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小坂正則の個人ブログ

九電株主総会に参加して「原発の危険性と不採算性」を徹底追及しました

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九電株主総会に参加して「原発の危険性と不採算性」を徹底追及しました
小坂正則

昨日の6月26日は全国一斉に電力会社の株主総会が開催された日です。今年も沖縄電力を除く全9電力会社の株主総会に、脱原発の市民株主による「再稼働反対」や「原発からの撤退」などの株主提案が出されましたが、例年のように全て否決されました。
私も別府を朝5時40分出発の福岡行きのバスに乗って九電株主総会が開かれる「ホテルユーオータニ博多」へ向かいました。
天神は8時ちょうどに着いたバスから歩いて会場へ向かった私は、ホテル前にはパラパラと反原発の仲間たちがチラシを撒いていました。いつものように総会開始の10時まで1時間30分を会場前で集会を行って、気勢を上げて総会へ参加します。今年は川内原発の「再稼働」問題があるので例年になく多くのマスコミが集まっているようでした。「九電消費者株主の会」代表の木村京子さんの株主提案の説明を行って、いざ総会の会場へみんなで入って行きました。

いまだに自分たちの置かれている状況を理解できない経営陣

以前の九電のキャッチコピーは「安心安全をお届けするヒューマンな企業」だったのが、今は「ずっと先まで明るくしたい」と変わっていました。確かに「安心・安全」は約束できませんから、「ずっと先まで原発を動かしたい」と変えたのでしょうか。総会では瓜生社長はいつもになくおしゃべりでした。私たちが質問したことに適格に答えればいいものをよけいなことを言ってました。「原発はなくてはならない重要なベースロード電源で、資源のない国の未来の子孫のためにも重要な資源なのだ」とか「原発が止まって6000億円もの燃料代がかかってしまった。日本の産業基盤を守るためにも国富の流出を防がなければならない」などなど。「原発は最も低廉なエネルギー源なのです」など。
私もせっかくバス代払ってここまで来たのだから何かしゃべってやろうと手を挙げました。原発の危険性は皆さんが発言していますので、今更私がいわなくてもいいと思って、ここは原発再稼働で早く配当や株価が上がってほしいと思っている株主に向けて喋ったのです。私の前にも「早く再稼働して経営収支を改善させて株価を上げて配当を復活させろ」という意見があったので、その後に私も発言しました。
「ここに参加している株主の皆さんは原発を早く動かせと思っている方も大勢いますし、私たちのように原発から1日も早く九電は撤退して脱原発のエネルギー政策を目指せという真逆の考えを持っている方もいます。しかし、ここにいる方全員が1つだけ共通した考えがありますね。それは株価が下がって配当がなくなることがうれしい人は誰もいません。なけなしのお金をはたいて株を買った方も大勢いるはずです。年金の足しにしたいと思って株を買った方もいるでしょう。社長それではお聞きしますが原発のない沖縄電力の株価が3000円以上していて、配当があるのはなぜなのですか。原発があるから安い電気を作れるというのはウソだったのですか。沖縄には原発はありませんよ。それでなぜ沖縄は赤字も出さずに経営できているのですか。」
「九電は原発事故を起こしてはいません。事故を起こしたのは東電です。しかし、原発はどこかが事故を起こしたら、必ずこのような安全のための点検や見直しがなされて長期に止まるというリスクを抱えているのです。これも原発の負の側面ですはないですか。私たちは事故は必ず起こると言ってきました。しかし、原発はこのようなリスクもあると言ってきたではありませんか。経済的にも大きな負担になっているから、債務超過一歩手前の経営状態に陥ってしまったのではないですか。」(ここで大勢の株主から拍手がわき上がりました)
「私たちが20年以上前から言ってきたことが現実になったではありませんか」
「質問をします。3千数百億円の費用をかけて再稼働のために川内原発や玄海原発の補修工事をやっているとのことですが、その中に重要免震棟の費用とベント施設の費用は入っているのですか。2点目は今までのお話の中には玄海1号と2号の話は出ていませんが、玄海1号2号は廃炉にするのですか。3点目はその3千億円以上の経費は約1円の電気料金に加算して長期に渡って回収すると説明していましたが、川内原発は1号が10年、2号が11年で40年を迎えますから、わずか10年そこそこで寿命を迎えるのですよ。毎年うまく動いたとしても年間240億円しか回収できませんよ。電気代1円では回収は無理ではないですか。また1円の発電単価に上乗せすると言いましたが、それでは九電の原発の発電単価はいくらになるのですか」

