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小坂正則の個人ブログ

日本政府が原発から手を引けない本当の理由「第3次アーミテージレポート」

日本政府が原発から手を引けない本当の理由「第3次アーミテージレポート」
小坂正則

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政府の意思決定は「第3次アーミテージレポート」に書いてある

集団的自衛権の閣議決定から辺野古基地建設を強引に進める防衛政策や、原発再稼働を強行して原発優先のエネルギー政策を進める安倍政権の政治決定には誰が裏で糸を引いているのだろうかと、私は常々疑問に思っていました。
安倍晋三が自分で考えて、安倍の意思で全ての政治決断を決定しているはずはありません。安倍を取り巻く秘書官などにそんな政策立案能力があるはずもないでしょう。全ては「第3次アーミテージレポート」に書いてあるのです。それではアミテージなる人物とは一体どんな人間なのでしょうか。そして、それがどれほど日本政府に影響力を持っているのでしょうか。アミテージは共和党の知日派と言われているタカ派の政治家です。これら日本政府へ大きな影響力のある政治家を「ジャパン・ハンドラー」と言うそうです。ハンドラーという言葉には犬を扱うという意味があるそうですから、さしずめアミテージらにしたら日本は犬並でしかないのでしょう。

集団的自衛権の行使容認など全てはアミテージの要求

今月27日には安倍晋三が米国に行って、18年ぶりの「日米ガイドラインの見直し」の2プラス2会談があります。そして安倍晋三は米議会の上下両院で「日米新時代」をアピールする予定だそうです。集団的自衛権の法案が国会で決まる前に、その中身を米国大統領と約束するということは国会軽視も甚だしい行為です。そこで、今日おこわれた菅官房長官と翁長沖縄県知事との話し合いで、米国へ向かう前に首相と翁長氏の話し合いの日程を入れることが決まるそうです。それは「米国へ行く前に辺野古基地建設の必要性を沖縄県民へ理解を願った」というアリバイ作りそのものです。
「アミテージレポート」を見れば全てが理解できます。安倍晋三がこれまで行ってきた武器輸出三原則の撤廃から安全保障政策からエネルギー政策にTPPまで全てがアミテージの計画道理に忠実にそれを実行しようとしているだけなのです。
日本の多くの政治家(自民党だけではなく民主党も含めて)や官僚はほとんどが米国政府特に知日派と言われるアミテージなどの「戦争マフィア」の意のままに動いているのです。これは決して米国政府の意思というわけでもないのです。米国政府や米国の政治家にもアミテージなどの「戦争マフィア」勢力ではない「ハト派」の勢力もいるはずですが、残念ながらタカ派の影響力を日本政府はこれまで受け続けて来たようです。そして日本は彼らの意のままに動いて来たのでしょう。
いうならば、日本政府はジャパン・ハンドラーの利権のためにうまく利用されているだけなのです。大田元沖縄県知事のインタビューで「沖縄は米国議会へのロビー活動が必要」と話していましたが、米国政府のハト派へのロビー活動」こそ最も必要なのでしょう。日本政府と安倍政権は体よく米国議会タカ派の「戦争マフィア」に操られて利用されているのだけなのですから。

国民の大半が脱原発を求めても原発をやめられな理由もここにある

「アミテージレポート」はこう言っています。
「~開発途上国は原子炉の建設を続けるので、日本の原発永久停止は、責任ある国際原子力開発を妨害することにもなるだろう。フクシマ以後一年以上にわたって原子炉認可を中断していた(ただし、進行中のプロジェクトは中断しなかった)中国は、新規プロジェクトの国内建設を再開しつつあり、最終的には重要な国際ベンダーとして台頭する可能性がある。中国が民生用原子力発電の世界的開発のメジャー・リーグでロシア、韓国、フランスに加わろうと計画しているとき、世界が効率的で信頼性の高い安全な原子炉や原子力サービスから利益を得るためには、日本が遅れをとることはできない。」(ここまで引用)
そして結論としてこうも言っています。
「日本に対する提言:原子力発電の慎重な続行は、日本にとって正しく責任のあるステップである。2020年までに二酸化炭素(CO2) の排出量を25パーセントカットする意欲的な目標は、原子力発電所の再開なしでは成し遂げることはできない。また、エネルギーコストの高騰は円の高騰を伴うため、エネルギー依存の高い産業の国外流出を食い止めるためには原子力発電の再開は賢明である。福島を教訓に、東京は、安全な原子炉設計と堅実な規制の実施を促進するための指導的役割を再開すべきである。」(以下略)

このような提言という形で2012年の野田政権時の夏にアミテージは要求しているのです。だから国民の大半が脱原発を選択したにも関わらず、野田政権は閣議決定すらせずに曖昧な形で茶を濁したのです。そして、安倍政権はバカの一つ覚えのように忠実にこのアンチョコの通りにエネルギー政策も実行しているのです。
なるほど、だから私たちがどんなに反対しても政府は断固として「原発を最大のベース電源」として確保しようとしているのでしょう。だから原発の電気が高いとか安いとか原発が安全かどうかなどはどうでもいいことなのです。米国が何を一番望んでいるかを考て、米国が一番望んでいることを実行することこそが経産官僚や官邸の最も重要な仕事なのです。

