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小坂正則の個人ブログ

今日は風車の取材に来ています。2

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自慢の電気自動車の中のバッテリーを見せてもらっています。軽の箱バンを
改造して作っています。80キロ走行するそうです。電気自動車も自分で作った
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電気自動車で風車を見に行きました。
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太陽光も当然ながら自分で手作りです。ここのは全量買い取りで売ってるそうです。20kw
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Hさんのお店です。私が訪問した日もお客様が来てました。街の電気屋さんという感じです
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店舗を兼ねた自宅横が2級河川です。そこの自分の土地に小型水車ようの水取り込み口です。落ちたらここでも一巻の終わりです。
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月に1回は取水口の掃除をするそうです。すぐ左側は高さ10メートルの滝壺です
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激しく水しぶきを上げているのが水車の羽根です。羽根は見えませんが
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これは昼ご飯のごちそうです。何かというと「サツマイモの粉を練ったダンゴ」です
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サツマイモの粉です
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Hさんが一生懸命粉を練ってごちそうを作ってくれています
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粉をダンゴにして、それを切って湯通しすればできあがりです。黒砂糖やごまをまぶして食べてもおいしい
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Hさんのトイレは工事現場用の簡易トイレを使っています。なぜか自宅にはトイレはあるのですが
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その理由は、簡易トイレの中でうんこを有機肥料に発酵させているそうです。オーバーフローした液肥は野菜畑やサツマイモ畑にまいているそうです。納豆菌をトイレに入れるから発酵がはやいそうです。
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風車の横はサツマイモ畑です

今日は風車の取材に来ています。2
小坂正則

昨日は恐怖の風車見学でした。さて、その前に風車の現場まで乗せて行ってもらった自動車は、これも「手作り電気自動車」です。軽の箱バンの廃車を5万円で買ってきて、エンジンを取り払って、そこにモーターと電池を乗せて、自作の電気自動車を作ってしまったのです。陸運事務所には半年通ってそうです。10回くらい、書類の書き換えをさせられたと話していました。その根性たるや、さすが「奇人変人」です。申請書類だけで10センチの厚さがあるそうです。快適に静かなモーター音を響かせながら農道を走っていきました。
次に見に行ったのは、これも手作りの太陽光発電です。手作りと言っても、太陽光パネルとインバーターはメーカーから買ってきて、それを自分で、架台を設置して、作ったものです。皆さんが設置してもらう金額の半分近くで出来たと話していました。
それからお店にいったん帰って、その日は一緒に酒を飲んで夜遅くまでいろんな話をして過ごしました。
私のような「奇人変人」とよく言われる人間でも、この方の前では単なるどこにでもいる普通の凡人です。私なんかものすごく普通の人間で、恥ずかしくなってしまいます。Hさんは何でも自分で作ってしまうのです。

完全自給自足の生活を送っているそうです

翌日はちょっと焼酎の飲み過ぎで、まだアルコールが残っているような体調だったのですが、さっそく朝7時に起こされて、朝風呂に入れてもらいました。風呂は電気温水器で、その電気は横の川に設置した小水力発電の電気で沸かしているのです。それに小水力の電気は自宅の蛍光灯用に使っているそうです。
さあ、川の中にどんどんHさんは入って行きますが、「滑って転んだら大変だから、気を付けてね」と、何度も注意されました。水車の取水口は10メートルの滝の上です。「あまり端まで行ったら危険だから行かないように。滑り落ちたら即死だよ」と。ここでも恐ろしい高所での作業です。自分で何でも作るということは気の抜けない危険が伴う作業が必要です。はやり、「都会の何も危険と向き合っていない方にはむりだなあ」と思いました。百姓は危険な作業など何でもないようにやってましたよね。高い木に登って木を切ったり、高い崖によじ登って作業をしたり。そうなのです。生きると言うことは危険と背中合わせなのです。
そんなことを考えながら14メートル下の水車の運転している場所まで降りていって、水車も見て来ました。これもさすがです。写真はありませんが、取水口から30メートルから40メートルある水車までの道管は上の方は鋼管で、1本300キロもあるそうです。それを基本的には1人か奥さんに手伝ってもらうか、どうしても出来ないときは誰かに加勢してもらうそうです。そんな鋼管を滝の上から下まで連結させているのです。これにはさすがの私も脱帽しました。もう26年前からこの水車は動いているそうです。また、2級河川に設置している水車といえば、大半が違法な設置のものが多いのですが、私が「これはこっそり付けてるの」と聞いたら、「そんなことはないよ。もともと私の家の先代は楠の木から樟脳を作る仕事をここでやってたんだよ。そしてこの上の滝から、水を引いて昔の水車で楠の木を砕いて、その横で煮詰めていたんだ」とのことです。
「だから慣習としての水利権をもともと持ってたし、川の横の土地は私の土地なんだ」と。私はビックリ。「この川の一部があなたの土地なんだ。だったら誰にも文句は言われないね」と。「でも、水車を動かすには県の許可がいるんで、町がそのための申請などに協力してくれたからね。自然エネルギーは誰も反対はされないし、下流の田圃などの持ち主の迷惑などかけないから、許可が下りたんだよ」だそうです。
何と、河川地図にもちゃんとここに水力発電所があると明記されているそうです。さすがだね!