それでも原発の電気は一番安いといいはる

社長の回答では重要免震棟は入っていると言いましたが、ベント施設は入っているとは言わなかったので入ってないのでしょう。作る気かがないのかもしれません。そして玄海1号はいま動かすか廃炉にするか検討中だということでうから「廃炉」は間違いないでしょう。いま「廃炉」と言えば廃炉費用の計上が必要になりますます赤字が増えるので、このまま長期に渡って検討が続くのでしょう。回収できるか出来ないかは答えませんでした。発電コストは社長によると今までは原発のコストは7.4円だったが1円加わるので8.4円だと言いました。しかし、8.4円だったらLNGや石炭火力よりも割高ではないか。低廉で安定して供給できるという原発は低廉でもなく、長期に渡って止まっているのでは安定した電源でもない。原発があるから関電も債務超過になっていて、九電も債務超過一歩手前まで来てしまったのです。2011年度は2300億円の赤字、2012年度は3400億円の赤字、2013年度は1400億円の赤字です。九電の資産は約5兆円で、負債が45000億円なので、今年度の純資産はわずか5千億円です。それがこれまで3年間に負債額が7000億円もの赤字になっているのです。この5千億円の純資産の大半が原発ですから全原発を廃炉にしたら一気に債務超過に陥ってしまうのです。

一番高いのが原子力発電

今朝の朝日新聞にもありますが、「原発のコストは火力よりも割高」立命館大学の大島教授が2011年12月に試算したコストは福島原発事故の費用を5兆8千億円として計算したコストは8.9円だったのが、実際には現在の費用が11兆1千億円なので、それで計算したら11.4円だという記事です。311事故までは政府や電力会社は原発のコストは5,9円と言い続けてきましたが、それが11.5円と2倍にも跳ね上がったのです。しかし、この中にはバックエンド費用といって核のゴミの処理費は全額は入っていないのです。その理由はいくらかかるか分からないからです。

広瀬隆氏提案の「原発を私たちが買い取ってやろう」が現実的に

広瀬隆氏は近頃このように言ってます「再稼働を止め続けるのも限界がある。いつかは結論をださなければならばい。いま電力会社が原発を動かしたい理由はただ1点だ。それは原発をやめたら債務超過に陥るためだ。それなら私たちがその原発を買い取ってやろうではないか。債務超過に陥らないための商法の改正を許してやろうではないか。そのための国民負担がどれだけか試算したところ1月にたばこ1箱程度の1家庭の負担で原発を廃炉にすることが出来るのですよ。それくらいだったら私たちが負担してやろうではないか」。この話私も納得しました。そうです。しゃにむに九電が3千億円以上投資して原発を動かしたいのは債務超過が怖いからです。玄海原発を廃炉と言えないのもそのためです。私たちが原発の残余資産を電気代で買い取ってやればいいのです。
つまり、40年から残った年月の運転可能時間を運転したこととして電気代に上乗せして支払う。そして廃炉になった原発の廃炉費用もその年に廃炉費用を計上しなくてもいいように10年や20年に分割計上できるように商法を改定するのです。そうすれば電力会社は安心してまだ一度も動かしていない原発も廃炉にできるのです。また原発立地自治体には廃炉交付金を10年間から15年間与えます。そして再生可能エネルギー研究開発予算の特別交付金も与えて重点的に原発立地自治体に再エネ投資を行うのです。そうすれば立地自治体に雇用も生まれ、電力会社は不安なしに原発を廃炉にできて、私たちは事故の不安を少しは軽減できるのです。それからゆっくり核のゴミの保管などを国民全員で議論しましょう。


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今はなき試算です。こんなバカな試算などあり得ないのですが
by nonukes | 2014-06-27 10:36 | 原発とめよう!九電前ひろば | Comments(0)

  小坂正則

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