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小坂正則の個人ブログ

「不都合な真実2放置された地球」から見えてきた地球温暖化の解決策

小坂正則
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地球温暖化説の異論

昨日、私は大分のシネマ5という小さな映画館で上記のドキュメンタリー映画を観てきました。「不都合な真実」は2006年に発表されて、今回の「不都合な真実2放置された地球」は10年目の地球温暖化を訴える映画です。私は前作も観たと思うのですが、あまり大きな印象はありませんでした。
実は「地球温暖化説」と「地球寒冷化説」や「地球温暖化懐疑説」などがあって、特に地球温暖化説の中には原発推進派も混ざっていましたので、私はスンナリと「温暖化説」を支持する気にはなれなかったのです。
もちろん私は「温暖化懐疑説」や「地球寒冷化説」を支持するわけでもありません。科学は真実の追求を行う学問ですから様々な説があるのはむしろ当たり前です。科学的な真実は多数決で決めることではありません。真実は歴史が解明するでしょうから、それまでの間は色んな説を科学者の間で戦わせればいいのです。
ただ、政治や環境対策はそういうわけにはいきません。政治的な対策は多数決で決めざるを得ないのです。「100年後に地球の温度が6度上がったからこれは何とか対策を講じなければならない」といっても手遅れです。ですから、今人類にできることの全ての対策を講じる必要があるのです。温暖化対策をやって、100年後に温暖化しなかったなら、それはそれで良かったではないですか。

アル・ゴア元アメリカ副大統領の演説に涙が止まらなかった

私は「アルゴア氏の髪が随分白くなったなあ」と、感じました。1948年生まれの69歳だそうです。2000年の大統領選挙でフロリダ州の投票用紙の針の穴がまともに空かっていたら、ブッシュ大統領ではなくて、ゴア大統領が誕生していたのにと、当時は悔しんだものです。ゴア大統領だったらアフガン戦争もイラク戦争も9.11もなかったかもしれないのです。そんなゴア氏が今回の映画で2015年の地球温暖化会議の準備段階から実務者会議などなど、どれだけ活躍したのかがよく分かりました。中国の習近平氏がパリ協定に参加すると表明する中、インドの大統領が「我が国は先進国が150年間出し続けた二酸化炭素を出す権利がある」とパリ協定に難色を示す中で、世界銀行や米国の太陽光パネルメーカーに協力を取り付けるようにゴア氏が呼びかけるなどの生々し映像がありました。そして「インドの屋根上太陽光発電プログラムに 6億2500万ドルを支援する」と世界銀行が決めたとなどにより、パリ会議の最終日にインドの環境大臣はステージに立って、「インドは皆さんと一緒にこのパリ協定に参加する」と感動的な演説をして、会議の参加者が手を取り合い肩を抱き合って喜んだのです。そんな感動的な瞬間をこの映画は映し出しています。
そしてこの映画の最後に市民集会の中でのゴア氏の演説が泣けてきました。以下はその演説の内容です。下のユーチューブにその動画も観てください。

映画の演説より
歴史に残る社会運動は人類が残した功績だ。これからの運動は必ず抵抗にあい、終わりなき戦いに思えた。キング牧師は「いつまで戦うのか」と、問われたとき、“じきに終わる。なぜなら虚偽は長続きしないし最後に正義が勝つ”と説いた。今の我々も同じだ。変化を起こす時だ。「奴隷制度廃止運動」「女性参政権運動」「公民権運動」「アパルトヘイト廃止運動」「同性愛者の権利運動」これらの運動はいつの時代にも反対にあった。人類の運命は人類によって定められる。未来の人類を救うんだ。環境破壊をとめるんだ。未来に望みをつなぐんだ。容易ではない。批判を浴びることもある。しかし、その先には希望がある。地球の未来はわれわれに託された。(ここまで引用)
パリ協定には昨年になって米国のトランプ大統領が離脱を表明しました。しかし、離脱ができるのは2020年の大統領選の後だそうです。次の大統領選で大統領が替わればいいだけの話です。おまけに米国ではカリフォルニアなど多くの州がパリ協定に残ると表明していますし、米国の大企業家の大半がトランプに逆らってパリ協定から離脱しないと表明しているのです。なぜ彼らがパリ協定から離脱しないのか、その理由は脱炭素社会への投資が大きなビジネスチャンスだからです。


