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小坂正則の個人ブログ

脱原発大分ネットワークのこれからを議論しました

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写真は太陽光発電を設置している、NPOと脱原発大分ネットワークと緑の党おおいたの事務局です
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みんなで一緒にランチタイムのひととき



脱原発大分ネットワークのこれからを議論しました
小坂正則

なぜ心が萎えてきたのか

1993年に結成された脱原発大分ネットワークは結成から今年で20年になります。何と長い間潰れることなく続いたもかと我ながら感心します。それも私たちの運動スタイルが柔軟というかいい加減というか、市民運動スタイルを守ってきたからだと思います。松下さんや中山田さつきさんなど当時からの仲間の中で議論されたことは①誰にでも開かれた運動体で、会の議論や決めたことなどの情報は全て公開する。②代表や事務局長は便宜上あるだけで、会費を支払っている者はみな対等平等である。③脱原発大分ネットワークという名のとおり誰かがこんなことをやりたいという運動の提案があればその提案者は責任者の1人になり、みんなで支え合いながらそれを実行する。などの取り決めを結成会議の場で話し合われたことを記憶しています。
それから20年が経ったのですが、ここに来てみんなが20年だけ歳を取ったという厳然たる事実だけはぬぐえません。そして今回話し合わなければならないことになった理由として、「このまま惰性のように時に流されるだけでいいのか」という問いが出てきたからです。
1年半前に岸田代表が不慮の事故で亡くなり、代表を私が引き受けてきたのですが、311以後、私たちを取り巻く社会が激変しているのに対して、私たちは適切に対応することが出来ていないのではないかという疑問と不安が私の心をよぎったのです。
20年前には私たちの力で歴史を作っていきたいという熱い思いがありました。少なくとも今よりは数段熱い思いを抱いていたことでしょう。しかし、私の胸に手を当ててみたとき、そんな熱い思いを感じない自分がそこにはあるのです。私たちは趣味のサークルではありません。「脱原発」をめざして「1日もはやく日本中の原発をとめること」をめざしていたはずです。そんな私たちがその意欲が萎えてきたのなら、それを再度復活させるのか誰か奮い立つほどの思いを持った人にバトンタッチするか、このまま解散するかなどの結論を出する必要があるのではないかと考えたのです。そのための会議を5月12日と6月3日に事務局及び会員の有志が集まって長時に間わたる議論をしました。結論は総会で決めることになったのですが、ここで話し合われたことを私の文責で皆さんへお伝えしたいと考えます。

総括から明日の希望に向かって

これまでに私たちがどれだけのことをやってこれたかと問われたら心許ないのですが、1つだけ言えることは、長い間代表だった松下竜一さんの生き方にあるように1人1人の仲間の人間性を尊重し、違いを認め合うという運動スタイルは維持して来たと私は自負しています。私たちは利害やお金でつながっているわけでもなく、1つの宗教でつながっているわけでもなく、誰からも強制されるわけでもなく、誰を強制するでもない。自由意志によって集まり行動するという原則が市民運動の価値の全てだからです。だから「多様性を尊重」する私たちの市民運動は民主主義を学ぶための学校だったとも私は思っています。
しかし、直接社会へ関わり続ける運動というものは常に一定の緊張感を持ち続けなければなりません。それは「何が社会正義であるか」や、「自らの良心に従って行動する」を自らに問い続けることだと思います。だから社会正義を実現するという心の中の緊張の糸が緩んだり、切れたりすることがあったら、心の糸を取り替える作業が必要なのです。心の糸を取り替える作業とは、代表や事務局長の交代であったり、運動の方向性をキチンと議論することだったりするのだと思います。

今回話し合われたこと

私から「事務局長と代表を兼務しているような異常事態は解消してほしい」という提案をしましたが、なかなか代表及び事務局長に立候補する人がいませんでした。2回目の会議の中で私は「ここにいる仲間は誰が代表になっても決しておかしくはない。能力的にも強い思いを持っている人間だ。だから順番に代表を引き受けるというのはどうか」と提案しました。結果として、次の総会でその案のとおりに代表と副代表を選出することを決めました。次に政治的な線引きについての議論では「会員の中に政党の人間がいる場合は、一定の良識を持って、その政党の宣伝やチラシを入れることは許されるのではないか」また、そのチラシを入れる場合はなぜこのチラシを入れることになったのかの経過説明を行うということになりました。そして、「事務局会議または拡大会議へ会員のオブザーバー参加は誰でも受け入れる」ということを再確認しました。総会は7月の参院選終了後に開催することになりました。

当面の行動提案

今年になって半年が過ぎましたが、「脱原発大分ネットワーク」のこの1年間の行動についての議論は総会で決めるべきなのでしょうが、総会までの間をつなぐ当面の行動を議論しました。安倍政権の「原発再稼働」重視の政策に待ったをかけるためにも、一番最初に再稼働が予定されている伊方原発と川内原発、玄海原発の中でも、「大分の目と鼻の先にある伊方原発の再稼働反対の行動をまず行おう」という提案を了承しました。6月23日、24日の行動に出来る限り大分から参加者を募って、全国の仲間と一緒に伊方町や愛媛県に大分の私たちの気持ちを伝えようと思います。参加者を増やすために交通費はネットワークで負担することになりました。宿泊費は自己負担です。ぜひ多くの方の参加をお待ちしています。(交通費負担は会員のみです。車の乗り合わせで行動します)


市民運動と政治運動の関係性について 

私はこれまで脱原発の市民運動を27年以上の間行ってきました。そして自然エネルギーNPO活動なども行ってきました。しかし、昨年から「緑の党」という政治組織に関わるようになり、市民運動と政治運動の関係性をどのように整理すればいいのか悩んでいました。市民運動をお行っているからといって、政治運動や「特定の政党を支持してはならない」ということでは決してありません。思想信条の自由は憲法に保障されているのですから。むしろこれまでの市民運動は「政党との関係」をことさら避けて通ろうとしてきたきらいがあると私は思います。しかしその考えは間違いだと思います。私の思想信条を公にして、それでも私と考えの違う人とも一緒に行動するのが市民運動だと私は思うからです。また、どれだけ違いを認めて受け入れることが出来るか(この場合の受け入れるというのは一緒に行動できるかという意味です)という許容力を運動体や政党が持つことがその組織の伸長にもつながることだと私は思います。日本の左翼の歴史は分裂と対立=いわゆる内ゲバという負の歴史にまみれていました。その歴史に終止符を打たなければならないと私は思っています。
具体的に言えば、1昨年から行われている「311いのちのわ」実行委員会の構成メンバーは社民党及び平和運動センター系労組と共産党及び大分県労連に生協に市民グループの構成でしたが、緑の党が構成団体の1つに加わったことで、政治的な幅広さとまでは言えないにしても異色の政治団体が参加したことで多様性がより広がったと私は自負しています。それぞれの政党や政治団体が競争しながら共闘するという本来あるべき光景が大分で実現できたことは実に素晴らしいことだと思います。

脱原発大分ネットワークの定例会議は毎月第1月曜日19時から開催します

7月定例会議:7月1日(月)19:00~21:00まで
会議の場所 :脱原発大分ネットワーク事務局(大分市田の浦12組)
議題など :総会の日程及び記念講演会などの中身その他
運動の提案を:こんなことやりたいなど運動の提案を募集します
そのた :会員読者の方の参加は自由です。ぜひ参加して下さい
「つゆくさ通信」の表紙絵及び原稿募集中です (次回発行7月初旬)
by nonukes | 2013-06-10 21:56 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

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