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小坂正則の個人ブログ

ギリシャを決して笑えない、無責任で劣化する日本という国

ギリシャを決して笑えない、無責任で劣化する日本という国
小坂正則
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2020年東京オリンピックのメイン会場の国立競技場をアーチ式のドーム形式にするためには2520億円の建設費がかかるといわれていますが、昨日の有識者会議で、この案が了承されたという。オリンピックとは、お金と国威発揚という政治にまみれた利権の構造のようなものなので、本当はやめるべきで、ワールドカップなど国際競技で十分なはずと思うし、福島原発事故の復旧をアピールするためという名のオリンピックファシズムが始まると言われているのです。つまり、放射能被害はなかったとか、事故は収束したということが全面に出すために、フクシマ事故が原因でがんや白血病にかかったという事実は全てタブーとなってしまうことでしょう。
そして、自民党安倍チルドレンが引き起こした「新聞社をつぶす」や「批判的なテレビなどには広告を出さないように経済界に働きかけよう」という、国会議員の質の低下以上に憲法21条違反の行為を国会議員が行おうとしたことは憲法99条の国務大臣や国会議員の憲法擁護義務違反の行為をやっているというのに、自分が憲法違反の行為をやっていることが分からないという無能な人間が国会議員になれるという、この恐ろしい現実です。
隠れてコッソリ話し合うならまだしも、自民党から厳重注意処分をもらった大西とかいう国会議員は、記者の質問に対して正々堂々と「自分は個人的には今でもそう思っている」と発言するところをみると、残念ながらこの人間は「報道の自由」や「言論の自由」が憲法で保障されているということすら分かっていないような低能なお方のようなのです。
今の水ぶくれした自民党国会議員は質の低下が著しいことだけは間違いないようです。国会議員だけではありません、地方議員は前から質の低下が著しいようです。

ギリシャを笑えるような現状ではない

ギリシャという国と国民は実に陽気で、遊んで暮らすことが人生のモットーのような人が多いようです。そのため「楽して暮らすには公務員が一番」と考えたのか公務員が20%とか25%とかいて、給料も民間の1.5倍もらえるそうです。しかも朝7時30分に出勤して13時30分まで働けばその後は仕事をしても帰ってもいいというから、公務員天国のような国ですね。国の主な収入が観光業というだけに、世界中からこの国には、黙っていても観光客が来るので、あせくせ働かなくてもいいということなんでしょう。
ギリシャのGDPが20兆円で、債務が40兆円というのですが、その債務を国が支払えなくなってデフォルトに陥ったというのですが、日本の債務が1千兆円ですからこの国の25倍以上るのです。ただ日本の借金は国内で国債を運用していて、ギリシャのようにIMFやEUから借金しているわけではないので、「国内で国債がはけている間はデフォルトにはなることはありません」と日銀も経済評論家も言っていますので、今のところは問題ないかもしれないけど、ギリシャを笑っていられるのでしょうか。だって、国の税収などの収入が50兆円で、支出が90兆円以上だそうですから、債務はどんどん膨らむばかりなのです。社会保障費に毎年1兆円以上増え続けるというのですよ。おまけにそのツケを将来返してくれる若者や子どもがどんどん減っているというのですから、これはギリシャ以上に笑えるほどこの国は危機的なんじゃないでしょうか。いえ、危機そのものなのです。

アベノミクスの正体

アベノミクスで景気が上向いて、輸出企業の株価が上がり、株の配当がよかっただとか、株で1億円儲かったなどという話がテレビで流れていました。高級ブランドの商品が売れているそうです。確かに一部の金持ちにはお金が回っているようです。でも、それ以上に貧困に喘ぐ若者や母子家庭の家族などの格差がどんどん広がっていることは実感できます。
アベノミクスとは簡単に言えば、市中にお札をどんどんばらまいて金利をほぼゼロにすることによって、インフレと円安を導入して輸出企業の収益を増やそうという政策です。それで景気がよくなればトリクルダウンで庶民の生活もよくなるはずだと安倍総理は言うのですが、非正規の若年労働者や母子家庭や年金生活者の暮らしは一向によくなるようには見えないのです。それもそのはず円安とインフレで物価は上がり、賃金は25ヵ月連続でマイナスだそうですから、庶民の暮らしは一向によくならないのです。それにしても何でアベノミクスなどと言って、マスコミは持てはやすのでしょうか。インフレ政策は国の借金をチャラにしようとする詐欺のようなものなのに。オレオレ詐欺と同じような国による合法的な詐欺なんですけど。インフレになれば1千兆円の借金の価値が10分の1に下がれば実質的に国の借金は100兆円分でいいからです。ギリシャではインフレがどんどん進んでいるそうです。ただ、ギリシャはそうはいきません。なぜならギリシャは外国から借金しているのでインフレで自国通貨が下がれば、逆にドル建てなどの借金が増えてしまいますので、借金からは逃げられないのです。
まあ、ギリシャの話はこれくらいにして、実は日銀も困っているそうです。低金利を長く続けていると効果もなくなって、それ以上の低金利効果を出そうと思えばマイナス金利しかないのです。そこで、低金利政策をやめれば、いわゆる出口政策を取れば、一気に景気が冷え切って中小企業の倒産や景気後退に陥るのです。なので日銀は自分で自分の手足を縛っていて身動きが取れない状態が続いているのです。

