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小坂正則の個人ブログ

脱成長社会をめざそう2

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脱成長社会をめざそう2
小坂 正則

今日の日本や先進国と言われる世界の国々は出口のない不況と財政赤字にあえいでいる。これまでアメリカを中心に戦争による破壊と建設という恐慌策で経済成長と戦後世界経済は成り立って来た。しかし、今日では出口の見いだせない世界恐慌が静かに続いている状態のようだ。なぜなのだろうか。それは1つは貨幣の2つの側面の1つである投資の側面にルールがないからだ。交換手段としての貨幣には一定の社会的なルールはあるが、投資としての貨幣には信用売買が横行し、実態のないマネーゲームが繰り広げられている。それに債務の保証もなくてサラ金からお金をジャブジャブ借りてきて返さないと居直っている債務国がたくさんいるから金融資産の信用が保てず出口のない不況になるのだろう。
要は実態に即した金融取引だけを行ういおうな厳しルールを作れば金融資産の信用は保てる。ドイツの童話作家ミヒャエル・エンデは金利のない銀行を提唱してマネーゲームのような投資を厳しく規制すべきだと訴えていた。
むしろ資本主義社会の限界に達したと言っても言い過ぎではない。資本主義経済では投資家は利益が見込めなければいくら資産があろうが投資はしない。だから資本を持たない零細企業は事業を存続出来なくなる。富の一極集中と格差の拡大が不況の原因だ。しかし、このような出口の見いだせない不況は決して悪いことばかりではない。無駄な開発や投資が抑えられることで環境破壊から免れるというプラスの側面もある。

出口の見えない不況を逆手にとって経済と文化の再生をめざそう

仏思想家のセルジュ・ラトゥーシュ氏は「脱成長のために重要なのは、グローバル経済から距離を置き、地域の経済や文化を再生する再ローカル化が必要だ」という。また「再生可能エネルギーの導入などを大胆に進める転換も欠かせない。労働時間の大幅な短縮も進めるべきだろう。脱成長という発想は、石油危機が起きた1970年代からあった。一つの潮流はローマ・クラブの「成長の限界」だ。地球は有限だというエコロジーの視点から、資源の枯渇や人口問題を警告した。もう一つは大量消費をあおる社会が文化を壊すという批判だった。その二つが今、調和してきている。様々な国や地域で同時多発的に動きが出てきているが、統一する必要はない。多様性こそが脱成長運動の力なのだ」という。(朝日新聞1月1日号より)
つまりは今日のような経済成長が望めない出口の見えない不況や経済縮小の社会では、地域の個性や特徴を活かして、地域の文化の多様性を育てるようなローカルな取組こそがグローバルに対抗する地域経済を再生できるのだ。そのような地域密着型の産業が地域の人びとのニーズもくみ上げることが出来るし、国内の所得格差も解消出来るのだ。グローバル企業は国と国の格差や国内においては中央と地方の格差を拡大させてきた。
現在、多くの国で若者を中心にして本当の豊かさを求めて立ち上がっている。それは空き家のアパートを占拠してホームレスに開放する運動や自給自足の生活をめざすエコビレッジやパーマカルチャー運動など。そのほかにも物々交換を進めるNGO活動などもある。価値観の多様性を認め合い、みんなが生き生きとしてくらせる社会を作るためには、1人1人の能力と知恵を最大限活かして、仕事がないなら自分たちで仕事を作ればいい。失業者は雇用の場がないから仕事が出来ないのだが、ミツバチには失業も失業者もいないではないか。それなら私たち人間も自然を相手に労働を働きかければいい。仕事がないのは仕事を見つけ出せないからだ。探せばいくらでも仕事はある。みんで地域にも自分にも有意義な仕事を見つけ出して、地域経済も文化も再生させよう。
by nonukes | 2013-01-01 16:41 | 小坂農園 薪ストーブ物語 | Comments(0)

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