2017年 10月 17日
いったい何人の子どもが犠牲なれば子どもたちの生きる権利は守られるのか
小坂正則
今年3月に福井県池田町にある町立池田中学校の男子生徒が自殺した事を発表しました。
男子生徒が自殺した原因は教師の叱責(しっせき)によるものとし教育長が謝罪しました。
福井県池田町の池田中学校、当時中2年生の男子学生が、3月14日校舎の3階から飛び下り自殺した事件がありました。この事件について町教育委員会による調査結果が15日に発表されて、「担任と副担任から強い叱責を受けて追い詰められた末の自殺」と結論づける報告書を公表したそうです。
またまた、いたたましい事件が起きてしまいました。池田町の池田中学校は全校生徒が40名という小規模校だそうです。そんな小規模校でイジメによる自殺という事件が起きたことに私は強い憤りを感じます。小規模校と言えば教師の目が行き届き、イジメなどがないと言われているからです。確かに子どもたちによるイジメなどはないとしても、教師によるイジメは大規模校であろうと小規模校であろうと関係ないことです。子どもたちのイジメをさせないための監督がいじめるのですから、警官が泥棒を行うのと同じです。
なぜこんな悲劇が繰り返されるのだろうか
人格崩壊者の教師は全国にいます。そんな教師がいても残念ながら教育現場から排除する手立てはないようです。残念ながら教育労働者の権利と義務が均衡していない現実があるのでしょう。人格崩壊者の労働者の人権は守られなくてはなりませんが、そのために子どもたちが犠牲になるのは本末転倒です。教育現場から排除しても雇用が守られる仕組みを作ればいいのですから。教師の権利や見栄のために子どもたちが犠牲にならなければならないという社会は間違っています。義務教育現場の子どもたちは教師を選ぶことはできないのです。それなら、人格崩壊者の教師の現場排除の仕組みがなければ、今回のような子どもたちの犠牲は後を絶たないでしょう。
義務教育の小中学校では親も教師も「子どもたちは学校に行く義務がある」と、勘違いをしています。日本国憲法第26条第1項に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。憲法第26条第2項 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。 義務教育は、これを無償とする、とあるのです。
確かに国と保護者は教育を受けさせる義務はあります。そして子どもたちには「教育を受ける権利」はあります。しかし、子どもたちには「学校に行かなければならない義務はない」のです。ここのところをはき違えている親や教師や自治体が多いのです。
子どもたちは学校に行く権利はあっても学校に行かなければならない義務はない
このことは非常に大切なことです。多くの保護者や教師たちは「子どもたちには小中学校に行く義務がある」と、勘違いしているのです。今回の中学2年生の男子の母親もそんな義務があると考えていたような節があります。男子生徒が「学校に行きたくない」と、泣きながら訴えたのに、母親は中学校に男子生徒連れて行ったようです。残念ながら母親も男子生徒を死に追いやった責任があるでしょう。でも、母親は息子が死を選ぶなどとは考えてもいなかったでしょうから母親も犠牲者です。母親の無知と、我が子の気持ちを感じ取れなかったことが起こした事件です。子どもは親の心配することを気遣って、教師の暴力やイジメを親には言わないものです。しかし、この男子生徒は、それでも「学校に行きたくない」と、やむぬやまれぬ最後の訴えを行ったのに、母親には、それを受け止めることができなかったのです。非常に残念です。
しかし、担任と副担任にはイジメを行って男子生徒を死に追いやった刑事責任があります。それに、校長には担任と副担任によるイジメへの対策を何も取らなかったことに対する道義的責任と刑事責任があるかもしれません。男子生徒が自殺した後に母親に対して謝罪の言葉もいまだにないそうです。ひどい校長です。この校長は教育者失格です。
子どもたちは死ぬほどつらいぐらいなら学校など行かなくてもいいんだ
子どもが自律的に自覚的な行動を取ることは非常に難しいことでしょう。保護者が「学校など行かなくてもいい」という意識を持つ必要があります。それがないから、このような不幸な事件が後を絶たないのです。「死ぬな、自殺する前に学校など行くな」と、親は子どもに言い聞かせる必要があります。そうすれば子どもの心へのプレッシャーがなくなり、子どもの生命は守られるのです。あなたの子を守ることができるのは母親である、あなたしかいないのです。もう、これ以上、この国の宝である子どもたちを死に追いやる、このような事件は二度と起こしてはなりません。
私の関連ブログです
中2転落死
「担任に叱責され自殺」町教委が報告 福井
毎日新聞2017年10月15日
福井県池田町の町立池田中学校で今年3月、校舎3階の窓から2年の男子生徒(当時14歳)が転落して死亡する事故があり、町教委は15日、「担任と副担任から強い叱責を受けて追い詰められた末の自殺」と結論づける報告書を公表した。
町教委の委託を受け、事故等調査委員会が調査して報告書をまとめた。報告書などによると、男子生徒は昨年10月以降、宿題提出の遅れなどを理由に、担任の30代男性教諭と副担任の30代女性教諭から繰り返し叱責を受け、大声で怒鳴られることもあった。
生徒は3月14日朝、3階窓から飛び降りて死亡。現場に遺書と見られるノートが残されていた。調査委は「厳しい指導叱責が不適切であることには気づくことができた」と指摘。教諭2人は生徒への対応について管理職に詳しい報告をしていなかった。
堀口修一校長は「指導監督が十分にできず、彼を苦しめ、傷つけ追い詰めてしまった。深くおわびする」と謝罪した。
by nonukes
| 2017-10-17 22:54
| 小坂農園 薪ストーブ物語
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