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小坂正則の個人ブログ

経団連と連合傘下御用組合「電力総連、基幹労連」は「今だけ、金だけ、自分だけ」

いまだに原発新規増設と建て替えを要求する経団連と電力総連など連合内御用組合
小坂正則
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経団連が経産省へ原発新規立地などの答申を渡す
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今年2月17日に経産省は経団連や消費者団体などにエネルギー基本計画の改定に向けての聞き取り調査をやったという記事が出ていました。いつもの「原発はなくてはならない重要なベースロード電源」という、やらせ答申です。このパフォーマンスなどはいつものことなのですが、私たちが見過ごしてはならないことは、この組織の数の力です。経団連(会員企業1336社で大企業が中心)や連合傘下の電力総連、基幹労連、電機労連(組合員50万人以上)の数の多さ、つまりは組織力です。

本当の原発発電コストは?

世界では「太陽光発電の発電単価がが3円台と石炭火力よりも安くなっている」ということや、「高レベル核廃棄物、いわゆる核のゴミの後始末の処分地が日本中どこにもない」こと、直近では「廃炉が決まった原発8基の低レベル放射性廃棄物の捨て場も決まっていない」という問題も出てきています。それに東電福島原発事故の廃炉作業の費用が40兆円ということですが、あくまでも現在の見積額で将来は100兆円を超えると言われています。さて、六カ所村再処理施設の建設費が2.9兆円で、使用済み核燃料の再処理費用は13.9兆円。そして高レベル廃棄物の処分費用は3.8兆円とNUMOは見積もっていますが、そもそも受け入れ場所が見つかればという話しです。見つからなかったら、このまま六ヶ所村に地上保管ですが、その方が一番安全な気がしますが、そうなれば天文学的な費用を子孫にのこすことになります。
これらの原発関連費用を積み上げたらいったいいくらになるというのでしょうか。分かっているだけで、40兆円(福島原発事故費用)+17兆円(六カ所村再処理工場と再処理費)+1兆円(もんじゅ建設費)+3.8兆円(高レベル廃棄物処分費用)+3354億円(8基の廃炉費用)=62兆1354億円です。これは現在かかると計算された費用だけです。これから上乗せされる費用の中にはもんじゅの廃炉費用(もんじゅは廃炉の方法も考えていなくて作ったため廃炉方法はこれから考えるそうです?)は入っていません。
それに原発はこれから40基以上が廃炉を迎えるのですから、その費用を現在の費用から算出しても1基420億円です。420億円×40基=1兆6千億円です。ですから、現在考えられる原発廃炉までの費用が64兆円です。
しかし、実際には廃炉費用は処分費も含めたら、1基に1千億円はかかるといわれています。つまり廃炉費用だけで、上乗せ分が2兆円です。そして東電廃炉費用が100兆円と言われていますので、これを足すと何と126兆円ものコストが実際の原発を動かして廃炉にするためにかかる計算になるのです。ここには電源三法交付金で原発関連に使われた税金はカウントされていません。つまりは原発の発電コストは10円なんかではなく、20円も30円にもなるのです。
いえ、それら原発のコストは電気料金には入れないでしょう。だって、電力自由化で入れたら既存の電力会社は皆倒産してしまいます。じゃあ誰が払うのか?国が払うのです。つまりこれらの経費はみな税金として国民が支払うのです。だから電力会社は痛くもかゆくもありません。しかし、この国が疲弊して潰れてしまう日が早まるだけでしょう。それでなくても少子高齢化で三流国家に落ちぶれると報告されているのにです。つまり、私たちは自ら、割高でしかも放射能という猛毒を環境にばらまいて、処分の方法もない「原発による電気」を選択しているのです。なぜ政府や電力会社や鉄鋼会社などは、この国が滅亡に突き進む道へまっしぐらに進みたがるのでしょうか?私には正気の沙汰とは思えません。戦前に戦艦大和を造ったのと同じように、一度決めたことは方向転換できない官僚主義国家だからでしょうか。

原発を進める唯一の理由

よく原発推進派を表すのに「今だけ、金だけ、自分だけ」という言葉があります。もうこの一言で全ては言い尽くされていて、あとどんな説明も不要でしょう。つまりは「いま自分が金儲けができたら後は知ったことじゃない」という考えは日本の商人魂にも許されない考えです。
江戸時代の近江商人は「「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」という「三方良し」という言葉がありました。「自分が儲かるだけではだめで、相手も利益があり、社会にも貢献する」というのが日本の商人魂なのです。
そんな「商人魂」のない現在の悪徳商人たちに食い物にされてしまっているのがこの国の現状なのです。

