人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

小坂正則の個人ブログ

マスコミを屈服させようとする一国の首相と、無抵抗で白旗を揚げるマスコミ

マスコミを屈服させようとする一国の首相と、無抵抗で白旗を揚げるマスコミ
小坂正則
マスコミを屈服させようとする一国の首相と、無抵抗で白旗を揚げるマスコミ_d0174710_13251398.jpg

どうも安倍晋三首相という方は100年もののビンテージワインのような頭脳の持ち主のようです。いえ、ビンテージワインならアルコールが熟成してまろやかな味を醸し出しているかもしれませんが、こっちはただ古いだけで腐って使い物になりません。
安倍首相はマスコミやジャーナリズムというもの使命や目的をどうも理解していないようです。マスコミが自由主義国家の中で第四の権力といわれるように執行府、立法府、司法という3権力に独立した大きな力を持っているのです。なぜなら第四の権力として存在するマスコミとジャーナリズムは国家権力が隠そうとする情報や官僚の犯罪を国民の前に暴き出し、国家権力の暴走や官僚の行動をチェックする大きな役目があるのです。国営放送のNHKのように政府の広報機関はもはやマスコミとはいいません。だから権力を持った政党に対しては野党よりも厳しく対応するのは当たり前のことです。しかし、日本のマスコミは読売や産経のように自民党にこびを売る新聞社が多くて本来のマスコミの機能を有していないのです。テレビ局のトップが首相と夕食を共にするなど、独裁国家の主催する晩餐会に参加する国営新聞社のトップと同じです。

安倍首相は立憲主義憲法を理解できない

2013年4月1日の日刊ゲンダイによると3月29日の参院予算委員会。民主党の小西洋之議員(41)から憲法論議を挑まれた安倍首相は、一言も答えられず醜態をさらしたのだ。小西議員は、まず憲法13条について質問。13条は〈個人の尊重〉を記した憲法の柱だ。ところが、首相は13条について知らなかったらしい。素直に「知りません」と答えればいいものを、悔し紛れに「クイズのような質問は生産的じゃない」「子供っぽいことは、やめましょうよ」と抗議する始末。
さらに小西議員が「憲法学者の芦部信喜、高橋和之、佐藤幸治をご存じですか」と聞くと、「私は憲法学の権威でもございませんし、学生だったこともございませんので、存じておりません」と開き直ったのだ。しかし、3人は日本を代表する憲法学者である。普通のサラリーマンは知らなくても恥ずかしくないが、総理として「改憲」を訴えながら「大御所」の名前をひとりも知らないとは信じがたい。憲法を勉強していないのか。
「憲法を勉強する学生なら3人の名前を知っていて当然です。東大教授だった芦部信喜先生の著書『憲法』(岩波書店)は、大学の憲法学の教科書としても使われています。安倍首相は憲法を勉強していないから、無責任に改憲を掲げられるのでしょう」
自民党の中堅議員が言う。「安倍首相の母校である成蹊大法学部をバカにするわけではありませんが、正直、安倍首相は、あまり優秀ではない。憲法も経済もほとんど理解していないでしょう。アベノミクスなどともてはやされているが、経済も本当はチンプンカンプンのはずです」こんな男が「政治は結果だ」と威張りちらしているのだから、日本の政治は末期的だ。(ここまで引用)
 
マスコミも自分の言いなりに出来ると思っている

NHKが2001年1月30日に放送したETV特集シリーズ「戦争をどう裁くか」の第2夜「問われる戦時性暴力」で、慰安婦問題などを扱う民衆法廷(模擬法廷)の日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷に関する番組に関して、安倍官房長官は『内容偏り』と放送の前日、幹部呼び指摘」との見出しで、経済産業相・中川昭一と内閣官房副長官・安倍晋三からこの番組の編集についてNHK上層部に圧力をかけたことを2005年1月12日、朝日新聞は伝えています。
このように安倍首相は自分の意に反する報道には自分の置かれた地位など考えることなく、徹底して権力を振りかざして直接介入してきたのです。11月19日の日刊ゲンダイによると、11月18日、RBSニュース23に生出演した安倍首相は番組開始20分ほどで「景気回復の実感」に関して、街の声がVTRで紹介された。「誰が儲かってるんですかね」「景気がよくなったとは思わない」「全然アベノミクスは感じてない」「大企業しか分からないのでは」と誰もが素直に感じている言葉が並んだ。ところが、安倍首相の表情は一変。司会者の発言を制し「(テレビ局の)皆さん(人を)選んでおられる」と批判し「6割の企業が賃上げしてるんですから」「全然、声に反映されてない!」「おかしいじゃないですか!」とまくし立てたのだ。(ここまで引用)
その後、自民党は11月20日付でテレビ各局へ要請文をだしたという。11月27日の毎日新聞によると自民党がNHKと在京民放テレビ局に対し、選挙報道の公平中立などを求める要望書を渡していたことが27日分かった。街頭インタビューの集め方など、番組の構成について細かに注意を求める内容は異例。編集権への介入に当たると懸念の声もあがっている。要望書は、解散前日の20日付。萩生田光一・自民党筆頭副幹事長、福井照・報道局長の両衆院議員の連名。それによると、出演者の発言回数や時間▽ゲスト出演者の選定▽テーマ選び▽街頭インタビューや資料映像の使い方--の4項目について「公平中立、公正」を要望する内容になっている。街頭インタビューをめぐっては今月18日、TBSの報道番組に出演した安倍晋三首相が、アベノミクスへの市民の厳しい意見が相次いだ映像が流れた後、「これ全然、声が反映されてません。おかしいじゃありませんか」と不快感を示していた。(ここまで引用)
その影響はすぐに出ています。11月28日の朝日放送「朝まで生テレビ」の「激論!総選挙直前!これでいいのか?!日本の政治」番組に各党の代表とパネリストとして出演予定だった評論家の荻上チキさんが「質問が一つの党に偏り公平性を担保できなくなる恐れがある」(共同通信11月28日)としてテレ朝側から前日になって出演を取り消されていたのです。これは明らかに自民党の要望書の影響です。