原発温暖化対策有効説と石炭火力元凶説への違和感

「地球温暖化」対策の中で一番問題になるのは「運転中には二酸化炭素を出さない原発は温暖化対策に有効な手段だ」という説がまかり通っていたことが、私が諸手を挙げて温暖化説に乗れなかった理由の1つなのです。もう1つが地球温暖化の元凶が石炭火力なので、原発を止めるより前に石炭火力を一番の敵として考える人々に対して違和感があったのです。私は石炭火力がいいとは言いませんが、新しいコンバインド石炭火力はエネルギー高率が上がって、二酸化炭素の排出が大幅に削減できたのですから、天然ガス発電とさほどかわらないという理由から、一部「容認派」だったのです。もう1つは二酸化炭素を地中に埋めて温暖化対策を行うという誤った方針などがまことしやかに議論されていたことにも地球温暖化防止活動に違和感を持っていた理由です。
もちろんグリンピースや緑の党など世界中の地球温暖化対策を取り組む市民グループは原発への依存などは論外でした。私との考え方の大きな隔たりは「石炭火力」に対する立ち位置だけでした。しかし、この問題が昨年の末に解決したのです。

再エネ発電が石炭火力よりも安く発電できるようになった

昨年、中東で動き出した太陽光発電が2.6円とか、最低の発電コストは1.98円ということです。中国では太陽光発電の発電コストは平均3円だそうです。これなら石炭火力よりも再エネの方が遙かに割安なのです。しかも、太陽光発電や風力発電は施設の設置コストの減価償却が過ぎればほとんどただで発電できるのです。一定のメンテナンス費用は必要でしょうが、限りなくコストは下がり続けるのです。それに比べて石炭火力や天然ガス発電は燃料費は常にかかるので、経済的には不安定な発電施設なのです。しかも、減価償却が終わったからといっても発電コストは劇的に安くはならないのです。
だから私もこれからは「原発も石炭火力も一切止めて、地球温暖化対策には再エネ発電で全てを賄うべきだ」と訴えることにしました。
再エネ発電は何よりも安くてクリーンなのですから。もちろん大規模な太陽光発電も風力も環境破壊の元凶です。環境との調和などの問題をクリアーすることは可能です。特に工場やオフィスビルや病院や学校の屋根に太陽光発電を取り付けることは再エネの普及だけではなく夏の冷房効果を上げる効果もあります。工場や企業の屋根へ太陽光発電を取り付ければ電気代を節約できて、しかも投資減税を導入すれば、企業は法人税をその分支払わなくていいのですから、再エネ投資は丸儲けなのです。日本中のビルや工場の屋根に太陽光発電を設置すれば日本でも発電コストが1キロワット5円などという価格も決して夢ではありません。日本中で再エネ革命を実現させましょう!
みなさんもぜひ「不都合な真実2」を観てください。実にいい映画です。
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アル・ゴア元アメリカ副大統領が出演し、地球温暖化や環境問題について訴えた2006年公開のドキュメンタリー映画『不都合な真実』。『第79回アカデミー賞』で長編ドキュメンタリー賞を含む2部門を受賞し、2007年にゴアは『ノーベル平和賞』を授与された。
続編となる『不都合な真実2:放置された地球』は、前作から10年経った地球の「現在」を映し出す内容。世界中で地球環境問題に取り組む人材の育成を行なっているゴアが、声を荒げて地球の危機を訴えかける様子が捉えられている。なお同作は5月17日に開幕する『第70回カンヌ国際映画祭』の特別招待作品として上映される。


by nonukes | 2018-01-18 18:31 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則

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