2015年 09月 08日
この国のタブーに挑戦し続ける参議院議員山本太郎と若者たち
この国のタブーに挑戦し続ける参議院議員山本太郎と若者たち
小坂正則
2年前の参議院選挙に東京選挙区から無所属で立候補し当選した山本太郎という国会議員がいます。元タレントの福島原発事故で原発と放射能の怖さを知って、反原発活動を始めた無鉄砲な若者です。タレント議員ですから、何かと女性問題などで週刊誌に叩かれたりして、「この人6年間も耐えられるだろうか」と、私は大変心配でした。
しかし、いまこの男が国会の安保法案の特別委員会の審議で、安倍首相がタジタジになるくらいの迫力ある質問をしたり、NHKテレビの中継でNHK批判を行うなど、やたらと光り輝いているのです。
タレント議員と十把一絡げに言っても、青島幸夫氏や中山千夏さんや中村敦夫氏に田中康夫氏など割とまともな政治家もたくさんいましたので、「タレントイコールだめ」と私は決して思ってはいませんが、東国原や橋下徹に自民党の頭数のためのタレント議員などは、ほとんどタレント業が売れなくなったけどまだ知名度で集票力があるからと政治家になったただけの人が大半です。
常識も礼儀もわきまえない無鉄砲な若者が社会を変える
坂本龍馬や高杉晋作など、若者とは昔から「常識」や「礼儀」などには欠けた行動を取ったりするものです。だから失敗もするけど、常識にとらわれない新しい発想で、思いがけないものを生み出しり、誰もがおかしいと思っていてもできなかったことを平気で乗り越えるのです。それはちょうど裸の王様を前にして「王様は裸だ」と言った少年のようなものでしょう。もちろん常識や礼儀を持っていなかったというよりも、常識にとらわれない発想と行動力が彼らにはあったから、並の人間にはできないことができたのでしょう。決して彼らが非人間的だったというわけでもなさそうです。本当は涙もろくて、情熱人間だったのでしょう。
いま一番マスコミや世間の注目を集めている山本太郎か、それ以上に話題の若者たちが国会前で毎週のように何万人もの老若男女を集めているシールズの男女です。彼らがすごいのは、これまでの「デモの常識」を覆して「デモ」を「格好いいスタイル」に変えたことです。デモと言えばだいたい暗い顔した生真面目な左翼と言われる人たちが集まって、お決まりのシュプレヒコールを上げる、「ちょっと近寄りたくない」という普通の若者が感じる行動を見事に覆して「デモは格好いい」という1つの流行を作り出す能力が彼らにはあったのです。コールを音楽のラップ調にして軽快に歌っているように発したり、女の子は服や化粧などにも気を遣ってタレントのような人気だそうです。これは電通や博報堂をしのぐほどの相当計算された広報戦略で行動しているのでしょう。もちろんそれだけでは大変危険なのですが、中身がちゃんとしていれば、その上で戦略を立てて行動するのは決して悪いことではないのです。
誰もが知っていても決して言わなかったことを問い続ける山本太郎
山本太郎は政治家として新人で、ちょっと危なっかしとこもあります。2013年に秋の園遊会の場で、明仁天皇へ手紙を渡して直訴した出来事がありました。彼は天皇へ「原発事故の現状を訴えたかった」そうですが、国会議員は国権の最高議決機関に属する人間です。天皇は国権の長ではありません。国民の象徴でしかない人物に直訴するという行為は現憲法の精神の国民主権を踏み外す行為だと憲法学者などからは批判されましたが、手紙を読んでもらいたかったという山本太郎の思いは私も理解できますし、手紙を渡すことくらいは、目くじらを立てて騒ぐ程のことでもないと思うのです。私はむしろ、福島の現状に思いを寄せる人間山本太郎に親しみさえ感じるのです。
その山本太郎が議員2年目にして国会質問に輝きが増してきています。
それは安全保障法案特別委員会での出来事でした。山本太郎は8月25日、参院平和安全法制特別委員会での質問で、イラク戦争で米軍が行った民間人虐殺事件を取り上げて、「これは戦争犯罪ですよね」と安倍晋三首相に迫ったら、首相は「それが事実だったかどうかをこの場で確認することができないので答えられない」と逃げたので、「それでは誰でも知っている行為について質問します」と言って「米軍が日本に対して行った原爆投下や東京大空襲は戦争犯罪ではないですか」と迫りました。首相は答えず、岸田外務大臣が「人道上問題のある行為」と発言させていましたが、安倍首相は沈黙を守っていました。
