2015年 04月 29日
「フクシマ事故があっても原発が一番安い?」ヘソで茶を沸かす経産官僚の茶番劇
「フクシマ事故があっても原発が一番安い?」ヘソで茶を沸かす経産官僚の茶番劇
小坂正則
原発の発電コスト10.1円の内訳だそうですが、よく見ると事故コストが0.3円からいくらまで上がるかは誰にも分かりません。ウソとでっち上げのコストです
原発のコストが上がったら、他の発電方法もなぜか軒並み上がっています。これは世界の七不思議ですね
上のが2011年と2014年と2030年のこすとで、こっちが2004年のコストです。はやり原発が一番安い
大島教授の発電コストでは原発が一番高い(太陽光発電は除いてですが)
このグラフは右肩下がりの緑の線が太陽光発電で、黄色の線の右肩上がりは原発の発電コストです。
米国は2010年に太陽光発電と原発のコストがクロスしたそうです。だから米国には原発がでいないのです。
約16セントですから、2011年当時のレートで15円弱ですね。
これほど無知蒙昧な経産官僚に真面目に付き合う御用学者も立派なもんだ
経産省の資源エネ庁の「発電コスト検証ワーキンググループ」の議論をもとに、2014年と2030年の電源別の発電コスト4月27日に発表しました。そして28日には同じく、経産省・資源エネ庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会」が2030年の電源構成比率で原発を20~22%再エネを20~24%の目標とすることなどを決めたと各紙が伝えています。安倍政権が動かせる原発を全て動かしても40年廃炉を実施すれば2030年には10%そこそこしか残っていないはずです。それなら20年の延長も行って、新規原発も建てると言うのでしょう。その理由が前日発表した原発は安定的なベースロード電源で、しかも二酸化炭素を出さないからだそうです。
「ヘソで茶を沸かす」とはこのようなことを言うのでしょう。日本では何が何でも原発の発電コストは一番安いのです。福島原発事故があっても、シェールオイルやシェールガスが値崩れを起こしても、やはり原発が一番安くなくては困るのです。だから、福島原発事故が起こって、どうしても原発の発電コストが10年前の5.3円などとは言えなくなってしまったら、姑息な経産官僚はどのように国民をごまかせばいいか一生懸命考え抜いてこのような結論に達したのです。「そうだ、原発の発電コストを上げざるを得ないなら、それ以上に他の発電コストも上げればいいんだ」と。
新規原発は1基最低2兆円はしますけど?
これまで日本の約100万kw原発の建設費は5000億円から7000億円くらいでした。しかし、それは事故を起こした福島原発のようなヨーロッパでは通用しない旧式の原発です。現在フランスのアレバが建設している最新型の原発は1基2兆円です。これから益々原発の建設コストは鰻登りに上がっていくと言われています。なぜなら、航空機が墜落しても耐えられるようにと、米国やEUはテロ対策とメルトダウンしても核燃料を逃さないためのコアキャッチャーという受け皿を作らなくては原発は建てられないのです。しかし、日本の原発にはそんなハイカラなものなどありません。あるのは安倍首相の言う「世界一安全な日本の原発」という安全神話のお題目だけです。でも、いくら日本の有権者がバカだと言っても、これだけ情報社会なのですから、今度新たに建て替える原発というなら、コアキャッチャーや格納容器の二重化などのEU標準仕様は皆さん求めてくるでしょう。すると、1基が2兆円以上なのですから、軒並み発電コストが跳ね上がります。
英国の新規原発は2.1兆円だそうです。だから原発の電気は政府が最低価格保障すいるそうです。その最低価格が1kwあたり15円だというのです。それなのに何で日本の2030年段階の原発の発電コストが10.1円なのでしょうか。でもよく見ると、「10.1円から」と書いているのです。「何だやはりウソだったんだ」と、すぐばれてしまっています。
発電コストの比較というウソはどのようにして出来たか
2004年に発表した原発の発電コスト5.3円というのは電事連の作ったモデルケースの場合のコストを資源エネ庁がそっくりそのまま使っていたのです。ひどい話ですね。電力会社による「悪の枢軸」といってもいいような任意団体の闇組織(この電事連は財務も決算も組織構成も全てが秘密です)の暴力団よりもひどい組織なのです。フクシマ事故で世界中に放射能をばらまいても罪も問われないのです。暴力団は麻薬や売春など反社会的な行為はしますが、ちゃんと罪は償っていますし、放射能はばらまきません。
