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小坂正則の個人ブログ

モックス燃料は普通の原発の10倍も割高?それでもプルサーマルをやりたい自民党

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「原発は安い」というウソで塗り固めても国民はもう騙されない
小坂 正則

12月14日の朝日新聞によると、「九電の玄海3号機のモックス燃料は普通の原発のウラン燃料に比べて値段が10倍高い」という。これまで私たちが株主総会で問いただしてもモックス燃料の購入価格は企業秘密だという理由で公表しなかった。ところが来年の4月から電気料金の値上げ申請の中に来年度から3年間玄海3号機で使う予定のモックス燃料価格判明したという。その理由は経産省に出している各原発サイトごとの燃料費が玄海3号機は年間84億円で、4号機はモックスではないので燃料費が42億円。朝日新聞によると貿易統計から割り出した数字から、09年に輸入したモックス燃料16体は約140億円で1体は約8億7300万円。ウラン燃料の約10倍する。ちなみに3号機は核燃料193体のうち32本がモックス燃料だ。3号機は09年12月にモックス燃料16体を入れて、国内で初めてプルサーマル運転を始めた。福島原発1号機が爆発した、3月12日のその日にさらに16体をモックス燃料に交換している。九電は再稼働が認められれば全体の1/3をモックス燃料にして動かす予定という。核燃料は3年間使うため、順次交換していくもの。

福島第一原発3号機はプルトニウムのモックス燃料だ

福島原発3号機はメルトダウンにしてモックス燃料に含まれているプルトニウムも環境中に放出させた。その量はいまだに明らかにされていない。そして、1週間後の記者会見で東電を激しく追及する自由報道協会の記者によって初めてその事実を語った。しかし驚くことに「東電にはプルトニウムを計測する機器がないのでこれから調達して調べる」という回答だったという。その質問をさせないがごとくに発言を遮るように邪魔をしたのが記者クラブ所属の大手新聞社の記者だったという。
プルトニウムというのはこの世の猛毒で耳かき一杯で100万人の致死量といわれている。そんなこの世の最悪の猛毒が福島原発から空中に放出されたのだ。
日本は核燃料サイクルという「夢」の原子力計画があり、それはウラン鉱石の中には燃えるウラン235はごくわずかで大半は燃えないウラン238。それを普通の原発は燃えるウラン235を4%まで濃縮して核燃料として使うが、使用済み核燃料から燃えないウラン238を高速増殖炉の原子炉の周りにブランケット状で置いてとくと、それが高速中性子に当たってプルトニウムに変わり、使えば使うほどプルトニウムが出来るという原理。核燃料サイクルがうまくいけば2000年間は核燃料の心配がないということで、このことを「夢の核燃料サイクル」という。しかし、これはまさに夢でしかなかった。それも悪夢だった。

原子力や核燃料サイクルはこの国の官僚が作ったウソ物語だった

官僚が作った無駄なモノという意味で、昭和の三大バカ査定ということわざがある。それは戦艦大和、伊勢湾干拓、青函トンネルだそうだ。それに対して、今日では新バカ査定として「核燃料サイクル」があげられる。総工費2兆2千億円。これから再処理を行えば12兆円以上の経費がかかり、全原発の使用済み核燃料を再処理するには六ヶ所村では足りなくて、第二核燃料サイクル施設を建設する必要があるという。そんなばかげた無駄な夢をこれまで何事もなかったように進めてきた国家官僚と御用学者と、その矛盾に目をつむって来た自民党の政治家と御用マスコミを私は許せない。

ウラン燃料よりも高いモックス燃料をなぜ原子炉で燃やそうとするのか

これまで日本は核燃料サイクルで取り出したプルトニウムを高速増殖炉「もんじゅ」で燃やして新たなプルトニウムを生み出す夢の原子力を実現する計画だった。しかし、1995年にもんじゅの事故以後、高速増殖炉計画は頓挫したまま。日本は45トン以上のプルトニウムを保有している。これは核兵器を作れば数万以上の核弾頭を持つことが可能になる量だ。日本はIAEAにより民生用のプルトニウムの保持を許されているが、もんじゅが動かないからプルトニウムがどんどん増えていく、そこで苦肉の策が普通の原発でプルトニウムを燃やして少しでも在庫を減そうというわけ。それなら核燃料サイクルをやめればいいこと。しかし、これがやめられない。なぜなら、六ヶ所村核燃料サイクル基地は使用済み核燃料を大量に引き受けてくれた。現在約3000トンでほとんど満杯。しかし、「青森県は核の最終処分場には決してしない。核燃料サイクルをやめたら、すべての使用済み核燃料は各原発に返す」と青森県知事と国は約束している。だから、電力会社は再処理をやめたいけどやめると言えない。
「原発はトイレのないマンション」とよく言われるが、すべてを先送りして問題を解決しようと国も電力会社もしてこなかった。それは福島原発事故で周辺の住民は向こう100年以上は自宅へ帰れないにもかかわらず政府は意味のない除洗をして5年以内に帰すとうそぶく。福島原発周辺の住民には「もう帰れない」と本当のことを言うべきで、再処理もやめて、各原発から出た使用済み核燃料は電力会社に返して各社で保管すべきだ。
先日大間原発の敷地に活断層が走っていると、規制庁の活断層専門家会議で全員一致の意見がまとまった。しかし、六カ所再処理工場の使用済み核燃料のプールの下に活断層が走っているという。この活断層が動いたらプールの水が抜けて、使用済み核燃料3000トンがむき出しになり、それらがメルトダウンを起こす。そして地球規模でこの世の終わりがやってくると広瀬隆氏は訴えている!どうするべきかは自ずと明白だ。
by nonukes | 2012-12-25 22:06 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

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