2014年 02月 12日
市民運動・住民運動だけが党派対立や利害を乗り越えることができる
市民運動・住民運動だけが党派対立や利害を乗り越えることができる小坂正則
都知事選に大きな差で負けて、さすがの私もショックは隠しきれませんでした。少なくとも細川さんと宇都宮さんと足して舛添を上回れば次のたたかいのためにも気勢が上がると思っていました。細川候補は「全ては自分の力不足」と謝罪会見をして、一方の共産党と宇都宮さんは細川に勝って万歳のようなことを言っているということをネットで読んで残念でなりません。いくら、それは思っていても言葉に出してはダメでしょう。お互いに脱原発を掲げてたたかった者どうしの礼儀というものがあるでしょう。私らは一緒になってほしかったし、そうすれば勝てると思っていたのに、結局あなた方は細川氏に勝つことが1番の目的だったのでは?と疑いたくなります。細川さんが2番手だったとしたら、あなた方のようなコメントはしないと思いますよ。
2つに割れてたたかった脱原発派の人たちの間には大きな溝ができています。それは宇都宮陣営から発信されているとは思いたくはないのですが、宇都宮氏を支持する緑の党の中からも、相変わらず「小泉・細川は安倍首相や舛添の回し者だった」という論理です。細川陣営からは、そのような陰謀論は出ていませんが、根深い対立構造ができているようです。
陰謀論はどこかで聞いたことがある
歴史を遡れば、ドイツでナチスが台頭する直前の時代にドイツ共産党が「社会ファシズム論」を掲げて主要な敵はドイツ社民党だと決めつけて、ドイツ社民党をナチスの下部組織などとも手を組んで攻撃した結果、ナチスの台頭を許してしまったという歴史がありました。日本でもこんな陰謀論を私は聞いたことがあります。それは過激派とマスコミに言われる新左翼などの党派や311以前の反原発運動などの住民運動や成田空港反対運動などを「革新政党を潰すために権力が泳がせている暴力組織」というような決めつけです。「トロツキスト暴力集団」などというレッテル貼りが行われていたようです。また、日本では戦後史の中で原水禁運動などの平和運動や労働運動などでも、社共の利害対立による日本の平和運動に与えた負の側面は計り知れないものがあるでしょう。それを乗り越えなければ、それこそ内部対立と混迷の運動が安倍政権をお喜ばせて「敵に塩を送る行為」となってしまうのです。これは誰が良い、悪いというのではなく、その対立を乗り越えるための調整役を買って出る役目を誰が担うのかという問題ではないでしょうか。
誰が脱原発運動を一本化できるのか
政党はそれぞれ自分の側が正しいと主張するのは当たり前です。そして我が党の利益を第一に考えることも当たり前です。しかし、敵が大きくて、当面の獲得目標がハッキリしているのなら、それに向かってどうたたかうかという時の共闘はできるでしょう。例えば今回の都知事選はそれができる条件はありました。残念ながら、今回はどちらにも理があり、欠点もありました。細川陣営の方が後出しジャンケンという意味で混乱を持ち込んだ責任は大きかったかもしれません。私がいくら細川氏を支持しているとは言っても、その責任は認めます。だからこそ、今回の失敗を反省して、それを乗り越える原理を打ち立てなければならないのです。
その共通の原理とは「再稼動」反対のたたかいやこれから繰り広げられる原発立地自治体の知事選や市長選で脱原発候補を出すときの統一候補擁立のための話し合いです。そして、市民運動や住民運動が政党や党派よりも大きな権力を持たなければならないのです。それが住民自治であり、住民の自立だからです。
私たちのめざす社会は自立した住民が、対等・平等に議論して決める住民自治であり、そこで決めたルールや決定が最高の権力を持たせるべきなのです。社会運動は党が指導するという上下関係であってはならないのです。党は助言や協力はしても、個々の運動のやり方や方針を決めるのは住民自らなのです。