話は横道にそれてしまいましたが、その電事連が試算した「私的コスト」です。これは40年間一回も事故を起こさないで、設備利用率が80%と、定期検査以外は常に動いているような運転実績の原発の発電コストだそうです。実際にはそんな原発は1つもありません。
2011年の福島原発事故以後、民主党政権がその年に出した原発の「社会的コスト」を含めたというものが、8.9円です。それでもどういうわけか原発が一番安いのです。そして今回の自民党政権下における2030年のコストが10.1円だそうです。その内訳を紹介しています。基礎コスト(私的コスト)が6.4円と少しだけ上げています。そして追加的安全対策0.6円。(これは新規制基準のための補修費ですかね)それに再処理費1.5円。(六ヶ所村核燃料サイクル再処理費用19兆円だそうですが、ここで処理できる量は日本の原発から出るゴミの半分だけです。全処理するならもう19兆円が必要です)事故処理費が0.3円~だそうです。「~」が味噌です。福島原発事故の保障費を9兆円くらいを見越したものと思われますが、これは全くのデタラメです。だって、これから40年以上かかって事故収束させるには50兆円とも100兆円とも言われているのです。
そして、一番抜けているものがあります。バックエンド費用です。つまり10万年も20万年も地下処分にして、もし、不都合があったら掘り出して移し替えるというのですが、その費用がいくらかかるか分からないので、この中には入れていませんよ。
再エネコストが原発より安いのは歴然です
2010年に米国では原発のコストと太陽光発電のコストがクロスしたそうです。そして日本でも太陽光発電の建設コストが激減しています。2030年の太陽光の発電コスト5円くらいだと言われています。ただ、これには気まぐれな太陽光の負荷変動を補うための付帯施設が必要ですが、原発にも同じように深夜の余った電気を貯めるための揚水発電施設が必要なのです。しかし、国も電力会社も揚水発電の発電コストを水力発電一般に潜り込ませているのです。だから、揚水発電は原発に使わずに太陽光や風力に使えばいいのです。そうすれば負荷変動を揚水発電がしっかりカバーしてくれるのです。
立命館大学の大島教授がもうウソをばらしています
大島教授の著書「原発のコスト」岩波新書760円(税別)を読んでももらえば一目瞭然です。17.2円と原発は発電施設の中で一番高いのです。大島教授は揚水発電を原子力の発電コストに入れました。だからそれ以外の水力のコストが一気に下がって、7.3円です。そして電源開発促進税(電気料金に課金されている税金)も原発を作るための交付税ですが、年間約4000億円も発交付金ですから原発の社会的コストです。それに高速増殖炉「もんじゅ」2.1兆円も原発関連研究施設ですからこれもコストです。それに再処理費は半分しか大島教授の入れてはいませんし、バックエンドコストはいくらになるか分からないので17.2円の中には含まれてはいません。(詳しくは岩波新書を買って読んでください)
それなのに安倍政権はなぜ原発をしゃにむに動かしたがるのでしょうか。それは核兵器の技術を持っていたいからですし、原発は核兵器の原料製造器として第三世界に売り込めるからです。もう一つは米国の要求もあるからでしょう。
だから、私たちは自分たちの電気料金で、一番割高で一番危険で、しかも福島の人々の多くをいまだに故郷には帰ることができなくさせて、しかも多くの子どもたちを甲状腺ガンや白血病の恐怖にさらすことの共犯者にさせられ続けているのです。
そんな犯罪的な原発を私たちの使う電気料金という形で、私たち自身がそんな犯罪者集団の電力会社と国を支えているのです。私たちは自分で自分の首を絞めているのです。
さあ、「王様は裸だ」と言って、この無限地獄から抜け出しましょう。みんなでこんなインチキ学者やインチキ官僚をこの国から追放しましょう。なんという無能で税金泥棒な官僚たちなのでしょうか。何と電力会社と電事連という反社会的犯罪者集団なのでしょうか。あなたたちは高くて危険で放射能をまき散らす原発を動かすことに血眼になる前に、福島の子どもたちの健康調査や保養や避難者の面倒を見るのが先でしょう。
最後に、私たちはコスト論などの土俵に入る必要など本当はないのです。なぜなら、人の生命はお金では換えられないからです。危険なものはいくら安くても作ってはならない。でも、高くて危険なものは絶対に作らせてはならない。こんなウソを徹底的に追及しない国会議員もだらしないが、マスコミの弱腰もだらしない。いま最も安倍政権のウソを追求しているのは日刊ゲンダイです!頑張れ日刊ゲンダイ!東京新聞!週刊金曜日!朝日、毎日etc……。
