2010年 06月 29日
自然エネルギーの可能性と原子力の矛盾 その3
産業界の二酸化炭素削減対策が最も重要
2009年10月31日、経済産業省は2008年度の日本の温暖化ガス排出量を発表しました。
07年度は90年比8.7%増の温暖化ガスを排出してのに対して08年度は90年比1.9%増という発表です。ということは対前年比6.8%削減されたことになります。このような大幅な削減が、米国発のリーマンショックによる世界同時不況で実現したのです。皮肉にも、京都議定書に加盟していない米国が昨年1年間で二酸化炭素削減に世界一貢献したのです。しかし、世界全体では一昨年よりも2%二酸化炭素の排出は増加したと国立環境研究所は11月18日に発表しています。
日本の二酸化炭素排出の内訳を見てみると、家庭部門が前年比4.6%削減されたのに対して、産業部門は10.4%で全体の削減量の58%を削減しています。産業界の出す二酸化炭素の量がどれだけ大きいかが分かるでしょう。まず、産業界の二酸化炭素削減対策が一番大切だということです。
電力会社の発電所が二酸化炭素を一番出している
電力消費の落ち込みはもっと凄まじいことになっています。10月の電気事業連合会の発表によると10月までの電力需要は対前年比マイナス7.7%で、大口電力はマイナス16.85%です。08年に続いて連続マイナスです。中でも中国電力はマイナス22.9%と全国一の落ち込みです。このような凄まじい電力需要の落ち込みは、二酸化炭素の大幅な削減に繋がっています。電力需要の落ち込みがなぜ二酸化炭素の削減に大きく影響を受けるかを見てみましょう。
34%が発電所が出す二酸化炭素です。次が工場などで使われる石油・石炭・天然ガスなどの燃料です。その次に多いのが運輸部門が使うガソリン・軽油などの燃料です。だから、電力需要の落ち込みがどれだけ二酸化炭素削減に影響するかがおわかりでしょう。
つまり、産業界の二酸化炭素削減が一番重要であり、その排出元は発電所だということです。ですから、二酸化炭素削減対策は①産業界への対策が一番重要で、②に発電所の発電効率を高めることで二酸化炭素削減が大幅に実現できるのです。
火力発電所の発電効率を一番高いものに
合わせれば二酸化炭素は半分に減らせる
昨年の6月、田中優さんが別府で言ったことです。火力発電所51カ所で33%の二酸化炭素を出しています。発電効率の30数パーセントのものから、最高は大阪ガスの泉北天然ガス発電所のように57%の高効率な発電所もあるのです。4基合計で110万kwの天然ガス発電所です。この発電所はコンバインドサイクル発電所といって、天然ガスでジェット・エンジンのよいうなガスタービンを回し、その後の廃熱で蒸気を沸かして、タービンを回す仕組みです。だから、蒸気を沸かすだけの火力発電所に比べものにならない効率を出せるのです。ちなみに原発は30%しか電気を作れません。残りの70%のエネルギーは海に捨てられているのです。
天然ガスを燃料とするコンバインドサイクル発電所は大分にもあります。大分の共同火力発電所は13基のコンバインドサイクルタービンを組み合わせて発電所全体の総出力は229万5千kWと、原発よりも大きな巨大な天然ガス発電所です。この13基のタービンは需要に応じて止めたり動かしたりしながら、出力調整運転を行っています。この天然ガスコンバインドサイクル発電のメリットは2つあります。1つは発電効率が57%というエネルギー効率が高いことです。2つ目が原子力などは需要の変化に対応して運転したり止めたりはできませんが、ガスコンバインド発電は可能です。だから太陽光発電や風力発電など自然エネルギーの出力変化に対応できるのです。
ガスコンバインドサイクル発電と自然エネルギーで
二酸化炭素は大幅に削減できる
中国やインドなど経済発展が著しい新興国の二酸化炭素排出量の増加は著しく、昨年は世界全体で二酸化炭素排出が増加しています。また、中国は今年度米国を抜いて世界一の二酸化炭素排出国になることが予想されています。2009年度の日本の二酸化炭素排出量は、やはり昨年同様に90年に対して小幅な増加が予想されていますが、人口減少が始まっている日本では今後、エネルギー需要、特に電力需要の大幅な減少が予想されます。
これまでの自民党政権下では経済界の強い抵抗により環境税などの経済成長を阻害する政策は一切行われて来ませんでしたが、民主党政権によりエネルギー政策の転換を図ることが出来たならば鳩山首相の掲げる2020年までに二酸化炭素25%削減するという政策目標は達成出来る現実的な目標となるでしょう。
25%削減目標を達成するためには太陽光発電や風力発電など自然エネルギーを中心とした再生可能エネルギーにガスコンバインドサイクル発電を組み合わせて、自然エネルギーの出力変動にガスコンバイン発電が負荷追従発電する方法で電気を供給する仕組みに変えればいいのです。 そのような社会への転換の可能がいよいよ現実となるでしょう。そのような近未来社会では原子力の役目は完全に終わります。
