2014年 09月 04日
新安倍内閣は日本丸を破滅に向かって突き進めるだけだ
新安倍内閣は日本丸を破滅に向かって突き進めるだけだ
地方再生は地元の資源を活かして地場企業と住民と自治体の協力で可能
小坂正則
アベノミクスの化け皮はすぐに剥がされる
9月3日に新安倍内閣が5人の女性大臣を引き連れて誕生しました。彼が掲げる大きな目標が地方再生と女性の活用で日本が経済成長を実現させることだそうです。
しかし、今年4月の消費税3%の導入で、経済成長は大きく後退して、4月から6月までは対前年比マイナス6.8%と大幅な景気後退を示していました。それは消費税が上がる前の2月3月の駆け込み需要の反動だというのが政府の見解でした。しかし、それであれば、7月8月の景気動向がもっとも重要になるのです。これまでの消費税の導入でも7月以降は景気回復を実現しているのですから。安倍政権は来年10%の消費税率を実現させるためにも、6月のマイナスからプラスへ転じさせなければ消費税10%は不可能ですから、数字をごまかしてもマスコミ発表はプラスに転じたとするでしょう。
しかし、実際の景気は東京など一部の大都市以外では好景気の実感はわいていないようですし、東京だけは例外的にオリンピック景気で沸いているようですが、それに比べて地方都市では公共工事と太陽光発電以外の民間需要は大変冷え切っているようです。
アベノミクスは金融緩和と公共投資という麻薬政策で矛盾の先送り
アベノミクスは金融緩和で円を市場にドンドン出して、インフレ政策をこの間やって来ました。そして相も変わらぬ無駄な公共事業を全国で行ってきました。最初はそれでも、金融緩和で市場に大量の円が流通した結果、民主党政権の反動で好景気が続いたのも事実でしょう。しかし、その麻薬的な刺激もいつまでも効果が続くわけはないのです。麻薬は長く使い続ければ常習者になり、麻薬が切れたらそれこそ奈落の底に落ちてしまい、うち続けることで現状維持出来るのが精一杯なのです。しかし、毎年50兆円もの赤字国債という形で矛盾の先送りで、むしろ矛盾がどんどん大きくなっていつかは、その矛盾は大爆発を起こすのです。いま、少しだけ好景気に見えるのは日本経済が堅調に回復して結果などではなく、矛盾を先送りしているだけの対症療法なのです。来年には国の赤字国債などが1千兆円から1千58兆円にもなるのです。このツケは私たちの子や孫がいつかは支払わなければならないのです。成長戦略も必要ですが、いま政府の最も取り組まなければならないことは公務員の給与の削減や公共投資など無駄な国家予算の削減による財政再建なのです。だから財政再建によるある程度の不況は国民みなで我慢しなければならないのです。
TPPの規制緩和は日本の成長戦略ではない
しかし、安倍政権はその真逆の政策を進めています。3本の矢の最後が規制緩和の大きな目玉がTPPですが、これは一部のトヨタやホンダなど世界に輸出する多国籍企業にはメリットはあるでしょうが、中小企業などにはほとんどメリットはないのです。TPPは米国による不平等条約の締結なのです。TPPは農産物の自由化とよく言われますが、日本の農業収入はGDPのわずか数パーセントでしかありません。それよりも米国が狙っているのは日本の皆保険制度を破壊して自由診療という名の保険適用の除外する医療を導入して、民間保険会社が社会保険に取って代わろうとしているのです。また、日本が独自に遺伝子組み替え食品の輸入禁止やいろんな農薬使用を禁止する様々な規制法を作っても、その法律で米国の企業が損害を被ったら、日本の法律をやめさせることだって出来るのです。その条約がISD条項「投資家対国家間の紛争解決条項」です。
そのほかアベノミクスの第三の矢の大きな柱に「労働規制緩和策」があります。その中身は管理職でもない平サラリーマンに残業代を支払わなくてもいい「エグゼクティブ社員制度」や「解雇規制の緩和」などです。これは労働コストを切り下げるための制度ですが、日本のサラリーマンの平均年収は1997年が468万円で、2012年には408万円にまで下がっているのです。その上、非正規雇用の若者が若者の就労者の5割という現実を見るに、今よりももっとサラリーマンの所得を少なくする政策はサラリーマンの可処分所得を下げることで国内の消費不況をいっそう招くことになるのです。
地域再生は地方分権と地方自治体と地場企業と住民の知恵と協力で可能
日本経済全体での話としては日本経済が3%成長を続けるなどというのはあり得ない話です。しかし、私たちはこのまま指をくわえて日本が崩壊するのを黙って見ているわけにも行きません。なんとかして地方に雇用を生み出して経済を再生させなければ、地方は人口減少とインフラ整備の予算がなくて死に絶えてしまうでしょう。
アベノミクスには反対の私とて地方再生は私たちが取り組まなければならない至上命題なのです。しかし、石破地方再生大臣がどんなに予算を付けて、国主導で地方に箱物を作っても、それで地方が過疎化に歯止めをかけられたり、地域活性化が実現するなどというのはあり得ないのでしょう。
これまでと同じ橋や道路といった公共工事を行えば、セメントと鉄の需要はありますが、それらはほとんどが県外資本の企業が利益を上げるだけで、作ってしまえば、その施設の維持管理にまた、とてつもないメンテナンス費用が発生するのです。これからの公共事業や地域再生事業は、地域それぞれが独自に考えて、その地域の資源を最大限活かした事業に集中的に投下すべきなのです。それは例えば風力発電を作って電気を生み出せば、毎年その地域に電気料金という形でお金が落ちて、地域限定のお金が回り出すのです。
また、エネルギー産業は大きな利益を地域で生み出すことが可能です。森林資源のある地域では大規模な製材所とエネルギー基地を整備して、そこで木質バイオマスの熱利用と電力の複合施設を作れば、そこで新たな林業労働者の雇用を生み出すのです。そしてそこで生まれる再生可能エネルギーは、国富の流出を防ぐことになり、地域が元気になり国内景気にも貢献できるのです。そのような地方主体の地方再生事業を進めるためには一律に同じ政策を強要する中央集権の安倍政権で不可能です。彼に出来るのは原発の再稼働を強行して原発事故の危険性と核のゴミを地方に押しつけることぐらいが地方再生政策の全てでしょう。
そのほかにも地方分権による地域再生の手はあります。福祉や老人介護だっていいのです。それらは大きな雇用を生み出すのです。また、田舎の自然を生かして観光と教育をリンクした新しい観光教育事業だってあるでしょう。老人施設と保育施設を一体で運営し、老人と子どもたちが一緒に遊びふれあう施設なども作れるでしょう。そのような規制緩和も地方分権で作ることが出来るのです。全てはアベノミクスが1日も早く終わることが前提ですが。
私が工事した鹿児島のお客様のペレットストーブです
by nonukes
| 2014-09-04 14:43
| 「緑の党」をつくろう!
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