その話し合いの仲介や審判を務めることができるのは反原発市民運動のグループや政党の利害を超えることのできる住民運動団体などの責任者だと思います。私たちは脱原発という新しい歴史つくるたたかいをやっているのです。異なった政党や党派の利害を超えて運動をつくる必要があるのです。歴史を作る闘いは待ってはくれません。明日からでは遅すぎます。今日から始めなければ、また都知事選の二の舞を演じてしまいかねません。
さあ、都知事選に負けてもたたかいは終わらない!次は再稼動反対だ
都知事選が終わって安倍政権の再稼動の動きは加速しそうです。あらゆる手を使って再稼動反対の闘いを組織しなければなりません。再稼動反対のために広瀬隆さんのメールによると原発立地自治体の地方議員さんたちによる再稼動反対の闘いも始まっています。
今日から反撃開始です・・・広瀬隆
全国のみなさま、広瀬隆です。
さあ、いよいよ今日から反撃開始です。都知事選で、最も強く印象に残ったのは、私の“敵”であった小泉純一郎氏が、「過ちを改 むるに憚(はばか)ることなかれ、と言うではないですか。原発の安全神話、低コスト神話、クリーン神話を信じて疑わなかったのは 大きな過ちだった。これを黙っていることはできない。しかし、僕は自分の不明の責任を認め、過ちを改め、原発ゼロに向かって全力 を尽くすため立ち上がった」と、選挙カーの上から大声で語った言葉です。
全国13の道県の「原発立地自治体住民連合」が、再稼働待った!の大反撃運動を起こしました。日本政府宛ての公開質問状に、現 在まで全国13の道県の56人の議員さんが名乗りを上げてくれました(この人数は刻一刻増えていますので変ります)。公開質問状 に議員さんのリストがあります。壮観です。自治体によって人数に凸凹があるのは、市民から任意に呼びかけてもらったからです。
被害に最も近いこの原発立地自治体の現職議員さんの声は、大都会(電力消費地)中心のマスメディアにとって、党利党略に左右さ れる国会議員の声よりはるかに重いものです。「われわれが被害者だ。原発現地を無視するな」という悲鳴が聞こえます。添付ファイ ルをご覧ください(このファイルは「日々雑感」サイトhttp://hibi-zakkan.net/ に掲載してあります)。
原発の再稼働に「賛同する」、 あるいは「反対する」、あるいは「判断を保留する」という、いずれの意見を持った原発現地の住民にとっても、 「原発が大事故を起こさないこと」は絶対的な当然の要求です。100%の無事故を追求するという目的を掲げて、目前に迫った再稼働の真相を明らかにしま す。これは、日本政府に対するお願いではな く、危険が目前に迫った現地住民の命令として出す強い要求です。ところが原子力規制庁は、この1月20日に、「新規制基準を満たした原発でも事故は起きま す。この基準は最低のもので、あとは事業者の責任です」と、公言しているのです。次の大事故がまもなく起こる、と。 日本 人はそれを知っていますか?
目的は、日本政府の抽象的な再稼働論の主張を、具体的に答えさせること、そして公式の回答を引き出すこと、そしてそれをテレ ビ・新聞・雑誌が大きく報じる、それが、危険性の迫っている現地の「黙っている一般住民」に、再稼働がいかなることであるかにつ いて、新たな認識を持ってもらうことにあります。政党や、個人の主義主張とは無関係で、住民の命と生活を守るための、最低限の事 実について、日本政府の公式見解を求めます。
公開質問状の文脈は、これまで原発について知らない人でも分るように、専門的な議論を避けて、第一弾の質問として当たり前のことが書かれています。各地で 賛同議員さんへの呼びかけを広めてもらっています。みなさんも、周囲の報道関係者にこのメールをどんどん転送して、呼びかけを広 めてください。
この質問状の日本政府への提出法は、添付ファイルにように全体像だけを決めました。第二弾からは、国会議員による質問主意書の 形で、閣議決定された回答を引き出し、再々の質問をくり返します。みなさんも(特に首都圏在住の方は)、3月24日の参議院議員 会館における院内集会にご参加ください。報道陣の方は、必ずご参加くださり、まず何より現地の議員さんの話を聞いてください。
さあ、原発現地の住民を守るために立ち上がりましょう。きっと、よろしくお願い致します。戦いはこれからです!