2009年10月31日、経済産業省は2008年度の日本の温暖化ガス排出量を発表しました。
07年度は90年比8.7%増の温暖化ガスを排出してのに対して08年度は90年比1.9%増という発表です。ということは対前年比6.8%削減されたことになります。このような大幅な削減が、米国発のリーマンショックによる世界同時不況で実現したのです。皮肉にも、京都議定書に加盟していない米国が昨年1年間で二酸化炭素削減に世界一貢献したのです。しかし、世界全体では一昨年よりも2%二酸化炭素の排出は増加したと国立環境研究所は11月18日に発表しています。
日本の二酸化炭素排出の内訳を見てみると、家庭部門が前年比4.6%削減されたのに対して、産業部門は10.4%で全体の削減量の58%を削減しています。産業界の出す二酸化炭素の量がどれだけ大きいかが分かるでしょう。まず、産業界の二酸化炭素削減対策が一番大切だということです。
電力会社の発電所が二酸化炭素を一番出している
電力消費の落ち込みはもっと凄まじいことになっています。10月の電気事業連合会の発表によると10月までの電力需要は対前年比マイナス7.7%で、大口電力はマイナス16.85%です。08年に続いて連続マイナスです。中でも中国電力はマイナス22.9%と全国一の落ち込みです。このような凄まじい電力需要の落ち込みは、二酸化炭素の大幅な削減に繋がっています。電力需要の落ち込みがなぜ二酸化炭素の削減に大きく影響を受けるかを見てみましょう。
34%が発電所が出す二酸化炭素です。次が工場などで使われる石油・石炭・天然ガスなどの燃料です。その次に多いのが運輸部門が使うガソリン・軽油などの燃料です。だから、電力需要の落ち込みがどれだけ二酸化炭素削減に影響するかがおわかりでしょう。
つまり、産業界の二酸化炭素削減が一番重要であり、その排出元は発電所だということです。ですから、二酸化炭素削減対策は①産業界への対策が一番重要で、②に発電所の発電効率を高めることで二酸化炭素削減が大幅に実現できるのです。
火力発電所の発電効率を一番高いものに
合わせれば二酸化炭素は半分に減らせる
昨年の6月、田中優さんが別府で言ったことです。火力発電所51カ所で33%の二酸化炭素を出しています。発電効率の30数パーセントのものから、最高は大阪ガスの泉北天然ガス発電所のように57%の高効率な発電所もあるのです。4基合計で110万kwの天然ガス発電所です。この発電所はコンバインドサイクル発電所といって、天然ガスでジェット・エンジンのよいうなガスタービンを回し、その後の廃熱で蒸気を沸かして、タービンを回す仕組みです。だから、蒸気を沸かすだけの火力発電所に比べものにならない効率を出せるのです。ちなみに原発は30%しか電気を作れません。残りの70%のエネルギーは海に捨てられているのです。
天然ガスを燃料とするコンバインドサイクル発電所は大分にもあります。大分の共同火力発電所は13基のコンバインドサイクルタービンを組み合わせて発電所全体の総出力は229万5千kWと、原発よりも大きな巨大な天然ガス発電所です。この13基のタービンは需要に応じて止めたり動かしたりしながら、出力調整運転を行っています。この天然ガスコンバインドサイクル発電のメリットは2つあります。1つは発電効率が57%というエネルギー効率が高いことです。2つ目が原子力などは需要の変化に対応して運転したり止めたりはできませんが、ガスコンバインド発電は可能です。だから太陽光発電や風力発電など自然エネルギーの出力変化に対応できるのです。
ガスコンバインドサイクル発電と自然エネルギーで
二酸化炭素は大幅に削減できる
中国やインドなど経済発展が著しい新興国の二酸化炭素排出量の増加は著しく、昨年は世界全体で二酸化炭素排出が増加しています。また、中国は今年度米国を抜いて世界一の二酸化炭素排出国になることが予想されています。2009年度の日本の二酸化炭素排出量は、やはり昨年同様に90年に対して小幅な増加が予想されていますが、人口減少が始まっている日本では今後、エネルギー需要、特に電力需要の大幅な減少が予想されます。
これまでの自民党政権下では経済界の強い抵抗により環境税などの経済成長を阻害する政策は一切行われて来ませんでしたが、民主党政権によりエネルギー政策の転換を図ることが出来たならば鳩山首相の掲げる2020年までに二酸化炭素25%削減するという政策目標は達成出来る現実的な目標となるでしょう。
25%削減目標を達成するためには太陽光発電や風力発電など自然エネルギーを中心とした再生可能エネルギーにガスコンバインドサイクル発電を組み合わせて、自然エネルギーの出力変動にガスコンバイン発電が負荷追従発電する方法で電気を供給する仕組みに変えればいいのです。 そのような社会への転換の可能がいよいよ現実となるでしょう。そのような近未来社会では原子力の役目は完全に終わります。
by nonukes
| 2010-06-29 22:33
| 脱原発大分ネットワーク
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