この国の自由と民主主義を守るためにマスコミは自民党の圧力に屈するな

今回の総選挙は争点隠しの選挙です。アベノミクスという金融緩和と国債を日銀が買い入れるという経済政策を日銀は安倍政権の僕のように行っていますが、やがてこの政策も終わらなければなりません。その時、大きな副作用が日本経済を襲ってくるのです。それは麻薬中毒患者へ麻薬を打ち続けていることに過ぎません。経済をよくするための何の治療でもないのです。それに消費税増税を1年半延期するといったら増税反対派も賛成派も異論はないはずです。総選挙の争点はアベノミクスなどというインチキ経済政策ではないのです。
争点は集団的自衛権の行使や憲法改正議論なのです。それに沖縄の辺野古基地への米軍移転など、これ以上沖縄に基地を押しつけていいのかや原発再稼働などのエネルギー政策の議論が本当の争点なのです。
しかし、安倍首相は争点をはぐらかして、「アベノミクス選挙だ」とうそぶき、その本当の争点を暴き出す作業をマスコミは尻込みしてやろうとしていません。いま、まだ頑張っているのはTBSのニュース23とテレ朝の報道ステーションだけです。朝日新聞は従軍慰安婦事件で完全にギブアップしてしまって、新聞社で頑張っているのは東京新聞と日刊ゲンダイだけの感があります。全国の報道人は今こそ報道の自由を守らなければ、このまま安倍政権が選挙に勝って長期政権が実現したら、次は特定秘密保護法でマスコミ潰しを徹底的に打って出るでしょう。そんな恐怖を私は感じてならないのです。しかし、第一線の記者の皆さんは日々真実の報道や権力の腐敗にメスを入れるたたかいに挑んでいます。第一線のNHKの記者もしかりです。私たち読者が彼らを応援することも大きな力になるのです。良心的な新聞を買い支えることやテレビ局に賛同の声や抗議の電話を入れることなど出来ることをやって、良心的なマスコミ人の行動を支えよう。

私たちは自らの首を絞めようとしていることに気づかなければ

安倍晋三人気は依然高いままです。40数パーセントの支持率です。そして昨日マスコミは一斉に「自民300議席をうかがう勢い」と報じています。「そんなバカな」と、私は自分の目を疑いましたが、これが冷徹な現実です。ちょうど戦前の日本が軍部の暴走を許して、全体主義国家に突き進んで行く途中でも、このような多くの国民の意に反する社会現象が起こっていたのだと思います。「ファシズムは民衆の熱狂から生まれる」と言います。「日本を取り戻す」というような中身のないフレーズに多くの国民は騙されて、困窮した経済の現状を英雄が変えてくれるという幻想を持つことが原因です。これに対抗するには、私たちは冷静に論理的に現状を見つめて、「現状を変革するには誰かに依存しても解決策はない」と。だから「私たち自らが痛みを分け合って生きていけく方法を一緒に考えよう」と、訴えるしかないのです。私たちは絶望的な瀕死状態のマスコミに頼ることは出来ませんので、私たち自身でこのファシズム前夜の闘いに挑まなければならばいのです。「あのときもっとファシズムに反対する声を挙げておけばよかった」と後悔しないためにも、いま出来る限りの行動を行って安倍ファシズムの登場を阻止しましょう。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記と安倍晋三首相の顔が同じに見えるのは私だけでしょうか。せめて、選挙で自由に候補を選ぶことが出来る現状では非自民党に投票して安倍政権にNOをたたきつけようではありませんか。



by nonukes | 2014-12-05 13:25 | 脱原発選挙 | Comments(0)

  小坂正則

by nonukes