日本政府に対する公開質問状
原発立地自治体住民連合
現在、これらの原子力発電所および六ヶ所再処理工場に対しては、原子力規制委員会が再稼働を審査中で、いくつかの原発については今年中に再稼働の承認が出されるかのような報道がなされているが、原発をかかえる自治体の住民のあいだには、「再稼働はトンデモナイ危険なことである」との批判と不安が日々高まっており、われわれ住民も生命と生活を脅かされる現状を、このまま一日たりとも放置することはできないので、ここに緊急に、日本政府に対する公開質問状を発表する。
われわれは、原発の再稼働に「賛同する」、あるいは「反対する」、あるいは「判断を保留する」、といういずれの意見を持った住民にとっても共通の願いである「原発無事故」を追求するという目的で、以下の質問に、国会において日本政府が答えるよう求める。
この質問を述べるにあたって、現在、福島第一原発事故の被災地で進行している深刻な被害の実態を記述しておく。
福島第一原発事故を起こした福島県大熊町では、現在も住宅街のど真ん中で、毎時300 マイクロシーベルトを超える空間線量が測定されている。この数値は、三年ここに居住すれば、致死量の7シーベルトを超えることになる(300μSv/hr × 365日/年×24hr/日×3年=7.9 Sv)。
質問①──このような現実に進行している放射能の危険性に鑑みて、安倍晋三内閣は、2013年12月20日に、自宅に帰還できない避難住民に対して、避難先での定住も積極的に支援する方針を閣議決定した。この事実は、一旦原発事故が発生すれば、その時にたとえ住民が避難できても、事実上は、自宅に帰還できないことを、福島第一原発事故が実証したことを意味する。原発大事故は、原発立地自治体の住民にとって、それまでの郷里における生活基盤のすべてを失い、突然に一生を棒に振る、ということである。したがって、原発事故は100%起こらない、ということが保証されなければ、再稼働をしてはならない。日本政府は、いかなる科学技術的な根拠をもって、原発事故は100%起こらない、ということを原発立地自治体の住民に保証するのか、それとも保証できないまま再稼働するつもりなのか、明確に答えよ。
質問②──現在、再稼働申請がなされた原子炉について、新規制基準の適合性の審査がおこなわれているが、原子力規制委員会は、大事故発生時におけるベント(放射能放出)の設置を義務づけ、大事故発生時における住民の避難の可能性の検討を進めている。つまり質問①に求めた通り、われわれ住民にとって100%絶対にあってはならない大事故を明確に「発生すると予想して」審査していること自体が許されないことである。この大事故発生の根拠として考えられる最大の要因は、耐震性の欠如である。
兵庫県南部地震(1995年1月17日の阪神・淡路大震災、マグニチュード7・3)の発生後、電力会社は「原子力発電所は直下型地震ではマグニチュード6・5まで耐られるように設計している」と説明し、青森県六ヶ所再処理工場でも、「直下型地震ではマグニチュード6・5まで耐えられる」として、「安全である」と主張してきた。これは驚くべきことだが、マグニチュード6・5とは、通常の地震であって、大地震ではない。したがってこの数字で充分な耐震性があると考える住民はいない。それを追及すると、余裕率があると言って、その明確な数字を答えないまま、2006年9月19日に原発耐震指針を改訂して、直下型地震に対する耐震性そのものの文言さえ消されてしまった。2006年新原発耐震指針との関係さえ説明されていない現在の新規制基準において、一体、マグニチュードいくつまでの直下型地震に耐えられる設計を電力会社に求めているのか、個々の原子炉ごとに異なるなら、現存する原子炉(とりわけ再稼働申請中の原子炉)および建設途中にあるすべての原子炉について、直下型地震に耐えられるマグニチュードの数字を明確に答えよ。