無責任体質が深刻なこの国の実態

今朝の新聞に岩手の中学校のお子さんがいじめで自殺したというニュースが載っていました。担任の先生への連絡ノートでいじめを訴えたり、自殺をほのめかしていたのに何も対応しなかったということにも呆れますが、校長のインタビュー映像からは責任逃れの発言に終始する姿を見ました。これほど無責任な学校がまだあるのかと呆れてしまったのです。この校長は日本のお役所の無責任体質の典型のような人でした。
日本はこれから少子高齢化が一気に進むのです。だから、借金をできるだけ少なくしなければ次の世代の子どもたちが生まれたときから大きな借金を抱えて、それを一生かかって返さなければならないのです。そんな国で国立競技場を何で2520億円もかけなければならないのですか。中国の競技場が400億円だというのにですよ。一桁違うんです。こんな金かけるなら、国債の返還に当てるべきです。リニア新幹線を10兆円で作るなら、10兆円分はJR東日本はこれまで湯水のように私たちの税金で生きてきたのだから、その金を法人税で国庫に返納すべきです。この国はケチケチ政策で、子育て予算以外は全て抑制すべきなのです。しかし、無駄な公共投資で借金をどんどん増やすのがアベノミクスならぬ「アホのミクス」の正体なのです。
そして最も深刻な問題は「この国が深刻な問題を抱えている」ということが理解できていない政治家や官僚などの公務員に支配されているということなのでしょう。
その象徴として無駄な「新国立競技場」があるのです。例えば戦前の日中戦争や第二次世界大戦に突入する前に「戦争をやめる」または「戦争しない」という「引き返す勇気」がこの国の政治家や役人には全くなかったのです。それは今でもありません。
この国の公務員には「引き返す」という単語が彼らの辞書にはないのです。そしてもひとつ彼らの辞書にない言葉があります。それは「責任を取る」という言葉です。
公務員というのは誰も責任を取りません。だって2年から3年で担当が変わるので、問題が起こったときには、その担当や責任者はもういません。だから誰も責任を取らないのです。福島原発事故がそのいい典型です。「保安院」という今は「規制庁」ですが、彼らは事故を未然に防ぐための組織だったはずが、その機能がなかったのですから、せめて当時の責任者は自主的に退職金を返納するくらいの責任感を持つべきです。原子力委員会の委員も全員が給料の減額や、退職者は退職金の半分くらいでも自主返納して、被災者へそのお金を寄付するような正義感を見せたら、この国もまだ正義が残っていたと言えたでしょう。それくらいの責任感のある役人がたった1人もいなかったのです。私は生活資金としての退職金を返納しろとは言いません。彼らは次々と天下って、それぞれで3千万円や4千万円ともらって甘い汁を吸って来たのですから役所の頃の退職金を返納したからといって老後の生活ができなくなることなどないのはずです。だから「返納させろ」と私は言うのです。
なぜ公務員に責任を取らせる仕組みがないのかということも問題です。民間企業は反社会的なことをやったら、消費者から厳しいバッシングを受けます。雪印という企業が正味期限切れの牛乳を売ったということで倒産しました。民間企業は倒産という形で責任を取る仕組みがあるのです。しかし、公務員は倒産という仕組みがないから、誰も責任を取らないのです。東電など半官半民の企業も倒産することはないから、社員は無責任で誰も責任を取るなどという感覚がないのです。
東電の経営者への刑事責任も問うことができない国ですから、役人が責任を取るなどできるはずはありません。つまり日本の国家と電力会社のような半国営企業の屋台骨は腐ってボロボロになっているのでです。それこそがこの国の最大の危機です。
そして、そんな危機を危機とも感じず、戦争したがって戦争できる国作りに命をかけている総理大臣とそのお友達のような政治家を頂いている私たちこそが一番の危機だろうと思うのです。
ただ、そんな政治家や公務員を雇っているのは国民だということだけは紛れもない事実です。私たちは被害者であり、私たちの子どもたちや第三国の人びとに対しては加害者でもあり得るのです。つまり私たち国民一人ひとりが、責任を取らなければならないのでしょう。その責任の取り方は選挙での投票であったり、デモであったりするのかもしれませんが。


小林節氏の劣化する政治家という日本記者クラブでの話が安倍晋三の無能ぶりを説明して実にいい


by nonukes | 2015-07-08 11:25 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

  小坂正則

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