2014年 04月 23日
自衛隊員よ、君たちは決して死んではならない!
自衛隊員よ、君たちは決して死んではならない!
小坂正則
先週の4月16日のNHKテレビの「クロースアップ現代」で「イラク派遣10年の真実」という番組がありました。その中で語られたことに、イラク派遣から帰った自衛隊の隊員数4千人の内の28人が日本に帰ってから自殺したというのです。4千人の隊員へのアンケートでは 睡眠障害や不安など心の不調を訴えた隊員が割医上の部隊もあったというのです。 中には、3割を超える部隊もあったことが分かりました」とNHKの記者は語っていました。
隊員の心に深刻な影響を与えたイラク派遣だったということす。「今夜はゲリラが宿営地を攻撃してくるという情報があったので臨戦態勢でいるように」というような指導が日常的に行われていたというのです。
2004年海上自衛隊「たちかぜ」乗員の自殺事件へ今日国の責任を認める判決
今日、10年前の2004年海上自衛隊の21歳の若き隊員が京急立会川駅ホームから飛び込み、自ら命を絶ったのです。彼は横須賀を母港とする護衛艦隊旗艦 「たちかぜ」 所属の一等海士だった。明るく優しい性格の若い海士は、自衛隊内で悪質ないじめに遭っていたのです。そのいじめを告発した1冊のノートに、上官を告発する遺書があったのです。この遺書を見た家族が国と上官に対して国家賠償訴訟を起こしたのですが、1審ではわずか400万円ほどの損害賠償を認めただけでした。ところが内部告発で隊員が死亡した後に自衛隊が行ったアンケート調査資料のあることを告発したのです。今日の判決で東京高裁は国の責任を全面的に認めて損害賠償7300万円の判決を下しました。
自殺した隊員と一緒に風呂に入った隊員が青あざが体中にあったことも目撃していたと判決では語られていました。これは自殺ではなく、国と自衛隊と上官による殺人事件だと私は思います。
69年前に終わった太平洋戦争で死んでいった多くの兵士たちの犬死にの責任は大日本帝国軍隊にあったし、昭和天皇に全責任があったのです。しかし、半世紀以上も経った今でも、戦前と何ら変わることもなく、不条理な上官による暴力が横行しているのです。つまり、この国の軍隊は戦前から今日まで何も変わってはいなかったのです。いえ、軍隊というものは人間性を押し殺した異常な殺人集団なのですから、若き自衛隊員も人間性を捨てることを求められているのかもしれません。
自衛隊員の皆さんは決して私たちの敵ではありません
私は憲法9条の非戦の誓いは世界最高の平和憲法だと思っています。しかし、自衛隊はどう見ても軍隊だと思います。日本国憲法を正直に読めば、この国は一切の軍事力を持たないと宣言しているし、一切の交戦権は認めないと宣言しています。安倍首相の「集団的自衛権」が認められるということは憲法9条からはどう読んでも理解できるはずはありません。
しかし、自衛隊員には何の責任もありません。私はこの国を守ろうとして入隊した自衛官をすばらしい人々だと思います。彼らが日本で行っている、災害時の救助活動や様々な防衛訓練なども、現実的な日本の平和と安全を守るために命を懸けて日々活動しているのです。
でも、彼らもこの国を守るために訓練を行っているし、活動していても、決して他国と交戦したり、ましてや中国や韓国と無人島の領有権をかけて戦争をしたいとは思ってはいないでしょう。また、アメリカのために中東で戦死することなど誰も願ってはいないでしょう。
自衛隊員のみなさん。あなた方は米国の口車に乗って中東戦争に巻き込まれたりしてはなりません。世界平和のために日本が、そしてあなた方が貢献できることは「平和貢献」だけです。日本は決して戦争には荷担してはならないのです。平和を守るためには「相手国の兵士を決して殺してはならない」という堅い決意が必要なのです。他国兵士はあなたの敵ではありません。あなたと同じように、相手国の兵士にも家族があり、愛する妻がいるのです。戦争を願う者は一握りの両国の支配者だけなのです。これまで私たち民衆の歴史は、いつも国家や支配者の金儲けのために犠牲になって来た歴史しかないのです。
日本国自衛隊員の皆さん、あなた方はこの国の平和と国民の安全・安心を守るために日夜努力していることに感謝いたします。そして、あなたが銃口を他国の兵士に向けることが決してないことを願ってやみません。そして上官からいじめを受けている若き兵士たちよ、自殺してはならない。死ぬくらいなら除隊しなさい。他に生きる道はいくらでもある。
by nonukes
| 2014-04-23 22:02
| その他
|
Comments(0)