質問③──そもそも、2006年9月19日の新耐震設計審査指針に適合するかどうかのバックチェックを義務づけられた原子力発電所が、それをまともにチェックしないまま、翌2007年7月16日の新潟県中越沖地震(マグニチュード6・8)によって柏崎刈羽原発が大破壊を受け、新耐震設計審査指針に重大な欠陥のあったことが露顕して、全土の原発の耐震性見直しがおこなわれてきた。しかし、その途中の2011年3月に福島第一原発がついに大事故を起こしてしまった。その結果、事故責任者の原子力安全・保安院に代って、2012年9月19日に原子力規制委員会が発足し、2013年7月8日に新規制基準が施行された。しかし、事業者である電力会社が提出した再稼働申請資料について、新規制基準に対する適合性の審査をおこなっているのは、驚くべきことに原子力規制委員会の傘下に入ったJNES(原子力安全基盤機構)のメンバーであり、JNESもまた福島第一原発事故を起こした当事者(責任者)である。このような事故当事者がおこなう審査結果について、第三者によるクロスチェックがないままの再稼働は、住民として絶対に認めることができない。クロスチェックする組織をいつまでに設立するのか、その明確な答を求める。
質問④──原子力規制委員会がおこなっている再稼働に向けた耐震性の審査では、原子力発電所の敷地内に「活断層があるか、ないか」という調査や検討だけをもって、その原発の立地の適性を判断している。しかしほんの6年前の2008年6月14日にマグニチュード7・2の岩手・宮城内陸地震が発生して、震源断層の真上で、揺れの最大加速度4022ガルという驚異的な数値が観測され、この数値は史上最大としてギネスブックの記録に認定された。ところがこの震源断層は、地震発生前には、まったく知られていなかった。つまり、「活断層がない」場所で、世界一の揺れを記録したのである。この事実は、日本全土のどのような場所においても、直下型の大地震が発生し得る、したがって質問②に答えたマグニチュードによって原発の大事故が起こり得ることを新たに実証している。これでも、質問①に答えた通り、原発事故は100%起こらない、ということを原発立地自治体の住民に保証できるのか、明確に答えよ。
質問⑤──原発を再稼働することは、使用済み核燃料を新たに原子炉内に生産することを意味する。運転中に生ずるこの使用済み核燃料には、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムをはじめとする膨大な放射性物質が含まれる。日本の原子力政策では、この危険な使用済み核燃料を再処理して、「プルトニウム、ウラン」から、「セシウム、ストロンチウムなどの高レベル放射性廃棄物」を分離して、ガラス固化体としたあと、それを最終処分場に搬入して、地下300メートルより深い地層に処分することにしている。しかし、この最終処分場が日本の四十七都道府県のどこになるかが、決定していない。現在までこの使用済み核燃料と高レベル放射性廃棄物を受け入れてきた青森県も、「わが県は最終処分場ではない」と明言している。ということは、新たに今後、原発を再稼働すれば、このセシウム、ストロンチウムなどの高レベル放射性廃棄物の「搬入先」が、今もって存在しない状況にある。再稼働をたとえて言えば、着陸する飛行場がないまま、飛行場を離陸する飛行機のようなものである。2014年現在すでに、原子力発電所を有するわれわれ13の道県の原子力発電所および六ヶ所再処理工場の敷地内には、大量の使用済み核燃料が貯蔵されており、事故を起こした福島第一原発4号機と同じように、今もって大地震や大津波の脅威にさらされている。原発再稼働によってさらに大量の高温度の使用済み核燃料が発生すれば、これら13の道県にますます危険物が累積し、われわれ現地住民の危険性が高まるだけである。高レベル放射性廃棄物の最終処分場を決定せずに、使用済み核燃料の危険性を高める「原発再稼働」は、絶対に許されない事態を迎えている。日本政府は、大量発生する「行方の決まらない使用済み核燃料および高レベル放射性廃棄物」の最終処分場の地名を答えずに、なぜ原発再稼働を認めるのか、その理由を明確に答えよ。