2011年10月のNHKニュース7での原子力発電コスト試算に廃炉費用20兆円と除染費用28兆円合計48兆円(16〜22円/1kwhあたり)をプラスした比較表です。
発電コスト原発が最安
朝日新聞2015年4月28日
電源別の発電コストを見直している経済産業省は27日、新しい試算結果を公表した。原発は2030年時点で1キロワット時あたり10・1円以上で、下限で比べると、電源別で最も安くなった。11年の前回試算の8・9円以上は上回ったが、再生可能エネルギーや火力などの費用も上がったためだ。
この日あった同省の「発電コスト検証ワーキンググループ(WG)」で示し、大筋で了承された。同省は30年の電源構成(エネルギーミックス)案に反映し、28日の有識者会合で原発の割合を20~22%とする案を示す見通しだ。
原発の発電コスト試算では、前回試算と同じように原発事故後の損害賠償や、立地自治体への交付金などの費用を計上。11年に比べ、原発の安全対策費が増加したことも反映した。ただ、対策を強化した分、事故が起きる確率は半減したとみて、その分だけコストを低く見積もった。
再生可能エネルギーは、前回試算で30年には下限のコストで原発を下回っていた「陸上風力」や「洋上風力」が、今回はともに原発を上回った。再生エネの国の研究開発費などを費用に含めたためだ。
「原発最安」現実味は 自由化後、高コストも 経産省試算
朝日新聞2015年4月28日
経済産業省が27日に示した最新の発電コストの試算では、最も安い場合で比較すると、原発が一番安いという結果になった。これをもとに、経産省は将来の電源構成(エネルギーミックス)でも原発を重視する考えだ。だが、電力小売りの自由化時代をひかえ、リスクが高い原発事業が本当に「安い」かどうかには疑問の声も上がっている。
今回試算された2030年時点の原発の1キロワット時あたりの発電コストは、2011年の前回試算を1・2円上回る10・1円以上。「以上」とするのは賠償費用などでさらに増える可能性があるからだ。発電コスト検証WGの有識者の委員らは「おおむね妥当だ」などとして、目立った異論はなかった。
1・2円分増えたのは、追加でかかった安全対策費を反映したためだ。原発1基あたり601億円として再計算し、1キロワット時あたり約0・2円だった費用は0・6円に上がった。一方で、事故リスクは約半分になると考え、事故対応費用は1キロワット時あたり約0・5円以上から0・3円以上に下げた。
石炭や液化天然ガス(LNG)火力の発電コストも上がった。前回試算に比べて、円安により燃料価格が上がると想定したためだ。原発の下限コストとの差は前回試算より広がった。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、固定価格買い取り制度(FIT)の買い取り費用の一部(利潤分)を、新たに算入したため、軒並み前回の下限を上回った。再生エネの普及が進んでいないとの理由で除外されていた国の研究開発費も、費用に盛り込んだ。
■再生エネ、割高強調
今回、経産省が発電コストの試算を見直したのは、同時に検討してきた30年のエネルギーミックスを決める際の材料にするためだった。
原発がほかの電源より改めて「安い」とされたことで、経産省は原発を安くて安定的に稼働させられる「ベースロード電源」として重視しやすくなる。
一方、再生エネについては、太陽光や風力といった発電量の変動が大きい電源の導入に必要な「火力の調整」などの対策費用を初めて試算。再生エネの割合が全体の21~25%の場合、年間4千億~7千億円かかるとした。原発に比べ、再生エネのコスト高が強調された。経産省は試算結果をもとに、30年のエネルギー比率を、原発「20~22%」、再生エネ「22~24%」とする方針だ。
しかし、原発が安いのはあくまで下限の場合だ。事故の賠償などでどこまで膨らむか分からない。専門家は「電力自由化後の原発は高リスク、高コストの電源になる」と指摘する。実際、自由化が進む英国では、原発を新設する事業者がいなくなり、政府が原発版の固定価格買い取り制度(FIT)をつくった。原発の買い取り価格は市場価格の約2倍という高値だった。
参考資料です
大島教授の発電コスト2010年9月発表
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo48/siryo1-1.pdf
スマートジャパンニュース
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1504/28/news036.html
小坂正則
