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小坂正則の個人ブログ

自民公明政権に歴史を後戻りさせるよりも民主党と取引をしよう

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原発ゼロ宣言をしなければ民主党政権はもたない
小坂正則
雪崩を打って離党する民主党の国会議員たち

小沢一郎が民主党を割って「国民の生活が第一」という新党を立ち上げて、次々に民主党を離党する政治家が後を絶たない。昨日、7月17日、民主党に離党届を提出した参院議員の谷岡郁子(くにこ)(58)=愛知選挙区、行田(こうだ)邦子(46)=埼玉選挙区、舟山康江(46)=山形選挙区=の3氏は国会内で記者会見し、国民新党を離党した亀井亜紀子参院議員(47)=島根選挙区=とともに、4人で参院新会派「みどりの風」を結成すると表明した。将来的には脱原発などを政策の柱とする新党結成も視野に入れて活動する考えを明らかにした。当面の政策課題として(1)原発ゼロ社会の実現(2)環太平洋連携協定(TPP)反対と脱新自由主義(3)消費税増税関連法案に反対―の3点を掲げた。そして今日も衆議院議員が1人離党をすると伝えられている。
また、参議院で消費税法案が可決したら、鳩山派の議員も離党するという噂もある。そうなると民主党は衆院で第一党の席を自民党に明け渡すことにもなりかねないし、野田首相の不信任案が上程されたら衆院でも可決する可能性が出てきた。ここまで来たらもう野田政権が持たないばかりではなく、民主党政権自体が崩壊する可能性が大きくなった。

自民公明の原発推進政権に後戻りさせていいのか

野田政権は菅首相の「脱原発依存」を引き継いだというが、野田は「大飯再稼働」を経産省の言いなりにゴーサインを出して、すべての原発の再稼働も行わせようとしている。野田首相は菅首相と同じように官僚依存の政権で、とりわけ財務省と経産省官僚の傀儡政権と化している。私は野田首相を1%も支持しないのだが、このまま民主党が瓦解して、自民公明政権へと時計の針を逆さまに回しても、国民生活は改善しないだろうし、脱原発政策は実現しないだろう。それどころか、旧態依然の公共工事優先の「人からコンクリートへ」という政治は逆戻りしてしまう。消費税法案を3党合意で衆院を通すどさくさに自公は「国家強靱化法案」とかいって10年で100兆円とか200兆円の公共工事を行うとぶち挙げた。その財源は消費税の増収分を使うという計画だ。彼らには財政再建や赤字国債の解消や社会保障の充実や税制改革などは微塵も考えてはいない。そんな腐った政権に引き渡してはならない。まだ、民主党の方がましかもしれない。

民主党は原発からの撤退を表明するしかない

民主党を包囲する様々な新党はみな脱原発を掲げている。特にみんなの党と橋下率いる維新の会は強固な脱原発政党だといわれている。しかし橋下はインチキ脱原発派で、脱原発は選挙に勝つための目くらましの政策なのだが、うまく国民は橋下にだまされ続けてきた。大飯原発再稼働をあっさり認めて、だんだん化けの皮が剥がれつつはあるようだが。
毎週金曜日の夕方に首相官邸前を埋め尽くす10万人を上回るひとびとの「再稼働反対」の声を浴びながら、野田は考えているだろう。「私はどうすればいいのだろうか」や「このまま自民党の谷垣さんと公明党の山口さんを信じて3人で一緒にやって行けばうまく野田政権は続くようにも思えないし…」と。また、民主党の幹部たちも「野田に責任を押しつけて辞めさせて、ニューリーダーで政権を維持するにしても自公といつまで一緒にやっていけるのか」と。そのような疑心暗鬼に揺れている民主党に残った党幹部に最後に残された生き残り策はこれしかない。
これまでの自民党時代に作ってきた「原発マフィア」の膿をすべて出し切って、「原発撤退」を野田首相が表明する。その前後に官邸前デモの首謀者と坂本龍一氏や大江健三郎氏と面談し「あなたたちの言い分を支持します」と表明する。その代わり、「この国の再建に手を貸してほしい」と条件を付けたらいわゆる文化人たちは野田支持にこぞって回るだろう。その勢いで選挙に臨めば自公を蹴散らして第1党を維持することも可能だろう。それ以外に民主党の生き残る方法はない。

議員立法ですべての原発の国有化法案を

私のこの案は実現するかどうかは定かではないが、国民の力に押し流されて原発からの撤退を表明するよりも菅首相が浜岡を止めたように、自らが進んで「原発ゼロ」を表明した方が政治的な利益は大きいだろう。自民党政権に後戻りしても、脱原発は歴史の流れなので、時間がちょっとかかるかもしれないが、その流れ自体は揺るぎないだろう。今ではマスコミや経済界の一部からも脱原発が芽生えつつある。もちろん「原発マフィア」の連中の抵抗はあるだろうが。しかし、彼らも墓穴を掘っているのでそのうち自滅するだろう。先日のエネルギー政策公聴会で東北電力の幹部や中部電力の課長がのこのこ出てきて、課長さんは「これまで原発の放射能で1人も死んだ者はいない」などと間抜けな、そして国民感情を逆撫でするような発言をして自ら墓穴を掘っている。彼らは、いいと思ってやることがことごとく墓穴を掘ることになるということすら理解できないような低レベルな連中でしかない。
7月16日のさよなら原発10万人集会で広瀬隆氏が提案した「電力会社と取引をしよう」という案に私も大賛成だ。電力会社が今、原発を再稼働させたいのは原発を止めて廃炉にでもしたら会社が倒産するからだ。倒産しないように原発は廃炉にしても資産として計上できるように商法を変えることと、国が原発の残存資産分を買い取るという条件で、原発から撤退しても電力会社は損をしないような方法を提案すればいいのだ。そして、廃炉にする原発については廃炉作業の期間、たとえば20年間は廃炉交付金を原発立地自治体へ交付する。そのような法案は議員立法でいくらでもできる。そしてそれを民主党が率先して行えば民主党は自民党に政権を引き渡す必要もなくなるのだ。そうすれば大半の国民は消費税などの法案には反対しない。税制改革や財政再建は待ったなしだということは真面目な国民ならみんな理解している。私はこの案をぜひ民主党幹部に提案したい。
by nonukes | 2012-07-18 18:31 | 原発再稼働は許さない | Comments(0)

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