米軍による原爆投下は明らかに国際条約違反の戦争犯罪です。もちろん日本軍による中国など東南アジアで行った虐殺もみんな戦争犯罪です。でも、国会議員の多くが広島・長崎・東京大空襲に対して戦争犯罪だという主張をしないのです。山本太郎は米軍のイラクや中東戦争で繰り広げてきた戦争犯罪の数々を上げて、戦争法案が通れば自衛隊と米軍が一体となって戦争犯罪に自衛隊が手を貸すことになるではないかと、追求したかったのです。しかし、安倍首相は聞く耳を持っていません。だから彼はテレビ中継を通じて私たちに政治の中にあるタブーの衣を一枚一枚剥がしながら真実を訴えたかったのでしょう。
戦争させないために本音の議論ができる文化を
8月6日「NHK日曜討論」で、参議院議員の山本太郎氏が、同局の報道姿勢を厳しく批判する場面がありました。この日の放送は、現在参議院で審議中の安保関連法案について、参院に議席を持つ10党の代表議員による討論でした。山本氏は「憲法違反の法案に理解を深めようとすること自体が間違い」と言い、メディアの報道にも問題があると指摘。「NHKは官邸に対するゴマすり報道がひどすぎる」と言い、その具体的な例として「NHKは6月、憲法学者や行政法学者の多くが参加する学会で今回の同法案が違憲かどうかを尋ねるアンケートを実施したそうだが、その内容は「クローズアップ現代」でわずか2分しか報じられなかったと」と言います。「しかも「違憲」と回答した人が約89%、「合憲」と回答した人が約7%という調査結果についても、同番組では明かされなかった」というのです。そして「番組でコメントした学者は違憲派が2人、合憲派が3人となっていた」と言い、「これは明らかに安倍政権への顔色をうかがうような偏向放送ではないか」と批判したのです。また、高校野球は7時半まで延長放映するのになぜ今回の法案審議は6時には中継を打ち切るのですか。今回の法案審議より高校野球の方が重要なのですか。本法案の残りの審議全て中継する気概を見せていただきたい」と、NHKに注文を付けています。こんなNHKの中継でNHKを批判できる政治家を私はこれまで見たことがありません。まさかNHKも途中で音声を切るわけにも行かず、モミイ会長は怒り狂っていたことでしょう。
このように山本太郎やシールズの若者たちによって作られようとしている一種の「本音の文化」が日本に芽生えているように私には思えてなりません。「私たちには何のタブーもないんだ」という文化です。この国の憲法の上に米国があり、米国の御用聞きのように政治家も日本政府もマスコミも動くのですが、それは決して口に出してはならないタブーなのです。この国にはあまりもタブーがありすぎます。
8月19日の審議では山本太郎は「日本政府がこれまでにやって来た日米関係の政治は米国アミテージレポートに書いていることと全く同じではないか。日本政府は米国の御用聞きのような政治を行っているのではないか」と国会議員なら誰でも知っているが決して言わないことを質問していました。
「この国は米国の属国であり、米国の許しを得ないで自由に自分たちで政治や政策を決めることはできないんだ」という真実を踏まえて議論すべきなのです。辺野古もTPPも原発の再稼働も米国の要求なのです。
そんな属国でも、まだ言論の自由だけはこの国にもあります。だから言論の自由がある今の内に、私たち一人ひとりが本音で議論して自分の意見を社会に発言し続けなければ米国とその御用聞きのような安倍政権の策略に負けてしまうでしょう。16日には参議院で戦争法案は可決されると毎日新聞は報道していました。時間がありません。残された時間は僅かですが、私たち一人ひとりのできることを行動し続けましょう。
https://youtu.be/x_C3scx6dDg
山本太郎事務所編集】Taro Yamamoto 2015.8.19①安保特「今回の安保法案は、第3次アーミテージ・ナイ・レポートの完コピだ!」
小坂正則