質問⑥──日本政府は、「原発は重要なベース電源である」と位置づけているが、すでに2013年9月15日に福井県大飯原発が運転を停止し、日本全土が原発ゼロ状態になってから、電力不足はまったく起こっていない。今後も、コジェネ技術を含めたエネルギー効率の向上と、ほかの電源の利用普及によって、ますますこの電力余裕率が高まることはあっても、下がることは決してない。このことは、日本社会の動きによって明白に実証されている。それでもなお日本政府が、不要と思われる原発の再稼働を推進する目的は、電力会社の経営悪化を防止することにあることは明白である。
この電力会社の経営悪化の要因は、火力発電の燃料費増加にあると報道されてきたが、事実は異なる。原発再稼働に向けて、2012年度の一年間の原発維持・管理費は9電力会社合計が1兆2000億円で、新規制基準で求められている防潮堤建設など膨大な安全対策費が1兆円超にも達する。これに対して、火力発電の燃料費増加分は原発フル稼働時の2010年度に比べて2013年度(2014年3月までの推定)は3兆6000億円との試算を資源エネルギー庁が出しているが、2011年に比べた2013年の原油価格・天然ガス価格の上昇分を引いて計算すれば、2兆8700億円である。燃料費増加分と原発経費を比較すると、9電力合計で差し引き数千億円、ほとんどゼロである。加えて今後は、火力発電の最大の燃料費上昇要因となってきた旧式発電所のリプレースが大量に実施されて、大幅なコスト削減がおこなわれ、3年後の2017年からはアメリカから安価なシェールガスの輸入が始まる。
それとは別に、福島第一原発事故の後始末(汚染水処理・除染・廃炉・賠償)に必要な金額は、日本政府の楽観的なシナリオでさえ11兆円を超えるとされ、産業技術総合研究所および日本経済研究センターの試算では、日本の税収をはるかに超える54兆円に達すると見られ、それらがすべて税金か電気料金という国民負担によってまかなわれることは必至である。火力発電の燃料費増加とはケタ違いの出費こそが、日本国民にとって最大の問題である。日本政府が保証したいのは、電力会社の経営なのか、それとも日本国民の安全な生活・生命なのか、いずれであるのか、明確に答えよ。
質問⑦──2011年の福島第一原発事故では、1号機の爆発の後、続いて3号機、さらに2・4号機と4基が連続爆発するのを食い止めることができず、福島県をはじめとする東日本の広大な地域に悲惨な放射能汚染の結果を招き、日本の原子力産業が全世界に例のないほど未熟な技術しか持たないことが明白になった。さらに深刻なことに、今もって福島第一原発事故現場における大量の高濃度放射能汚染水の海洋流出を食い止めることができずに、深刻な汚染を拡大し続けている。最大の問題は、この事故を誘発した最初の原因として、「地震の揺れによる配管などの破損」による可能性が国会事故調査委員会の報告書で鋭く指摘されているにもかかわらず、「津波による全電源喪失」だけであると決めてかかり、多くの技術者から、「再稼働の結論を導く前に、福島第一原発における事故原因の究明がなされなければならない」と強い批判を受けていることにある。地震の揺れが真の原因であった場合には、日本全土すべての原発が地震に耐えられない、したがって「再稼働は危険すぎて不可能になる」という理由で、津波原因説を主張していることは明白である。われわれ原発立地自治体住民にとって、事故の真因の追究・解明は、当然の「必須の要求」である。日本政府は、なぜ福島第一原発における事故原因が、津波による全電源喪失だけであると断じて、国会事故調査委員会の報告書を否定しているのか、その科学技術的な根拠と、東京電力が全データを公開せずに事故の真因を証明していない理由を明確に答えよ。
