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小坂正則の個人ブログ

衝撃の小説「原発ホワイトアウト」の著者は語る


内部告発か?「原発ホワイトアウト」 覆面官僚を直撃 投稿者 tvpickup

衝撃の小説「原発ホワイトアウト」の著者は語る
小坂正則

10月22日の毎日新聞夕刊「原発ホワイトアウト」の著者へのインタビュー記事(下記転載)が掲載されていました。私はこの著書が発売される前に、話題になっていたので予約をしました。手元に届いて一気に読み終わったのですが、小説としてのおもしろさもあり、具体的な経産官僚ならではの内部事情に大変詳しい内容から、この著者は間違いなく現役の経産官僚だろうと思いました。皆さんもぜひご一読をお勧めします。内容は福島原発事故後の自民党政権の復活と再稼動へ強引に持って行った東電の柏崎刈羽原発がメルトダウンを起こしてしまうというストーリーです。図書館で借りて読んでもいいですし、大分の方は私の蔵書をお貸しします。

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特集ワイド:「内部告発小説」の現役官僚に聞く 
「再稼働いいのか」問いたい
毎日新聞 10月22日夕刊

 ■「日本の原発は世界一安全」はウソ
 ■政界への献金「モンスターシステム」
 ■電力業界に冷たい職員のチェックリスト

 ナゾの覆面作家が現れた。若杉冽(れつ)さん。現役のキャリア官僚である。9月に出版した小説「原発ホワイトアウト」(講談社)で、原発再稼働にひた走る経済産業省と電力業界、政治家を結ぶ闇のトライアングルを描き霞が関からの「内部告発」として波紋を広げている。本人に胸の内を聞いた。【吉井理記】

東京都内の料理屋に現れた若杉さん、もちろん覆面姿ではなく霞が関の住人特有の、特徴に乏しいスーツ姿だ。「尾行対策にね、後ろを気にしながら道をあちこち変えて。時間かかっちゃいました」。ささやきながら腰を落ち着け、ようやく表情を緩めた。
東京大法学部卒、国家公務員1種試験合格、霞が関の省庁勤務−−公にされた素性はこれだけだ。もちろん執筆は役所には秘密。近親者にしか明かしていない。

小説は参院選で政権与党が大勝するところから始まる。電力業界の政治献金で飼い慣らされた与党政治家と業界幹部、両者と軌を一にする経産官僚が原発再稼働に向けて暗躍する姿を縦軸とし、役所のあり方を疑問視する若手官僚の抵抗、原発テロ計画といったエピソードが横軸として交錯していく。「柱の部分は私の知る事実がベース。役所では表立って話題にしませんが、裏ではみんな『詳しすぎる。作者はだれだ』と大騒ぎです」。静かに笑う。

リスクを冒してまでなぜ執筆を? 「現実世界は原発再稼働に向けて着々と動いています。一方で私は、電力業界のずるさや安倍(晋三)首相の言う『日本の原発は世界一安全』がウソなのを知っている。私は公僕です。そうした情報は国民の税金で入手したとも言える。もちろん国家公務員として守秘義務もある。だから小説の体裁を借りて『みなさん、このまま再稼働を認めていいんですか』と問いかけたかった」。声が知らず知らずのうちに高くなり、テーブルに広げた著書を何度かたたいた。

「電力業界のずるさ」の最たるものが、若杉さんが「モンスターシステム」と呼ぶ巨大な集金・献金システムだ。作中で描いた構図とは−−。

電力会社は資材や施設の修繕工事などを、随意契約で相場より割高な価格で業者に発注する。業者は割高分の一部を加盟する電力業界団体に預ける。団体はその預託金を政治献金やパーティー券購入に充て、「大学客員教授」などのポストを買い、浪人中の政治家にあてがう。政治資金収支報告書上は関連企業や取引先企業の名前が使われるため、電力会社は表に出ない。業界団体「日本電力連盟」に“上納”される預託金は年間400億円。これで業界に有利な政治状況をつくり出す、というわけだ。

「これは私が見聞きした事実を基にしています。東京電力福島第1原発事故後、東電の経営状況を調べた国の調査委は、東電が競争入札にした場合より1割強、割高な価格で業務発注していたことを明らかにしました。私は昔は2割だったと聞いていますが」。預託金の原資、元はといえば電気料金だ。割高発注はコストを増やし当然、料金にはね返る。「企業献金がすべて悪いとは言いません。でも国が地域独占を認め、競争環境にない電力会社は別。国民にとって電気料金は税金と同じ重みがあり、税金並みの透明性が欠かせない。業務発注だって競争入札にする規制が必要です」
 多額の選挙費用がかかる政治家が電力マネーに弱いのは理屈としては分かる。では公正であるべき官僚は。
「上層部ほど電力業界にねじ曲げられている。退職後の天下りポストが欲しいというのもありますが、一番の理由は出世です。これは本には書きませんでしたが……」と、あるエピソードを語った。

霞が関には省庁の垣根を越えたネットワークがある。かつて、その中で知り合った人物が経産省資源エネルギー庁の電力担当の幹部になった。上司にあたる同省官房長からは「電力と酒飲んで遊んでればいいから」と言われたそうだ。だが電力業界に「従順」と思われたその知人、真面目に電力自由化をやろうとした。「その矢先、ピュッとトバされてしまったんです。もう退職なさった方ですが」