2年前の参議院選挙に東京選挙区から無所属で立候補し当選した山本太郎という国会議員がいます。元タレントの福島原発事故で原発と放射能の怖さを知って、反原発活動を始めた無鉄砲な若者です。タレント議員ですから、何かと女性問題などで週刊誌に叩かれたりして、「この人6年間も耐えられるだろうか」と、私は大変心配でした。
しかし、いまこの男が国会の安保法案の特別委員会の審議で、安倍首相がタジタジになるくらいの迫力ある質問をしたり、NHKテレビの中継でNHK批判を行うなど、やたらと光り輝いているのです。
タレント議員と十把一絡げに言っても、青島幸夫氏や中山千夏さんや中村敦夫氏に田中康夫氏など割とまともな政治家もたくさんいましたので、「タレントイコールだめ」と私は決して思ってはいませんが、東国原や橋下徹に自民党の頭数のためのタレント議員などは、ほとんどタレント業が売れなくなったけどまだ知名度で集票力があるからと政治家になったただけの人が大半です。
常識も礼儀もわきまえない無鉄砲な若者が社会を変える
坂本龍馬や高杉晋作など、若者とは昔から「常識」や「礼儀」などには欠けた行動を取ったりするものです。だから失敗もするけど、常識にとらわれない新しい発想で、思いがけないものを生み出しり、誰もがおかしいと思っていてもできなかったことを平気で乗り越えるのです。それはちょうど裸の王様を前にして「王様は裸だ」と言った少年のようなものでしょう。もちろん常識や礼儀を持っていなかったというよりも、常識にとらわれない発想と行動力が彼らにはあったから、並の人間にはできないことができたのでしょう。決して彼らが非人間的だったというわけでもなさそうです。本当は涙もろくて、情熱人間だったのでしょう。
いま一番マスコミや世間の注目を集めている山本太郎か、それ以上に話題の若者たちが国会前で毎週のように何万人もの老若男女を集めているシールズの男女です。彼らがすごいのは、これまでの「デモの常識」を覆して「デモ」を「格好いいスタイル」に変えたことです。デモと言えばだいたい暗い顔した生真面目な左翼と言われる人たちが集まって、お決まりのシュプレヒコールを上げる、「ちょっと近寄りたくない」という普通の若者が感じる行動を見事に覆して「デモは格好いい」という1つの流行を作り出す能力が彼らにはあったのです。コールを音楽のラップ調にして軽快に歌っているように発したり、女の子は服や化粧などにも気を遣ってタレントのような人気だそうです。これは電通や博報堂をしのぐほどの相当計算された広報戦略で行動しているのでしょう。もちろんそれだけでは大変危険なのですが、中身がちゃんとしていれば、その上で戦略を立てて行動するのは決して悪いことではないのです。
誰もが知っていても決して言わなかったことを問い続ける山本太郎
山本太郎は政治家として新人で、ちょっと危なっかしとこもあります。2013年に秋の園遊会の場で、明仁天皇へ手紙を渡して直訴した出来事がありました。彼は天皇へ「原発事故の現状を訴えたかった」そうですが、国会議員は国権の最高議決機関に属する人間です。天皇は国権の長ではありません。国民の象徴でしかない人物に直訴するという行為は現憲法の精神の国民主権を踏み外す行為だと憲法学者などからは批判されましたが、手紙を読んでもらいたかったという山本太郎の思いは私も理解できますし、手紙を渡すことくらいは、目くじらを立てて騒ぐ程のことでもないと思うのです。私はむしろ、福島の現状に思いを寄せる人間山本太郎に親しみさえ感じるのです。
その山本太郎が議員2年目にして国会質問に輝きが増してきています。
それは安全保障法案特別委員会での出来事でした。山本太郎は8月25日、参院平和安全法制特別委員会での質問で、イラク戦争で米軍が行った民間人虐殺事件を取り上げて、「これは戦争犯罪ですよね」と安倍晋三首相に迫ったら、首相は「それが事実だったかどうかをこの場で確認することができないので答えられない」と逃げたので、「それでは誰でも知っている行為について質問します」と言って「米軍が日本に対して行った原爆投下や東京大空襲は戦争犯罪ではないですか」と迫りました。首相は答えず、岸田外務大臣が「人道上問題のある行為」と発言させていましたが、安倍首相は沈黙を守っていました。