原発の発電コスト10.1円の内訳だそうですが、よく見ると事故コストが0.3円からいくらまで上がるかは誰にも分かりません。ウソとでっち上げのコストです
原発のコストが上がったら、他の発電方法もなぜか軒並み上がっています。これは世界の七不思議ですね
上のが2011年と2014年と2030年のこすとで、こっちが2004年のコストです。はやり原発が一番安い
大島教授の発電コストでは原発が一番高い(太陽光発電は除いてですが)
このグラフは右肩下がりの緑の線が太陽光発電で、黄色の線の右肩上がりは原発の発電コストです。
米国は2010年に太陽光発電と原発のコストがクロスしたそうです。だから米国には原発がでいないのです。
約16セントですから、2011年当時のレートで15円弱ですね。
これほど無知蒙昧な経産官僚に真面目に付き合う御用学者も立派なもんだ
経産省の資源エネ庁の「発電コスト検証ワーキンググループ」の議論をもとに、2014年と2030年の電源別の発電コスト4月27日に発表しました。そして28日には同じく、経産省・資源エネ庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会」が2030年の電源構成比率で原発を20~22%再エネを20~24%の目標とすることなどを決めたと各紙が伝えています。安倍政権が動かせる原発を全て動かしても40年廃炉を実施すれば2030年には10%そこそこしか残っていないはずです。それなら20年の延長も行って、新規原発も建てると言うのでしょう。その理由が前日発表した原発は安定的なベースロード電源で、しかも二酸化炭素を出さないからだそうです。
「ヘソで茶を沸かす」とはこのようなことを言うのでしょう。日本では何が何でも原発の発電コストは一番安いのです。福島原発事故があっても、シェールオイルやシェールガスが値崩れを起こしても、やはり原発が一番安くなくては困るのです。だから、福島原発事故が起こって、どうしても原発の発電コストが10年前の5.3円などとは言えなくなってしまったら、姑息な経産官僚はどのように国民をごまかせばいいか一生懸命考え抜いてこのような結論に達したのです。「そうだ、原発の発電コストを上げざるを得ないなら、それ以上に他の発電コストも上げればいいんだ」と。
新規原発は1基最低2兆円はしますけど?
これまで日本の約100万kw原発の建設費は5000億円から7000億円くらいでした。しかし、それは事故を起こした福島原発のようなヨーロッパでは通用しない旧式の原発です。現在フランスのアレバが建設している最新型の原発は1基2兆円です。これから益々原発の建設コストは鰻登りに上がっていくと言われています。なぜなら、航空機が墜落しても耐えられるようにと、米国やEUはテロ対策とメルトダウンしても核燃料を逃さないためのコアキャッチャーという受け皿を作らなくては原発は建てられないのです。しかし、日本の原発にはそんなハイカラなものなどありません。あるのは安倍首相の言う「世界一安全な日本の原発」という安全神話のお題目だけです。でも、いくら日本の有権者がバカだと言っても、これだけ情報社会なのですから、今度新たに建て替える原発というなら、コアキャッチャーや格納容器の二重化などのEU標準仕様は皆さん求めてくるでしょう。すると、1基が2兆円以上なのですから、軒並み発電コストが跳ね上がります。
英国の新規原発は2.1兆円だそうです。だから原発の電気は政府が最低価格保障すいるそうです。その最低価格が1kwあたり15円だというのです。それなのに何で日本の2030年段階の原発の発電コストが10.1円なのでしょうか。でもよく見ると、「10.1円から」と書いているのです。「何だやはりウソだったんだ」と、すぐばれてしまっています。
発電コストの比較というウソはどのようにして出来たか
2004年に発表した原発の発電コスト5.3円というのは電事連の作ったモデルケースの場合のコストを資源エネ庁がそっくりそのまま使っていたのです。ひどい話ですね。電力会社による「悪の枢軸」といってもいいような任意団体の闇組織(この電事連は財務も決算も組織構成も全てが秘密です)の暴力団よりもひどい組織なのです。フクシマ事故で世界中に放射能をばらまいても罪も問われないのです。暴力団は麻薬や売春など反社会的な行為はしますが、ちゃんと罪は償っていますし、放射能はばらまきません。
話は横道にそれてしまいましたが、その電事連が試算した「私的コスト」です。これは40年間一回も事故を起こさないで、設備利用率が80%と、定期検査以外は常に動いているような運転実績の原発の発電コストだそうです。実際にはそんな原発は1つもありません。
