2013年 04月 08日
福島原発事故の恐怖はこれからも半永久的に続く
福島原発から出る大量の放射能はいまだに垂れ流し続けられている
一昨年の12月に野田首相によって「冷温停止状態」と宣言された福島原発。ところが冷温停止どころか、問題は何も変わってはいなかったのです。相変わらず空気中には大量の放射性物質が放出されており、汚染された地下水は毎日400トンも原子炉に入り込んでいるのです。
今回分かった放射能汚染水漏洩事故は、地下に作られた放射能に汚染された水を貯めておく仮設のプールが水漏れをしていて、120トンが漏れ出していたということを東電は4月6日に発表しました。
福島原発の1,2,3号機の核燃料はメルトダウンしていて原子炉のお釜を突き破って格納容器のセメントをも突き破る状態です。そこで大量の地下水が格納容器に浸水していて、毎日400トンの地下水が入って来ているというのです。しかし、この汚染水には手を付けていないといいますから、毎日400トン近くの水が流れ込んではどこかに流れ出している可能性があります。つまり、核燃料が地下水と接触しているわけなので、大量の放射能が地下水を通して海へと流れ出ていることは間違いないでしょう。2011年3月11日以降に大量の海水や真水を原子炉に注入したとき、「放射能汚染水はどこに行くのか」というマスコミの質問に東電は「どこに行ったかは分かりません」と言って、海へ流れ出たとは言いませんでした。海に面した施設で大量の水を注入したのであれば全ては海に流れ出るのは当たり前です。
今回の仮設プールの工事も実に杜撰なものだったことが分かってきました。プールの水漏れを計る計器をプールのシートに直接突き刺していたということです。
ゴミ処理場の危険ゴミを貯める管理型最終処分場のシートが数年で破れて、そこから大量の汚染物質が流れ出すという事故がこれまでに全国で起こっていました。絶対に漏れ出してはならない高濃度の放射能汚染水をわずか1.5ミリのゴムシートなどで覆ったプールに保管するなどあり得ないことです。事故当時の非常時ではやむを得ないにしても、2年も経ったのですから、仮設ではなくステンレス製の通常保管施設でなければならないはずです。高濃度の放射能汚染水だという緊張感が東電にはなかったのでしょう。
いえむしろ、「このままコッソリ漏れ出してくれたら…」ぐらいの気持ちだったのではないかと疑われます。だって、増え続ける汚染水を処理しようにも処理しようがないからです。これから40年間かけて核燃料を取り出す計画ですが取り出すことなどきっと不可能です。だから東電はこれから半永久的に汚染水を貯め続けなくてはならないのです。
福島原発事故の恐怖はこれからも半永久的に続く
今回の汚染水漏洩から分かったことですが、格納容器に入ってくる地下水をくみ上げて保管することは計画の中には入っているそですが、現在は手を付けていないそうです。汚染水をくみ出してもまた新たな地下水が入り込み毎日200~300トンの地下水をくみ出さなければならないのでほったらかしているのです。現在の貯水能力は32万5千トンで、すでに27万6千トンが満杯だということですから、毎日300トンをくみ出したら、年間に10万9500トンずつ増えていき、10年で100万トンになります。その汚染水を処理するには何兆円もかかるでしょう。垂れ流されている放射能はそれだけではありません。空気中に毎時1000万ベクレル、毎日2億4000万ベクレルの放射能が放出されているのです。この放射能は福島の大気中に何の処理もされないまま垂れ流し状態です。そんな福島原発事故の現状で、5年以内に半径20キロ圏内の地域を除染して周辺住民を地元へ帰還させると政府は言っているのです。
私たちは福島原発事故が決して終わっていないどころか、これから数十年から100年は事故処理が続き、その処理に10兆円とも20兆円ともいわれる費用がかかるという冷酷な現実と向き合わなければならないのです。たった1回の原発事故でです。
by nonukes
| 2013-04-08 21:42
| 福島原発事故
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