米軍による原爆投下は明らかに国際条約違反の戦争犯罪です。もちろん日本軍による中国など東南アジアで行った虐殺もみんな戦争犯罪です。でも、国会議員の多くが広島・長崎・東京大空襲に対して戦争犯罪だという主張をしないのです。山本太郎は米軍のイラクや中東戦争で繰り広げてきた戦争犯罪の数々を上げて、戦争法案が通れば自衛隊と米軍が一体となって戦争犯罪に自衛隊が手を貸すことになるではないかと、追求したかったのです。しかし、安倍首相は聞く耳を持っていません。だから彼はテレビ中継を通じて私たちに政治の中にあるタブーの衣を一枚一枚剥がしながら真実を訴えたかったのでしょう。
戦争させないために本音の議論ができる文化を
8月6日「NHK日曜討論」で、参議院議員の山本太郎氏が、同局の報道姿勢を厳しく批判する場面がありました。この日の放送は、現在参議院で審議中の安保関連法案について、参院に議席を持つ10党の代表議員による討論でした。山本氏は「憲法違反の法案に理解を深めようとすること自体が間違い」と言い、メディアの報道にも問題があると指摘。「NHKは官邸に対するゴマすり報道がひどすぎる」と言い、その具体的な例として「NHKは6月、憲法学者や行政法学者の多くが参加する学会で今回の同法案が違憲かどうかを尋ねるアンケートを実施したそうだが、その内容は「クローズアップ現代」でわずか2分しか報じられなかったと」と言います。「しかも「違憲」と回答した人が約89%、「合憲」と回答した人が約7%という調査結果についても、同番組では明かされなかった」というのです。そして「番組でコメントした学者は違憲派が2人、合憲派が3人となっていた」と言い、「これは明らかに安倍政権への顔色をうかがうような偏向放送ではないか」と批判したのです。また、高校野球は7時半まで延長放映するのになぜ今回の法案審議は6時には中継を打ち切るのですか。今回の法案審議より高校野球の方が重要なのですか。本法案の残りの審議全て中継する気概を見せていただきたい」と、NHKに注文を付けています。こんなNHKの中継でNHKを批判できる政治家を私はこれまで見たことがありません。まさかNHKも途中で音声を切るわけにも行かず、モミイ会長は怒り狂っていたことでしょう。
このように山本太郎やシールズの若者たちによって作られようとしている一種の「本音の文化」が日本に芽生えているように私には思えてなりません。「私たちには何のタブーもないんだ」という文化です。この国の憲法の上に米国があり、米国の御用聞きのように政治家も日本政府もマスコミも動くのですが、それは決して口に出してはならないタブーなのです。この国にはあまりもタブーがありすぎます。
8月19日の審議では山本太郎は「日本政府がこれまでにやって来た日米関係の政治は米国アミテージレポートに書いていることと全く同じではないか。日本政府は米国の御用聞きのような政治を行っているのではないか」と国会議員なら誰でも知っているが決して言わないことを質問していました。
「この国は米国の属国であり、米国の許しを得ないで自由に自分たちで政治や政策を決めることはできないんだ」という真実を踏まえて議論すべきなのです。辺野古もTPPも原発の再稼働も米国の要求なのです。
そんな属国でも、まだ言論の自由だけはこの国にもあります。だから言論の自由がある今の内に、私たち一人ひとりが本音で議論して自分の意見を社会に発言し続けなければ米国とその御用聞きのような安倍政権の策略に負けてしまうでしょう。16日には参議院で戦争法案は可決されると毎日新聞は報道していました。時間がありません。残された時間は僅かですが、私たち一人ひとりのできることを行動し続けましょう。
https://youtu.be/x_C3scx6dDg
山本太郎事務所編集】Taro Yamamoto 2015.8.19①安保特「今回の安保法案は、第3次アーミテージ・ナイ・レポートの完コピだ!」
by nonukes
| 2015-09-08 16:48
| 小坂農園 薪ストーブ物語
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