生活そのものから循環型社会をめざさなければ

さて昼飯と朝飯はなぜか「サツマイモ団子」でした。なぜサツマイモ団子かというと、「繊維が多くて、カロリーが少なくて、ミネラルが豊富で、これを私は食べて血圧も平常にして、病気も治したんだよ。病気を治すのは薬はいらない。食生活を改善すれば身体は元気になるんだ。不要なものは食べないことだよ」だそうです。
この「サツマイモ粉」は販売もしているそうです。私にも「試してみろ」とおみやげにもらって帰りました。さっそくこれから主食をサツマイモに変えようかな。
そして最後に見せてもらったものが「簡易トイレ式液肥作り機」です。何と言うことはないのですが、簡易トイレを安くもらってきて、そのトイレのタンクに納豆菌を入れて、そこで出来た液肥を有機肥料として利用しているそうなのです。さすがだと思いました。彼に言わせたら「無駄なものはこの世には何もない。原発以外は」だそうです。これにも納得です。

風車や小水力など自然エネルギー学校を作ろう

さて、この話はどこにたどり着くのだろうかと、今日も帰るギリギリの時間まで議論をしました。最初は「小型水車や風車をあなたも作りませんか」といったような本を書きたくて取材に行ったのですが、行って見ると、「これは間単に素人が手を出せるようなものじゃない」という気付いたのです。それじゃあ何にもならないから、何とかして、次の手を考えなければ。と、その時思いついたのです。大分県の久住で「風車の学校」を作ろうと奮闘しているOさんのことを思いだしたのです。
「そうだ、Oさんがいる。彼は韓国の「風車の学校」で学んで、日本にも風車の学校を作りたいと言ってた。彼も一緒に巻き込んで、風車や小水力の実践的なワークショップをやったらどうかな。そして、最終的には地域で自分たちの町や村に自分たちで風車や水車をつくるんだ。そしてメンテも地元の電気やにやらせるんだ。大手の電気屋が仕事も何もかっさらってしまって、地方の電気店はどこも息もたえだねなんでしょ」。と、私がいうと、Hさんは「確かにそうなんだ。特に風車は日立や三菱やIHIなどの大手が作って、メンテは独占していて、工賃が高くて、結局地方の自治体が作っている風車は採算が合わなくてどこもやめているんだ。私の風車と同じ型の風車を私が建てた翌年に、長野県のある企業が3本建てたんだよ。しかし、採算が合わないということで、もうとっくに壊しているんだ。だから採算に乗せるには自前のメンテナンスがどうしても必要なんだ。ちゃんとメンテをやっていたら何十年だって動くんだ。私の中古風車は10年経ったのを輸入して、もう25年くらい経つから、すでに35年だけど、あと10年も20年も大丈夫だ。それだけ動けば、そこに1人分の仕事が生まれるんだ。だからどんどん壊して新しいのを作るよりも、古いのは古いなりに大切に動かすことが大事なんだ」と。「キューバに私は行ったことないけどアメリカの50年代の車が今でも走っているんだそうだよ。博物館から抜け出したような車ばかりだという。そして部品ももうないから、自分たちで部品まで作ってしまうんだとさ。それがオルタナティブな技術なんじゃないかな。何でも買ってくるというのは安っぽい文化だよ。だから私はギアからねじまで自分で削って作るんだ。ネジやギアまで作ったら、どこが調子が悪いかが音を聞いただけで分かるんだ。風車も人間も似たようなもんなんだ」と。
「技術を民衆の側に取り戻す」これが私たちのめざす「自然エネルギー学校」の精神だね。と私とHさんは笑いながら意気投合しました。私たち住民による「技術も文化も取り戻す」文化大革命なんだ。安倍なんかに負けないぞ!パチパチ(拍手)
つづく
by nonukes | 2014-07-13 18:57 | 自然エネルギー | Comments(0)

  小坂正則

by nonukes