どうすればこの現状を打破できるか

サンケイ新聞の2017年2月18日号に「電力総連など3労組、民進に『2030年原発ゼロ』再考を申し入れ」という記事がありました。経営者が「今だけ、金だけ、自分だけ」というだけではありません。そこで働く労働者ももう1つ加えて「今だけ、金だけ、自分の会社だけ」という考えなのです。電力総連がどんな考えなのかなど、私は人間として許せない発言が並んでいますのでウィキペディアを読んでください。そして、その中で何でこれまで野党の民進党は明確な「脱原発」を掲げられなかったのか、掲げていたとしても「言うだけで腹の内は別」という行動を取ってきたのか。それは電力総連や鉄鋼労連などの組合員が「脱原発派」の候補の選挙を応援しないだけなら、まだましで、対立候補の自民党を応援して、脱原発派の候補を落選させてきたのです。だから、選挙に弱い民進党の候補者は「口は災いの元」と、原発には「見猿、言わ猿、聞か猿」を決め込んで、脱原発が労働者の中に一向に進まなかったのです。
さて、今回、野党第一党の「立憲民主党」は脱原発を明確に掲げました。当然のこととして、連合傘下の反動御用組合の輩たちは自民党を応援するでしょう。小選挙区で仮に5千票が対立候補に流れたら、その影響は1万票になります。ですから、次の参院選と衆院選には御用労組の電力と鉄鋼の票を上回る浮動票と棄権票を掘り起こして、選挙に行こう運動と「原発の電気はお断り」という不買運動を進めて、この輩の考えと存在を白日の下にさらけ出す必要があるのです。
そうすれば連合の御用組合の連中も「このままでは我が社は潰れてしまう」と、考え方を改めるかもしれませんし、改めなければ電力総連の組合員は会社が潰れて路頭に迷うことになるだけです。それも身から出た錆なのでしかたないでしょう。近江商人の教えは偉大です。

原発増設、経団連が要求 経産省、計画改定へ議論
東京新聞、情報速報ドットコム2018年2月20日

経産省は2月20日、エネルギー基本計画改定に向けた有識者会議を開き、経済界や消費者団体などから意見を聴取した。経団連は計画に原発増設を明記することを要求。原発の建て替えや増設を基本計画に盛り込むか否かを巡り、賛成と反対の双方の立場から議論を繰り広げた。
経団連の担当者は、産業競争力の維持のため「海外と遜色ない価格でのエネルギー供給が必要だ」と原発の必要性を強調。2030年を標的としている現在の基本計画は増設を明記していないが、30年以降も一定規模の活用が不可欠だとして、盛り込むよう求めた。(共同)
経団連は原発建設が雇用や安価なエネルギーを生み出すとして、福島原発事故後も推進の立場を変えていません。安倍政権の原発輸出も経団連に配慮している面があり、今後の政府方針が重要になりそう。(情報速報ドットコム)
これに対し、全国消費者団体連絡会の関係者は増設に反対する考えを示した。(共同)


電力総連など3労組、民進に「2030年原発ゼロ」再考を申し入れ 
サンケイ新聞2017.2.18

 原子力産業と密接な関わりを持つ電力総連、基幹労組、電機連合の3労組が2017年2月17日、民進党に対し、同党が検討中の「2030年原発ゼロ」方針を再考するよう申し入れたことがわかった。同日、都内で3労組の幹部が野田佳彦幹事長、玄葉光一郎党エネルギー環境調査会長と面会し、要請文を手渡した。原発政策をめぐる民進党と労組との対立が激化しており、蓮舫代表の指導力が問われている。
 「エネルギー・環境政策をめぐる諸課題に係る要請」と題した要請文は、電力総連の岸本薫会長と基幹労連の工藤智司委員長、電機連合の野中孝泰委員長の連名で提出。平成23年の東日本大震災以来、電気料金やエネルギーコストの高騰が経済活動や国民生活に深刻な影響を及ぼしていると強調し「徹底した効率化やコストダウンなど現場で不断の努力を積み重ねている」と訴えた。

ウィキペディアより
電力総連 (電力会社とその関連企業組合など23組合、21万8千人)
基幹労連(新日鉄や造船など400組合、組合員25万人)
電機連合(電気メーカーに中小企業の電子・電気関連企業160組合組合員数は不明)

電力総連の原発に対する考え方

「数多くの組合員が…原子力の職場で働いており、日本のエネルギー政策の一翼を担っているということに自信と誇りを持っています」と、原子力発電を推進する立場をとっている。福島第一原子力発電所事故後も「事故原因が分かっていないのに、原子力発電を見直すべきかどうかの議論はできない」「原子力発電は、議会制民主主義において国会で決めた国民の選択。もし国民が原子力発電を望んでいないのなら、社民党や共産党が伸びるはずだ」(内田厚事務局長)と、連合が脱原発方針を打診した後も方針を変えていない(東京新聞2011年6月18日号「電力総連旗振り労使一体 原発推進方針変えず」)。
2013年の第23回参院選でも、民主党に組織内候補として浜野喜史(比例区)を擁立しつつ、原発再稼働反対や、脱原発を主張する候補は推薦しない、あるいは対立候補の支援に回る動きを見せた。(脱原発派の民進党候補に対しては自民党の候補を応援するなど露骨な妨害工作を行うから、民進党議員は電力総連の妨害を怖れて原発問題に触れたくないという議員が多かった(小坂:注))

by nonukes | 2018-02-25 13:46 | 福島原発事故 | Comments(0)

  小坂正則

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