2013年 05月 26日
次々とボロを出す橋下徹大阪市長の虚像を暴く
橋下徹大阪市長の虚像を暴く小坂正則
橋下徹大阪市長による5月13日の記者会見「戦時中の慰安婦制度、必要なのは誰だって分かる」や「在日沖縄米軍兵士にもっと風俗業を活用してもらいたい」発言などによって橋下徹大阪市長と「日本維新の会」の人気が急激に下降しているとマスコミは伝えています。
もともと橋下徹という人間はマスコミを意識して小泉元首相の得意とした国民受けするワンフレーズを激しい口調で喋り、聴衆を自分の世界に引き込んでしまうという天性の才能の持ち主です。だから彼は常に単純はストーリーを作って分かりやすい話をしてきました。
2012年6月の大飯原発再稼働に揺れた時期に橋下大阪市長は「関電は霊感商法か」と言って徹底的に脱原発や関電批判を繰り返していましたが、彼はその後原発のゲの字も喋らなくなりました。かれは国民受けする話題性のあるテーマを大げさに語って人気を取りさえすれば後はもうどうでもいいのです。一貫性や思想性など、そんなものは関係ないのです。だってタレントですから。また「大阪市がこんなに苦しいのは市職員が働かないからだ」とか「労働組合が悪の根源」などと言って社会の敵を作っては正義の味方は自分だとうそぶいて、その悪をやっつけるというストーリーを常に演じるのです。大阪市長選挙では現職の市長が大阪市をダメにしたなどなど。ストーリーが単純なだけに聞いてる人には実に分かりやすいし気分がいいのです。まるで水戸黄門のテレビを見ているよかのようなのです。しかし、そこに大きな落とし穴があるのですが。「府立高校の教師が君が代を歌いたくないなら公立高校を辞めて私立に行けばいい」や「私の考えに従えない者は辞めてもらう」や「クソ教育委員会」など。確かに現状の教育委員会や教育制度は疲弊していて何の機能もしてないと言っていいほどですが、だからといってそれを首長が一方的に自分の都合のいいように変えることは許されません。教育の独立性を保つためには教育改革はその地域の住民と保護者や教師などによる開かれた議論による改革でなければならないでしょう。教育を時の権力者に介入させてはならないのです。だから橋下徹が行おうとしている教育改革は橋下独裁そのものです。
2011年6月29日の夜に、大阪市内のホテルで行われた政治資金パーティーで大阪府知事・大阪市長のダブル選挙に関して、「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」「大阪は日本の副首都を目指す。 そのために今、絶対にやらなければいけないのは、“大阪都”をつくることだ」「今の日本の政治で一番重要なのは独裁。独裁と言われるぐらいの力だ」と述べ、大阪都構想に反対する大阪市を抵抗勢力だとして「権力を全部引きはがして新しい権力機構をつくる。これが都構想の意義だ」(Wikipediaより)と語ったそうです。
大阪市職労組のなれ合いやヤミ専従やヤミ手当などこれまでの市長がケジメや改革を怠ってきたツケを橋下徹にバッサリ切り込まれたのですが、これまでの自己保身やなれ合いの自治体や議会にも大いに責任はあるでしょう。しかし、こうした状況から生まれた市民の不満や批判を公務員と既存議会勢力への感情的な反感にすり替えて、あたかも地方自治制度の民主的手続きそれ自体が諸悪の根源であるかのように描き出して、これを否定する独裁体制を敷くことが問題解決の唯一の方法だと描き出す―ポピュリズム―をマスコミを利用して振りまくことが橋下イズムの本質なのです。橋下徹の語る政策や主張は思いつきで空疎な幻想に過ぎず、その中身は自己の権力欲ばかりです。だからこれまで彼に振り回された大阪府民や大阪市民は大変な被害者でしたが、国政に出してきた橋下徹によって今度は日本に住む私たち全員が迷惑を被る可能性があるのです。
独裁者橋下徹を過大に報じ続けたマスコミに責任はないのか
昨年の民主党政野田権の迷走に乗じて、マスコミは一斉に民主党批判を繰り広げてきましたが、その裏では、このようなタレント男を「第3極」だとか言ってチヤホヤもてはやしたのはマスコミです。維新の会や橋下はあたかも自民党と民主党の既存の政党が政争に明け暮れていて、国民の支持を失っていることをいいことに、「維新の会なら解決してくれるかもしれない」という国民の脳裏に大きな期待感を刷り込んできたのです。「維新の会」は最初から第3極などでは決してなく、単なる自民党の補完勢力であり、日本の戦争責任の歴史を理解できない極右政党でしかないことは最初から分かりきっていたはずです。それをあたかも「第3極」という限りなく大きな勢力のように書き続けたマスコミの責任は重大です。
戦前の日本の新聞社などのマスコミは戦争賛美の記事を書いて日本のアジア侵略戦争に荷担していたのですが、その反省も一切しないまま今日に至っているのです。また、311以前は電力会社の原発広告というお金によるマスコミ買収に乗って、原発批判記事のペン先を鈍らせてきたことを全く反省もしていません。それなのに一方的に「東電が悪い」という東電批判記事を書いていますが、その前に自分たちがこれまで電力会社となれ合ってきたことをまずは自己批判するべきでしょう。
このようななジャーナリスト精神の欠けたマスコミ人の無責任記事によって日本社会の問題解決は次々に先送りされているのです。今日ではほとんどの新聞がアベノミクスを持ち上げていますし、参院選を自民党の圧勝で終われば、憲法改悪やTPPなど日本社会の根源的な問題解決が先送りされていまい、失われた20年どころか失われた30年や50年となり得るでしょう。
平和憲法をつぶそうとねらう橋下徹や安倍晋三に待ったを
「維新の会」の橋下徹の演技もどうやらボロが出てきたようで、参院選までにはもっと大きなスキャンダルが出てくる可能性もあるようです。しかし、問題は支持率70%という安倍内閣の野望をどうやって食い止めるかです。参院選の投票日の7月21日までのわずか2ヶ月の間にアベノミクスのボロが出てくれるでしょうか。先週末には株価が大暴落して金融政策で円安と景気回復を一気に狙う黒田日銀総裁と安倍総理の化けの皮が剥がれればいいのですが。日本の経済政策を旧態依然の公共事業中心の自民党政治に後戻りさせてしまっては赤字国債が増えるばかりです。そのツケは次の世代の子どもたちに全て追わせてしまうのです。それだけではありません。戦争が出来る普通の国をめざしている安倍政権は自衛隊を国防軍に変えて、憲法9条を捨て去ろうとしています。平和憲法を守り、発展させるためには、参院選で自民党を勝たせてはダメなのです。
そして「311福島原発事故」がなかったかのように「原発輸出」のトップセールスに血眼になり、安倍首相の唯一のエネルギー政策である原発再稼働に待ったをかけなければならないのです。そして参院選で私たちの力を示めそうではありませんか。
by nonukes
| 2013-05-26 22:03
| マスコミと原発
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