こんな属国政府の政治を変えるにはどうすればいいのか

なるほどこのような米国「戦争マフィア」傀儡政権の安倍政権の政策を方向転換する作業は並大抵のことでは出来ないでしょう。どのようにすれば「アミテージリポート」とは違う「ハト派」の外交・防衛・エネルギー政策を米国政府に認めてもらうことが出来るのでしょうか。幸いにもオバマは共和党の「戦争マフィア」戦略とは同一ではありません。もちろん自衛隊が米軍のアジア支配の肩代わりをすることには反対しないでしょう。米国の利益になるからです。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相と面会しない露骨な対応を取ったりして平和主義を演出しています。つまり共和党のアミテージとオバマの政策は決して同一ではないはずです。その違いこそ大きな可能性があるのではないでしょうか。我らは一刻も早く米国民主党(日本のへなへな民主党などでは決してありません)のハト派の外交・防衛属や脱原発のエネルギー属へロビー活動を行う必要があるでしょう。そして、その時に必要なものは「I am not Abe」のプラカードでしょう。思考停止の安倍政権や政府官僚に働きかけるよりも、「私たち日本国民はABEを支持していません」という意思表示こそがよっぽど有効で手っ取り早いのではないでしょうか。

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アミテージリポートの日本語訳はここから入れます


米日同盟 アジアに安定を定着させる「第3次アーミテージレポート」
リチャード・L・アーミテージ
2012年
はじめに

この日米同盟報告書は、日米関係が漂流している時期に発表される。日米両国の指導者たちが無数の他の課題に直面しているとき、世界で最も重要な同盟の1つの健全性が危機に瀕しているのである。米国務次官補カート・キャンベルと、両政府内の彼の同僚たちによって、同盟の安定は大方保たれてきたが、同盟地域内外における今日の課題と機会に対処するには、それ以上のことが必要である。日米双方は、中国の再台頭とそれに伴う不安定要素、核能力と敵対的意図をもつ北朝鮮、そしてアジアのダイナミズムの兆しに直面している。他にも、グローバル化した世界とますます複雑化する安全保障環境には多数の困難な課題が存在する。このような今日の大問題に適切に対処するには、より強力でより平等な同盟が必要である。

上記のような同盟が存在するためには、米国と日本が一流国家の視点をもち、一流国家として振舞うことが必要であろう。我々の見解では、一流国家とは、経済力、軍事力、グローバルな視野、そして国際的な懸念に関して実証された指導力をもつ国家である。同盟の支援に関して米国側に改善点はあるが、米国が一流国家であり続けることには寸分の疑いもない。しかしながら、日本には決定しなければならないことがある。つまり、日本は一流国家であり続けたいのか、 それとも二流国家に成り下がって構わないのか? 日本の国民と政府が二流のステータスに甘んじるなら、この報告書は不要であろう。この同盟に関する我々の評価と推奨事項は、日本が大きな貢献を果たせる世界の舞台で完全なパートナーであることに依拠している。

我々は、今日の世界における日本の影響と役割を混乱させている諸問題を認識した上で、上記の質問を投げかけた。日本の人口は劇的に老齢化し、出生率は低下している。日本の債務対GDP比は、200パーセントである。日本では、6年間に6人の首相が交代した。そして、多数の若い日本人の間に厭世観と内向性が増大している。しかし、日本の重要性の低下は運命ではない。日本は、一流国家であり続ける十分な能力がある。要は日本がどのような傾向をもつかという問題にすぎない。

日本は多数の課題に直面しているが、日本の国力と影響力には、同様に多くの過小評価され十分に活用されていない側面が存在する。日本は世界第三位の経済圏であり、中国の2倍の消費者セクターをもつ。日本は、改革と競争によって解き放たれる可能性のある巨大な経済的潜在力をもち続けている。自由貿易と移民に対する開放性と女性の職場進出が増大すれば、日本の国内総生産(GDP)は著しく成長するだろう。日本のソフト・パワーも注目に値する。日本は、国際的に尊敬される国としてトップ3にランクされ、「国家ブランド」としては世界第一位である。日本の自衛隊(JSDF)は、現在の日本で最も信頼されている機関であるが、時代錯誤の制約を軽減できれば、日本の安全保障と評判の向上により大きな役割を果たせる態勢にある。

日本は、世界の平穏な地域に位置する、取るに足りない国ではない。アジア太平洋地域の安定した戦略的平衡のための海の要、国連(UN)と国際通貨基金(IMF)など主要多国籍機関に対する2番目に大きな貢献者、世界で最もダイナミックな半球のためにシーレーンをオープンに保つ米軍のホストとして、米国とその他の国々は日本に頼っている。

