2016年 09月 17日
別府署盗撮事件を考える市民集会を開催しました
別府署盗撮事件を考える市民集会を開催しました
小坂正則
先週10日の土曜日に14時から16時過ぎまで別府浜脇公民館にて、表記の市民集会が開催されました。主催は「おおいた市民オンブズマン」です。会場には市民約20名に新聞社やテレビなどのマスコミ各社が取材に訪れていました。
集会の呼びかけ文より
第24回参議院選挙は6月22日に公示されましたが、18日夜、別府署員2名は別府地区労働福祉会館敷地内に無断で進入し、ビデオカメラ2台を設置していたことが明らかになりました。同月24日、業者が敷地内の草刈りをした際に、木の幹と根元に置かれたブロックに、それぞれ固定されたカメラが発見されたものです。同会館は野党候補者の選挙事務所でもありました。
8年前には、県警の捜査によって教員不正採用にかかる贈収賄事件が発覚したのですが、今回は選挙に絡んで建造物侵入容疑で捜査員らが書類送検される羽目になりました。どちらもめったに表沙汰になることのないまれな事件ですが、前者が長年常態化していたことは、後者にも当てはまるのではないでしょうか。
基本的人権を侵害し、憲法19条(思想及び良心の自由)や憲法21条(表現の自由)や憲法35条(令状主義)等に違反していると言わざるを得ません。この事件を「警察権力と市民的権利」の視点から、一緒に考えてみましょう。(ここまで)
(参考資料)
第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
この事件は偶然起きた事件なのだろうか
この集会が開催されたのは、私と「おおいた市民オンブズマン」の永井理事長との電話による話し合いで決まったことなのです。私はこの事件が新聞に載った直後から「これは単なる偶然の事件だろうか?何か大きな背景があるのではないだろうか」と、考えていました。なぜなら、この事件は今年の6月の参院選の前のどさくさに紛れて、司法改革の中で議論された取り調べの可視化とセットで法案が成立した「盗聴法の改正」があったからなのです。「盗聴法」は1999年に国民の非難囂々の中で、公明党が自民党案の修正で可決した悪法です。修正案では「テロなど国際的な重要犯罪に対して盗聴が許される」や「NTT職員の立ち会いで盗聴する」などの歯止めを修正されて可決成立したのです。その歯止めを今回全て取っ払って、「いつでも、誰でも、どこででも」盗聴することができる警察権力にとって都合のいい便利な法律となったのです。
自民党がよく使う「悪法は小さく生んで大きく育てる」という方法で国民を騙したのです。
ですから私は今回の盗聴法の改悪と、「共謀罪」の提出や「緊急事態法」など一連の「警察国家」の完成を見越して、この事件は試し運転だったのではないかと考えたのです。もちろんその証拠はありませんので、私の取り越し苦労かもしれません。でも、そんな気がするほど、見事につながっているように思えたのです。
事件が起きた当時は、労組関係者はこの事件をもみ消そうとしているのではないかと疑うほど鈍感な対応でした。いまでこそ、民進党や連合は大騒ぎをしていますが、これほど大きな問題として国会やマスコミに取り上げられるのは、市民の関心が高かったからです。私たちは「警察国家を許してもいいのか」ということを真剣に議論する必要があると思います。
スノーデン氏の告発から目をそらしてはならない
先週私は大分の映画館シネマ5で「シチズンフォー・スノーデンの暴露」というドキュメンタリー映画を観ました。87回アカデミー賞のドキュメンタリー賞を取った作品です。まだ上映していますので観てください。実にすばらしい作品です。下手なサスペンス映画やスパイ映画をしのぐ緊張感やどきどき感一杯の映画でした。ただ、それよりもすごいのはこれは全てが2013年6月に香港のホテルに籠もって新聞記者と映画監督の3人でCIAやNSAで彼がこれまでに行って来たことを世界中に全て暴露するという内部告発の同時進行ドキュメントだということです。
どんな内容かというと、スノーデン氏はCIAとNSAの幹部職員でした。そこで彼がやったことは、世界中の人びとの電話やメールなどを盗聴することでした。そして、その作業はドイツのメルケル首相や日本政府や日本の大使館をも盗聴していたというものです。
セプテンバー・イレブンとして米国民の心の中に焼き付いている911テロで、米国のブッシュ政権は「愛国法」という法律を制定しました。これは礼状なしに捜査できるという基本的人権を無視した法律です。それがエスカレートして、国民の電話は元より世界中の電話もメールものぞき見していることをスノーデンは暴露したのです。
「テロの防止のためにはやむを得ない」という論理で、米国がやっているんだから、日本でもやるのは当たり前とあなたは考えますか。実際にこんなことでテロが防げるのでしょうか。私には大変疑問です。確かに盗聴や盗撮で少しは犯罪を防ぐことはできるでしょう。しかし、それで失うものがどれだけ大きなものであるかを考える必要があると私は思うのです。日本中に監視カメラが増えています。それが警察につながれば犯罪防止という名で私たちは24時間監視されて、誰がどこで何をしているかが、一部の人間に把握されます。それを把握している者が、政敵を追い落とすことなど簡単なことなのです。不倫情報で野党党首を辞任に追い込むことだって時の総理大臣にはできるようになるのです。個人情報を握った者が絶対権力を把握できるのです。これは民主主義の破壊です。独裁者は全ての情報をほしがります。だから私たちは民主主義を守るためにも個人情報を漏洩させてはならないのです。
シチズンフォー/スノーデンの暴露https://youtu.be/OCTFznybvO4
小坂正則
