったそうです。そして玄海3、4号の運転を始めるころには有利子負債が3.1兆円に膨らんでしまうそうです。また、現在はマイナス金利などで利息の支払いが大きくありません。2010年の利息は1.7%だったようです。1.7%としても3.1兆円の負債額の金利は527億円になります。実際にはこれよりも少し安いかもしれません。
安倍政権による異次元の金融緩和で、日銀が国債を買って、市中にジャブジャブとお札をにばらまいているのと、マイナス金利で利息は500億円そこらで済んでいますが、マイナス金利政策はやがては終わります。そしてインフレが起これば必ず金利は上昇します。その時は金利が1千億円にもなるかもしれません。それでも3.1兆円の利息を支払い続けることが出来るでしょうか。
電力会社倒産の不安要素は山ほどある
九州電力の固定資産は38,179億円だそうですから、そこから負債額を引けばいわゆる純資産額は7,179億円です。もし、金利が倍になったら数年で純資産を食いつぶしてしまいます。そして、川内原発1、2号はこれから6年と7年で稼働40年を迎えます。つまり、そこで原則運転は終わりなのですが、1兆円もかけているのですから、60年運転を見越しているのでしょう。ただ、そのための規制委員会の検査を受けるために、また1年以上止めて、延長審査を受けなければなりません。そこで、またまた1基2千億円くらいの補強工事などが必要になってくるのです。玄海原発は16年と19年に延長検査を受ける予定なら、またまた数千億円の費用がかかります。このように原発を動かせば動かすほど金がかかるのです。
電力自由化で電気料金に原発の経費を転嫁できなくなる
これまで、電力会社が原発を動かそうとしたのは「総括原価方式」という「魔法の杖」があったからです。固定資産の約3%が利益として電気料金に加算してよかったのです。だから火力発電所よりも原発の方が建設費が高いので利益が稼げたのです。上の表は2012年時点の電力会社の原発の資産額と原発の資産を表にしたものです。そこから原発を廃炉にしたら原発の資産分がマイナスになり純資産が減ってしまうという表です。北海道と東北と東電は債務超過に陥ってしまうのです。なぜ、電力会社が原発から手を引けなかったのかというと、1つは「総括原価方式」により、原発の固定資産額の3%を利益として電気料金に乗せることが出来たので、原発をやめることは出来なかったのでしょう。もう1つの理由として、実は使用済み核燃料も固定資産として計上していますので、原発をやめたら、使用済み核燃料も有価物からコストのかかるゴミと化すため、原発も再処理もやめることが出来なかったのです。ですから、見せかけの資産に比べて実質的な資産は少ない額だと思います。まだ負債はあります。原電という会社は電力会社が作った原発専門の会社です。この会社、1ワットも発電していないのに黒字です。社員千人以上が遊んで給料をもらっています。その出所は電力会社です。年間750億円もの額を電力会社からもらって生き延びているのですが、この会社の整理費用も必要になってくのです。
2020年実施の発送電分離で虎の子を失う
よく、新電力や再エネの太陽光発電のメガソーラー建設や風力発電を送電線のつなげてもらえないという問題が起こっていますが、2020年からは、電力会社の送電線が子会社の送電線会社へ移行します。そうなると、これまで電力会社の利益だった、「託送料」(送電線使用料)が入ってこなくなります。九電の16年度託送料253億円が入ってこなくなります。
しかも、電力自由化で、これまで地域独占だったので、競争相手はいなかったのですが、いまでは電力会社の敵はうようよ居ます。ですから簡単に電気料金を値上げしたら、顧客をどんどん新電力へ取られてしまうでしょう。それに、これまでは「送電線は満杯ですから新電力さんにお貸しする余裕はありません」と、新電力の邪魔をして妨害していたのが、第三者機関がチェックをするようになるため、そう簡単に新電力への妨害行為や嫌がらせはできなくなるのです。
そんな経済状況の中で、原発の高いコストを抱えてこれから20年も40年もやっていけるとでも考えているのでしょうか。
再エネ電力が原発も石炭火力も駆逐する
「パリ協定」の締結で再エネ電力、特に太陽光発電が世界中で爆発的に拡大しています。それに電気自動車も爆発的にこれから普及するでしょう。中東や中国では太陽光発電の発電コストが3円だそうです。やがて日本もこの流れは来るでしょう。そうなったら、太陽光発電や風力などの再エネ電力を中心に販売している新電力が圧倒的なシェアを取って、電力会社の原発の電気は売れ残ってしまうでしょう。
原発運転差し止めの司法リスクが高まる
昨年12月13日に伊方原発の運転差し止め仮処分が広島高裁で下りました。伊方は阿蘇山から130キロです。玄海原発も川内原発も同じく130~150キロ圏内です。しかも川内原発には直近に火山が6つも集中しているのです。そんなところに原発を動かしていい訳はありません。これから次々と新たな運転差し止め裁判は起こることでしょう。そして、運転差し止めが下されたら、原発は動かせないけど借金だけは膨らむばかりという最悪の状態がすぐ目の前に来ていることを彼らは知らないのでしょうか。


by nonukes | 2018-03-03 18:36 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)