日本が強い米国を必要とするに劣らず、米国は強い日本を必要とする。そして、この観点から、我々は日米同盟とそのスチュワードシップの問題を取り上げる。日本が米国と肩を並べ続けていくには、米国と共に前進する必要がある。日本は、今までアジアのリーダーであったが、今後もそうあり続けることができるのである。

以下の報告は、日米同盟に関する超党派研究グループのメンバーの大多数の見解を示すものである。この報告では、特に、エネルギー、経済、世界貿易、隣国との関係、そして安全保障に関する問題を取り上げる。これらの分野において、研究グループは、日本と米国に対して、短期および長期に渡る政策の推奨事項を提言する。これらの推奨事項は、アジア太平洋地域およびそれ以外での平和、安定、繁栄のための力としての日米同盟を支えることを目的としている。

 

エネルギー安全保障

原子力エネルギー
 

2011年3月11日の悲劇は、未だ生々しい記憶であり、地震、津波、その後の炉心溶融によるすべての被害者に対し、謹んで哀悼の意を表明する。当然ながら、福島の原子力災害は、原子力にとって大きな躓きの石となり、その影響は、日本全国だけでなく、世界中に波及した。英国や中国のように原子力拡張計画を慎重に再開した国もあるが、ドイツのように原子力を段階的に全廃することを決定した国もある。

日本は、原子炉の徹底的な調査と原子力保安規定の改定を行なっている。原子力に対する一般市民の強い反対にも関わらず、野田佳彦首相の政府は、2基の原子炉の再稼動を開始した。さらなる再稼動は、安全性の確認と地元の合意に依存する。我々の見解では、このような状況において原子力発電を慎重に再開することは責任ある正しい措置である。

日本は、エネルギー効率の向上において非常に大きな進歩を遂げ、エネルギーの研究開発で世界的なリーダーとなっている。日本人は、エネルギー消費の削減と、エネルギー効率に関する世界最高の基準の設定において、驚異的な国民的結束を発揮してきたが、近未来における原子力エネルギーの欠如は、日本に重大な影響を及ぼすであろう。原子力発電所の再稼動なしでは、日本が2020年までに二酸化炭素 (CO2) 排出量を25パーセント削減する目標に向って有意義な進歩を遂げることは不可能であろう。原子力は、現在も将来も、排ガスのない基底負荷発電の唯一の実質的ソースとして残るであろう。環境省のデータによれば、日本の排出量は、原発再稼動なしでは、2020年までにせいぜい11パーセントしか削減できないが、再稼動できれば、20パーセント近くまで削減できるという。1 原発を永久に停止した場合は、輸入した石油、天然ガス、石炭の消費量が増大するだろう。さらに、国のエネルギー政策に関する決定の延期は、エネルギーに依存する重要な産業を日本から追い出しかねず、国家の生産性を脅かす可能性がある。

また、開発途上国は原子炉の建設を続けるので、日本の原発永久停止は、責任ある国際原子力開発を妨害することにもなるだろう。フクシマ以後一年以上にわたって原子炉認可を中断していた(ただし、進行中のプロジェクトは中断しなかった)中国は、新規プロジェクトの国内建設を再開しつつあり、最終的には重要な国際ベンダーとして台頭する可能性がある。中国が民生用原子力発電の世界的開発のメジャー・リーグでロシア、韓国、フランスに加わろうと計画しているとき、世界が効率的で信頼性の高い安全な原子炉や原子力サービスから利益を得るためには、日本が遅れをとることはできない。

他方、米国としては、使用済核廃棄物の処理にまつわる不確実性をなくし、明確な許認可手続きを導入する必要がある。我々はフクシマから学習し、是正措置を導入する必要性を十分に認識しているが、原子力はエネルギー安全保障、経済成長、環境上のメリットなどの分野でまだ巨大な可能性を保持している。日本と米国は、国内/国外の安全かつ信頼性の高い民生用原子力を推進する上で共通の政治的、商業的利益をもっている。東京とワシントンは、フクシマからの広範な経験を生かしながら、この分野で同盟関係を活性化し、安全な原子炉の設計と健全な規制業務の普及を世界的に促進することにおいて指導的役割を再び演じる必要がある。3.11の悲劇のために、経済と環境をこれ以上大きく衰退させてはならない。安全でクリーンな責任ある開発と利用によって、原子力は日本の包括的な安全保障に欠かせない要素を構成する。そしてこの点において、原子力研究開発での日米の協力は不可欠である。
(中略)
 

日本に対する提言

原子力発電の慎重な続行は、日本にとって正しく責任のあるステップである。
2020年までに二酸化炭素(CO2) の排出量を25パーセントカットする意欲的な目標は、原子力発電所の再開なしでは成し遂げることはできない。また、エネルギーコストの高騰は円の高騰を伴うため、エネルギー依存の高い産業の国外流出を食い止めるためには原子力発電の再開は賢明である。福島を教訓に、東京は、安全な原子炉設計と堅実な規制の実施を促進するための指導的役割を再開すべきである。
(以下略)
by nonukes | 2015-04-05 16:50 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

  小坂正則

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