2016年 01月 14日
ソフトバンクはどこに向かって進むのだろうか?
ソフトバンクはどこに向かって進むのだろうか?
小坂正則
孫正義は何で5年前の決意を捨てたのだろうか
私は忘れもしないことがある。2011年の4月22日に自由報道協会での記者会見で孫正義氏は「脱原発」を宣言した時のインタビューを聞いて、時代が大きく変わるかもしれなと思ったのです。いえ、正確にいえば、「福島原発事故は非常に不幸な事故でしたが、そこから日本は大きく変わるだろうし、変わらなければならない」と思ったのです。
そして、ソフトバンクという通信事業者代表の孫正義氏は自らの人生をかけて日本のエネルギー政策を変えることを当時は本気に考えていたのでしょう。しかし、あれから5年の月日が経って、孫正義氏による脱原発の思いの声が私たちには全く直接聞こえなくなってしまいました。
あの時は彼も本気で日本を変えようと思っていたのだと思いますが、6.6万人もの社員を抱えて、総資産7.8兆円ものお金を動かす投資家の孫氏は、理想だけで動く事はできなかったのでしょう。今のソフトバンクの社長は孫氏ではないのですが、それでも大きな影響力を行使できる立場に居ることだけは事実でしょう。ただ、5年前にも「私が何でも決めることができるわけではないのです」とは話していました。でも、あのソフトバンクが東電と組んで事業を行うということは、どう考えても企業イメージを損なうことになると私は思います。企業ですから、激しい競争の中で勝ち抜いていかなければならない厳しさはよく分かるのですが、それでも結果として業績を引き下げる効果しか生まないのではないかと私には思えてなりません。東電と組むことは孫さんの大きな失敗だと思います。
彼は「脱原発をめざす」と宣言したのですから、少なくとも既存の電力会社と結託するのではなく、規制改革の旗手として、徹底して電力自由化を進める側に立ってほしかったものです。既存の電力会社の中でも最も311事故の責任の張本人の企業で国有化された東電と手を結ぶということは政府と手を結んで規制改革に抵抗をすると宣言したようなものだからです。
時代の寵児の使命も終わったのだろう
「ミイラ取りがミイラになる」ということわざもあるように、孫正義のソフトバンクも大きくなりすぎて、小回りが利かなくなったのか、守るべきものが増えすぎて、規制改革の旗手ではなくなってしまったのでしょう。孫正義という人間がすばらしかったのではなく、時代が孫正義を生み出したのでしょう。そう思えば納得も行くでしょう。でも、せっかく脱原発宣言を行ったのですから、もう少し道理を貫いてほしかったものです。
私は5年前、携帯をソフトバンクに変えに行った記憶があります。もうソフトバンクを使い続ける必要はなくなりました。AUかドコモに機種変更をしようと思っています。
しかも「FITの電気だけを売ります」というわけの分からない宣伝も繰り広げていますが、東電と提携して、しかも再エネ電力を売るというのはどう考えても納得が行きません。一体ソフトバンクはどこへ向かおうとしているのでしょうか。再エネ電力はバックアップがなければ安定供給はできません。だからたいていの独立系の電力会社も市場で電気を買うか、電力会社からバックアップをしてもらいます。ただ、東京ガスなどは東電と全面戦争を仕掛けていますので、東電から電気を買うことはしないでしょう。東電以外の電力会社から購入することはあり得ますが。そんな全面戦争を行おうとしている東京ガスに比べたら、ソフトバンクの腰抜け具合が見て取れます。ふがいないソフトバンクの電力参入へ顧客がどれだけ支持をすることでしょうか。私のような浮気な消費者が後を絶たないことを私は願っています。電気がクリーンなら言い訳ではないのです。その企業の心意気に消費者は支持して買うのです。ガンバレ東京ガス!