その一方でなお、日本政府が、この危険な原発技術を海外に輸出しようとしていることは、信じがたい状況である。原発輸出は、一説に原子力発電の技術を維持するためとも言われている。しかし、今後の日本に原発が不要と判断される現在、原発立地自治体に必要な原発技術は、原発廃炉・解体の技術である。原発建設をめざす原発輸出は、その廃炉技術の向上にはまったく役立たない。一体、何のための原発輸出であるのか、原子炉メーカーや鉄鋼業界の要求のためであるのか、その目的を明確に答えよ。
原発の大事故で被害者となるのは、ほかでもない、われわれ原発立地自治体の住民である。以上の質問に対して、国会の場において、公式の発言を求める。
そしてこの質問状に対する回答があれば、それで終りではなく、住民の生命と生活が守られるという確約が得られるまで、われわれは再質問をくり返すことを先に伝えておく。
われわれは北海道(泊原発)、青森県(東通原発・六ヶ所再処理工場)、宮城県(女川原発)、福島県(福島第一・第二原発)、茨城県(東海第二原発)、静岡県(浜岡原発)、新潟県(柏崎刈羽原発)、石川県(志賀原発)、福井県(美浜原発・大飯原発・高浜原発・敦賀原発・もんじゅ)、島根県(島根原発)、愛媛県(伊方原発)、佐賀県(玄海原発)、鹿児島県(川内原発)、それぞれ原子力発電所を有する13の道県の住民のグループである。
原発立地自治体の代表世話人(有志)
2014年2月10日現在 56人
◆北海道(泊原発)──岩内町議会議員・佐藤英行、旭川市議会議員・久保あつこ、釧路市議会議員・宮田まどか、札幌市議会議員・小倉菜穂子、札幌市議会議員・伊藤牧子、札幌市議会議員・石川佐和子
◆青森県(東通原発/六ヶ所再処理工場)──青森県議会議員・古村一雄
◆宮城県(女川原発)──女川町議会議員・阿部美紀子
◆福島県(福島第一/第二原発)──いわき市議会議員・佐藤和良
◆茨城県(東海第二原発)──東海村議会議員・相沢一正、つくば市議会議員・金子和雄、土浦市議会議員・井坂正典
◆静岡県(浜岡原発)──御前崎市議会議員・齋藤洋、牧之原市議会議員・大石和央、島田市議会議員・森伸一
◆新潟県(柏崎刈羽原発)──柏崎市議会議員・矢部忠夫、柏崎市議会議員・高橋新一、柏崎市議会議員・若井洋一、柏崎市議会議員・笠原晴彦、刈羽村議会議員・高桑儀実、刈羽村議会議員・近藤容人、新潟県県会議員・小山芳元、新潟県県会議員・長部登、新潟県議会議員・米山昇
◆石川県(志賀原発)──志賀町議会議員・堂下健一、津幡町議会議員・中村一子
◆福井県(美浜原発/大飯原発/高浜原発/敦賀原発/もんじゅ)──敦賀市議会議員・上原修一、敦賀市議会議員・今大地晴美、敦賀市議会議員・山本貴美子、若狭町議会議員・北原武道、おおい町議会議員・猿橋巧、福井県議会議員・細川かをり、越前市議会議員・三田村輝士、越前市議会議員・題佛臣一、福井県議会議員・佐藤正雄、高浜町議会議員・渡邊孝、小浜市議会議員・宮崎治宇蔵、坂井市議会議員・畑野麻美子、あわら市議会議員・山川知一郎、福井市議会議員・西村公子、福井市議会議員・鈴木正樹
◆島根県(島根原発)──松江市議会議員・芦原康江
◆愛媛県(伊方原発)──愛媛県議会議員・阿部悦子、鬼北町町議会議員・山本勣
◆佐賀県(玄海原発)──佐賀市議会議員・白倉和子
◆鹿児島県(川内原発)──鹿児島市議会議員・小川美沙子、薩摩川内市議会議員・江口是彦、薩摩川内市議会議員・佃昌樹、薩摩川内市議会議員・井上勝博、鹿児島県議会議員・遠嶋春日児、鹿児島県議会議員・柳誠子、鹿屋市議会議員・真島幸則、鹿児島市議会議員・森山きよみ、いちき串木野市議会議員・中村敏彦、日置市議会議員・坂口ひろゆき、伊佐市議会議員・諏訪信一
by nonukes
| 2014-02-12 17:03
| 原発再稼働は許さない
|
Comments(0)