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小坂正則の個人ブログ

私は民主党のエネルギー政策は支持しないが民主党政権は倒すべきではない!

民主党が生き残るには「原発ゼロ」しかない
このまま総選挙に突入したら脱原発は吹き飛んでしまう

小坂正則
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橋下徹は政治家不信と官僚不信の時代に咲いたあだ花

 野田内閣の支持率はどんどん落ちています。だからいま総選挙を実施したら、民主党は間違いなく大敗して3年間続いた政権を明け渡すことになるでしょう。そして自民・公明政権への復活か、橋下維新の会を中心とした連立政権で、橋下総理大臣の誕生などということもあり得るかもしれません。維新の会の橋下徹を既成政党による政治改革のカンフル剤として期待する人や、「台風の目」とマスコミが持ち上げていますが、それは大変危険なことです。
 彼は小泉元首相と同じ新自由主義者で、国家観は安倍晋三と同じ右翼思想家です。その証拠に教育や教師への強権的な支配を目的とした「君が代条例」の制定や「教育委員会を解体して市長による教育への介入」発言や、「入れ墨調査」など基本的人権を無視した公務員攻撃を繰り返して来ました。そのほかにもTPP賛成発言や、一方的な福祉切り捨てを断行することで、これまでの市長が出来なかったことを、それこそ強行して、多くの大阪市民に支持されていることも事実です。しかし橋下は第1次大戦に負けて不況とインフレに混乱したドイツ社会を背景にして出てきたヒットラーのように、今日の政治不信の蔓延した中で強い政治家を望む大阪市民の期待を巧みに操って現れた非常に危険な英雄(あだ花)なのです。また、橋下徹がすべて一人で決定するという、民主主義とは対極の独裁的な政治手法を取っており、橋下は現代版ヒットラーのような独裁者になる可能性があります。次々と国民受けするキャッチコピーを流し続ける間は人気が続くかもしれませんが、すでに7月から大飯原発を再稼働させたことなどから分かるように、橋下の「脱原発」や、「維新八策」もやがて化けの皮が剥がされるでしょう。

民主党政権は倒すべき相手か

 内閣が実施した「エネルギー環境に関するパブリックコメント」の結果は2030年に原発の割合はゼロが87%で「15%」が1%、「20~25%」が8%と圧倒的にゼロを国民は選択しました。しかし、民主党はなぜか「原発ゼロを2030年代」として「代」を入れてきました。それも「2030年代からゼロをめざす」と言うのですから、2039年まではこのまま進めて、2039年からゼロをめざしてもいいのです。パブリックコメントの「ゼロ」を支持した国民の多くは「直ちにゼロ」を要求したのです。
 だから、「そんな民主党政権など今すぐ倒すべきだ」という国民は多いかもしれませんが、自民党は「向こう10年以内に原子力のあり方を決める」という全く脱原発の「だ」の字もないありさまなのです。公明党もしかりで、もともと福島原発事故の責任を自民党は人ごとのように民主党の不手際を批判していますが、原子力政策は自民党が戦後50年に渡って一貫して進めてきたエネルギー政策だったのです。だから自民党の本音は「民主党政権時に事故が起こってよかった」と、内心胸をなで下ろしていることでしょう。もし、自民党政権時に福島原発事故が起きていれば、民主党は鬼の首でも取ったかのように、自民党の原発政策を批判したはずだからです。
 だから私は自民党に政権を明け渡して原発中心のエネルギー政策に逆戻りさせるよりも、「民主党は速やかに原発ゼロをめざせ」と要求して、「脱原発」を掲げさせた上で民主党政権を続かせる方が「よりましな選択」ではないかと思うのです。

維新でもなく自民でもない民主党政権で「原発ゼロ」を実現しよう

 民主党はこの機に及んでも、官僚や経済界のご機嫌を伺って「原発ゼロは現実的ではない」とか言っています。しかし、そのように官僚や経済界に気を配ったところで、彼らはサッサと民主党に見切りを付けて、自民党政権の復活構想の政権シナリオを作っているのです。それは「人からコンクリート」であり、「原発積極推進」と「国家強靱化のための公共工事の復活」など10年で100兆円とも200兆円ともいわれる公共工事中心の政権構想です。そんな腐りきった時代遅れの自民党政権の復活は、まさに仙石のいう「集団自殺」するような道をひた走る自滅のシナリオなのです。
 それでは新しい「維新の会」はどうでしょうか。橋下「維新八策」は、強い者だけが生き残り、競争に負けた者や弱い者は自らの努力が足りないからと自己責任で片付けられ米国のような「弱肉強食社会」を作ろうとしているのです。子どももサラリーマンも学校や職場で、常に息苦しい競争を強いられる「悪夢のような競争社会」もお断りです。私たちは古い自民党の利権と談合の村社会も橋下版の新自由主義社会のどちらも絶対に作らせてはなりません。だからこそ、自民党でもなく、維新の会でもない民主党政権で「原発ゼロ」を実現させようではありませんか。


この原稿は「食と農おおいた9月号」へ寄稿した文章です
by nonukes | 2012-09-16 23:26 | 脱原発大分ネットワーク | Comments(0)

  小坂正則

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