2013年 04月 09日
なぜ電力会社は平気でウソをつくのか?
第三者委員会の初会合の後、記者会見に臨む(右から)郷原信郎・第三者委員会委員長 九州電力の真部利応社長、松尾新吾会長
なぜ電力会社は平気でウソをつくのか
今回発覚した昨年2月28日に東電の企画部長が「福島原発1号機の中は真っ暗で中に入ったらまともには出てこられなくなる」と国会事故調査委員会の田中三彦氏へウソをついた事件から私は考えたのですが、「なぜ電力会社の人間は平気でウソをつくのか」このことを私は随分以前から感じていました。
それというのも2011年の佐賀県で行われた九電の「やらせメール問題」の時のことです。
「やれせメール問題」とは、2011年6月21日 佐賀県知事古川康が、九州電力副社長で原発トップの段上守、同社常務・原子力発電本部長諸岡雅俊、同社佐賀支店長大坪潔晴と会談。26日の佐賀県民向け説明会が話題となり、「経済界には再稼働を容認する意見があるが、表に出ない」「こうした機会を利用して声を出すことも必要だ」との考えを伝えた。段上守ら3人は、会談後の昼食の席で「(説明会で)再開賛成の意見を増やすことが必要」
Wikipediaより
その後、九電幹部の指示を受けた担当者が社員や関連企業へ「市民のふりをして県民説明会に参加するように指示」をしたことが内部告発で発覚。しかし、九電社長は一貫して「古川佐賀県知事の意向でやらせエールを打ったのではない」と主張。これは真っ赤なウソだ。古川が言ったのでその指示に九電は従ったまでだ。九電の第三者委員会の郷原信郎委員長の「九電は北朝鮮と同じ」という非難を受けても古川佐賀県知事の関与を否定し続けたのです。
近頃「見え透いたウソをつく」ことにこんな事例がありました。「大飯原発のすぐ近くに活断層がある」という原子力規制委委員会の専門家会議の指摘に、関西電力は「あれは活断層ではなく、膨潤(水を吸ってふくらんだ現象)だ」と、反論したことです。これなんか見え透いたウソでしょう。
このように誰が見ても拭いようのない事実なら潔く認めた方が後々電力会社の信頼は高まると私は思うのですが。ところが北陸電力も原電も活断層の疑われている原発の電力会社は判で押したように「活断層ではない」と言い張るのです。
よく考えたら、電力会社もかわいそうです。もう30年も40年も前から「原発は一番安い発電方法」というウソを国から言わされていたのです。だから彼らはウソにウソを塗り固めてできた会社だからウソを言うのが慣れているのか、ウソをつかなければ原発をやる理由がなくなってしまうからなのか。企業体質として染みこんでいるのでしょう。
信頼回復のためには電力会社はもう真実を喋るべきです
「一回ウソをつけばそのウソのつじつまを合わせるためにもっと大きなウソをつくことになり、小さなウソが大きなウソへ発展する」とよく言われます。そして企業のコンプライアンス遵守が叫ばれる今日、企業の最も恥ずべき行為がウソをつくことでしょう。どんな小さなウソも結局は回り回って自分に跳ね返ってくるのです。だから真実を喋れば、その企業は信頼を取り戻すことができるのです。真実こそ企業の信頼を取り戻す最大の作業です。間違いは誰にでもあります。間違いや失敗を私たちは責めたりはしません。それよりも失敗や間違いから学んで成長する公正な企業社会を作ってほしいのです。日本の電力会社も「コンプライアンスとは何か」を学んで日本中どこにでもある当たり前の普通の企業にぜひなってほしいものです。
by nonukes
| 2013-04-09 00:34
| 福島原発事故
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