https://youtu.be/Vhv-TTuBx3Q
011/04/22 にアップロード
ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、2011年4月22日夜、自由報道協会の主催で行われた会見で、原発から自然エネルギーへの転換を訴え、私財で約10億円を投じ、太陽光や地熱、風力発電など自然エネルギーの利用について政策提言する「自然エネルギー財団」の設立について説明した。
小坂正則
孫正義は何で5年前の決意を捨てたのだろうか
私は忘れもしないことがある。2011年の4月22日に自由報道協会での記者会見で孫正義氏は「脱原発」を宣言した時のインタビューを聞いて、時代が大きく変わるかもしれなと思ったのです。いえ、正確にいえば、「福島原発事故は非常に不幸な事故でしたが、そこから日本は大きく変わるだろうし、変わらなければならない」と思ったのです。
そして、ソフトバンクという通信事業者代表の孫正義氏は自らの人生をかけて日本のエネルギー政策を変えることを当時は本気に考えていたのでしょう。しかし、あれから5年の月日が経って、孫正義氏による脱原発の思いの声が私たちには全く直接聞こえなくなってしまいました。
あの時は彼も本気で日本を変えようと思っていたのだと思いますが、6.6万人もの社員を抱えて、総資産7.8兆円ものお金を動かす投資家の孫氏は、理想だけで動く事はできなかったのでしょう。今のソフトバンクの社長は孫氏ではないのですが、それでも大きな影響力を行使できる立場に居ることだけは事実でしょう。ただ、5年前にも「私が何でも決めることができるわけではないのです」とは話していました。でも、あのソフトバンクが東電と組んで事業を行うということは、どう考えても企業イメージを損なうことになると私は思います。企業ですから、激しい競争の中で勝ち抜いていかなければならない厳しさはよく分かるのですが、それでも結果として業績を引き下げる効果しか生まないのではないかと私には思えてなりません。東電と組むことは孫さんの大きな失敗だと思います。
彼は「脱原発をめざす」と宣言したのですから、少なくとも既存の電力会社と結託するのではなく、規制改革の旗手として、徹底して電力自由化を進める側に立ってほしかったものです。既存の電力会社の中でも最も311事故の責任の張本人の企業で国有化された東電と手を結ぶということは政府と手を結んで規制改革に抵抗をすると宣言したようなものだからです。
時代の寵児の使命も終わったのだろう
「ミイラ取りがミイラになる」ということわざもあるように、孫正義のソフトバンクも大きくなりすぎて、小回りが利かなくなったのか、守るべきものが増えすぎて、規制改革の旗手ではなくなってしまったのでしょう。孫正義という人間がすばらしかったのではなく、時代が孫正義を生み出したのでしょう。そう思えば納得も行くでしょう。でも、せっかく脱原発宣言を行ったのですから、もう少し道理を貫いてほしかったものです。
私は5年前、携帯をソフトバンクに変えに行った記憶があります。もうソフトバンクを使い続ける必要はなくなりました。AUかドコモに機種変更をしようと思っています。
しかも「FITの電気だけを売ります」というわけの分からない宣伝も繰り広げていますが、東電と提携して、しかも再エネ電力を売るというのはどう考えても納得が行きません。一体ソフトバンクはどこへ向かおうとしているのでしょうか。再エネ電力はバックアップがなければ安定供給はできません。だからたいていの独立系の電力会社も市場で電気を買うか、電力会社からバックアップをしてもらいます。ただ、東京ガスなどは東電と全面戦争を仕掛けていますので、東電から電気を買うことはしないでしょう。東電以外の電力会社から購入することはあり得ますが。そんな全面戦争を行おうとしている東京ガスに比べたら、ソフトバンクの腰抜け具合が見て取れます。ふがいないソフトバンクの電力参入へ顧客がどれだけ支持をすることでしょうか。私のような浮気な消費者が後を絶たないことを私は願っています。電気がクリーンなら言い訳ではないのです。その企業の心意気に消費者は支持して買うのです。ガンバレ東京ガス!
https://youtu.be/Vhv-TTuBx3Q
011/04/22 にアップロード
ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、2011年4月22日夜、自由報道協会の主催で行われた会見で、原発から自然エネルギーへの転換を訴え、私財で約10億円を投じ、太陽光や地熱、風力発電など自然エネルギーの利用について政策提言する「自然エネルギー財団」の設立について説明した。
by nonukes
| 2016-01-14 12:19
| 電力自由化
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