2014年 06月 20日
街頭にこそ私たちの自由が存在する
街頭にこそ私たちの自由が存在する
小坂正則
「小坂君、いま立ち上がらなくていつ立ち上がるのかね」この言葉は5月末に私にかかってきた1本の電話です。電話の相手は「日本山妙法寺」の住職酒迎上人です。
それから、毎週土曜日に私と上人は2人だったり、3人だったりして大分市の繁華街に立って、「安倍政権の解釈改憲は間違っています。皆さんも声を上げましょう」と訴えています。「こんなことをして何になるのだ」と問われても私にはうまく説明は出来ませんが、何もしないで、じっと黙っていることは、安倍がやろうとしていることを認めることに結果としてなり得るから、私は声を上げるのです。
2011年3月11日は第二の戦後だという方もいるように、私たち日本に住む人々にとっては歴史的な大転換点でした。私たちのこれまでの価値観が東日本大震災の地震と津波によってひっくり返ってしまったのです。
放射能が東日本一帯を覆って、人々が福島から関東から逃げまわっていた時にも国は「ただちに人体に影響を与えることはありません」と言って、国民の生命よりも国体の護持が一番大事なことだと言わんばかりに福島の住民を見殺しにしようとしたのです。
それから1年目の大飯原発再稼働問題から、国民の意識も少しずつ変化が現れてきたのです。「このまま黙っていてのでは何も解決できない」と。その意識が官邸前のデモとなって、20万人の人々が官邸を国会を包囲して「原発再稼働するな」という意思を示したのです。残念ながら今では官邸前もわずかな人数しか集まってはいないそうですが、全国にこの流れは確実に広がっているのです。
いつになく皆さんの反応が違う
私はこれまで、30年前から大分の街頭で「脱原発」や「盗聴法反対」など、様々なビラを撒いたり、アピールなどをして来ました。たいていは黙ってビラを受け取るだけだったり、いりませんと手で拒否する人がいます。特に近頃は若い人を中心に、ビラの受け取りが悪いように感じます。だから、今回の「解釈改憲反対」の訴えはビラなど撒かなくても新聞を読んでもらえれば何が悪いかは誰でも分かるはずだから、黙ってプラカードを掲げているだけです。そして、マイクで訴えています。しかし、反応が不断と違うのです。こっちをチラッと見て、ニッコリとして過ぎる人が多いのです。
皆さん分かっているのです。ただ、残念ながら、「それでは私は何をすればいいのか」と聞かれても私にも明確な回答をあなたに差し上げられないのですが。
後から後悔するくらいなら、いま立ち上がろう
戦前の日本軍が中国を侵略して、日中戦争に突き進んで行った時、もしくはもっと前に治安維持法が国会を通った時に、多くの新聞記者や文化人は「この法律は共産党や共産主義者を取り締まる法律で私たちには関係ない」と思っていたことでしょう。しかし、他人事だと思っていた法律がやがて多くの一般国民を「敵国のスパイ」や「不穏分子」とレッテルを張られて牢獄に入れられることになったのです。それが「特定秘密保護法」や「盗聴法」であり、そしてその極めつけが憲法9条を骨抜きにする「解釈改憲」なのだと私は思います。
「日本国憲法」は戦後の国家から国民にプレゼントされたものではないのです。進駐軍から押しつけられたものだと言ってバカにする石原のような軍国主義者もいますが、本当は私たち日本国民が国家権力から戦争やヒロシマ・ナガサキという大きな犠牲を払った末に勝ち取った「二度と戦争はしない」という約束と自由を保障する権利なのです。だから、それを守ろうとする私たちの日々の努力がなければ、私たちの権利である日本国憲法の基本的人権や言論の自由や通信の秘密など、私たちの「権利」は権力者によって再び奪い取られてしまうでしょう。
政治的な問題にあまり関心のない方には「解釈改憲」などどうでもいいように思えるかもしれません。でも、それを許していたら、自衛隊は軍隊となって他国と戦争をするでしょうし、「国民は天皇や国家のために尽くさなければならない」や「徴兵制」が出来て若者が戦争にかり出されることになるのです。安倍は戦前のような国家に忠実な国民こそが彼のいう「美しい日本」であり、それこそが「戦後レジームからの脱却」なのです。今立ち上がらなければ、いつか必ず「こんな社会になるならあのとき反対しておけばよかった」と後悔することでしょう。
みなさんもプラカードを持って街頭に立ちませんか
「解釈改憲反対」とプラカードを持って黙って静かに街頭に立っていたら、それはあなたが安倍を支持しないという表明です。その数が全国に無数と増えていけば、公明党の幹部は震え上がり、「安倍のいいなりになっていたのでは次の選挙はぼろ負けだ」と思い、安倍と縁を切るかもしれないのです。
街頭に立って「解釈改憲反対」とか「解釈改憲は憲法違反」と訴えることは実は日本国憲法がいう「国民の義務」なのです。「憲法第十二条:この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」とあるからです。
いま安倍の「解釈改憲」に心を痛め憲法を守るために一番努力している人は明仁天皇ではないかと私は思います。天皇や大臣やもちろん総理大臣が一番憲法を守らなければならない最大の責任者です。しかし、その安倍首相が憲法9条をないがしろにして平和憲法をずたずたにしているのです。天皇は安倍の暴走に腹立っているように会見の端々からかいま見られます。でも、私たちにも義務はあるのです。街頭に立って「平和憲法を守れ」と訴えることは国民の義務だと私は思っています。
明日6月21日13時から大分市トキハ前に立って「解釈改憲は憲法違反」と訴えます。全国で心ある皆さんは街頭に立って「解釈改憲は憲法違反」や「平和憲法を守ろう」と訴えませんか。
こんな楽しいこともあります
街頭でマイクを持って何かを訴えることは勇気がいりますが、慣れれば何でもないことです。むしろ、自分が何を話そうかと思えば、それだけ勉強しなければならないし、人に話を聞いてもらうためには、人の心に残る説得力のある話をしなければなりませんので練習だと思えば楽しくなります。
また、先日は「ご苦労様です」と言って冷えたミネラルウオーターを差し入れてくれた女性の方もしました。いろんな方との出会いもあるかもしれません。とにかくみなさん「書を捨てよ、町に出よう」(寺山修司)です。
そして、最後に私の恩師である松下竜一氏の短いメッセージを贈ります。
松下竜一 日出生台(ひじゅうだい)演習場ゲート前スピーチ
http://www.youtube.com/watch?v=zIs2cHresjk
by nonukes
| 2014-06-20 17:59
| 「緑の党」をつくろう!
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