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小坂正則の個人ブログ

最終処分場の「高レベル放射性廃棄物」は問題が発生したら掘り返す?

日本中どこにも核の最終処分地がないのにそれでもまだ原発を動かそうとする安倍政権
最終処分場の「高レベル放射性廃棄物」は問題が発生したら掘り返す?

小坂正則
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昨日、経産省の高レベル放射性廃棄物地下処分作業部会の最終答申がまとまったという報道がありました。これまで「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が02年以降、処分場受け入れ自治体を公募していますが、13年間に高知県東洋町がたった1件の申し込みがあっただけです。しかも、その申し込みも町長の一方的な独断で行ったためにリコール騒ぎとなり、核廃棄物受け入れ賛成派と反対派の町長選挙で反対派が圧勝して、新町長が申し込みを取り下げて、あっけなく幕切れとなったのです。それ以外も受け入れ推進派による水面下の動きは奄美や五島列島や鹿児島県大隅町など全国各地にあったのですが、表面化した段階で激しい反対運動でどこも全て潰されて来たのです。
そのような全国でどこも受け入れ先のない「核のゴミ」問題を議論する作業部会が今年の3月までに国民の声を聞いて、4月終わりには閣議決定する予定と伝えています。ここでも4月の統一地方選を待って、新たな核のゴミ処理方針を決めるというのです。

新たな方針とは「政府の強いリーダーシップで選定」と「掘り返し可能な処分」

これまで交付金という甘い餌で釣ろうとしてきたのですが、どこの自治体からの申し込みもなかったので、こんどは政府が選定して、強行に地方に押しつけることが決まりました。だから、沖縄の基地のような暴力的に地方に核のゴミ捨て場を押しつけるつもりです。
そしてもうひとつの変更が実に振るっているのです。これまでの高レベル地下処分案は地下300メートル以上の穴を掘って、そこに埋め捨てるという方法でした。ところが世界一地震と火山が多い日本列島に10万年も20万年も地震も噴火の影響もない場所などあるはずがありません。だからどこも受け入れる自治体がなかったのです。そこで、政府は手のひらを返して「いったん処分した後でも将来危険性があるときには掘り返すことが可能な処分を行う」というように変更すると説明しているのです。
それだったら、「我が自治体が受け入れてもいいのではない」という自治体が表れるかもしれないと期待しているのです。しかし、こんなウソにだまされてはなりません。

一旦埋めた高レベル放射性廃棄物は二度と掘り返すことなどできない

こんな初歩的なウソを公然とつくから「御用学者」と「官僚」と「安倍政権」は信用できないのです。なぜこれまで科技庁や「原子力発電環境整備機構(NUMO)」は地下処分と言っていたのですか。地下300メートル以上の場所に埋め捨てると説明してきた理由は「放射性廃棄物は一旦埋めたら掘り返すことが困難だった」からなのです。もし、掘り返したり移設できるのだったら、わざわざ地下に保管する必要などないでしょう。地下に埋めて蓋をしてしまうのは、高レベル放射性廃棄物のキャニスターに人間が近づけばわずか10秒から20秒で死んでしまうほど強烈な放射線を出す危険なものなのです。だから地下処分は、ロボットなどの遠隔装置で運び入れて、その後はセメントで完全に埋めてしまうのです。それを「地震や火山噴火や地下水が出て、放射能が漏れだしたら掘り返す」など国民をバカにした作り話です。
日本各地に炭坑後がありますよね。それは海水や地下水が溜まって、もう掘り返すことはできません。だから二度と石炭を掘ることはできないのです。もし、地下処分場を掘り返すことが可能な状態にしておこうと思ったら、エレベーターを毎年2回のメンテナンスをする必要がありますし、20年に1回はエレベーターの取り替えが必要でしょう。それに地下水が溜まらないようにポンプによる地下水の汲み上げを24時間365日行わなければなりません。その作業を20万年やるくらいなら、わざわざ地下に保管するよりも地上の建屋で保管する方がよっぽど安上がりでしょう。地上ならエレベータもポンプも不要ですから。
なぜ地下処分するのかという理由は、20万年も人間が管理すると天文学的なコストがかかるので地下処分するというのが国際的な処分方法なのです。もし、地上で20万年も人間が管理するのなら、この原発が生み出した電気というエネルギーを遙かに上回るエネルギーが保管のために必要になるのです。