背景にはある「リスト」の存在が絡んでいた。「電力会社が役所の電力・ガス部門に来てほしい職員、そうでない職員を記したものです。『業界に冷たい』職員には印を付け、電力マネーに浸った与党政治家に渡す。政治家は経産省上層部に職員をトバすよう求めるんです」。上層部人事は事実上、政府・与党が握っているから、出世したい幹部は政治家に迎合する。「実は昨年末の衆院選で、まだ野党だった自民党のマニフェスト作成に関わった再稼働推進派の経産省幹部すらいる。今は安倍政権に非常に近い人物です。もはや役人としての一線を越えている……」。覆面作家の顔が紅潮している。

小説では、冬場の「爆弾低気圧」に覆われた北国の原発をテロリストが襲う。非常用発電機や電源車も動かせない暴風雪と酷寒の日、まさに「ホワイトアウト」状態の中、外部電源を支える送電線鉄塔を爆破して「第二の福島」を引き起こす。「今年7月に施行され『世界一厳しい』との触れ込みの新規制基準では、原発敷地内のテロ対策は盛られましたが、敷地外は手つかずのまま。その盲点を描きました」

政府が再稼働や海外輸出の錦の御旗(みはた)にしている新規制基準の「穴」はまだある。「欧州や中国で導入されている最新型原子炉は炉心溶融に備え、溶けた核燃料を冷却する『コアキャッチャー』という仕組みがある。抜本的な安全策ではないが、万が一の際にかなりの時間稼ぎができるのです。これが日本の新規制基準では無視された。電力業界や役所、原子炉メーカーも高額の費用がかかるから国民に知らせない。今や世界的に見ても日本の原発の安全性が劣るのは明らかです」

毎週末、首相官邸や霞が関で行われる脱原発デモ。彼らの声は庁舎の窓越しに若杉さんにも聞こえている。「恥ずかしながら私も福島第1の事故までは、原発があれほどの被害を出す危険な代物だとは思わなかった」。ぽつり漏らした。心情的には脱原発に共鳴する。だが霞が関の中にいるからこそ「デモをいくらやっても原発推進の流れは止められない。電力業界、役所、政治家のモンスターシステムを内部から変えない限りは」との思いが深まる。

「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるんです。こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにもね」
若杉さんは再び街に溶け込んでいった。次回作の構想は「すでに固まりつつある」と言い残して。
Commented by sa3yaka74awase at 2015-10-01 09:12
阪神大震災への兆しだったような?天六の大ガス爆発(以降、1000件ほどの建築はじめ個人技術者、個人製造業者、鐵工所など)がすっかり消え去って、土日祝日に歩くと、靴音が響くだけの恐ろしいゴースト・タウンへ変貌した。
油田の権利を求めての戦争を起こす石油も、さらに精油段階に混ぜ込まれる化学薬品で花粉症など喘息を引き起こした時期もあった。
自身にも安全、クリーン、最終的に矛盾を起こさないかつ、民主的に普及しうる代替エネルギーがまだ確立できていない時期に、電力を弾圧すると、当然、ゴミ処理に矛盾のあるバッテリーや石油、ガスなど輸入に依存せざるを得なくなる。
海外に首根っこを抑えられる経済体制となり、つまり、、
世界大戦で、一番、貧乏くじをひかされた戦前の日本の立場に自ら落ち込んで行くのではないか?

電気を全く使っていない人だけが、あなたが謳う【原発パートナー】でないと言い切れる人です。
さて、、あなたは、現在の日本でそういった生活者で有り得るのなら、
こういった一種の魔女裁判主義的なバッシング・ラベリングをできる立場かもしれませんが・・・苦笑

というのは、、原発ができる前の日本、水力発電、火力発電しかない時期から、深夜電力の有効利用は考えられ、値段設定がされてきたのです。
昭和40までの日本社会では、戦争景気で無い限りは、人道的な意味で、
人は夜暗い時は、休むものである、という価値観の元で、
深夜工場を動かすと、近所の騒音も含め公害にも成りかねるので、避けられてきました。
深夜早朝勤務というと、電車やパン屋さん、お豆腐屋さん、新聞屋さん、病院関係、警察、電話、通信、というので、普通一般人には無いインフラ維持のための本当に有難う感謝します職だったわけです。。
Commented by sa3yaka74awase at 2015-10-01 09:14
つづく
彼らが頑張ってるおかげで、平和で安心できる生活がある、ということだったのです。
昭和40代にアジア開発銀行を設立、コンピュータ会計が出回り始めてから、数値で切り取った一部分の比較で物事の判断を下される時代へと突進して行きます。統合的、相対的データからデジタルデータ化への急流滑りです。。
そうなると、、それまでなら、女性未成年は深夜雇用すると警察沙汰であるかわり、安い人件費であった、安い人件費の部分だけを切り取り、男女均等雇用という本来は民主的な意思のもとにつくられたものも、阪神大震災(ユーロ)以降、911テロ以降には、安い時給の女性を深夜や男性職につかせるというものへと姿を変えてる。。
極めつけは、介護事業という民主的なキャッチの下で、実際の法案は、障碍者や高齢者へのテロリズム、ホロコーストを合法化させる抜け穴だらけのものであったこと。。

今、こういったホロコーストが起こり始める911テロ前後、はんしんだいしんさい、つまり、オウム事件頃の人が、マスコミや政界に顔出ししてると思われませんか?
by nonukes | 2013-10-23 13:37 | 福島原発事故 | Comments(2)

  小坂正則

by nonukes