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小坂正則の個人ブログ

安倍政権は東電再建計画で細川東京知事候補の脱原発政策を葬ろうとしている

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安倍政権は東電再建計画で細川東京知事候補の脱原発政策を葬ろうとしている小坂正則

1月15日政府は東京電力が出していた「東京電力再建計画」を正式に受理したとマスコミは伝えている。その中身は2014年7月に新潟県柏崎・刈羽原発6号、7号を再稼動させて、1号機、5号機は14年度後半までには再稼動させて1千億円以上の黒字を出すことが条件だとしている。そのほかの再建計画の取り組みとしては2千人以上の希望退職による社員のリストラや4.8兆円の資材などの調達コストの削減などが主な内容だ。
そして、広瀬東電社長は16日には新潟県の泉田知事へその報告に出向いた。そこで泉田知事は「再建計画の前に福島原発事故の究明が先だ」と厳しく広瀬社長を追究した。

東電再建は法的整理で東電と株主や銀行などの社会的責任を取らせるべきだ

311原発事故で東電は莫大な事故対策に被災者の損害賠償などの費用の支出で4兆円以上の政府借入に銀行借入などで債務超過に陥っている。それなのに当時の民主党は東電を破綻させることなく、東電を生きながらえさせて責任を取らせるという策を取った。そのために東電は何の社会的な責任も取ることなく、社員の給料も2割ほどの減額で昨年の冬からはボーナスも復活している。このような再建処理は日本航空などの破綻処理に比べたら甘すぎる再建策だ。特に東電は地域独占企業で再建のために身を切るような大なたを振るう再建策を受け入れてはいない。社員の年収も倒産した企業とは思えない高額の給料が支払われ続けている。
東電は一旦破綻させて、送電部門は5兆円以上で売却し、発電部門だけの新生東電として出直すべきなのだ。送電部門はソフトバンクなど買収したいという企業はたくさんあるだろう。もしくは国が買収して発送電分離の電力自由化の先例として全国の先駆けとして発送電分離化を実施することもあり得るのではないか。そして、東電の持っている原発と福島原発の事故炉などは国有化して全面的に国がその面倒を見るというのが最良の東電対策ではないか。そして、福島原発事故に携わっている人びとは全員国家公務員もしくはそれに準ずる待遇で雇用して安定した条件で安心して働けるように国が責任を持って事故対応を行うべきではないだろうか。国が事故に携わる労働者を直接雇用すれば下請け労働者の1日の賃金が1万円などというピンハネされた不安定雇用がなくなるのだ。また、下請け労働者の雇用に暴力団が介入するというような不当なこともなくなる。

再稼動ありきの東電再建計画は細川知事潰しの口実だ

安倍政権は東京都知事選の始まる前に「東電再建計画」を承認した。その中身は原発再稼動で東電の黒字化をめざすというが、もし再稼動できなければこの秋から最大1割の電気料金の値上げが必要だと東電の広瀬社長は話している。これは新潟県知事の再稼動の承認のハードルが高いために、何とか新潟県知事を落とすためにこのような値上げという脅しで再稼動を認めさせようとしているのだが、安倍首相は別の狙いがあるのだ。それは「細川都知事候補が全ての原発の再稼動を認めない」と都知事の公約を掲げることへの攻撃材料として「再稼動に反対なら電気料金の値上げが待っている」という脅しで、細川知事誕生を何とか経済界の反発で阻止しようと企んでいるのだろう。
しかし、全ての原発を止めて火力でその不足分を賄ったとしても、原発に配置している要員を全員引き上げただけで年間1千億円の節約になり、廃炉にして原発立地自治体へ交付している付近や固定資産税などの支払いをやめてしまえば、赤字分の大半が回収できると言われている。しかも全ての原発を国が買い上げれば、減価償却の費用負担もなくなり、新生東電は身軽に発電事業に専念できることになるのだ。

東京都知事選は1地方の知事選などではない

このように安倍政権の威信をかけて全面的に細川都政誕生を阻止するために「脱原発」政策を政府は攻撃してくるだろう。しかし、このような攻撃に対しては、電力自由化と発送電分離に核燃料サイクル計画からの全面的な撤退ともんじゅの廃炉など、国を二分するエネルギー政策の転換を進める戦後最大の政策転換を実施することが求められてくるだろう。そして国民・都民の前にこの国の本当のエネルギー単価をさらけ出して、「本当に原発は安いのか髙いのか」の議論に終止符を打つべきなのだ。そして細川新知事の下で再生可能エネルギーを中心とした成長戦略を踏まえた新し夢のあるエネルギー政策への転換をめざすべきなのだ。
だから都知事選はエネルギー最策の転換ということが必然的に求められるように、今度の選挙は国政と同じような重要な選挙になるだろう。
もちろん東京都独自の政治や政策も必要なのだが、エネルギー政策に関しては国の制度と大きく関係して議論されなければならないという性格の知事選なのだ。


東電再建計画 原発頼みは筋が通らぬ
2014年1月16日東京新聞

府が認定した東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)は国の支援を強化し、東電の事故負担の軽減を図って再建を確かにする狙いがにじむ。フクシマの反省や教訓はどこへいったのか。
いわば国と東電が二人三脚で作った再建計画である。エネルギー基本計画で原発を「重要なベース電源」と位置付ける政府と当事者である東電の合作では、なし崩し的に原発再稼働が盛り込まれるのは予想できた。だが、過酷事故を忘れてしまったかのような、あまりに無神経な計画の内容ではないか。

再建計画では、被災者への損害賠償は従来通りに東電が支払うが、電力会社が除染など事故処理の費用をすべて負担する枠組みを見直し、国と東電の役割分担を明確化した。除染のうち、実施・計画済みの費用は国が保有する東電株の売却益を充て、東電の負担を軽くする。
確かに、一企業では背負いきれない巨額費用を東電に押しつけるだけでは事故収束が進まないおそれがある。国も原発を国策として推進してきた以上、国費の投入はやむを得ないとの声はある。
しかし、国費投入とは、原発と全く関わり合いがない沖縄県民も含め、国民負担が何兆円も生じることである。東電への融資や投資で利益を上げてきた金融機関や株主の負担を求めるのが本来の筋である。原発を推進した経済産業省などの関係者が誰一人として責任を問われていないのもおかしい。
再建計画では、東電の収益体質の強化も柱の一つとしている。燃料調達の改善や海外投資などの改革も描くものの、切り札は相変わらず原発である。今年七月以降、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を順次目指すとした。

福島原発の汚染水問題すら収束せず、今なお十五万以上の人に避難を強いていながら、収益優先で原発に固執する姿勢は到底理解を得られまい。
汚染水の貯蔵タンクで溶接費を節約したばかりに大量流出を招いたように、東電がこのまま収益重視の経営を続ければ、安全対策はおろそかになろう。再稼働の議論より先に、フクシマの検証と総括もやはり必要だ。
2016年度からの電力小売り自由化をにらめば、ガス販売や原発に代わる新エネルギー事業へシフトし、原発は再稼働より廃炉に専念、国の支援もそこに力点を置く。それが福島事故を経験した東電の生き残る道ではないか。
by nonukes | 2014-01-17 01:04 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

  小坂正則

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