使用済核燃料は地上にて金属キャスクで乾式保管するしかない

またフィンランドのオンカロという世界で唯一稼働予定の地下処分場は1億年も地殻変動が起こっていない場所なのです。だからそんな場所なら地下処分が可能かもしれませんが、日本にはそんな安定した地層などあり得ません。だから金属キャスクに使用済み核燃料を入れて空冷の乾式保管が一番安全だと言われているのです。プールの中に入れて冷やすのはプールの水が何らかの原因で漏れ出ててしまったら、自分の熱で溶け出す可能性があるからです。どっちにしても核のエネルギー利用という人類がやってはならないバカな真似をやったのですから、そのツケは人類が絶滅するまでの間は地上で保管し続けるしかないのです。特に再処理などしなくて、ワンスルーで核燃料棒をそのままの状態で乾式保管が一番安全で安上がりな方法なのです。しかし、安全で安上がりだといってもエネルギーコストからみたら採算など決して合いませんがね。これだけ技術革新進んでどんどん再エネの価格が下がってきているのですから、一刻も早く原発から撤退して、核のゴミをこれ以上増やさないことが必要なのです。原発の再稼働などやってはならないのです。原発が作ったエネルギー以上に保管のためにエネルギーが必要などという漫画のようなバカ丸出しの負の遺産を私たちはこれから永遠に面倒見続けなければならないのです。私たち人類の大きな過ちの記念碑の1つとして。



核のごみ:「回収可能性」明記 経産省が基本方針改定案
毎日新聞 2015年02月17日

 経済産業省は17日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定手順などを検討する作業部会(委員長・増田寛也元総務相)を開き、核のごみを地中深く処分した後でも将来世代が回収し、処理方法を決定できることなどを盛り込んだ基本方針の改定案を示した。核のごみの「回収可能性」を法律で明記するのは初めて。

基本方針は、特定放射性廃棄物最終処分法に基づく。改定は、東京電力福島第1原発事故前の2008年以来、7年ぶり2回目。経産省は一般から意見を募集したうえで、4月ごろの閣議決定を目指す。

改定案は、核のごみ処分について「発生させた現世代の責任として、将来世代に負担を先送りしない」と明記。核のごみを金属の専用容器に入れて地下300メートル以上の深い地層に埋める「地層処分方式」を導入することを明確化した。一方、処分地選定については、政府が前面に立って科学的有望地を示すとしたうえで、処分場を受け入れる地元の合意形成に向け、どのような「対話の場」が適切か今後検討するとしている。

さらに、核のごみの「回収可能性」や計画の「可逆性」といった文言を初めて盛り込んだ。ごみをいったん処分場に埋めても、将来世代が最新の科学技術で処理できることや、計画を柔軟に変更することなども明記。処分計画に幅を持たせることで、受け入れ自治体の負担感を減らす狙いがある。

一方、ごみの処分方法の選択肢を確保するため、使用済み核燃料を処理せず、そのまま地下に埋める「直接処分」の技術研究を進めることも初めて盛り込んだ。

処分地選定については、経産省の認可法人「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が02年以降、処分場受け入れ自治体を公募しているものの、難航している。国内の原発などには、約1万7000トンの使用済み核燃料がたまっている。早期の原発再稼働を目指す政府にとって、核のごみ問題の解決は喫緊の課題となっている。【中西拓司】
Commented by レア真海 at 2015-05-27 09:15 x
はじめまして小坂さん。
北アメリカ東海岸在住のレアと申します。
拙ブログに、この記事を転載させていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか?

お返事お待ちしています。
よろしくお願いします。
Commented by nonukes at 2015-05-27 22:15
レアさま
書き込みありがとうございます。
もっと深刻な状態に進んでいます。
閣議決定を今週中にも行う予定だそうです。
国は徹底的高レベル地下処分を行う予定のようです。
私たちは断固として徹底的に阻止しなければなりません。
どうか米国中にも広げてください。よろしくお願いいたします。
Commented by レア真海 at 2015-05-28 08:58 x
早速お返事してくださり、本当にありがとうございました。
この記事が書かれたのは4ヶ月ほど前ですが、やはり事態は悪くなっていっているのですね。
なんということでしょう…。

微力ではありますが、精一杯伝えていこうと思います。ありがとうございました。
by nonukes | 2015-02-19 01:14 | 原発再稼働は許さない | Comments(3)

  小坂正則

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