2010年 10月 26日
奇人・変人の出番だ!!

小坂正則 2010.10.26
チェルノブイリ事故の半年前に公務員の私は、転勤で生まれ故郷の大分へ帰って来た。そして、チェルノブイリ事故後の5月中旬、「伊方原発3号機建設許可」というニュースを見た。事故後、全国で最初の建設許可がおりたことに憤りを感じた私は、「たった一人で伊方原発に反対する大分市民の会」という名前を掲げて「伊方原発見学ツアー参加者募集」というビラを大分の繁華街で撒いた。すると、12名の市民がツアーに参加して、伊方原発反対派の方々と交流ができた。帰りのフェリーの中で「たった一人という会の名前は下ろしてくれ。ここには12人もの仲間がいるのだから」と参加した老紳士から言われた。それが、私たちの大分での反原発運動の始まりだった。
その後、中津の作家、松下竜一さん(故人)と一緒に今日まで反原発運動をやってきたが、私たちの仲間の大半は主婦と公務員と百姓しかいないことに気づいた。「サラリーマンが会社の門をくぐったら、その先には日本国憲法が存在しない」と、よく言われるが、それは事実だった。
奇人変人が会社を作ればいい
日本国憲法の自由が保障されない息苦しい社会を変えなければ原発も止められない。そのためには自由にものが言える私たち奇人変人が会社をつくればいいのだ。九電の社員が私たちの作る『市民電力会社』へ転職したいといって来る日を目指して、太陽光発電の産直運動「てるてるちゃん」も今年で8号が運転を開始した。また、木質バイオマスの燃料化事業では大分の里山の雑木を切って薪ストーブや石焼きピザ屋さんの燃料として供給している。ペレット・ストーブの普及のために『ペレット燃料の通信販売』も始めた。20kg袋で送料込み900円は九州最安値のペレット燃料だ。ペレット・ストーブの設置では大分県はもとより九州でもトップの実績を誇る。そのほか「てるてるちゃん」オーナのための自然葬儀も手がけていこうと計画している。芸術村やエコ・ビレッジの建設など、アイデア次第では起業化の種はいくらでも転がっている。
仕組みを変えなければ何も解決しない
田中優さんが自治体に講師として呼ばれたり、私が国や県の委員や講師に指名されたりと、少しずつではあるけど私たちを取り巻く壁は壊れ始めているような気がする。しかし自然エネルギーが増えたからといって原発は簡単には止まらない。少しくらいの自然エネルギーなら権力もお目こぼしをしてくれるかもしれないけど、『原発をとめる』ということはそんなに簡単なことではない。明治維新ほどのダイナミックな国民的ウエーブがなければ原発に象徴される『大量生産・大量廃棄、使い捨て社会』は変えられないだろう。
明治維新を成し遂げた坂本龍馬は、幕藩体制という仕組みにガタが来て「江戸幕府がどうしようもないほど腐りきった果実」だったから、明治維新という新しい幕を上げることができたのだろう。
私たち日本の経営者や官僚たちには地球温暖化対策はもとより、不況と過疎化で都市にも農村にも仕事を作り出すことすらできない。私はいまの混沌とした時代が江戸末期ととてもよく似ているような気がする。脱藩浪士の坂本龍馬ではないが、いよいよ私ら奇人・変人の出番だ。
by nonukes
| 2010-10-26 19:10
| 自然エネルギー
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