2011年の福島原発事故以後、民主党政権がその年に出した原発の「社会的コスト」を含めたというものが、8.9円です。それでもどういうわけか原発が一番安いのです。そして今回の自民党政権下における2030年のコストが10.1円だそうです。その内訳を紹介しています。基礎コスト(私的コスト)が6.4円と少しだけ上げています。そして追加的安全対策0.6円。(これは新規制基準のための補修費ですかね)それに再処理費1.5円。(六ヶ所村核燃料サイクル再処理費用19兆円だそうですが、ここで処理できる量は日本の原発から出るゴミの半分だけです。全処理するならもう19兆円が必要です)事故処理費が0.3円~だそうです。「~」が味噌です。福島原発事故の保障費を9兆円くらいを見越したものと思われますが、これは全くのデタラメです。だって、これから40年以上かかって事故収束させるには50兆円とも100兆円とも言われているのです。
そして、一番抜けているものがあります。バックエンド費用です。つまり10万年も20万年も地下処分にして、もし、不都合があったら掘り出して移し替えるというのですが、その費用がいくらかかるか分からないので、この中には入れていませんよ。
再エネコストが原発より安いのは歴然です
2010年に米国では原発のコストと太陽光発電のコストがクロスしたそうです。そして日本でも太陽光発電の建設コストが激減しています。2030年の太陽光の発電コスト5円くらいだと言われています。ただ、これには気まぐれな太陽光の負荷変動を補うための付帯施設が必要ですが、原発にも同じように深夜の余った電気を貯めるための揚水発電施設が必要なのです。しかし、国も電力会社も揚水発電の発電コストを水力発電一般に潜り込ませているのです。だから、揚水発電は原発に使わずに太陽光や風力に使えばいいのです。そうすれば負荷変動を揚水発電がしっかりカバーしてくれるのです。
立命館大学の大島教授がもうウソをばらしています
大島教授の著書「原発のコスト」岩波新書760円(税別)を読んでももらえば一目瞭然です。17.2円と原発は発電施設の中で一番高いのです。大島教授は揚水発電を原子力の発電コストに入れました。だからそれ以外の水力のコストが一気に下がって、7.3円です。そして電源開発促進税(電気料金に課金されている税金)も原発を作るための交付税ですが、年間約4000億円も発交付金ですから原発の社会的コストです。それに高速増殖炉「もんじゅ」2.1兆円も原発関連研究施設ですからこれもコストです。それに再処理費は半分しか大島教授の入れてはいませんし、バックエンドコストはいくらになるか分からないので17.2円の中には含まれてはいません。(詳しくは岩波新書を買って読んでください)
それなのに安倍政権はなぜ原発をしゃにむに動かしたがるのでしょうか。それは核兵器の技術を持っていたいからですし、原発は核兵器の原料製造器として第三世界に売り込めるからです。もう一つは米国の要求もあるからでしょう。
だから、私たちは自分たちの電気料金で、一番割高で一番危険で、しかも福島の人々の多くをいまだに故郷には帰ることができなくさせて、しかも多くの子どもたちを甲状腺ガンや白血病の恐怖にさらすことの共犯者にさせられ続けているのです。
そんな犯罪的な原発を私たちの使う電気料金という形で、私たち自身がそんな犯罪者集団の電力会社と国を支えているのです。私たちは自分で自分の首を絞めているのです。
さあ、「王様は裸だ」と言って、この無限地獄から抜け出しましょう。みんなでこんなインチキ学者やインチキ官僚をこの国から追放しましょう。なんという無能で税金泥棒な官僚たちなのでしょうか。何と電力会社と電事連という反社会的犯罪者集団なのでしょうか。あなたたちは高くて危険で放射能をまき散らす原発を動かすことに血眼になる前に、福島の子どもたちの健康調査や保養や避難者の面倒を見るのが先でしょう。
最後に、私たちはコスト論などの土俵に入る必要など本当はないのです。なぜなら、人の生命はお金では換えられないからです。危険なものはいくら安くても作ってはならない。でも、高くて危険なものは絶対に作らせてはならない。こんなウソを徹底的に追及しない国会議員もだらしないが、マスコミの弱腰もだらしない。いま最も安倍政権のウソを追求しているのは日刊ゲンダイです!頑張れ日刊ゲンダイ!東京新聞!週刊金曜日!朝日、毎日etc……。
2011年10月のNHKニュース7での原子力発電コスト試算に廃炉費用20兆円と除染費用28兆円合計48兆円(16〜22円/1kwhあたり)をプラスした比較表です。
発電コスト原発が最安
