2013年 04月 21日
人口減少と超高齢化社会の地域社会再建計画を立てよう
人口減少と超高齢化社会の地域社会再建計画を立てよう
小坂正則
政府は赤字国債を返せるのか
我が国と地方の借金が1200兆円で、国民1人あたり、1000万円ほどの負債があるというのに、政府の今年度の国家予算は相変わらずの大幅な赤字予算です。2013年度の国家予算が92兆6115億円で、そのうち税収等が47兆円、赤字国債等が45兆円です。消費税収入が約10兆円だそうです。ところで、国債への利息や借り換え等に20兆円の税金が使われているそうです。だから税収の半分は国債の利息に消えているのです。
政府は「2020年には赤字国債をゼロにしたい」と言ってますが、それまではばんばん赤字国債を発行し続ける予定です。しかし、この国債という借金は利息を付けて返さなければならないものです。毎年税収の半分を利息に支払っていて、どうやって元金を返すことができるのですか。政府は2つのことしか考えていません。消費税を10%に2015年にはする予定ですからこれで20兆円の税収になり金利部分は毎年消費税で賄えます。そしてその後は20%に消費税を上げるしかないでしょう。そうすれば税収が40兆円増えます。しかし、元金はとてもではないけど返せません。そのための奥の手がハイパーインフレです。インフレで物価が2倍になったら国債の価値も半分になるのだから国の負債は実質的に半分になってしまうわけです。しかし、その前に円が暴落して、ギリシャのように国家破綻が待っているでしょう。
日本の高齢化と人口減少が止まらない
先日日本の人口統計が出ていました。私たちはニュースや政府公報などで、「日本は急激な少子高齢化が襲って来つつある」と、耳にタコができるほど聞かされていて、毎日繰り返し聞いているので、鈍感になっているのかもしれないのですが、ちょっと真面目に考えてみたら、私たち日本の将来は「お先真っ暗」な状況なのではないかと思ってしまったのです。今日はそんな現実を目の前にして、私たちが避けて通れないことを考えてみました。
新聞によると対前年比28万人の人口減少だそうです。「何だたった28万人なのか」と、私は思ったのですが、「08年の1億2800万人をピークに減少しています。50年には9700万人、2100年には4900万人になると予測されています。」毎日新聞3月21日号の記事です。そのグラフを見ると、37年後にはピーク時より3100万人も減少するのです。しかし、低位推移では人口は9000万人で、3800万人もの減少です。2100年には低位推移では4000万人です。現在の1/3の人口です。私は37年後にはこの世には居ないのですが、でも私たちの子どもや孫の世代がこの人口減少と高齢化社会を引き受けなければならないのです。
日本の借金は次の世代の子どもたちが返さなければならないのです。10年から20年後には税収のほとんど全てが借金返済に充てなければならなくなり、その上社会保障費の負担も若者へ一気にのしかかります。若者1人で3人の高齢者の面倒を見なければならなくなるのです。そんな日本社会が目前に迫っていて、私たちはのんきに赤字国債によって公共工事なんかをやってる余裕はないはずなのです。
2040年には大分県の人口が95万人で現在の20%の減少予想ですが、もっと大幅に人口が減るかもしれません。そんな社会に公共事業で作った橋や高速道路がどんどん修理が必要になり、そのための予算が不足して橋や高速道路を閉鎖しなければならなくなるそうです。赤字国債を返済しながら、社会保険料は大幅に増えて、給料は2020年よりも大幅に減っるという暮らしが子どもたちには待っているのです。
今からマイナス経済社会の準備をしなければ間に合わない
東京オリンピックが開催された1964年、昭和39年前後に日本は新幹線や高速道路などの社会インフラを急速に作り始めました。それから50年が過ぎて、昭和に作られた道路や橋やトンネルなどの掛け替えが必要になっているのです。地方自治体では上下水道の取り替えなどが早急に必要です。新たな高速道路を延長したりリニア新幹線を建設したりするお金はこの国にはないのです。昨年の12月2日に中央高速道路の笹子トンネル天井落盤事故がありましたが、これからはトンネルや橋桁の落下事故などが一気に増えてくるのです。しかし、その対策は予算がなければ通行禁止にすしかないのです。2100年には今生きている日本人は誰もいないでしょうが、人口が4900〜4000万人の日本では半分以上のマンションやビルが無人の廃墟となって取り壊されることもなく都市に林立していることでしょう。そして廃墟となった橋や高速道路が100年前の面影を残したまま朽ち果てているかもしれないのです。
いま行うべきことは、国も地方自治体も箱物や新たは道路など造らずに今あるインフラのどれを残してどれを壊すかの長期的なビジョンを立てて、それに沿って高度経済後退社会に備えるべきなのです。
2011年の民間企業の勤労者平均年収が388万円(税込み)だそうです。手取りが約300万円くらでしょうか。しかし、2100年には労働人口も現状の半分以下になり、超高齢化社会は続くことでしょうから、高齢者を支える勤労者が減ることにより、社会保障の負担が勤労者に重くのしかかり、可処分所得も今以上に減ることでしょう。このような縮小した経済社会ではインフラ整備や子育て支援にも予算が回らず、人びとの暮らしはますます貧しくなるのです。そのような縮小社会に対応した都市があります。1950年代から人口が半減している米国ミシガン州デトロイトでは、市域の3分の1の土地が無価値になっているそうです。デトロイトではそうした土地を農業に用いる都市型農業運動が行われています。私たちの住む地域社会もデトロイトのように、縮小する社会に対応する生活を今から設計する必要があると思います。
みんなで経済縮小社会の解決策を今から考えよう
勤労者が減り、縮小社会では国内へ入ってくるお金は限られています。それでは国から出て行くお金をできるだけ少なくする必要があります。現在の日本で海外に一番出ていくお金はエネルギーです。次が食糧です。それだったらその2つをできるだけ出て行かないようにすることが今から私たちが準備することだと思います。化石エネルギーを自然エネルギーに替えて、国内で循環させれば国内経済は疲弊しません。それは食糧でも同じです。現在化石エネルギーが年間23兆円出て行ってるそうですが、2100年には人口減少でエネルギー消費も1/3に減っているでしょうから、7.6兆円として、その8割を自国で調達すれば、海外へ出ていくお金は1.5兆円です。このようにしてエネルギーや食糧を自国でできる限りまかない地域に雇用を作るのです。ちなみにその頃には原発など存在していません。なぜって、2050年には人口が3〜4割減っていますからエネルギー需要も3割以上減っていて、原発で電気を作る必然性がないのです。
今生きている私たちは将来の子どもたちのために少しでも借金を少なくする努力を今すぐ始めなければならないのです。まず、やることは身の丈にあった生活を始めることです。そして公共サービスに頼る生活から地域のコミュニティーで互いに支え合う暮らしを作ることが必要だと思います。地方議会の議員などはボランティア議員や日当制などにして、国会議員も含めて議員歳費を大幅に削減することなども必要でしょう。
私たち日本人が物質的な欲望から精神的な安らぎや精神的な豊かさを求める暮らしへとシフトしなければならない理由が理解してもらえたでしょうか。
by nonukes
| 2013-04-21 21:42
| 「緑の党」をつくろう!
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