先週10日の土曜日に14時から16時過ぎまで別府浜脇公民館にて、表記の市民集会が開催されました。主催は「おおいた市民オンブズマン」です。会場には市民約20名に新聞社やテレビなどのマスコミ各社が取材に訪れていました。
集会の呼びかけ文より
第24回参議院選挙は6月22日に公示されましたが、18日夜、別府署員2名は別府地区労働福祉会館敷地内に無断で進入し、ビデオカメラ2台を設置していたことが明らかになりました。同月24日、業者が敷地内の草刈りをした際に、木の幹と根元に置かれたブロックに、それぞれ固定されたカメラが発見されたものです。同会館は野党候補者の選挙事務所でもありました。
8年前には、県警の捜査によって教員不正採用にかかる贈収賄事件が発覚したのですが、今回は選挙に絡んで建造物侵入容疑で捜査員らが書類送検される羽目になりました。どちらもめったに表沙汰になることのないまれな事件ですが、前者が長年常態化していたことは、後者にも当てはまるのではないでしょうか。
基本的人権を侵害し、憲法19条(思想及び良心の自由)や憲法21条(表現の自由)や憲法35条(令状主義)等に違反していると言わざるを得ません。この事件を「警察権力と市民的権利」の視点から、一緒に考えてみましょう。(ここまで)
(参考資料)
第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
この事件は偶然起きた事件なのだろうか
この集会が開催されたのは、私と「おおいた市民オンブズマン」の永井理事長との電話による話し合いで決まったことなのです。私はこの事件が新聞に載った直後から「これは単なる偶然の事件だろうか?何か大きな背景があるのではないだろうか」と、考えていました。なぜなら、この事件は今年の6月の参院選の前のどさくさに紛れて、司法改革の中で議論された取り調べの可視化とセットで法案が成立した「盗聴法の改正」があったからなのです。「盗聴法」は1999年に国民の非難囂々の中で、公明党が自民党案の修正で可決した悪法です。修正案では「テロなど国際的な重要犯罪に対して盗聴が許される」や「NTT職員の立ち会いで盗聴する」などの歯止めを修正されて可決成立したのです。その歯止めを今回全て取っ払って、「いつでも、誰でも、どこででも」盗聴することができる警察権力にとって都合のいい便利な法律となったのです。
自民党がよく使う「悪法は小さく生んで大きく育てる」という方法で国民を騙したのです。
ですから私は今回の盗聴法の改悪と、「共謀罪」の提出や「緊急事態法」など一連の「警察国家」の完成を見越して、この事件は試し運転だったのではないかと考えたのです。もちろんその証拠はありませんので、私の取り越し苦労かもしれません。でも、そんな気がするほど、見事につながっているように思えたのです。
事件が起きた当時は、労組関係者はこの事件をもみ消そうとしているのではないかと疑うほど鈍感な対応でした。いまでこそ、民進党や連合は大騒ぎをしていますが、これほど大きな問題として国会やマスコミに取り上げられるのは、市民の関心が高かったからです。私たちは「警察国家を許してもいいのか」ということを真剣に議論する必要があると思います。
スノーデン氏の告発から目をそらしてはならない
先週私は大分の映画館シネマ5で「シチズンフォー・スノーデンの暴露」というドキュメンタリー映画を観ました。87回アカデミー賞のドキュメンタリー賞を取った作品です。まだ上映していますので観てください。実にすばらしい作品です。下手なサスペンス映画やスパイ映画をしのぐ緊張感やどきどき感一杯の映画でした。ただ、それよりもすごいのはこれは全てが2013年6月に香港のホテルに籠もって新聞記者と映画監督の3人でCIAやNSAで彼がこれまでに行って来たことを世界中に全て暴露するという内部告発の同時進行ドキュメントだということです。
どんな内容かというと、スノーデン氏はCIAとNSAの幹部職員でした。そこで彼がやったことは、世界中の人びとの電話やメールなどを盗聴することでした。そして、その作業はドイツのメルケル首相や日本政府や日本の大使館をも盗聴していたというものです。
セプテンバー・イレブンとして米国民の心の中に焼き付いている911テロで、米国のブッシュ政権は「愛国法」という法律を制定しました。これは礼状なしに捜査できるという基本的人権を無視した法律です。それがエスカレートして、国民の電話は元より世界中の電話もメールものぞき見していることをスノーデンは暴露したのです。
「テロの防止のためにはやむを得ない」という論理で、米国がやっているんだから、日本でもやるのは当たり前とあなたは考えますか。実際にこんなことでテロが防げるのでしょうか。私には大変疑問です。確かに盗聴や盗撮で少しは犯罪を防ぐことはできるでしょう。しかし、それで失うものがどれだけ大きなものであるかを考える必要があると私は思うのです。日本中に監視カメラが増えています。それが警察につながれば犯罪防止という名で私たちは24時間監視されて、誰がどこで何をしているかが、一部の人間に把握されます。それを把握している者が、政敵を追い落とすことなど簡単なことなのです。不倫情報で野党党首を辞任に追い込むことだって時の総理大臣にはできるようになるのです。個人情報を握った者が絶対権力を把握できるのです。これは民主主義の破壊です。独裁者は全ての情報をほしがります。だから私たちは民主主義を守るためにも個人情報を漏洩させてはならないのです。
シチズンフォー/スノーデンの暴露https://youtu.be/OCTFznybvO4
by nonukes
| 2016-09-17 16:30
| 小坂農園 薪ストーブ物語
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