朝日新聞2015年4月28日
電源別の発電コストを見直している経済産業省は27日、新しい試算結果を公表した。原発は2030年時点で1キロワット時あたり10・1円以上で、下限で比べると、電源別で最も安くなった。11年の前回試算の8・9円以上は上回ったが、再生可能エネルギーや火力などの費用も上がったためだ。
この日あった同省の「発電コスト検証ワーキンググループ(WG)」で示し、大筋で了承された。同省は30年の電源構成(エネルギーミックス)案に反映し、28日の有識者会合で原発の割合を20~22%とする案を示す見通しだ。
原発の発電コスト試算では、前回試算と同じように原発事故後の損害賠償や、立地自治体への交付金などの費用を計上。11年に比べ、原発の安全対策費が増加したことも反映した。ただ、対策を強化した分、事故が起きる確率は半減したとみて、その分だけコストを低く見積もった。
再生可能エネルギーは、前回試算で30年には下限のコストで原発を下回っていた「陸上風力」や「洋上風力」が、今回はともに原発を上回った。再生エネの国の研究開発費などを費用に含めたためだ。
「原発最安」現実味は 自由化後、高コストも 経産省試算
朝日新聞2015年4月28日
経済産業省が27日に示した最新の発電コストの試算では、最も安い場合で比較すると、原発が一番安いという結果になった。これをもとに、経産省は将来の電源構成(エネルギーミックス)でも原発を重視する考えだ。だが、電力小売りの自由化時代をひかえ、リスクが高い原発事業が本当に「安い」かどうかには疑問の声も上がっている。
今回試算された2030年時点の原発の1キロワット時あたりの発電コストは、2011年の前回試算を1・2円上回る10・1円以上。「以上」とするのは賠償費用などでさらに増える可能性があるからだ。発電コスト検証WGの有識者の委員らは「おおむね妥当だ」などとして、目立った異論はなかった。
1・2円分増えたのは、追加でかかった安全対策費を反映したためだ。原発1基あたり601億円として再計算し、1キロワット時あたり約0・2円だった費用は0・6円に上がった。一方で、事故リスクは約半分になると考え、事故対応費用は1キロワット時あたり約0・5円以上から0・3円以上に下げた。
石炭や液化天然ガス(LNG)火力の発電コストも上がった。前回試算に比べて、円安により燃料価格が上がると想定したためだ。原発の下限コストとの差は前回試算より広がった。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、固定価格買い取り制度(FIT)の買い取り費用の一部(利潤分)を、新たに算入したため、軒並み前回の下限を上回った。再生エネの普及が進んでいないとの理由で除外されていた国の研究開発費も、費用に盛り込んだ。
■再生エネ、割高強調
今回、経産省が発電コストの試算を見直したのは、同時に検討してきた30年のエネルギーミックスを決める際の材料にするためだった。
原発がほかの電源より改めて「安い」とされたことで、経産省は原発を安くて安定的に稼働させられる「ベースロード電源」として重視しやすくなる。
一方、再生エネについては、太陽光や風力といった発電量の変動が大きい電源の導入に必要な「火力の調整」などの対策費用を初めて試算。再生エネの割合が全体の21~25%の場合、年間4千億~7千億円かかるとした。原発に比べ、再生エネのコスト高が強調された。経産省は試算結果をもとに、30年のエネルギー比率を、原発「20~22%」、再生エネ「22~24%」とする方針だ。
しかし、原発が安いのはあくまで下限の場合だ。事故の賠償などでどこまで膨らむか分からない。専門家は「電力自由化後の原発は高リスク、高コストの電源になる」と指摘する。実際、自由化が進む英国では、原発を新設する事業者がいなくなり、政府が原発版の固定価格買い取り制度(FIT)をつくった。原発の買い取り価格は市場価格の約2倍という高値だった。
参考資料です
大島教授の発電コスト2010年9月発表
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo48/siryo1-1.pdf
スマートジャパンニュース
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1504/28/news036.html
by nonukes
| 2015-04-29 00:45
| 原発再稼働は許さない
|
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